コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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ホシゾラ【参照300突破!&学年交流会編更新中!!】
日時: 2013/05/05 21:47
名前: 伊織&おかき (ID: RwTi/h2m)

はじめまして!
小説初めて書く伊織といいます☆
経験不足で、意味の分からないところも多いと思いますが、よろしくお願いします^^

この小説は、伊織とおかきでリレーしていきます。
本人達でも、どうなるか謎ですww
気長に見守ってください(ぺこ

おかきです!上記にありますが今回は、友達の伊織と一緒にリレーで物語を進めていきます。
登場人物たちと共に、応援していただければ幸いです。宜しくお願いします。

【目次】
〈第一話〉>>1 >>2 >>3 >>4 >>5 
〈第二話〉>>6 >>7
〈第三話(過去篇)〉>>10 >>11
〈第四話〉>>13 >>15
〈第五話〉>>19 >>22 >>23
〈第六話〉>>24 >>25 >>28




☆プロローグ☆

『鮑の貝の片思い』という諺を知っているであろうか。

知らない人が聞いたら、きっと頭の上に疑問符が飛び出てくるに違いない。
「鮑が恋をするのか」と。

これは、鮑の貝殻が一枚である様子から、男女どちらか一方が恋い募っていても、もう一方は自分のことをどう考えているのか分からないという意味をもつ。

おれの心情と似ている。
まあ話せば長くなるのだが。

恋愛感情とはまた少し違う気がするが、決して「僕の友達になってくれますか?」とも違う。

何ともいえないモヤモヤを抱え続けて10年、そんなおれの気持ちを払拭させるような出逢いが突然訪れた。


この、晴陽高校で。

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Re: ホシゾラ ( No.2 )
日時: 2012/07/19 17:52
名前: 伊織 (ID: 9RGzBqtH)

「えー、皆さん、入学おめでとうございます。我が校は…」

入学式、卒業式、始業式、終業式…と、数ある学校での式で、校長の話を喜んで聞いている者は、皆無に等しいだろう。

とってつけられたような言葉はどこも似たり寄ったりで、憂鬱にしかならないのだ。

というのはおれの持論だが、おれの同級生になる周りの奴らは、どこか初々しく着慣れていない制服のリボンやネクタイをいじくり回しているのだから、同じ意見のはずだ。

やっとのことで入学式も終わり、教室に向かう途中、女子の歓声とも言える高い声が響いた。

気にはなったが、どうせあいつだろうなと予想は付いていたから、わざわざ後ろは見なかった。

いきなり肩を叩かれた。

振り向かざるを得なくなったので渋々背後を見ると、そこにはやっぱり、おれの幼なじみがいた。

「よッ。太陽、えらく冷たいじゃん。もしかして、怒ってる?」

こいつは、北嶋風斗。
歓声を起こらせた張本人で、とてつもなく美男子。
というか、北嶋家そのものが美形で、兄と妹もハンパない。
おれの親友で、過去や秘密など、おれのことを知りまくっている。
微笑むだけで、同姓も異性も関係なくイチコロにできる。

などなど、真実からうわさまで色々出回っている。

「別に怒ってないから。で、何だよ?」
確か、風斗とはクラスが違うんだけどな…。

風斗が口を開いた。
と、

『きゃあぁぁぁぁぁ〜!風斗くぅ〜ん!!』

風斗ファンのせいで、風斗の声はかき消されたし、しかも本人は、自分の愛すべきファンから逃亡したから、おれは一人で廊下に立ってる寂しい人になってしまった。

しかし、風斗。
おれの幼なじみであり、親友よ。

お前はさっき、おれと同じクラスの<神埼雪路>の名を口に出さなかったか…?

Re: ホシゾラ ( No.3 )
日時: 2012/10/06 14:37
名前: 伊織 (ID: 31IKLfxT)

そのまま一人で歩いていると、しばらくして教室が見えてきた。
にしても、講堂(またの名を体育館)から遠いな。
ちなみに、おれの所属するクラスは1−Aで、風斗のクラスは1−Dと離れてしまったのだが、それで悲しむほどガキじゃない。

担任は、山下美幸という名のいたって普通の女教師で、28歳と本人が言っていた。
いつまで自分の口で年を言えるかな。
あだ名は山ちゃんなんだそうで、そう呼んでくれとも言った。

山ちゃんの話もいたって普通で、暇だったので聞き流していると、いつのまにか話も終わっていた。

鞄を持って、さっさと風斗と帰ろうと思っていると、ふいに呼び止められた。

「あんたが日野太陽?天文部に入りなさい」

声の主は、まぎれもなく神埼雪路だった。

Re: ホシゾラ ( No.4 )
日時: 2012/07/28 15:17
名前: 伊織 (ID: 9RGzBqtH)

さっき風斗は、おそらくこう言ったのだ。

「神埼雪路ってやつが、おまえのこと嗅ぎまわってるって聞いたぜ。何か知らねぇけど気をつけろよ」

散り際もカッコいい奴だ、情報を与えてくれるなんてな。
でもその情報、ちょっと気がつくのが遅かったから、意味ないけど。
そして今、おれの前には神埼雪路サンが居るってこと、人気者の風斗くんは知ってんのかな。

「おれが日野太陽だけど?じゃあ、おまえが神埼雪路?でもなんで、おれが天文部に入らないといけないわけ?」
少しばかり挑戦的に訊いてみた。

「あら、知ってくれてたみたいで光栄だわ。それで、あなたが天文部に入る理由?決まってるでしょう、あなたの名前が天文部に入るためだけにあるからよ」
少しばかり挑戦的に答えてくれた。

ていうか、悲しい奴だな、おれ。
親がつけた名前が天文部に入るためだけにあるって?
とりあえず土下座しろ。

「まあ、別にいいけど。元から、天文部に入るつもりだったし」

天文部ОBの姉・空にも言われてたしな。
いつもは優しいはずだったのに、笑顔で攻められたから…。
これで、「おれ、サッカー部になったんだッ♪大空翼を目指すよッ♪」とか宣言したら、絶対に死ぬ。
 

「そう。なら良いわ、明日中に入部届を出しなさい。出さなかったら…」
そう言う神埼には、どこか姉と通じるところがあった。

Re: ホシゾラ ( No.5 )
日時: 2012/10/06 14:34
名前: 伊織 (ID: 31IKLfxT)

とまあ、今に戻るわけで。

後日談的にすると、天文部は今年入部者ゼロだったら、廃部にするつもりだったとか。
何でも、『天文部の元祖』とも言われていて、晴陽高校の伝統と誇りある部活動だったらしい。
が、今まで三年間入部者は一人も居らず、居ても途中で退部するなど色々あったらしい。
そして、今年の入部者は6人。
おれたちは校長らから随分感謝された。
学校側にとっても、廃部は苦渋の決断だったらしい。

気になる天文部メンバーの紹介と行こう。
まず、おれ。特になし。
次に、神埼。ちなみに部長。
そして、風斗。おれ同様、風斗の兄・疾風さんに言われたらしい。
あと、江野雷來。イマドキの女子ってタイプ。
んで、橋本美雨。多分いちばんまとも。
最後に、東雲くら。不思議ちゃん。

誰でも分かることだろう、天文部は個性的。

というより、入学式の三週間後に部室の掃除というのも、いかがなものだろう。
まあ、どうにかなるだろう。いや、この先どうにかなってくれ、天文部。

おれが回想している間に、『部長会議』なるものがあったらしく。
一応部長の神埼は、その会議を終え、部室に帰ってきた。
何も言わずにホワイトボードにすらすらとやたらきれいな字で書く。
『近々、生徒会が部室訪問し視察する予定』

生徒会…。

キャラが濃いことは安易に想像できた。


☆第一話☆   

★END★

Re: ホシゾラ ( No.6 )
日時: 2012/08/10 10:39
名前: おかき (ID: .LcVZmvG)

晴陽高校生徒会執行部。学業・部活・風紀、学校全体のあらゆる業務を任されている、晴陽高校の要。
そして特に近年の生徒会の活躍は、他の高校の教師たちの間でも噂となっている。
その最大の理由は、役員たちひとりひとりの個性と、教師陣や生徒たちからの絶大な支持があるからだ。

おれはまだ、入学式での挨拶や、新入生のための部活紹介の司会などでしかその姿を見ることは出来ていないのだが‥


それにしてもまあ、濃い。雰囲気が。


それぞれがそれぞれのオーラを纏っているというか、おれたち(おれ以外の)天文部員と同じような、単なる変わり者の集まりなのか。おれにはそれを判断する権利はないけれど。




まあ、そんな異質な集団が我々天文部の部室を視察する日が、とうとう明日に迫っていた。



すると、風斗が唐突におれに話しかけてきた。

「太陽、生徒会はやっぱり、ただの変わり者の集まりだったみたいだ」

今日はあの傲慢な部長様と江野雷來・橋本美雨・東雲くらの女子一同は、それぞれの用事で先に帰ったのだそうだ。おれは天文部の活動目的が未だに分からなかったため、仕方なく風斗と部室で時間を潰すことにしていた。


「ふーん……で、どんな変人たちなんだ?」

「言い方がよろしくねえな」
風斗は苦笑しながらも答えた。


「晴陽高校生徒会執行部。表だけ見れば、一見優秀な役員たちが優秀な活動をし優秀な実績を収めて教師らに優秀と評価されているだけの、ただの優秀四拍子だ」

おいおいそれだけでも充分変な集団だぞ。
というおれの心の中を察しることもなく風斗は続ける。

「だが、その優秀な役員たちが結構厄介な奴らばかりでさ。まずは‥」


風斗の話だとこうだ。


まず、生徒会長の炎藤京哉・3年生。1年の頃から会長を務めている文武両道なイケメン(らしい)。生徒たちには明るく気さくに振る舞っていて大人気なただのイケメン(ら し い !)なのだが、一部自分の気に入らない人物がいた場合は本性剥き出しになるらしい。まあ人間として最悪だな。部活では吹奏楽部の(これまた1年生の頃からの)部長で、3年連続で全日本の吹奏楽部の大会で晴陽高校を日本一に導いたのだと。


お次は、副会長の海藤泉水・2年生。次期生徒会長としての期待も高い人物。性格は炎藤とは違って裏表はなくていいのだが‥。如何せん冷酷なので怖い。おれも入学式での挨拶の時に、あまりに冷ややかな視線だったので凍死してしまいそうだった。目が合ったら石にされる。よし、あの人のあだ名はメデューサ様にしよう。それと剣道部の部長で、竹刀を持たせれば、そこらへんにいる最強のヤンキーとかも瞬殺(あくまで峰うち)にできるらしい。


書記の知藤優・1年生。1年生にして生徒会役員としての仕事を任された。おれと神崎と同じ1-Aで、確かこの間の新入生の実力テストで学年トップだったな‥(おれ?言うわけないだろ!)。だが、頭が良すぎるために、おれらみたいな奴たちの言っていることは絶対に信じない主義で、どんな手段を使ってでも、人間を正しい道へと導こうとするかなり我が儘な性格。科学部の部長。


会計の金藤諭吉・3年生。会長の炎藤と一緒に、1年で生徒会へ入る。メデューサ様同様、性格に裏表はない。飄々とした、今でいうチャラ男だな。毎回しょうもないダジャレを繰り出すとか。金が大好きらしい…会計になった理由は、まあ言うまでもなかろう。落語研究会部長。


そして最後、峰藤麗美・2年生。俺は最初見たとき、「この人本当におれらとひとつ違いか?」と疑ったぐらいの、大人っぽい容姿端麗な人物(‥おれは不覚にもときめいてしまった)。幼い頃は京都に住んでいて、今でも少し京都弁が残っている。性格は、普段はおっとりとした大人しい人なんだそうだが、よっぽどの事が起こると…… まあ、とにかくすごいらしい。華道部部長。


教師や生徒たちは、彼らの本当の姿を知らない。が、一部では彼らのその恐ろしい豹変ぶりを目の当たりにした者たちも少なくないとか。

表だけを知る者たちが彼らにつけた通り名は、その名も『最強の五藤ごふじ』。

そして表も裏も知り尽くした者たちが彼らにつけた通り名は、その名も『最恐の五藤』。

どっちにしろ、彼らがこの晴陽高校になんらかの風を吹かせる日は、そう遠くもないのかもしれない。



以上が、風斗の長い長い調査結果だ。


‥それより、


「一体どこでそんだけの情報集めたんだよ」

まあ、その答えはわざわざ聞くまでもなかったのだが。



満面の笑みで一言。
「口が軽い取り巻きの女の子たちに聞いたんだよ」



…ああ、我が幼馴染よ。






第2話前編・終



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