コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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【秋原かざや様作】☆CLOVER☆【キャラ絵】
日時: 2012/07/26 16:20
名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: vuXCwYqs)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=27604

お知らせ >>73


       ——————————————————


どうも、かがみと申すものです(´・ω・`)
小説書き過ぎなのはご勘弁(((((((((

この小説の題名は、くろーばーです!

まだ初心者なので、あんまり面白くはないと思いますが、応援よろしくです^^
上記URLは僕の小説です。結構前から書いてます


○o。.注意・るーる.。o○

☆僕のことが嫌い、または、僕の小説が嫌いな方は戻る!

☆↑と同じく、荒らしやチェンメなどもお断り

☆こんな奴に文才を求めないでください、絶対損します

☆SF、というか、ファンタジー+魔法系です

☆アドバイスなど、あったら教えてください

☆気が向いたら書きますので、更新スピードはバラバラです

☆警告なしで修正することがあります

☆パクリしないでください!(しない)

☆思いっきり厨二作です


今のところはこれぐらい。また付け足します!


○o。.目次.。o○

あいさつ・ぷろろーぐなど >>0
オリキャラ募集用紙 >>18
リリーまとめてみた(キャラ絵付き) >>26

一話   >>1
二話   >>2
三話   >>3
四話   >>4
五話   >>5
六話   >>6
七話   >>9
八話   >>12
九話   >>13
十話   >>14
十一話  >>19
十二話  >>20
十三話  >>27
十四話  >>30
十五話  >>38
十六話  >>39
十七話  >>41
十八話  >>44
十九話  >>46
二十話  >>47
二十一話 >>48
二十二話 >>55
二十三話 >>57
二十四話 >>61
二十五話 >>62
二十六話 >>63
二十七話 >>64
二十八話 >>70
二十九話 >>71
三十話  >>77 ネタ=チャイ提供(ありがとう!)
三十一話 >>80
三十二話 >>83

オリキャラ短編(エリザ) >>23
オリキャラ短編(サイラ) >>35


特別編 リンネの優雅(?)な休日 >>60


*ギャラリー*

キャラ絵 リリー >>26
キャラ絵 エリザ >>28
キャラ絵 リリー >>43 リベンジ!
キャラ絵 サイラ >>49
キャラ絵 リリー >>72 来音ララさん作!
イメ画  ペンダント >>76 リリーのペンダント!


雑談広場 ぷちくろ! >>15 〜憂鬱な月曜日〜
雑談広場 ぷちくろ! >>69 〜トークで行こう!火曜日〜


小説鑑定 パート1 秋桜様 『貴方の小説読ませてください!』より >>40

声つけさせていただきました! 狂音様『貴方の小説のキャラの声つけまふ』より >>42
(リリー・ミクル)

○o。.登場人物.。o○

名前:リリー・ミクル

性別:女

性格:明るく元気でしっかり者。しかも優しい。男子からも女子からも好かれやすいが、成績だけは悪い

容姿:青髪ツインテールに、青い目。学校の制服

年齢:十三歳

趣味・特技:趣味も特技もお菓子作り(特にアップルパイが好き)

好きな物:お菓子作り(またはお菓子)・遊ぶこと・学校

嫌いなこと:算数・理科など、体育以外の勉強全般(学校は好きなのに・・・)・分厚い本を読むこと

一人称:あたし

二人称:○○君・○○さん・呼び捨て

三人称:○○君達・○○さん達・○○達

階級(五段階):一段階

誕生日:二月十八日

星座:水瓶座

フェアリー:もっふー

サンボイ:
「あたしはてっきり、ボーカロイドかと思ったけど」

「えへへ! 得しちゃった♪」

「やった〜! アップルパイ出来たよ!」

その他:料理作りが得意。歌が上手い。夢は一流の魔法使い


名前:ミリア・サリジア

性別:女

性格:マイペースで、明るい。たまについていけない時がある

容姿:きれいな緑色のポニーテールに、緑の目。制服

年齢:十三歳

趣味・特技:家事

好きなこと:本を読むこと

嫌いなこと:勉強

一人称:ボク

二人称:○○君・○○ちゃん・呼び捨て

三人称:○○君達・○○ちゃん達・○○達

階級(五段階):一段階

誕生日:三月十二日

星座:うお座

フェアリー:アルト

サンボイ:
「ボク? ミリア! 覚えてね!」

「う〜ん……。それは微妙」

「ボクのテンション、ついていけないって?」

その他:リリーと同じく、歌が上手い。二歳上の姉がいる


名前:シフォン・リジェール

性別:女

性格:ド天然で、SもMもあるN娘(大体M)。嫌いな奴には容赦ない。虫が大好き

容姿:茶色のサイドテールに垂れ目。制服

年齢:十三歳

趣味・特技:ピアノを弾くこと

好きなこと:外で遊ぶこと

嫌いなこと:勉強

一人称:ぼく

二人称:○○ちゃん・○○くん・呼び捨て

三人称:○○ちゃん達・○○くん達・○○達

階級(五段階):一段階

誕生日:十一月二十五日

星座:いて座

フェアリー:ルンちゃん

サンボイ:
「ルンちゃ〜ん、朝だよ〜!」

「外遊びと虫取りなら、負けないよ」

「ごめんね、ぼくは負けるわけにはいかないんだ」

その他:意外と手先が器用。本人曰く、ルンちゃんと一緒にいると落ち着く


名前:リンネ・ブルータス

性別:女

性格:大人っぽい。ちょっとツンデレ。一人になるのが嫌いなのに、一人ですねることが多い。四人の中で一番賢いのかな?

容姿:水色のセミロングに制服

年齢:十三歳

趣味・特技:アクセサリー集め

好きなこと:おしゃれ

嫌いなこと:一人になること

一人称:あたし

二人称:呼び捨て

三人称:あんた達

階級(五段階):一段階

誕生日:十二月二十五日

星座:やぎ座

フェアリー:ブルー

サンボイ:
「あたしのこと、嫌い?」

「このハートの髪飾りは、ぜ〜ったいに、誰にもあげないんだからね!」

「ブルー、ごめんね……(ブルーとけんかした時)」

その他:ブルーとだけ、心を通わすことが多い


(野薔薇作)
名前:エリザ・マリージア

性別:女

性格:素直でよく笑う。素直すぎて、人の悪い所も容赦なく言う。

容姿:紅いゆるふわロング。制服を可愛く着こなしている。八重歯が特徴。

年齢:十三歳

趣味・特技:歌とダンス

好きなこと:動く事

嫌いなこと:じっとしている事

一人称:私

二人称:〇〇ちゃん、呼び捨て

三人称:皆、〇〇達

階級(五段階):一段階

誕生日:八月十五日

星座:しし座

サンボイ:
「私エリザ。よろしくねぇ〜、あは☆」

「え〜・・・これまずいよ。味覚おかしくなりそう・・・」

「何か動かないと落ち着かない・・・」

その他:ダンスなど、運動系が得意。


(そらねこs作)
名前:サイラ・カミール

性別:女(少女)

性格:無口、謎が多い、人見知り

容姿:黒髪ショート、ゴスロリ着用

年齢:十三歳

趣味:謎

好きなこと:特になし

嫌いなこと:特になし

一人称:自分

二人称:君(仲良くなると名前で呼んでくれる)

三人称:君達

階級:(五段階)三段階

誕生日:謎

星座:謎

サンボイ:
「……自分は飛び級だから」

「うるさい……静かにしてくれないかな…」

「名前?…今更?……サイラ・カミール」

 
その他:本が好きらしい


☆サブキャラ☆

・お母さん
リリーの母親。
女手一つでリリーを育ててきた、明るい人。
リリーのことを誰よりも大切に思っている。

『仕事? 今日ぐらい休んでも大丈夫よ!』

・もっふー
リリーのフェアリー。臆病で、内気な性格。子犬の小さいバージョンみたいな見た目。
名前の由来は、単にモフモフしてるから。

『……きゅん?』

・ルンちゃん
シフォンのフェアリー。うさぎみたいなリスみたいな未確認生物。優しくて心強い。♂
本名は一応あるけど、今はルンちゃん

『ルンルンるるる〜ん!』

・アート・ニコル
成績優秀なリリーのクラスメイト。眼鏡をかけている。顔も性格も悪く、女子には全くもてない。
ちょっぴりナルシスト。成績はいいが、まだ一段階。モデルのキャラクターはぷよぷよのクルーク・・・らしい。
父親がアートディレクター。

『すべて、僕の計算通りさ!』

・校長先生
本名不明。ポ●モンで言うと、オーキド博士。意外と抜けてる。リリーよりもバカ(性格的にね)。
校長歴は結構長いらしい。

『うおっ、腰が、腰がぁ〜!』

・アルト
ミリアのフェアリー。キノコが大好物。名前の由来は、声の質がアルトっぽいから。
鳴き声は基本「トト!」という意味不明な声。

『トトト! トトト!(キノコ! キノコ!)』

・ブルー
リンネのフェアリー。飼い主(?)に似て、ツンデレ。
水色の小鳥。頭に青のリボンを付けている。このリボンはリンネとおそろい。
数少ない女の子フェアリー。

『ちゅんちゅん』

・メラン
勝気で傲慢な、リリーのクラスメイト。
成績も、運動神経も抜群。
だけど、嫌われやすい。いつも三人の女子を引き連れている。
ミリアの母親と、メランの母親同士仲が悪い(ミリア、メランも仲が悪い)

『ぜ〜ったいに、負けないわよ!』

・エルザ
リリーのクラスの委員長。
成績は良いが、運動神経は超絶に悪い。
メガネちゃん。しててもしてなくても美人。
ちょっと無口。

『……私に何か用ですか?』

・フリント先生
召喚術の先生。
しっかり者……だと思う。優しいので、生徒や先生に人気。
生徒に甘い

『皆さん頑張ったので、今日は勉強をなしにしましょう!』

・ファザー先生
フリント先生と同期。
基本優しいが、怒ると怖くて毒舌になる。
リリーと同じく、アップルパイが大好き。
そして料理に厳しい。

『う〜ん、これ……まずすぎるわ』

・チェイン
黒猫の女の子フェアリー。
気まぐれで、エリザにしか懐かない
(野薔薇作!)

・リウヴァ
リリーを苛めていた女の子。
通り魔に刺し殺された

・シェルニー
同。人を苛めるのが好き。
通り魔に刺し殺されたw(ぇ

・ココラ
心優しい女の子。お母さんが病弱で、いつも世話をしている。
十歳のころ、リリーの友達だった(今も?)

『リリーちゃん、ありがとう! お母さんに、渡すね』

・ラミア・サリジア
ミリアの二歳上のお姉ちゃん。
美形&頭脳明晰。背が高い。
学校の人気者。
錬金箱を発明した天才少女。
人の話を聞いていない時がある。

『あーごめん! 今私、時間ないわっ!』

・ククル
コウモリの女の子のフェアリー
目が赤く皆にこわがられてる
(そらねこs作!)

・フエルア先生
フェアリー学の先生。
年齢不詳(五十代っぽい)。
フェアリーを観察するのが趣味。

『ファリーって、良いですよ?』

・ライト先輩
三年生の男子生徒。
成績はあまり良くないが、運動神経は抜群。
ミリアの姉、ラミア・サリジアの幼馴染でもあり、恋愛相手(方思い?)。
要領は悪いが、明るいので人気。

『いえっす!』

・サトミちゃん
大人しくて優しい女の子。
綺麗な物を見ると、一目ぼれしてしまう癖がある。
ココラちゃんにどことなく似てる!?

『サトミです。名前が人間界っぽいの、私だけなんですよね』

・アズリ・カーチェスト
華奢で、ぶりっ子な女の子。男子には人気だけど、女子には不人気?
腹黒いくて、結構めんどくさがり屋。わがまま。
女子には本性を見せる……という噂。
語尾に『♪』がつくことがある。

『アズリです! アズきゅんって、言ってくださいネ♪』

・双葉 恵(ふたば めぐみ)
人間界からやってきた十三歳の女の子。
草原の小さな小屋で仕事をしているせいか、鳥や犬などの動物が寄ってきやすい。
明るくて、どこか憎めない性格(天然?)。だけど、少し恥ずかしがり屋な所も。

『あれ? ここは、どこ……』

・レミリア・マーガレット
金髪僕好みの女の子。ラミアと同じくらいの天才。いつでも元気いっぱい。
不可思議な現象や幽霊話が大好きで、いつも本を読んでいる。
九歳(にしては幼稚)。

『学校の七不思議について、レミーが教えてあげるよっ!』

・ドッペルゲンガー
リリーに変身(?)していた女の子。詳しいことは良く分からない。
悪戯好き。ドМで毒舌。一人称は僕。

『ビックリしましたか? 君はやっぱり騙されやすいですね〜』

*お知らせ*

*作成日 2012年 4月25日
*ただいま、一話から読みやすくするため少し(?)訂正しています(´・ω・`)

○o。.ぷろろーぐ.。o○

 時は、十三歳の誕生日。
 お母さんが、いつも通りのニコニコした笑みを浮かべて、こう言った。

「リリー。あなたもそろそろ、魔法使いになったら?」

 この世界では、十二歳以上なら魔法使いになれるという、規則がある。
 だけど、あたしは絶対にムリ!
 だって、成績悪いもん!(キッパリ)

「やだ、絶対に!」
「どうして? 顔はそこそこ良いのに」

 む。そ、そういう問題じゃないよ。
 よし、そっちがその気なら!

「分かった! ぜ〜ったいに、一流の魔法使いになってやる〜!」



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Re: ☆CLOVER☆ ( No.2 )
日時: 2012/06/16 22:02
名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: u5JYbeHw)

○o。. 二話 魔法学校何それおいしくない .。o○

「着いたぁ〜」

 ミリアちゃんに腕をひかれて約二十分ほど。 花がいっぱいで、大きな時計が着いた、きれいな学校が見えた。

「ミリアちゃん、ここ、どこ?」

 まだあたしの腕をつかんだままのミリアちゃんに聞いてみる。

「ん、ここ? フェアリー学園!」
「フェアリー……。 妖精?」

 ミリアちゃんはあたしの質問には答えずに、ただただ、朝の八時を少し過ぎた針の時計を見ながら、じっとうつむいている。
 あたし、何かヘンなこと聞いた……のかな?

「ミリア……ちゃん?」
「あ、ごめんね。 ちょっとボクの妖精のこと考えてて……。 他の子にイタズラしてないかなって」

 ……妖精、か。 なんか、嫌な予感がする。 めちゃくちゃになりそう。 もうミリアちゃんの電波っぷりには慣れたけど……。

「さ、行こっか」

 ミリアちゃんはまた、あたしの腕をぐいっと引っ張って、そのままフェアリー学園(?)の中に近づいて行った。

「そ、それで、あたしは学校に着いたらどうしたらいいの?」

 どーせまた電波なことしか言わないだろうな、と思いながらも、ミリアちゃんに聞いてみる。

「校長室にいる校長先生に会って! まだ分からないだろうし、ボクが案内するから」
「ありがとう。 気を使わせちゃって」

 こ、校長先生……。 あたしはそんな先生、まだ見たことないんだけど……。 初対面の位が高そうな人と、あたしなんかが何を話せばいいんだろう。
 ま、これは今のところ置いといて……。
 いつの間にか、あたしはもうフェアリー学園の中に、右足を入れていた。

「きゃああぁぁぁっ!」

 驚きのあまり、思わず変な声を出してしまった。 そしたら、階段の後ろから、三人の女の子が出てきた。 皆、子供。 もしかして……。 あたし、めっちゃ恥ずかしいことしたな。
 「リリー、どしたの」と、ミリアちゃんがあたしの方を振り返って聞く。 突然あたしを呼び捨てにしてるのは、もうスルーでお願いします。

「……何なの、あの子。 いきなり大声なんて出して……」
「しかも、朝だし。 妖精たちが起きた時間なんだよ! ルンちゃ〜ん」
「あの人、恥ずかしくないのかしら……」

 突然さっきまであたしをジロジロ見てた、三人の女の子が、ひそひそ声で、あたしの悪口を言っている。 丸聞こえだよ……。

「さ、あんな子たちほっといて。 まずは、職員室だよ」
「あ、うん……」

 ごめんねミリアちゃん。また気を使わせちゃって。 少し重い気持ちで、下を向く。
 あたしはミリアちゃんに着いて行きながら、こう言ってみた。

「あの……。 妖精って、何?」
「え、知らないのぉ〜? 妖精は、妖怪の『妖』に、精神力の『精』って書いて、妖精だよ! リリー、もしかして日本語が分からないとか……。 日本人の癖に」
「もー、そういう意味じゃないもん! 大体、例えの単語が怖すぎるよ! 妖怪に、精神力って……」

 日本語が分からないのは、ミリアちゃんの方でしょ! あたしは、思わず頬を膨らます。

「はいはい。 この学園ではね、妖精をペットに出来るの! すごいでしょ! ……はいこれで終了。 分かった?」

 全然。 と口に出す前に、ミリアちゃんが「やっと職員室に着いたよ!」と言った。
 ドアの前に、金色の文字でこう書いてある。

『校長の部屋☆』

 文字が金色ってくらい、偉い人なのかな……。 さすがに☆を付けるのはどうかと思うけど。

「じゃ、ボクはこれで。 頑張ってね!」

 そう言って、ミリアちゃんはスタスタと階段の方に向かって歩いて行った。 お〜い。
『頑張ってね』って、どういう意味ですか? まあ、いいや。
 あたしはドアをコンコンとノックして「校長先生、失礼します」と言った。

Re: ☆CLOVER☆ ( No.3 )
日時: 2012/04/27 20:27
名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: JkjZHF0x)

○o。. 三話 作者の作る校長先生は← .。o○

「校長先生、失礼します」

 落ち着いた口ぶりで言ってみたものの、やっぱり、声が上ずっていた。そして、少しの沈黙の後、校長先生らしき人の、低い声がする。

「・・・・・・転校生のリリー・ミクルさんですね。お入りなさい」

 その声に、あたしはとてもほっとした。小さく「良かった・・・・・・」とつぶやく。
 そして、重いドアを開ける。

「校長先生・・・・・・」

 目の前には、少しでっぷりした体格の良い中年の男と、メガネを掛けた大人しそうな女の子がいた。若干、あたしより背が高いこの子は、さっき三人グループの中にいた女の子だ。あたしの方をジロリと横目で見ると、すぐに目を手元の本に落とす。
 ふん、別になんでも良いけど・・・・・・。 
 校長先生は、黒っぽい椅子に座った。

「リリー・ミクル・・・・・・。確認しました、校長先生」
「宜しい」

 メガネの女の子は、校長先生に、手元の本を見ながら言った。

「さて、リリーさん。ここに座りなさい」

 校長が言うと、ポンと、あたしの横にどこにでもあるようなパイプ椅子が現れる。さすがのあたしでも、もう分かった。
 本当はもっと早く気付くべきだったのかもしれないが・・・・・・。
 ここは間違いなく、『地球ではない』世界だった。

 あたしはパイプ椅子に恐る恐る座った。
 甲高い『キキッ』という音がするだけで、普通のパイプ椅子とあまり変わりはなさそうだ。あたしはまたほっとして、さっきより深めに座った。

「ここに君を呼んだのは他でもない、この学園特有の、特別な話だ」

 はいはい・・・・・・。そのくらい、最初から分かってますよ。

「この学園では、生徒に一人一人、『フェアリー』と言うものを、神から授かることが出来る。その『フェアリー』の種類を、君に選んで欲しいのだ」

 校長がコホン、と咳払いする。お、面白いことになってきたぞ!

「エルザ。フェアリーのサンプルを持ってきなさい」
「はい、校長先生」

 と無表情で言うと、踵を返して奥の扉へとスタスタと進んで行った。あの子、委員長か何かなのかな・・・・・・?

「エルザがいない間、紅茶でも飲んで少し話でもしよう」

 またまたポンと、青と白、そして金色で施された豪華なコップが机の上に置かれる。数秒遅れた時に、水がいつの間にか湧いてきていた。
 ・・・・・・魔法ってホント、良く分かんない。

「ストーンシティは、楽しかったかね?」

 ストーンシティとは、あたしと家族が住んでいる家がある、ちっぽけな街だ。

「は、はい。一応・・・・・・」

 あたしはしどろもどろで、そう答えた。校長は動揺した素振りなど全く見せずに、質問を続ける。

「そうか。ストーンシティに住んでいる人はあまり魔法を使わないから、ミリアに会って大層驚いただろうな」
「・・・・・・え、えっと・・・・・・まぁ」

 早くフィアリーとやら、来い! 会話が続かないよう・・・・・・。
 あたしの思いが天に通じたように、そう思った瞬間、エルザと呼ばれた女の子が奥の部屋から戻ってきた。

「お待たせいたしました。フェアリーのサンプルです」

 そう言ってエルザが見せたものは・・・・・・?

Re: ☆CLOVER☆ ( No.4 )
日時: 2012/04/28 22:38
名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: JkjZHF0x)

○o。. 四話 フェアリーはいろいろ .。o○

 そう言って、エルザが見せたものとは・・・・・・。

「・・・・・・妖怪?」

 三匹の、個性的な形をした・・・・・・フェアリー。三匹とも、体調が合うような網目の箱の中に入っていた。

「きゅー?」

 一匹目は、つぶらな瞳に薄ピンクの可愛らしい尾羽。どうやら、鳥の妖精のようだ。こちらを見ると、首をかしげた。

「るっちゃ! ・・・・・・るきゅー」

 二匹目は目つきが悪い、緑のネズミ。籠の中で、ちょこちょこと動きまわった末、疲れて寝てしまった。

 さあ、いよいよ三匹目・・・・・・と思い、小さめの箱の中をのぞいたら、何もいなかった・・・・・・いや、いないように見えた。
 フェアリーは小さく、箱の隅っこに丸まっていた。小刻みに、プルプルと震えている。丸まっているので、茶色の毛以外には、何も分からない。

「校長先生、この子・・・・・・」

 あたしは三匹目のフェアリーを指差した。

「ああ、この子・・・・・・この子にしない方が良いですよ。このフェアリーは、人に会うとすぐに動揺して、慣れるのには時間がかかります。大抵の人はこの子を選ばなかったんですよ。それに、この子が近くにいると、ときどき私の腰が痛くなります」
「・・・・・・そうなんですか」

 ・・・・・・それはフェアリーのせいじゃないんじゃ。
 あたしはもう一度、子羊のように丸まっているフェアリーを見た。すると、フェアリーの方も恐る恐るあたしの方を見る。・・・・・・子犬のフェアリーなのかな。

 ・・・・・・可愛い。
 一匹目のフェアリーのような丸い目。二匹目のフェアリーのような無邪気な顔。
 あたしはこの子に、一目ぼれしてしまった。

 もう一度、あたしは一匹目、二匹目のフェアリーをちら見する。
 二匹とも、可愛いけど・・・・・・

 あたしは、哀れな容姿に、ビビッときた。

「校長先生、やっぱりあたし、この子にします!」
「そうですか・・・・・・? 本当に?」
「はい、可愛いんです!」

 そう言って、三匹目のフェアリーを拾い上げた。ファリーは顔を近づけて、興味深そうに(でも警戒して)あたしの顔を覗き込むと、驚いたように顔をそらした。

「まあ、これは私が口出しすることではありません。では、リリーさん、このフェアリーに名前を付けてください。男の子ですよ」
「はい、う〜ん・・・・・・」

 あたしは少しの間、フェアリーの体を見続けて、「決めた!」と叫んだ。

「あたし、決めました! 『もっふー』です!」
「・・・・・・変わった名前ですね」

 すると書記のエルザはカリカリと、手元の手帳に何かを書いた。
 エルザがシャーペンを持った隙に表紙を覗き込むと、銀色の文字で『生徒手帳』と書かれていた。

「はい、これで用事は済みました。地図を渡しておきます。これを見ながら、「リリー・ミクル」と書きこんである部屋へ行ってください。それが、君が今日から世話になる寮です」
「はい」

 ・・・・・・この学校って、寮なんてあるんだ。
 あたしは校長先生から受け取った、薄い本を見て場所を確認し、パラパラとめくった。

「フェアリーは、後から君の部屋へ送っておきます。待っていてください」
「ありがとうございます」

 あたしは礼を言い、校長室を後にした。
 ・・・・・・もっふー、よろしくね!!

Re: ☆CLOVER☆ ( No.5 )
日時: 2012/04/30 09:08
名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: JkjZHF0x)

○o。. 五話 魔法学校の生徒達 .。o○

 次の日。
 一度寮の自室で寝たあたしは、元気いっぱいだった。もっふーと寝ると(もっふーは驚いてたけど)、ふかふかして、心地よかったからでもある。

「あ、おはようリリー。早いね」

 カーテンをくぐり抜けて、ミリアちゃんが入ってきた。

「うん、フェアリーのおかげでぐっすり眠れたよっ!」

 あたしはそう言って、ミリアちゃんにもっふーを見せた。

「へー、そのフェアリーって、ずっと残ってた子じゃなかったっけ」
「そうなの?」

 何でだろう・・・・・・。つぶらな瞳で、と〜っても可愛いのに!

「さ、リリーも制服に着替えて。早めに授業の準備しとこ♪」
「は〜い」

 あたしは校長先生からもらった鞄の中から、制服のローブを取り出した。女の子だけだったら良いやと、ごそごそ着替え始める。

「やっぱり、リリーって古いよね〜。そんな暇があったら、魔法使っちゃいなよ!!」
「え? でも・・・・・・」

 あたし、魔法の使い方なんか知らない、と言おうとした時、突然扉から女の子が入ってきた。

「ミリア、転校生さん、大変! もう授業が始まっちゃうよ!」

 入ってきたのは、茶色のサイドテールにちょっと垂れ目の、ウサギみたいなリスみたいな、良く分からないフェアリーを乗せた、女の子だった。

「え? シフォン、一時限目は八時からじゃなかったっけ?」
「昨日、先生が言ってたよ、この授業は時間が掛かるから、七時半からだって・・・・・・」

 ガ〜ン!
 あたしは良く分からないけど、ヤバい状況なのは確か!

「ごめんリリー、ボク、先に行ってる!」
「はぁ〜!?」

 それはひど過ぎだよ!
 あたしは、すばやくローブに着替えた。

「あ、そうだ! 転校生の人は迷うことが多いから、もうちょっとゆっくりしてても良いって、先生言ってたよ!」

 茶色サイドの女の子は、思い出したように言った。

「そうなの? じゃああたし、歯を磨いてから行くから!」
「そうして! 一時限目は召喚室だからね〜!」

 今度はミリアちゃんが、あたしに手を振りながら走って行った。

「・・・・・・あれ? 何で見たこともない女の子が転校生の事知ってたんだろ・・・・・・? ま、良いや!」

 あたしはこれ以上、深く考えないようにした。

「・・・・・・きゅ〜?」

数十分後-------

「さ、そろそろ出発しようと! もっふーは、ちゃんとお留守番しててね!」
「きゅー!」

 もっふーも少しづつ、あたしに慣れてきたみたい・・・・・・。
 そしてあたしはもう一度もっふーに「行ってきまーす」と言って、部屋を後にした。そして手元の地図を見ながら、召喚室に向かう。

「あ、ここだ!」

 ドアの前には校長室と同じように、「召喚室」と銀色の文字で書いてあった。

「失礼しま〜す」

 あたしはこう言いながら、重いドアを開ける。
 正面には、黒板もチョークも、机も椅子もなかった。
 そのかわり、水色の文字で「転校生リリー・ミクルさん、フェアリー魔法学校へようこそ!」と書かれた布が、ヒラヒラと舞っていた。

「やっと来たぁ〜、待ってたんだよ。リリーさん♪」

 さっきあたしの部屋に来た女の子が、こう言った。

「リリーにばれないで良かったー!」

 こう言って胸を下ろすのは、ミリアちゃんだ。

「・・・・・・私とリリーさんは、あまり面識はありませんけど」

 こう言うのは、校長室にいた女の子だ。あまり興味なさそうに本を読んでいた。

「べ、別に初対面のあなたなんかに、お礼は言われたくないんだから!」

 こう言った女の子は、あったこともない、水色セミロングの子だ。・・・・・・いや、あったことがある。しかも、昨日。
 変な声を出したあたしに、こそこそと文句を言っていた女の子の一人だ。
 へー、こそこそトリオ三人組か。
 ま、それはこのことに免じて許してあげましょう!

 あたしは皆に精いっぱいの笑顔で「皆、どうもありがとう!」と言った。
 新しい学校生活、よろしくね---------

Re: ☆CLOVER☆ ( No.6 )
日時: 2012/04/30 10:41
名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: JkjZHF0x)

○o。. 六話 行方不明の女の子 .。o○

 その日の数十分後。
 この入学お祝いパーティ(?)は、先生にすべて内緒で用意していたので、自力で片づけなければならなかった。
 あたしは、皆に気になったことを伝えてみた。

「魔法で片づけしちゃえば良いのに・・・・・・」

 すると、近くにいた水色のセミロングの女の子が、答えてくれた。

「バカね、フェアリー魔法学校では、自分の寮で朝の用意をする時と、校長先生に許可された時以外、学校の中で魔法を使うことは校則違反なのよ」
「そうなの?」

 あたしがそう言った時、

「ちょっと〜! リンネとリリーも、手伝ってよ!」

 近くから声がした。声のした方を振り向くと、そこには、ミリアちゃんがいた。

「二人してサボるなんて、ひどいわよ! 時間ないんだから!」

 手を腰にしてプンプン起こってるミリアちゃんに、セミロングの女の子-------リンネちゃんは、攻撃的に答えた。

「は〜あ!? あたしは、こいつにフェアリー魔法学校の校則の事を教えてるだけだもん!」

 そして、リンネちゃんはあたしの事をビシッと指さした。

「え、あたしのせい?」
「そうなの!」

 あたしはただ気になったことを声に出しただけだもん! と言おうとした時-------、ミリアちゃんが叫んだ。

「リリーは、転校生だからしょうがないじゃん!」
(ミリアちゃん、あたし達の話、聞いてたんだー・・・・・・)

 ミリアちゃんがあたしをかばってくれると、リンネちゃんはじーっとあたしとミリアちゃんのことを睨んで、

「ふんだっ」

 あっかんべーをして、どこかへ行ってしまった。

「まったくもー・・・・・・」

 ミリアちゃんが、こうつぶやいた。

「追いかけなくて良いの?」
「良いの良いの。リンネはああやって、些細なことですねると、すぐに戻ってくるの・・・・・・」

 そう聞いて、あたしはほっと肩をなでおろした。
 机と椅子も元通りにし、あたしは最前列にリンネちゃんと座った。

 さて、片づけがなんとか終わって、生徒達が数十人集まりった。
 そしてさらに数分後、召喚術授業のフリント先生が扉から入ってくると・・・・・・。

「おはようございます、皆さん。・・・・・・リンネ・ブルータスさんを知りませんか?」

 え? リンネ・ブルータスって・・・・・・。
 もしかして、水色セミロングの女の子?
 少しの間をおいて、隣に座っていたミリアちゃんが、突然立ち上がった。

「あの、さっきボク達が早めに召喚室にリンネと来て、そしてちょっと・・・・・・けんかしちゃって、すねて、良く分からなくて、どっか行って・・・・・・」

 ミリアちゃんが続きを言おうとした時、フリント先生はミリアちゃんの発言を拒んだ。

「ミリア・サリジアさん、事情は良く分かりました。では今日は授業をなしにして、皆さんでブルータスさんを探しましょう」

 途端に、後ろの席から男子の「うわっほぉー!」という猿みたいな大声と、女子の「リンネちゃん、どうしちゃったんだろうね・・・・・・」という悲しそうな声が聞こえてきた。
 だけどあたしは、男子みたいに喜ぶことは出来なかった。
 だって、リンネちゃんがどこに行ったのかは分からないのに、リンネちゃんがすねちゃったのはあたしのせいだと思ったから。

 皆でリンネちゃんを探す時、女子トイレに入ったあたしは、一番奥の個室から、シクシクと音がするのが耳に入った。
 小さいけど、まぎれもない、リンネちゃんの声だった。

「リンネちゃん?」

 あたしがそう個室に向かって言うと、シクシクという音がピタッと止んだ。

「・・・・・・転校生・・・・・・じゃなくて、リリー、さん?」

 あたしが個室の扉をあけると、案の定、リンネちゃんが涙目になりながらこっちを見ていた。
 そのまなざしは、睨んでいない。
 むしろ、うるうるして心細そうに見えた。

「・・・・・・ごめんねっあたし・・・・・・急にすねて・・・・・・」

 リンネちゃんの目から、ポロポロと涙が落ちる。
 あたしは、首をブンブンと振った。

「リンネちゃん、教室にもどろ」
「うん・・・・・・」

 リンネちゃんの笑顔は、さっきとはまるで違う、無邪気で純粋な笑顔だった---------
 


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