コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ???〜おまけやってます〜
- 日時: 2011/11/30 06:49
- 名前: 栗田 和紀 (ID: lmEZUI7z)
はじめまして。
栗田和紀と申します。
一応の完成です。
でも、気に入ってないのでちょくちょく書き直します。
あと、身を置く場所を間違えました。超シリアスです。
おまけを書き始めました。良ければ読んで下さい。
おまけが本気だったりします。
シリアスにも出没しているので、そちらも是非。
感想を求めています。
一言でも頂けたら嬉しいです。
本編はno.6から始まってます。
↓
- Re: ??? ( No.17 )
- 日時: 2011/06/06 12:34
- 名前: 栗田 和紀 ◆d6U.RXJi8k (ID: yjY9NVuD)
「ん・・・あれ?」
なんだろう、体が痛い。ズキズキと痛む体を起こすと、そこは見覚えの無い場所だった。
廃墟だろうか。壁や床はボロボロで汚い。
「ここ・・・・・・どこ?」
辺りを見渡すと、真横に大きな壁掛けの鏡があるが見えた。
そこには血で汚れ、怯えたようにコチラを見ている少女が居た。
あれが、私だろうか?・・・・わからない。
自分が誰で、何をしていたのかも分からない。
不安に駆られて立ち上がろうとしたとき、自分が誰かを抱きしめていることに気づいた。
あどけない表情の優しそうな少年だ。
「ショタ趣味だったのか・・・・?」
どうやら私はそういう趣味らしい。
ぼそり、と呟いてから可笑しくなって独りでくすくす笑った。
なんだかこの少年のことは少しだけ覚えているようだ。
とても暖かくて、愛おしい存在だったと思う。
「早く目を覚まさないかな・・・・・?」
私は少年を抱えなおして、強く抱きしめた。
この少年が目覚めたらまず先に私の名前を呼んでもらおう。
それから少年の名前を聞いて、友達になるのだ。
「セーラー服とか着せたいなぁ・・・・」
少年の髪に顔を埋めた私は、とても幸せな気分だった。
きゅっと抱きしめた小さくて柔らかい体は、とても冷たかったけれど
私の心は日溜りの中に居るように暖かかった。
「おやすみなさい」
その少年を抱きしめたまま私はもう一度横になった。
楽園計画”霧島歌音”についての報告書
”感覚共有”塩崎ばにらは霧島歌音からアカシックキューブを分離させる事に成功した模様。”感覚共有”は死亡した。
霧島歌音は力を失っており、もう研究対象にはなりえない。
その反動からか、記憶を失っているらしい。
接触を試みたがすでに一般人が彼女を発見してしまった。
一般人の名は、塩崎駆汰。
”感覚共有”の実弟だ。
霧島歌音の無力化を持って、楽園計画の終了をここに宣言する。
担当 霧島 歩振
「お前が幸せになればいいと、そう願っただけなんだ」
今はもう何も無い楽園の広場にて
自称科学者は無機質な目で独り、語る。
「ばにらの命でお前が完成するのなら安い物だと思った」
そこで科学者は苦笑した。
別にばにらの命を軽んじた訳ではない。
科学者にとって歌音以外の命は意味の無いものだったから。・・・それは、自分でさえも。
「私はお前の母親になりたかった」
科学者生命(すべて)をかけて生み出した、不完全な我が子の為。
ただ、それだけだった。
歌音に容赦なくズタズタにされたあの日、そうなる事を予測していた科学者はばにらにキューブを託した。あの子は歌音が大好きで歌音もあの子が大好きだったから。きっと歌音を完全体にしてくれる。そう考えて。
だから、死に掛けた体を無理に縫い合わせ、人相を変え、ようやく二人を見つけた出した時、時歩振は驚愕した。
・・・・数年ぶりに出会えた我が子は、相変わらず不完全だった。
あのまま生きれば成人するまでに命を落とすことは知っていたから、だからばにらをけしかけた。
「ばにらにはすまないことをしたな・・・」
純粋でとても優しい子だった。
自分の幸せを壊した私に良く懐き、我が子を愛してくれた。
「お前一人では逝かせないさ。私はもうあの子には必要の無い存在だからな・・・・」
自称科学者・・・・・霧島歩振は白衣からナイフを取り出すと、自分の喉に当てた。
「今日は人間としてのお前の誕生日だ。おめでとう、歌音」
そして、小さく笑った。
- Re: ???〜おまけ〜 ( No.18 )
- 日時: 2011/06/21 11:55
- 名前: 栗田 和紀 ◆d6U.RXJi8k (ID: yjY9NVuD)
楽園時代のお話です。
「んーしょっ!よいしょっ!」
僕は必死に掛け声を上げながら、全然動いてくれない机を引っ張る。
机の裏に歩振先生のファイルを落としちゃったんだけど、隙間は狭くて手が入らないの。・・・どうしよう。
「・・・・・何をしているんですか?」
淡々とした声に振り返ると、そこには無表情で僕を見つめる歌音ちゃんが居た。
歌音ちゃんってばこの頃ちょっと大きくなっちゃって、僕の前に立つと少し見上げてしまうようになった。・・・ちょっと悔しい。
歩振先生が僕にお注射を打ったあの日から、僕の背は全然伸びなくなった。
・・・・・僕と同い年の子達はみんな大きくなっちゃうのに、僕だけがずっとこのまま。
僕はふるふる首を振ると、机を指差して歌音ちゃんに言った。
「うんとね、この裏に落し物しちゃったの」
「落し物・・・・」
僕の言葉を繰り返した歌音ちゃんは、机の角を掴んで立っていた僕を抱っこする。それから僕の背後から「ばきっっ」ってすごい音がした。
「か、歌音ちゃん」
「何でしょう」
「今の音・・・・なぁに?」
ふりかえるのが怖くて、僕が小さな声で聞いたら歌音ちゃんがひょいって僕を降ろしてそれからファイルを渡してくれた。
「落し物はこれですか?」
「あ、うんっ!ありが・・・・・・・・」
そこまで言いかけて、僕は止まった。
少し振り向きかけたときに木の破片が見えたからだ。
あれ?さっきまでそこに机あったよね!!?
「おい、私の机がないんだが」
「うきゃあっ」
びっくりしたぁ・・・・。
やれやれと呆れ顔の歩振先生が、気付かない間に僕らの後ろに立っていた。ひょいと歌音ちゃんの首根っこを掴む。
「こら、歌音。また壊したな」
「壊してません。退けたんです」
「その言葉は原型を留めたまま物体を移動させてから初めて使えるんだ。お前のはただの破壊」
「結局、彼の邪魔になるようなモノはこの世に存在してはいけないって事なんですよ。世界はそういう風に作られてるんです」
「そりゃお前の世界だけだ」
大破した高級デスクに何の未練も感じさせずに微笑んだ歩振先生に、僕は駆け寄った。
「違うの、先生っ・・・・僕が先生のファイルを机の裏に落としちゃって」
「ファイル?・・・・・あぁ、それか」
僕からファイルを受け取った先生は、何故か楽しそうに笑う。
「中身を見たか?ばにら」
「ううん、見てないよ」
「・・・・そうか」
そう言うと「お前らが居ると部屋がもたん。外で遊べ」と追い出されてしまった。
「ね、お外行こ!お外」
「・・・・・外は嫌です」
みんな居るからと外へ誘ったら、歌音ちゃんは思いっきり嫌な顔をした。歌音ちゃんが僕と話してくれるようになるまですごく時間がかかったけど、今は僕と歩振先生以外と話してるところを見たことが無い。
それじゃダメだってわかってるからみんなと遊ぼうって誘うんだけど、歌音ちゃんはすごく嫌がる。
・・・・歌音ちゃんと遊びたいって子、沢山居るのになぁ・・・・。
「どうしてヤなの?歌音ちゃん」
「・・・・・・・・」
途端無口になった歌音ちゃんは僕の体をむぎゅっってする。その時歌音ちゃんのチクチクする”感情”が伝わってきた。なんだか胸がチリチリして、すごく苛々する。何なんだろ・・・もしかして、怒ってるのかな?
「ね、ねぇ歌音ちゃん。怒ってるの・・・?」
僕の言葉に、歌音ちゃんは優しく答えてくれた。
「・・・・・・あなたに、でしたら”いいえ”。それ以外になら”はい”です」
どういう意味だろう。
歌音ちゃんの言ってることは難しくってよく分かんないや。
「みんなに怒ってるの?」
「はい」
「どうして?みんな優しくていい子なのに」
「どうしてわからないんでしょうね」
歌音ちゃんは何かを含んだような言い方で大人っぽく笑う。僕はドキッとしてしまった。・・・なんかヘンな感じ。
「僕のせいなの・・・・?」
「大まかに言えばそうかもしれませんね」
ガーン。
ちょっとショック。・・・まさかと思ったけど。
落ち込んだ僕を見て歌音ちゃんは楽しそうに笑った。
「という訳で、私は皆と遊ぶ気は無い・・・・というかアナタを手放す気がないので、諦めて二人で遊びましょう。いいですよね?」
「う、ん・・・・・・?」
なんかすごい事言われた気がするけどよく分かんない。僕は歌音ちゃんに手を引かれながら僕の部屋に向かった。
- Re: ???〜おまけ2〜 ( No.19 )
- 日時: 2011/06/29 12:00
- 名前: 栗田 和紀 ◆d6U.RXJi8k (ID: yjY9NVuD)
「歌音ちゃん、何して遊ぶ?」
あんまり広くないお部屋で僕らは二人、向かい合って座っていた。
・・・う〜ん、お部屋に来たのはいいけど、歌音ちゃんって何して遊ぶのが好きなのかな?「おままごと」とか「お人形あそび」とか、女の子っぽい遊びかなぁ・・・。
僕が首を傾げて唸っていると、歌音ちゃんは不思議そうに僕を覗き込む。
「どうしたんですか?」
「うんと、あのね、歌音ちゃんの好きな遊びってなぁに?」
「遊び、ですか・・・・・」
手っ取り早く本人に聞いてみると、歌音ちゃんは僕より苦しそうな顔で唸りをあげてしまった。
・・・・どうしよう。
と、丁度コンコンとドアを叩く音がした。
誰かが遊びに来たみたい。
「入っていーよ」
僕がそう言うと控えめにドアが開いて、男の子がひょっこり顔を覗かせた。
「あ、ちーくんだ。どうしたの?」
ちーくん・・・ホントは千鶴くんっていう、僕のお友達。いつも一緒に遊んでくれるの。
ちーくんはなんだか歌音ちゃんを気にしながら僕に言った。
「いや、途香(みちか)が煩くてさ。お前に会いたいんだと。ほれ」
千鶴くんに摘まれて姿を現した途香ちゃんも、僕のお友達。二人はいつも一緒に居て、とっても仲良しさんなの。
でも、今日は様子がおかしいみたい。
途香ちゃんはすぐにちーくんの後ろに隠れちゃった。
「途香ちゃん、どうして隠れてるの?」
「・・・・ばにらくん、あたし達とあそぼうよ」
まだちーくんに隠れながら途香ちゃんはぽそぽそと誘った。
僕はちょっと変に思ったけどこう言ったの。
「歌音ちゃんも一緒にならいいよ」
「!!」
それを聞いた途端部屋の温度が二度くらい下がった。
なんだか僕を見つめる途香ちゃんの目が怖い・・・・っ
「あーあ、言っちゃった・・・・」
「ぼ、ぼく変な事言った?」
「・・・・いや、お前は悪くねぇよ。多分」
なんか諦めたみたいに呟くちーくんに僕は慌てて聞いてみたけど、ちーくんはポンポンと頭を撫でてくれただけで何も教えてくれなかった。
「そういうことですか」
それでも歌音ちゃんは何かを察したみたいで、珍しく挑戦的に微笑んでいる。
一方途香ちゃんのほうは苦しそうな顔をしてた。
「ちょっとばにらくんと遊んだからってチョーシ乗らないでよ、無表情女」
「ちょっと構って貰ってたぐらいで図に乗らないでください、チビ」
「っ!!背は関係ないでしょ!!」
「おや、私はただ貴女の身体的特徴を述べただけですよ。何か気に障りましたか?」
「ちょ、喧嘩はやめて!ふたりともっ!」
初めて会ったハズなのに、仲悪っ!!
どうしちゃったんだろ・・・・っ
「あなたは危険ですので下がっていて下さい」
「ちょっと、ばにらくんに触んないでよ!」
「煩い女ですね。少しは静かに出来ないんですか」
「〜〜〜〜〜〜〜っ」
言われっぱなしだった途香ちゃんは唇を噛んだかと思うと、歌音ちゃんに思い切り人差し指を突きつけた。
「勝負よ!!霧島歌音!!」
「・・・・・・・・は?」
「ばにらくんを賭けてあたしと勝負しなさい!!勝った方がばにらちゃんとずううぅっと遊ぶの!!」
「み、途香ちゃんっ」
「いいでしょう。受けてたちます」
「歌音ちゃんまでっ!?」
なんだかヒートアップしている二人に僕はおろおろと見ていることしか出来なかった。
「なにやってんだか・・・・」
疲れたみたいなちーくんの呟きとともに、二人の戦いの火蓋は切って落とされたのである。
- Re: ???〜完成??〜 ( No.20 )
- 日時: 2011/07/21 14:09
- 名前: 仁都 (ID: qcI1n3YR)
栗田和紀様、拝見させて頂きました!
恐縮ながら、ご希望通りこちらで感想を述べさせていただきます。(文の長さは控えめです)
まずは感想が遅くなり、申し訳ありませんでした! 読んでから、もっと早く読みたかったと後悔、後悔です…;; とにかく面白かったです! それしか言葉がみつかりません。
ストーリーに、とても惹き込まれてしまいました。ばにら先輩が可愛すぎます。歌音ちゃんについては…可哀想だとは思いますが、その考え、行動する様子が本当に純粋で、素晴らしかったです。ラストシーンは、もう涙、涙で…今、こうして書いているだけで泣けてしまいます。きっと私は、今後も読み返しにくるだろうと自分で思っています。
最初のうちは、面白いコメディものかな?と思い、とても楽しく、読ませていただきました。歌音ちゃんの語りも、面白かったです。でも、後半になってくると、とても意外な急展開に驚きました。そこでひとつ、凄い!と思った所が、科学者さんの語りです。現実には存在しないものを語るとき、どうしても現実味のない言葉になったり、とても抽象的な表現になってしまう事があると思うのですが、それが全く見られませんでした、あたかも現実にも起こりそうな、そんなニュアンスが素晴らしいと思います。
そこから始まった後半部分は、もう切ない、切ない…! 明らかになる真実に、納得しながら、でも悲しいなと思いながら読みました。そこまでの伏線のはり方、とても素晴らしいと思います。また、それを表現する文章力!これにも感動しました。
こうして書きながら、最後、ばにら先輩のシーンを読み返しましたが、もう鳥肌が立つわ、涙が出るわ、小説にこんなに感動できるものなのかと久々の感覚を味わいました。
…控えめといいながら、なかなか書いてしまい、申し訳ありません。
そして何より、感想が遅くなってしまった事、本当にごめんなさい!!
紹介文の方は、向こうのほうでまた更新しておきますので、よろしければご確認ください。
失礼いたしました! また読ませていただきますね^^
- Re: ???〜完成??〜 ( No.21 )
- 日時: 2011/07/21 17:18
- 名前: 栗田和紀 ◆d6U.RXJi8k (ID: xEKpdEI2)
仁都様、お待ちしてました(笑)
ご感想ありがとうございます。
自分で読み返すたび「うわぁ、何この超展開www」とか自己嫌悪に陥るのですが、仁都様のおかげで生きる希望は見出せそうです・・・・。
紹介文も拝見させて頂いたのですが、別の話なんじゃねぇかと疑いたくなるほど描写が格好よかったです。
おまけも地道に続けていきたいので、「あぁ、そんな奴いたなぁ」と頭の隅にでもちらついた時でいいのでまたいらしてくださいっ
ありがとうございましたっ
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