コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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やさしくしないで。 
日時: 2011/01/14 20:20
名前: 三春 ◆OTogeME6uU (ID: mznU1Olg)

『もう……



                 やさしくしないで』


 思わずこぼれた、わたしの本音。



 きみがわたしの肩に触れるたび、胸が締め付けられそうで。



 きみの笑顔がこぼれるたび、切なくなる。

 

 きみの声が響くたび、耳をふさぎたくなって。





 ねぇ、



          もう優しくしないで。




 このままだと、“好き”が



   あふれちゃいそうだよ。


 わたしがきみの……


 いちばんだったらよかったのに——————


————————————————————————————

はじめまして♪ 三春ですっ☆
今までなんどもこちらで小説を書いてきたんですが、なんども挫折・・・

すみません。
だから今回は絶対完結まで持っていきたいと思いますっ
目指せ! コメディ・ライト/最優秀賞!
ムリです。ごめんなさい。調子乗りました。
気に入っていただけたなら、投票して下さるとうれしいです。


——————本編——————

1章『わたしの好きな人』

>>1
>>4
>>9
>>10
>>16
>>17
>>22
>>23
>>27
>>30

2章『愛するより愛されろ』

>>31





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Re: やさしくしないで。 ( No.27 )
日時: 2011/01/15 14:32
名前: 三春 ◆OTogeME6uU (ID: mznU1Olg)


「あのさ、高橋って翔真と仲いいの?」
 授業が終わった放課後、委員会の集まりで和歌山くんと一緒になったときだった。

 大量の資料を抱え、何気なくそう問う和歌山くん。

 ……仲良くなんてないよ。
 朝までは、ちょっとは。なんて思ってた。
 けど、違ったんだよ。


 わたしのこと、なんとも思ってなかった。
 

「……違うよ」
 わたしは出来るだけ、落ち込んでいるように見せないよう笑った。
 だけど、体は正直で思いきり顔が引きつる。

「……そっか。おれさ……高橋のこと好きなんだ」

 さらりと普通の会話のように、それを口にする和歌山くん。

 え?
 今なんて?
 和歌山くんが、わたしのことを?



 頭の中がぐちゃぐちゃになって、なんにもこたえられなかった。


「だから、だから、高橋が翔真のこと好きだって思ってたし……。今日の朝ホントは聞いててわざと、わざと教室に入ったんだ」


 そうか。
 あのグットタイミングな入りは、わざとやってたんだ。


「……別に、だから付き合えとかそういうことじゃないんだけど」
「ううん。いいよ……付き合おう」

 わたしもどうしてそんなこと言ったのかはわからない。
 ただ、きっとはやく織田のことから逃げたかったのかもしれない。



 “わたしだって、あなたのことなんとも思ってなかった”


 そんなふうに、織田にアピールしたかったのかもしれない。


「まじ?」

 和歌山くんの嬉しそうな顔を見たら、余計にそう思った。
 ううん、そう思わせた。


 ……きっと、付き合っていけば和歌山くんのこと好きになれる。 
 だから、これで良かったんだよね。



Re: やさしくしないで。 ( No.28 )
日時: 2010/12/30 15:37
名前: 抹茶★゛ ◆flztcwlYqU (ID: NM3d.9Bq)
参照: @抹茶??なにそれ??おいしいよ??_____


 うわ〜;;

 切ないですね〜;;
 なんか涙が出てきちゃいました((泣

 あっ!いきなりすみません;抹茶と申します。
 題名に惹かれてやってきました野良犬ですdd←

 私も小説かいてますがこんな素敵な小説かけないと思います。

 もう文才分けてほしいくらいですw

 初対面にも関わらず長文失礼しました。


 それでは執筆がんばってください。

Re: やさしくしないで。 ( No.29 )
日時: 2010/12/30 16:30
名前: 三春 ◆OTogeME6uU (ID: mznU1Olg)

◆抹茶★゛様

ありがとうございます^^
そちらが野良犬なら、三春は野良猫ですね笑
これからもよろしくおねがいしますー

Re: やさしくしないで。 ( No.30 )
日時: 2010/12/30 17:09
名前: 三春 ◆OTogeME6uU (ID: mznU1Olg)


「じゃあさ、今日一緒に帰ろうよ」
「うん……」


 大丈夫。ちゃんと好きになれるから。
 
「おれのこと大志って呼んで? おれも、つむぎって呼ぶから」
 
 “つむぎ”
 朝、織田に言われた言葉。
 同じ風に言わないでほしかった。
 わたしを呼び捨てにしていいのは、織田だけなの。
 



 ……だめ。
 和歌山くんのこと好きになるって決めたんだから。
 こだわってちゃダメなの。


「うん。わかったよ。大志」

 わたしが名前を呼んだことに、ぱぁっと大志の顔が明るくなるのを感じた。

 ……わたしのこと、本当に思ってくれてるんだ。
 女は、愛するより、愛された方がいいんだよね。
 
 織田は、わたしのことなんか“好き”じゃない。
 だけど、

 大志は、わたしのことちゃんと“好き”でいてくれる。

 だから、これでよかったんだ。
 だから、これからはちゃんと、大志のことを好きになろう。
 だから、これからはもう織田のことを見ないようにしなきゃ。




 ……この時から、わたしの“好きな人”は大志になったんだ——————

Re: やさしくしないで。 ( No.31 )
日時: 2010/12/30 17:26
名前: 三春 ◆OTogeME6uU (ID: mznU1Olg)

    2章 『愛するより愛されろ』





「やっぱりな! 高橋と翔真はできてなかったんだ!」
「ほらな。大志とできてたんだよ」



 大志との関係が始まった次の日、うわさというものはこわいもので、もうみんなに知れ渡っていた。
 
 ……付き合ってるんだから、これくらい普通だよね?
 騒がれても、気にしないようにしなきゃ。


 ……織田は知ってるのかな?
 まだ、来てないけど。

 大志と同じサッカー部だから、もう知ってるかもしれない。
 ……別に、知られたってあっちはどうも思わないけど。
 少し、やきもちをやいてくれるかもしれない。なんて期待は最初からしていない。

 だけど、……知られていたらいたで、怖い。
 より一層、関係が壊れてしまいそうで怖い。


ガラッ

 教室のドアが静かに開いた。
 そこにいたのは、織田だった。


「ごめん! 翔真ーっ。高橋とはできてなかったんだな。だって、高橋、和歌山とできてたんだもん!」
 お調子者の桜坂くんが、織田にすぐさまかけより、そう言った。

 どきん……
 心臓が飛び跳ねる。

 織田は、どんな反応をするの?



「……そっか。大志おめでとう。前から好きだって言ってたもんなっ。高橋も大志のこと好きだったんだなっ」


 にこっと明るく白い歯をのぞかせて笑った織田。
 ……なんだ。
 知ってたんだ。大志がわたしのこと好きだったこと。
 
 もしかして、わたしと仲良くしてくれたのは、大志との関係を取り持つためだったんだ。
 あの日、わたしに『勉強教えてな』って言ったのも、大志のためだったんだ。


 わたしは笑った。 
 心から笑った。

 これで、本当に織田への気持ちがふっきれると思ったら、なんだかとてもうれしかったから。


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