コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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☆*秋恋*☆
日時: 2012/05/23 11:50
名前: 五十嵐未華 (ID: VqN13fLi)

この校庭で、あたしはアイツに恋したんだ。

何年か前の秋に。

大好きなアイツに恋したスタート地点。


ゴールがどこかなんて、わからない。

もしかしたらそんなものなくて、

叶わないかもしれない。


でも、あたしは確かにアイツに恋してる。

きっと心変わりなんてせずに。

切なくても苦しくても、あたしはアイツが好きだ。


秋の空の下、あたしはアイツに恋をした
           ↓
         ☆*秋恋*☆

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Re: ☆*秋恋*☆ *write* ( No.15 )
日時: 2012/05/23 12:50
名前: 未華 (ID: VqN13fLi)

「初めて同クラになったことない?」
「うん、美和ずっと春組だったもんね!」
「うん、あたし今まではパーフェクト春だよ〜。
 未華は、パーフェクト夏でしょ??」
「そうだよ☆もう、パーフェクト決定!」

美和と話していると、
鈴香がこっちに来ているのが分かった。
それとなく表情をうかがうと、
なんか辛そうな顔をしている。

「あれ、鈴香!!どしたの??」
「……やだよぉ、彩加ちゃんと同じ班」

泣きそうな声でうったえて来る。
「しゃべらなきゃいいじゃん。
 無視しとけ!! 大丈夫だって」
あたしが言っても、鈴香は辛そうな顔のまま、


「——さっき、これからは一緒にいようって
 ………言われて」

Re: ☆*秋恋*☆ *write* ( No.16 )
日時: 2012/05/23 12:54
名前: 未華 (ID: VqN13fLi)

「え〜ッ、なにそれ。
 ヤなヤツ〜〜。断ってきなよ」
美和が、彩加のほうをにらんだ。

——前山彩加。
 超がつくくらいの嫌われモノ。
 だって、ワガママなんだもん。
 彩加のコトを好きって言ってる人、見たことない。
 鈴香も、彩加のことは大嫌いって。


それなのに。美和も断れって言ったのに。

「あ〜〜ッ、鈴香ぁ!!いたいた!!!!!!
 ねえ、中庭行かなぁい??」
むだな感嘆符やら疑問符やらをつけながら
しゃべってこっちに来たのは…彩加だ。

フツウ、ホントに彩加といたくないなら、
「ごめん、未華と一緒にいるから」
とかなんとか言って、断るハズ。
それなのに、鈴香は。

Re: ☆*秋恋*☆ *write* ( No.17 )
日時: 2012/05/23 13:01
名前: 未華 (ID: VqN13fLi)


「いいよ。行こ。未華、美和ちゃん、バイバイ」

そう言って、彩加と手なんかつないで走っていった。
去り際、彩加はあたしたちのほうを横目で見、

『いいでしょ?』
とでも言わんばかりに鼻を鳴らした。




「ちょっと!! なにアレ!!!!!」
しばらくの沈黙のあと、美和がデカイ声で口火をきった。
教室にそこっていた子たちが、
ビックリしてこちらを振り返った。

「ごめんごめん。うるさくて」
そう謝った後、あたしもイライラしながら怒鳴った。
鈴香は人気者。いろんな人から、
「一緒にいよう」といわれる。

でも、あたしはそんなの人気なんかじゃないと思っている。

だって。鈴香に「一緒にいよう」という人は、
友達とケンカしたか、嫌われ者の彩加で
『一緒にいる人がイナイ』人だから。

Re: ☆*秋恋*☆ *write* ( No.18 )
日時: 2012/05/23 13:03
名前: 未華 (ID: VqN13fLi)

要するに、鈴香は
「イイ人」。「利用しやすい」人なんだ。
たのまれても断れない。

すぐイイヨって言ってしまう。
きっと、鈴香は、これから彩加と一緒にいる運命になるだろう。

ひとしきり罵ったあと、
「……鈴香、サイテー」
あたしは、つぶやいた。

Re: ☆*秋恋*☆ ( No.19 )
日時: 2012/05/24 15:43
名前: 未華 (ID: VqN13fLi)

♪------夏休み------♪

わああああ!
あたしは、心の中でわめいた。

「宿題全部忘れて来ちゃった…」
今日から夏休み。
あれから、鈴香とはケンカしたまま。
あのあと、鈴香が謝ってきたんだ。
でもね、許せるハズないじゃん?

お母さんには、
「あんた、カタイよ?」なんて言われて。
でも、許せないから。そしたら。


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