コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- Monochrome Wing
- 日時: 2010/11/15 20:42
- 名前: 美純 ◆dWCUS.kIT. (ID: kQLROmjL)
- 参照: 握りしめた手をひらいても、刹那の幻だった。
▼挨拶
こんにちはまたは初めまして、美純です(^o^)
暫くどっかに吹っ飛んでましたが、また書きたいと思って帰ってきました。
今回の作品は『モノクロームウィング』です。モノクロームは黒白、ウィングは翼? だったと思います(ぇ
忙しいので亀更新ですが、そんな私のgdgd小説をどうか見守ってやってくださいm(__)m(土下座
▼お客様
そらね様 理桜様 沙菜様 ツイーティー様 tapi様 愛空様 弥生様 真飛様 KAREN様
▼目次
cast>>004
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006>>024 007>>034 008>>037 009>>040 010>>045 011>>050
012>>053 013>>054 014>>057 015>>058 016>>059
アトガキ エトセトラ>>064
▼スピンオフ(番外編)
1、反転する世界(湯坂那岐side)
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- Re: Monochrome Wing ( No.10 )
- 日時: 2010/11/12 15:54
- 名前: 美純 ◆dWCUS.kIT. (ID: kQLROmjL)
- 参照: 握りしめた手をひらいても、刹那の幻だった。
▼002
「ふあー、疲れた!」
バスケが終わって机に突っ伏してると隣から視線を感じた。ふっと顔を上げると、やっぱり天敵。
「矢野って本当女捨ててるよな。バスケで本気出すってバカかお前は」
「うっさい湯坂。私より成績悪い奴にバカ扱いされたくない」
こいつは湯坂那岐。皮肉なことに三年間クラスが一緒で席替えが無い為に毎回隣同士なんだ。ちなみに私と星也は真反対の席にいる。
星也が隣の席の北原さんに話しかけた。——ああ、やっぱ羨ましいな。彼の眼中にない私の存在がもどかしい。
「矢野、お前……」
「何? あ、宿題やってないからって見せてやんないよっ」
きっと、湯坂は気づいてる。でも絶対に核心にまでつかせてやらない。そんなこと、させない。
私だって、心から溢れそうな気持ちを押し込めるのに精一杯なんだから。
「白羽ー! 一緒に帰ろーぜっ」
「うん。……あ、ちょっと待っててね」
北原さんも誘おう、星也が喜ぶかもしれない。私は鞄を背負って北原さんの席に向かった。
「ねえ北原さん。もしよかったら星也と私と一緒に帰らない?」
「えっ……ご、ごめんなさい。人を待たせてるので」
北原さんの視線の先には、大人っぽい知的な男子。あ、確か隣のクラスの奴だ。嫌な予感がする。胸のざわめきを抑えてこそっと聞いた。
「あの人、彼氏?」
彼女はボッと顔を赤くさせてうん、と小さく頷いた。そして足早に教室を出て行った。
「白羽? 北原と何話してたんだよ」
遅いのを心配してか、彼は私のもとまで駆け寄ってきた。どうしよう。言うべき? どうやって言うの? 彼女には彼氏が居るから諦めろって?
言えるわけない。私が彼を傷つけるなんてしちゃだめだ。
「ううんっ、何にもないよ」
私は、彼の幸せの手伝いをしなくちゃいけないんだ。それ以外、しちゃダメなんだ。分かってるよ、だから……
「ねえ、星也」
「んー?」
だから、少しだけごめんね?
「先に帰ってて?」
この締め付けられる胸の痛みを、何処かで叫んで踏み潰したいの。
( 大声で嗚咽をあげながら心の中で泣いた、まるで子供の様に )
- Re: Monochrome Wing ( No.11 )
- 日時: 2010/11/12 15:55
- 名前: 美純 ◆dWCUS.kIT. (ID: kQLROmjL)
- 参照: 握りしめた手をひらいても、刹那の幻だった。
▼003
——バンッ!!
「はあ、はあ……」
教室がある二階から屋上まで全力疾走してきた。息が荒い。だけど、走ってる間は何も考えなくてよかった。
「……っ、ひっく……う」
痛い。胸がぎゅーっと押しつぶされているみたいに。嗚咽を堪えると余計に涙が溢れてくる。
北原さんには彼氏がいた。だけどそれを知らずにニコニコ彼女に話しかけている星也を見ると、胸が痛まないわけがない。
どうして、恋ってうまくいかないんだろう。すれ違ってばっかりなんだろう。北原さんじゃなくって、私を見てくれたらいいのに。
「——ははっ一人悲劇のヒロイン演じて、馬鹿みたい」
「本当、馬鹿だよ」
突然聞こえた声にバッと振り返る。一瞬星也が追ってきたかと思ったけど違った。
「湯坂……!?」
湯坂那岐だった。天敵に涙見せるとか最悪。どうせまた「涙なんか似合わねー」って言うんだよね。
「また我慢してるし。可愛げのない女」
かわいげのない、って。どうせ、意地っ張りでデブスですよーだ。……ん? また、ってどういう事だろ?
「今日黒川が北原に話しかけてた時さ、お前の顔滅茶苦茶惨めだったし」
「わ、悪かったわねっ」
うわ恥。今度から顔に出さないようにしなくちゃ。てゆーか私すごい見られてるじゃん。
「あんまりため込んだら、自爆すっぞ」
「え?」
それだけはっきり言うと、踵を返して屋上を出て行った。ため込むなって……言われたって。
「無理だよ」
だって、この恋は
私が我慢すればいいだけの恋だから。
ポタッ。
その時ポタリとアスファルトに水滴が染みを作った。
「あれ、私泣いて……?」
……ない。じゃあどうして水滴が? あー、雨降ってるんじゃん。ヤバーい傘持って来てないや。
「ってマジでヤバいじゃん! ちょ、濡れる!」
さっきまで泣いてたせいで思考回路が崩壊してたみたい。私は補助カバンを引っ手繰ると急いで屋上を駆け下りた。帰ったらずぶ濡れだなって思いながら。
( 狂った愛情と悲しみを、この雨が流してくれたらいいのに。そう強く思った )
- Re: Monochrome Wing ( No.12 )
- 日時: 2010/11/12 15:57
- 名前: 美純 ◆dWCUS.kIT. (ID: kQLROmjL)
- 参照: 握りしめた手をひらいても、刹那の幻だった。
▼004
「って、走ってもどうせずぶ濡れになるんだよなあ」
校舎を出て、数分後。冷静に考えてそんな結論が出た。ゆっくりスピードを落として雨が服にどんどんしみこんでゆくのを他人事みたいに見ていた。
ああ、何でもない一日が終わった。何かもうつまんないな。小さい頃は何もかもが楽しくって、学校に行きたくて仕方がなかったのに。
ふう、とため息をついて近くにあった水溜りをバシャンッと思いっきり踏みつけた。ひんやりと冷たさが心地よかった。
——っくしゅん!
「ん? 誰か、居るの?」
家の近くの公園に差し掛かった時、小さなくしゃみが聞こえた。ブランコを見ると傘を差さずに固まっている女の子——ってあれ……!
「北原さん!?」
「あ、矢野さん……?」
長い髪を珍しく下ろしていて、その髪が頬にぺたりと張り付いていた。毛先からポタポタと絶え間なく滴が落ちてるのを見ると、長い時間そこにいたみたい。
「と、取りあえず私の家に行こう。シャワー貸すから服乾かしなよ」
北原さんの腕を引っ張ったけど、一向に立つ気配はなくって。あげく手を振りほどかれた。
「……い」
「え?」
初めて彼女は顔を上げた。そこで初めて彼女が泣いていたことを悟った。
「いいの、このままで。私が犯したすべての罪を洗い流しておきたい」
「〜〜っ洗い流すなら熱いシャワーで流しなさい!」
いつまでも座り続けていようとする彼女を強引に引っ張って家に連れて帰った。
「矢野さんごめんなさい、シャワーと着替えまで貸してもらって」
北原さんは私より背が高いからお姉ちゃんのお下がりを貸した。さすがピッタリ。
私は彼女をソファーに促して、ココアを渡した。すぐに帰られないように。涙の真相を聞くために。
「ううん、いいの。それよりどうしてあんなところで傘も差さずに?」
聞くと、何も言わずに俯いてしまった。あれ、やっぱり聞いちゃいけなかったのかな?
「ご、ごめん。聞かなかったことに——」
「いいの、どうせなら誰かに話した方がスッキリしますし」
顔を上げた彼女はやはり目に涙をためていた。少しでも揺らせばポロリと零れ落ちそうなぐらい。だけど決してその場から逃げようとしなかった。
「彼氏に、振られたんです」
( 折れそうな心を必死に繋ぎとめて。彼が去ってしまわないように )
- Re: Monochrome Wing ( No.13 )
- 日時: 2010/10/29 19:14
- 名前: *゜ツイーティー(*´`) ◆6PCqWCIYoM (ID: OHqLaWWa)
- 参照: トゥウィーティーですよ(*´∀`)/
初めまして!!
北原チャンどうしたんだろ??
彼氏と別れたとか??
続き楽しみです!!
- Re: Monochrome Wing ( No.14 )
- 日時: 2010/10/29 20:34
- 名前: 美純 ◆dWCUS.kIT. (ID: kQLROmjL)
- 参照: 握りしめた手をひらいても、刹那の幻だった。
ツイーティー様(つづりあってますかね?)
初めましてー!!
…ビンゴです。まさかこんなに早くあてられるとは(+_+)
あ、はいー頑張ります!
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