コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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ホシゾラ【参照300突破!&学年交流会編更新中!!】
日時: 2013/05/05 21:47
名前: 伊織&おかき (ID: RwTi/h2m)

はじめまして!
小説初めて書く伊織といいます☆
経験不足で、意味の分からないところも多いと思いますが、よろしくお願いします^^

この小説は、伊織とおかきでリレーしていきます。
本人達でも、どうなるか謎ですww
気長に見守ってください(ぺこ

おかきです!上記にありますが今回は、友達の伊織と一緒にリレーで物語を進めていきます。
登場人物たちと共に、応援していただければ幸いです。宜しくお願いします。

【目次】
〈第一話〉>>1 >>2 >>3 >>4 >>5 
〈第二話〉>>6 >>7
〈第三話(過去篇)〉>>10 >>11
〈第四話〉>>13 >>15
〈第五話〉>>19 >>22 >>23
〈第六話〉>>24 >>25 >>28




☆プロローグ☆

『鮑の貝の片思い』という諺を知っているであろうか。

知らない人が聞いたら、きっと頭の上に疑問符が飛び出てくるに違いない。
「鮑が恋をするのか」と。

これは、鮑の貝殻が一枚である様子から、男女どちらか一方が恋い募っていても、もう一方は自分のことをどう考えているのか分からないという意味をもつ。

おれの心情と似ている。
まあ話せば長くなるのだが。

恋愛感情とはまた少し違う気がするが、決して「僕の友達になってくれますか?」とも違う。

何ともいえないモヤモヤを抱え続けて10年、そんなおれの気持ちを払拭させるような出逢いが突然訪れた。


この、晴陽高校で。

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Re: ホシゾラ ( No.7 )
日時: 2012/08/10 10:30
名前: おかき (ID: .LcVZmvG)

そしてやって来た。

最強(恐)の五藤天文部視察の日、当日。


だが、晴陽高校を牛耳るバケモノたちがこの拠点に攻め入るというのに、我が天文部の部員は全く緊張感がない。


天文部へ入部して数週間。だんだんとコイツらの性格が分かってきた。


特に厄介なのは部長・神崎雪路。

おれを天文部へと勧誘(というか脅迫)した時もそうだったが、とにかく傲慢・高飛車・頑固な、一癖も二癖もある重要問題危険人物。
アイツの第一印象は最悪だった。
始業式の翌日。1-Aではひとり一分、自己紹介をする時間が設けられた。
その時のアイツの自己紹介はこうだ。


鋭い眼光で、堂々と仁王立ちをし一言。
「7番・神崎雪路。お前達に話すことなんて何もないわよ、以上。」



その後自己紹介をした8番くんは泣きそうな顔をしていた。

勿論、そんな女王様モード全開な奴を良く思う者などいるはずもなく、アイツに近づく人は現在も誰ひとりいない。
もっというと、アイツはいつも休み時間になると忽然と姿を消してしまう、謎多き人物なのだ。




そんな未確認生物神崎雪路がふいに言葉を発した。
「よし、帰るわよ」

その言葉に続いて、神崎の中学時代からの親友らしい・江野雷來と、宇宙人と話せる(らしい)東雲くらも、そそくさと帰宅の準備を進める。


まさか約束をすっぽかすつもりか?どこまでワガママなんだ。
「おい待てよ、今日ここに生徒会が来るんだろ?」
おれは帰ろうとする神崎に声を掛ける。


「ああそれのこと?それならあなた達で適当に対応しておいて」
振り向きもせず、歩みを止めもせず、神崎はドアへと手をかけた。


そしてドアを開けると同時に、神崎はボソっと呟いた。


「……“アイツ”の相手は面倒だもの…」












「誰の相手が面倒なのかな?」
そこには微笑を浮かべた一匹の大魔王と、大魔王に仕える部下の魔人四匹の姿があった。



—————きた。





「生徒会執行部です。本日は、天文部の活動内容を視察させていただくためにお伺いしました」

晴陽高校のトレードカラーのイエローとオレンジを使った生徒会の腕章が、白いシャツに映える。


「生徒会長の、炎藤京哉です」

「副会長、海藤泉水です」

「書記の知藤優です」

「会計の金藤諭吉です、よろしくっ!!」

「風紀の峰藤麗美と申します、宜しくお願い致します」



…ん?
あの後ろにいるのは誰だ?

と、その後ろにいた人物がひょこっと顔を前に出した。

「あっ、えと、生徒会の皆さんのお仕事のお手伝いをしてる、お世話係の如月弥生です」
そしてぴょこぴょこと頭を下げる。

お世話係…、まさに生徒会様様だな。


「僕たちを気にする必要はありません。皆さんは通常通り、部活動を進めてください」
炎藤が全く変わらない笑みを浮かべながら言った。


すると、神崎が鋭い目をさらに鋭くさせ、炎藤の前に一歩歩み出た。

「ほう?お前、生徒会長となどになっていたのか?偉くなったものだな」

そう言うと神崎は「フンッ」と炎藤を鼻で笑った。
まさかの、突然の口調の変化に、おれはぎょっとした。

おいおい、天下の生徒会長様に向かって、いきなり何て口を聞いてんだアイツは。


そんなおれの不安をよそに、さらに神崎は続ける。

「お前らの噂はよく聞いているぞ。生徒達や教師陣からの信頼も熱いとか‥。あと、『生徒会ファンクラブ』などというものも存在するらしいな」

炎藤は表情を変えない。

「驚いたよ、まさかお前がそんな大層な人間だったとはな。昔のお前とは大違い‥」

すると、一瞬にして炎藤の顔から笑顔が消えた。

だがなおも神崎は続ける。
「うちの中学校は都外だからな、この晴陽高校に在籍する者は少ない‥いや、私と雷來、そしてお前の3人だけだ。だが、それ以前からお前と付き合いがあるのは私だけ。つまり、お前の過去を知る者は私しかいないという訳だ」


「…神崎さん、その話はやめてもらおうかな」


「お前の過去を知ったら、生徒たちは驚くだろうな。この晴陽高校が大きく揺れ動かされるかもしれない」


「…神崎さん」


「なんならいっそ話してあげようか、お前が昔—————」










「やめろって言ってんのが聞こえねえのかじゃじゃ馬が」




沈黙が、部屋全体を包み込んだ。



……これが最恐の五藤の、炎藤京哉か。


「…ついにボロが出たな、その方がお前らしいよ」
そこまで言うと神崎は、すっと後ろへと退いた。


「炎藤ー、あんまムキになんなって♪」
炎藤の隣にいた金藤が、炎藤を宥める。


「…別に、僕はムキになんかなっていないよ」
するとまた炎藤は、軽く微笑を浮かべた。
だがその目は確実に、笑っていなかった。


「ああそうだ、僕吹奏楽部の顧問の先生と話があるから、視察はそっちでお願いするよ」
そう言うと炎藤は、ドアの向こうへと歩みを進めていく。


…が、すぐにぴたっと立ち止まり、
そしてこちらを振り向くと、こう言った。




「……天文部には、もう少し視察が必要かな?」


そう言い残し、天文部部室から炎藤は姿を消した。





再びの沈黙。
「…では、引き続き部活動の続きを、お願いします」

その沈黙を破ったのは、メデューサ様の落ち着いた一言だった。


すると神崎は、どこか達成感に満ちた表情で、
「急用を思い出したわ、先にやっといてくれる?」
とだけいうと、さっさと部室を出て行ってしまった。





…神崎が、炎藤の過去を知っている…?
詳しい話に関しては、おれは茶々を入れるつもりはないので分からんのだが。

ただひとつ分かること。それは、これでおれたちは、このバケモノ共を敵に回してしまったという事だ。



…神崎め、厄介な事に巻き込みやがったな。





「ったく、どこまで自分勝手なんだ、うちの女王様は」





その日部活で何をしたのかは、今でもよく覚えていない。



第2話・終

Re: ホシゾラ ( No.8 )
日時: 2012/09/29 17:18
名前: おかき (ID: 9ZDN.mR9)


上げておきますね。

Re: ホシゾラ ( No.9 )
日時: 2012/09/30 15:01
名前: 伊織 (ID: 31IKLfxT)

目次サンキュー^^


過去スレにならないよぅにコメ書いてます。

こうなったのも私・伊織のせいです、反省してます☆←ぇ!?


とりあえず

スライディング土下座ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ


ぼちぼち書いてくので見捨てないでください(ぺこ

Re: ホシゾラ ( No.10 )
日時: 2012/09/30 15:19
名前: 伊織 (ID: 31IKLfxT)

第三話☆過去篇


————懐かしい、夢を見た。


「お母さん、帰ってきたよー」

これは、おれの母さんの台詞。

何年前かの夏休み、母さんの母さん……すなわち、おれのばあちゃんの家に遊びに来たときだったと思う。

とある、女の子と出会った。

星が、好きな娘だった。

おれが晴陽高校に入学したのも、あの娘と出会ったから、だと思う。

生徒会に目をつけられたところで、あそこでは、天文部では、風斗としゃべるぐらいしかやることがないのだ。

なら、思い出してみよう。

せめてもの暇つぶしに。

あの頃を。

あの、輝かしいひと夏の、眩しい物語を。

Re: ホシゾラ ( No.11 )
日時: 2012/10/06 14:45
名前: 伊織 (ID: 31IKLfxT)

母方の祖母の家は、一般的に田舎と呼ばれるところにあった。

ものごころついたときから、夏休みには必ず一週間以上泊まりに行っていた。

そして、あの時も
八泊九日のお泊り計画を立てていて、そのため宿題を終わらせるのに躍起になっていたと思う。

だから
車で二時間かかる祖母の家にやっと着いたとき、言ったはずだ。
母さんの言葉の後に続いて。
「ばーちゃん、来たー」なんてことを。

それなりに都会で暮らしていたおれにとって、田舎は楽園といっても過言ではないほどに楽しんでいた。

畑仕事を手伝うのも、楽しい。
家で出たら残しそうなものもすべて平らげた。
虫の種類が多くて、一日中アミを片手に駆け回り。
蝉の声に癒され、カブト対クワガタでバトルさせ。
汗を掻いたら、冷たいスイカ。
夜になったら
花火を振り回し。
虫を捕らえるため、祖父と仕掛けを作りに行った。


確かあの夜は、村の花火大会だった。

神社の模擬店で、食べたいもの・遊びたいことをやりきったおれは、どこが一番花火が見やすいかを探すために神社を走り回っていた。

いい場所見つけた、と立ち止まったそこは、敷地内にある裏庭っぽい(曖昧だが何せ幼いのだ)所で、大きな池があった。

優越感に浸る馬鹿なおれは、そのとき初めて気付いたのだ。


一人の少女がいたことに。


当時おれと同年代っぽそうなその少女はぽつりと呟いた。

「花火なんかいらない」

「どうして?」

思わずおれは訊いていた。


「だって…星が見えないもの」

その子は、おれに色々なことを話してくれた。

星が好きなこと、なのに自分は都会に住んでるから星が見れないこと、田舎が好きなこと…。

話していて、聞いていて、分かった。

この子は優しいってことが。


「ねえ、星を見て、わいわいするところ、どこかにあるかな?おんなじ年ぐらいの子が集まってね、みんなで星のことしゃべれる場所、あるかな?」

花火も終わりに近づいたころ、唐突にその子は言った。

「ある、と思う。なかったら、作る。おれも、星、好きだから」

なんてことを夢の中のおれは言っていた。

花火が完全に終わったころ、「太陽〜」とおれを呼んでいる声が聞こえた。

「太陽って名前なの?」

問われ、おれは頷く。

「そっか。わたしはね……」

どっかーん、と花火の音がして、その子の声はかき消された。

花火の音に続いて、打ち上げるのを忘れていた、というアナウンスが聞こえる。

「太陽くん。いつかまた、こうやって、星のこと、いっぱい話そ?」

「うん、約束。」

「じゃあ…」

またね、と声が聞こえたのは空耳だったのだろうか。



朝になって、祖母にその子のことを聞いてみると、祖母は微笑みながら教えてくれた。

「この辺りに、太陽ちゃんと同じ年ぐらいの子はいないからねー。でも確か、佐々木さんのお孫さんは、太陽ちゃんと同い年の女の子だったはずよ?それに…曖昧なんだけど、太陽ちゃんの住んでる東京都とお隣さんの県に住んでたと思うの。何なら、おばあちゃん、電話しよっか」

そう言って佐々木さんに電話してくれたのだが、佐々木さんは留守だったらしい。

佐々木という苗字だけでも知れた、と喜んだのだが、佐々木さんの娘さんがあの子の母親で、姓は現在違うため、結局これといったことは分からなかった。

そのうち、そのこともあやふやになっていき、おれも訊きづらくなったので、情報はあの頃とまったく変わらず何の手がかりもなかった。


そして、今。


おれは活動内容不明(星の話が出るのも少ない。わいわいはしていると思うが…)の天文部に入り、



風斗とたわいもない話をしながら



あの子を探している。




あの子を。



☆第三話☆

★END★


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