コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 勇者の剣は使えない
- 日時: 2010/11/12 21:00
- 名前: 白兎 (ID: 0inH87yX)
- 参照: 僕の名前はシロウサギじゃない! ハクトなんだっ!!
白兎−hakuto−です。
下手なりに頑張っていきます(@^-゜@)
タイトルに勇者の剣とかありますが別に戦闘系とかじゃありませんよ?
あ、でも主人公は剣道習ってます。
とにかく詳しい設定はまた今度。
でわでわ。
登場人物紹介>>02
- Re: 勇者の剣は使えない ( No.3 )
- 日時: 2010/08/28 12:20
- 名前: 白兎 (ID: QCkuis7p)
−日常−
自分の事が大嫌いだった。
この変な金色の髪も
年齢にしてはすこし背が高くて目立つ事も
この女みたいな名前も。
なんだよ。未来って。
今はまだ良いかもしれないけど、じいさんになったらどうするんだ。
未来おじいちゃん。
絶対嫌だ。
14歳が老後を気にせざるを得ない名前にした母をすこし恨んでみる。
この名前を付けたのは母親の方だったらしいから。
でも恨めない。
もうこの世にはいないから。
いない人間は恨めない。
こんにゃろー。
もう一つ、嫌いなもの。
学校は、一番嫌いな場所だった。
授業やテストは別に構わない。
嫌なのは休み時間と放課後。
普通は逆なんだろうけど。
とにかく、鬱陶しくて堪らない。
こんな事を言うと自意識過剰と思われるかもしれないが
自分に対するこの異常な視線や囁きが大嫌いだ。
その目や口が何を言っているのかは判らない。
多分、自分は嫌われているんだと思う。
その証拠に、誰も俺には近づかない。
ましてや友達なんて
一人もいなかった。
学校はとても暇。
だからこうやって一人、何かについて考えている訳ですよ。はい。
適当に学校を終わらせて、家まで帰った。
家と学校はけっこう近いので通学は徒歩だった。
家に帰ってドアを開けると、じいさんがいた。
このじいさんは、「ひいじいちゃん」と言うやつで。
でも「ひいじいちゃん」はながいから
「じいちゃん」と「じいさん」で分ける事にしてる。
「じいさん、ただいま」
「……ぉかぇり」
じいさんの声はとても弱弱しかった。
昔は違ったけど。
まぁ当たり前だよな。100年以上も生きてたら。
っていうか100年って。生きすぎだろ。
俺は60くらいで十分……ってまた老後の事考えてら。
- Re: 勇者の剣は使えない ( No.4 )
- 日時: 2010/08/21 18:57
- 名前: 白兎 (ID: QCkuis7p)
じいさんの名前は光流というらしい。
「光流おじいちゃん」もけっこうアレだよな……。
普段は「じいさん」だから良いけど……。
そうだ。
俺もじいさんになったら「じいさん」って呼んで貰おう。
名前無しで。
って ま〜た老後の事考えてんじゃねぇか。
それで良いのか、13才。
時計を見ると、もう五時に近かった。
あと3分もすれば長針が0につく。
「やべぇ」
呑気にじいさんの紹介なんかしてる場合じゃなかった。
急いでその辺にあった黒くてでかくて重いバッグをもち
走って−と言っても家のすぐ隣なんだけど−道場まで向かった。
「遅いぞ、未来っ!!」
案の定、遅刻。
しょうがないじゃないか。
はかまプラス重い防具は着替えるのに時間がかかる。
毎日やっている事だけど。
「もう礼と雑巾がけは終わっちまったぞ」
「今日のホームルーム長かったんだよ」
相手の顔も見ずに適当な言い訳をした。
目の前にいるごついおっさんは
此処の道場の経営者であり、俺の父親。
この親父は見た目がもう本当にごつくて。
男塾とかにいそうなくらい。……それは嘘だけど。
……男塾って今の子判る? じゃあ知ってる俺は何なんだって感じだが。
「五分遅刻だから五分間 正座してろ!」
ちぇっ。
正座は「左座右起」だから……
左足を引いて左膝から座るんだったよな。
「どっこいしょ……っと」
「じじぃか、お前は」
うるさいな。
どうせ俺は すぐ老後の心配をするじじぃだよっ
まぁそれは黙っておく。
俺は足を少し広げ、背筋を伸ばし、手を太ももの上に置いた。
すこし近くから、視線を感じた気がした。
右の方に顔を向けると、誰かと目が合った。
火高 乃央だ。
確か同じ学校で同じ学年だったと思う。
火高は何故かこっちを睨んでいる。
……俺、火高に何かしたっけ?
しゃーねーか。 俺、嫌われ者だしな。
- Re: 勇者の剣は使えない ( No.5 )
- 日時: 2010/08/22 10:32
- 名前: 白兎 (ID: QCkuis7p)
「いち!」
「「めん!!」」
「に!」
「「めん!!」」
親父の太い掛け声の後に続き、門下生たちが揃って声を出している。
その声は道場中に響き渡っている。
いや、多分 けっこう外にも響いていると思う。
随分前に風邪で稽古を休んだ時、煩いと感じた気がする。
もう二分ぐらい過ぎたかな。
俺は腰を上げて右足から立ち上がった。
それで、さっき隣に置いておいた竹刀を持つ。
「おい未来、まだじゃないか?」
「大丈夫。もう五分経った(と良いな)って」
何か色々抜けてるって?
気にするなー。
「まぁ良いか…」
親父もけっこう適当な性格なので助かる。
こういう所、親子を感じるよね。
血って繋がってんだなーって。
「じゃあまざれ」
「へーい……」
今、俺は道場の裏で休憩中。
ずっと運動しっぱなしじゃ倒れる、と言う事で
この道場では休憩タイムというのがある。
あの後俺は、前進と後進を繰り返しながらの素振りをした。
これは基本中の基本。
その割りに疲れる。
だってあの親父それを100本やらさせるんだよね。
いつもの事だけど 疲れる。
汗凄いし。
こんな格好の所為もあるんだろうけど。
「ふぅ……」
俺は手で首筋の汗を拭いた。
すると、後ろから可愛らしい声がした。
「あの、これ、良かったら……」
その子は声同様可愛らしい顔をしていた。
綺麗な真っ黒の長い髪を後ろで結っている。
モテそうな子だなーなんて思ったり。
その子が差し出してきたのは
真っ白のタオルだった。
「良いの?」
俺が言った瞬間、彼女の頬が赤くなった様な気がした。
そう考える俺は、やっぱり自意識過剰かもしれない。
「は、はい! 使ってください」
「……どうも」
本当はけっこう嬉しいんだけど、素っ気ない返事をしてしまった。
俺は、感情を出すのが苦手だった。
「じゃ、じゃあ、私は戻りますね」
そう言ってその子は道場の中へ戻っていった。
「つか、あつー……」
今はまだ夏ってほどでもないけど、湿気が多くて
外でもけっこう辛い。風が無いし。
俺はさっき貰ったタオルを使った。
彼女がくれたタオルはとても使い心地が良かった。
- Re: 勇者の剣は使えない ( No.6 )
- 日時: 2010/08/22 13:26
- 名前: 白兎 (ID: QCkuis7p)
さて、休憩タイムがそろそろ終わりそうなんで俺も道場に戻ろうかと思う。
「じゃあ、基礎稽古でもやってろ」
親父は、それだけ言うとどっかに行ってしまった。
そんなんでお金貰ってていいんだろうか。
俺は二人組になって稽古をする時は大体余り物とやってる。
此処の門下生はちょうど偶数だから二人組はかならず出来る計算だ。
辺りを見渡すと、一人、キョロキョロとしている奴がいたので声を掛け、基本稽古を始めた。
カァンッという音が何度も響く。
俺は剣道をしている時が一番好きだった。
無心になれたから。
でも
剣道以外にも、何か欲しかった。
好きな物や大切と思える時間が——
- Re: 勇者の剣は使えない ( No.7 )
- 日時: 2010/08/24 17:44
- 名前: 白兎 (ID: QCkuis7p)
−初恋−
私は、つい最近−中学生−になって剣道を始めました。
兄は小学校の頃から習っていたんですけど。
兄が毎日、家で素振りしている姿をみて、かっこいいとよく思っていたのです。
母に頼むと、喜んで承諾してくれました。
そして、一日体験をさせていただいた日。
道場の中で一番かっこいいと思ったのは、
兄でも剣道でもなく
日向未来さんと言う先パイでした。
一目惚れ、と言うんでしょうか。
私は今まで恋愛経験は無かったので、あのような事は初めてでした。
一瞬で心臓の音が高鳴って、まるで病におかされたかのようでした。
つい、目を逸らしてしまいました。
感じ悪く思われてないか、心配です。
中学校に入って、またあの先輩を見かける事が出来ました。
でも、すこしショックだった事。
日向先パイは人気があって、たくさんの方が日向先パイの事を想っていらっしゃったようなのです。
せっかくの初恋……これは叶う事が出来るんでしょうか。
『初恋は叶わない』
昔、誰かが言っていたその言葉が嘘だと信じて。
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