コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 勇者の剣は使えない
- 日時: 2010/11/12 21:00
- 名前: 白兎 (ID: 0inH87yX)
- 参照: 僕の名前はシロウサギじゃない! ハクトなんだっ!!
白兎−hakuto−です。
下手なりに頑張っていきます(@^-゜@)
タイトルに勇者の剣とかありますが別に戦闘系とかじゃありませんよ?
あ、でも主人公は剣道習ってます。
とにかく詳しい設定はまた今度。
でわでわ。
登場人物紹介>>02
- Re: 勇者の剣は使えない ( No.18 )
- 日時: 2010/08/30 17:49
- 名前: 白兎 (ID: QCkuis7p)
−部屋−
……何だか最近、変な事が起きすぎじゃないか?
告白されるは、そいつの兄は出てくるは……。
また溜息が出そうだ。
「どうした? 未来」
「いや……何でもない」
後ろから親父に声を掛けられた。
そうだ。今は剣道の最中だった。
「あ、未来、零夜がな……」
「……兄貴がどうかしたのかよ」
零夜…俺の兄さんの名前だ。
今は大学生で、今年二十歳になる。
「四段に受かったらしい」
「へー……」
兄は剣道がすごく上手かった。
今まで、一度も昇段審査に落ちた事は無かったから
今度の審査も受かるだろうなとは思っていた。
「……親父、もういい? 話」
「あ、あぁ……」
俺は兄さんが嫌い……
と言うより、「怖い」なのかもしれない。
何でかは忘れたけど。
でも、俺が六歳の頃までは、すごい仲良かったような気もする。
「そうだ、お前、今度初段受けるんだよな」
「あぁ」
「受かるといいな」
「あんなのすぐ受かるよ」
自信過剰っぽいけど、でも受かると思う。
剣道ってけっこう段が取りやすかったりするから。
そんな訳で今日も剣道。
そしてその二週間後。
予想通り俺は初段を取っていた。
- Re: 勇者の剣は使えない ( No.19 )
- 日時: 2010/08/31 14:42
- 名前: 白兎 (ID: QCkuis7p)
「未来、ちょっと来い」
今日はもう剣道教室は終わっていて
俺はもう着替えて帰るところだった。
「何?」
「お前、もう初段とったんだったな」
「あー、うん」
「見せなきゃいかん物がある」
引き止めたのは親父だった。
つーか、見せたい物って……?
早く帰って課題やんないと終わらないんだよ。
くだらない物だったら殺ス。
あー。でも親殺しってのもなー……。
って何怖いこと考えてんだよ、俺。
冗談です。ちょっとした重いジョークだから気にしないで。
親父は、道場の裏に入っていった。
俺も親父に続く。
其処には、すこし小さな扉があった。
「まさか、此処から入んの?」
「もちろん」
親父は親指を立てた。
グッじゃねーよ。
で、頭を低くしてその扉を進むと、また扉。
其れを開けると、小さな部屋に辿り着いた。
秘密部屋……?
「こんな所、あったのか……」
部屋の奥には、刀が飾られていた。
「未来、あれ触ってみろ」
親父はその刀を指差す。
恐る恐る触ってみると
バチッ という音がした。
「イテッ!!」
静電気みたいな感じがした。
でも静電気より痛かったぞ?
「これは……一体……」
- Re: 勇者の剣は使えない ( No.20 )
- 日時: 2010/09/04 15:20
- 名前: 白兎 (ID: QCkuis7p)
連れて来られた部屋には、
触ると電気が走る奇怪な剣があった。
「それはな、この家に代々伝わる剣だ」
……いやいやいや。
そんな漫画みたいな展開アリ?
確かに変な剣だけど……。
「光を司る剣……『アルフヘイム』」
光だから……電気が走ったのか?
「何で俺が其れを見なきゃいけないんだ?」
「これは、受け継がなければいけないんだ」
「何で俺なんだよ。兄さんは……」
何故かこの時の俺は若干キレかけていた。
「零夜は零夜で、他の刀を受け継ぐ事になっている」
「あの剣って、テレビで騒がれてる魔法の剣みたいな奴か……?」
「ああ。それと同じだ」
何でそんなものがうちにあるんだよ!
魔法の剣なんて、ただの噂だと思っていたのに……。
でも本当は知っていた。
ただ、忘れているだけで。
むかし、俺は「影の剣」に触った事があったんだった。
- Re: 勇者の剣は使えない ( No.21 )
- 日時: 2010/09/11 22:50
- 名前: 白兎 (ID: jdXY8NL1)
−学校−
昨日は昨日で、色んな事がおこった。
こんなにも非日常的な事が起こっていて良いのだろうか。
そう思いながら、重い足取りで学校に向かった。
だが、学校に着く途中で……
「げっ」
思わず声を漏らす。
「お、未来っ! おはょ〜」
偶然にも、火高(兄)と出くわした。
火高の挨拶は最後の方があくびのせいでまごまごしていた。
「……ぉはよ」
軽くそう言って火高の横を通り過ぎようとした。
だが、腕をつかまれる。
俺は少し驚きながら振り返った。
「どうせだし、一緒に行こーよ」
「え。いや、俺は……」
「いいじゃん、ね」
何でこいつと一緒に登校しなきゃいけないんだ。
俺は物凄く嫌そうな顔をして、無言で拒否する。
だが、一向に火高は全然気付いていない。
って言うか、腕を早く放して欲しい。
俺がそうしている間、火高は俺をじぃーっと見つめる。
じー
じ〜
じぃー
じとー
じぃ〜
「あ゛ぁ〜〜〜っ。……分かった。行くよ……」
結局、俺が折れる羽目になった。
この天然がっ。
まぁ、心の中で罵ったところで気付いてはくれない。
天然って隠れ最強キャラだと思う。
「いいの? ありがとなっ」
いいの? って。
あんなじーっっと見ておいてよく言う。
「ありがとうございますっ! 日向先パイっ!!」
火高の後ろから、ピョコンと顔をだしたのは美央。
「美央が未来見つけてさ、一緒に行きたいねって話になって、誘ったんだよ」
って言うか、さっきから何で呼び捨てなんだよ。
でも美央って……。
俺、美央の事振ったよな?
俺がそう思っていると、美央が俺を見上げていた。
「先パイっ。 わたし……」
- Re: 勇者の剣は使えない ( No.22 )
- 日時: 2010/09/12 17:29
- 名前: 白兎 (ID: jdXY8NL1)
「先パイっ。 わたし……」
美央が、俺を見上げて言う。
緋色の瞳が俺を真っ直ぐにとらえていた。
そう。
美央の瞳は緋色だったのだ。
でも、充血では無さそうだ。とても自然だから。
俺もついさっき、見つめられて気付いたのだが。
兄の乃央のアッシュブラウンヘアも変だが、
これもまた珍しい。
一体、どういう遺伝子だ。
「わたし、先パイのこと、諦めてません」
美央は続けた。
「わたし、先パイに好きになって貰える様に頑張ります!
だから……その、私のこと……見ててください!」
たとえ、それが緋色のへんてこな色だったとしても
美央の眼は、とても真っ直ぐで。真っ白で。
素直に奇麗だと思ってしまう。
「今はまだ、『後輩』でいいです。
お願いします。仲良くしてくれませんか……?」
ひどく奇麗なその顔に
俺は何故か頬が緩んで。
「……うん。よろしく」
そう言って、笑って。
「は、はい!!」
キミはとても驚いた顔をして。
それはすぐに
笑顔に変わった。
ふたりの横では、すこし寂しそうな火高兄。
……ごめん。お前の存在忘れてた。
「あーあぁぁ。美央もいつか、彼氏が出来ちゃうのかな〜」
美央はくすりと笑って。
「だと良いなっ」
その後、俺の方をちらりと見た。
うーん。
きゅんとしてしまう。
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