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- モノクロストリート【コメント・アドバイス募集】
- 日時: 2012/12/02 13:23
- 名前: にゅるあ ◆6YRzs3gfaA (ID: .iyGyIWa)
スレ立て直しましたーm(_ _)m
では、スライディング土下座しながらまた更新してきますね。
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2012年 12月2日 参照500突破! >>74
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- Re: モノクロストリート−『平凡』が変わった日− ( No.12 )
- 日時: 2012/12/01 12:45
- 名前: にゅるあ ◆6YRzs3gfaA (ID: 98AXyywb)
「わざわざ来てくれるとはご苦労」
声のした方は、不自然に暗い。
午後9時。暗いのは当然なのだけれど、そこの場所だけ街灯の光を遮るようにして暗かった。
「千景ちゃん久しぶり」
千景、と呼ばれた男はどこか中性的な印象で、暗闇と同じような漆黒な長髪を風になびかせていた。
「ちゃん付けはやめてもらおうか」
笑いながら話すつぐみとは対照的に、千景はあまり表情をみせない。
「ねえ、まだ潰す気でいるの?」
「そうだな。大人しく従ってもらえなければ良いのだが」
「従うと思う?」
「全く思わないな」
「だが、お前の方に戦闘に優れた者はあまりいないと記憶しているが?」
「そうだね」
つぐみはそこで一旦間を置くと、
「だから、私の方から潰しにきた。どーせわかってたんでしょ?」
「まあな。お前の考えてることなんてわかる」
「えー? ぷっ、ははっ能力違いじゃ、っ!
言葉は最後まで続かなかった。風、いや、影がつぐみの前を横切る。
「不意打ちなんてずるいな」
普通なら暗闇で周りが見えないため、よけられないような攻撃だが、つぐみは千景から心を読み取り、素早くよけるようにしている。
反動でフードがとれたが、気にしない。
つぐみはぐっ、と足に力をいれると、そのまま猫のように跳びあがる。
そのまま蹴りをいれようとするが、影が動きそれを止める。
「千景ちゃん、本当に心読めるんじゃないの? やだな。千景ちゃんが読めちゃったら私の出番ないじゃん」
「いや読めないな。お前のその戦闘は能力ではなく、運動神経だろう?」
千景は後ろからの気配に気付き、その方向を向く。
蹴りが目の前に迫ってきていて、すぐに避けたが小さくかすったようだった。
「前よりは強くなったんじゃないのか」
「そりゃどうも……」
千景はすぐに影を出すと、つぐみの方向に向かわせる。
つぐみが避けようと身構えていると、
その間に人が滑り込むように入り、血で目の前が赤く染まった。
- Re: モノクロストリート−『平凡』が変わった日− ( No.13 )
- 日時: 2012/10/14 18:32
- 名前: にゅるあ ◆6YRzs3gfaA (ID: vBQZrbVQ)
一瞬だけだが、つぐみにしては珍しく目を見開く。
「裕翔?」
「っ、痛……」
次にいつものように微笑を浮かべると、少し呆れたような顔で
「裕翔……さー、そこで女の子かばうのはかっこいーけど、私今のよけられたからね?」
「かばってくれたやつに対してそれはどうなんだよ」
「あっはは!裕翔かっこつかないねー」
「そこにいるの、千景か?」
「ほう。久しぶりだな。裕翔と言ったか」
「千景ちゃん、セピアロードのためだよね?」
「それって、千景が所属してるっていう……」
「私たちと同じで能力を持った人が集まってるらしいけど、その作戦とかのときに私たちが邪魔なんでしょ?」
「読んだか? まあ、そこまでわかっているなら話は早いな」
再び黒い影が動き出したように見えたので、裕翔が動こうとする。が、
千景は影をぴたりと止まらせ、携帯を取り出す。その場で確認をしだした。
「命令、か。また今度くるとしよう」
「てめ、待っ」
ひゅっ という風をきる音が聞こえて、裕翔は追いかけようとしていた足をとめる。
首元に影があり、あと少し近づけば皮膚が切れてしまいそうだ。
「勘違いするな。お前らくらいいつでも始末できる。だから今は見逃してやると言っている」
それだけ言うと千景は影を足場にする形で宙に浮き、そのまま去っていった。
「行っちゃったね。じゃ、あたしらも家帰る?」
「……そうだな。」
「あ、てか裕翔さ、ここまでついてきたの?」
「家もどる途中、たまたま偶然みつけてな」
「いや、裕翔の家は反対方こ「たまたま偶然みつけてな」
見え見えな嘘につぐみはまた笑い出す。ひとしきり笑うと、
「あー、まあ、かばってくれた時はありがと」
「え」
「いや、普通に嬉しかったし。でも、避けられはするし、あんま危ないことしないでよ?ほんとー」
「私、こっちいくから。じゃあね?」
「おう……またな」
- Re: モノクロストリート−『平凡』が変わった日− ( No.14 )
- 日時: 2012/10/14 18:33
- 名前: にゅるあ ◆6YRzs3gfaA (ID: vBQZrbVQ)
「それって、まずいんじゃないですか?」
昨日起こったことを裕翔君から聞いた。
なんでもないように話すので、思わず聞き返した。
「いや、まずいんじゃないの?」
「まずいんだろうな」
「いやいやいやいやいや」
「ここがなくなるかもしれないんですよね? 放っといて大丈夫なんですか?」
「千景の場所もわかんねえし、今はできることないだろ」
「……えっと、さっきから思ってたんですけど、千景さんって?」
「中学時代、一緒だったやつ」
「最初は三人でここ開くつもりだったんだけどね」
「へえ……」
なんとなく、それ以上聞かなかった。
- Re: モノクロストリート−『平凡』が変わった日− ( No.15 )
- 日時: 2012/12/01 12:47
- 名前: にゅるあ ◆6YRzs3gfaA (ID: 98AXyywb)
—それはいつのことだったか
当たり前の日常が楽しかった。
その当たり前が崩れたのはいつだったか。
あの頃に戻りたいと、今になっても思うんだ。
————
放課後、聞きなれた声が隣から聞こえる。
「裕翔。裕翔ってば。裕翔君? 裕翔さーん」
「安定のうざさだな」
「安定のひどさだね!?」
わざとらしく泣き真似をするつぐみは、いつものことなので放っておく。
「今日、千景は?」
「ん、もうすぐ来るでしょ」
と、つぐみが言って、すぐに廊下から聞こえる足音。
「待たせたな、二人共」
「千景ちゃん遅いよ!」
「悪いな。テストのときに成績をあげるべく、隣の者の解答用紙をガン見したところ、それがばれてしまった。」
「普通にカンニングって言おうよ」
いつもと変わらない、馬鹿っぽいやり取り。
「いつか、三人で仕事しない? なんでも屋みたいの」
「はぁ?」
「名前はねー、モノクロストリート」
「白黒の、道?」
「ここ」
「ああ、確かにそうだな」
俺たちの毎日通る帰り道は、建物が白黒の物が多く、モノクロな印象だった。
正直、俺にとってもこの時間は、一日の中でかなり好きな時間で、その名前が良いと思った。……そんなこと、絶対に言ってあげないが。
隣のつぐみを見るが、今の考えてることは読まれていなかったようで安心する。
「いいでしょ?」
俺たちが、『もちろん』と言うことを読んだ上で聞くのだからタチが悪い。
もっとも、読まなくてもわかるだろうけれど。
普通の中学生と全く変わらない日常。下校中。
これがすごく幸せだって気づいたのは、終わったあとのこと。
- Re: モノクロストリート−『平凡』が変わった日− ( No.16 )
- 日時: 2012/10/14 18:39
- 名前: にゅるあ ◆6YRzs3gfaA (ID: vBQZrbVQ)
「ははっ、裕翔のせいじゃないでしょー」
「俺があのときかばってれば、よかっただろ」
病室。包帯のまいてある腕を見て、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
そう。俺があのときかばっていれば、傷は三秒でふさがった。
あの日、楽しく三人で話しながら帰ったあの日の夜に、だ。
千景はつぐみを呼び出して、影の能力を使い、攻撃したらしい。
その場を偶然目撃したのが俺だ。
つぐみは困ったように笑って、
「かばってればよかった、なんて言われたら私の立場ないじゃん」
「でも」
「こんくらい、すぐ治るし」
「千景は、なんであんなことしたんだ?」
「さあ? 読めないんだ。」
「読めない? 能力が使えないのか?」
「そうじゃなくて。千景ちゃんだけ、読もうとすると、何かにはじかれてる見たいになるの。ちょっと前からこんな感じだったんだけど」
千景がそうする理由が見つからなかった。
一緒にいたときは、本当に楽しそうだったのだ。
あれが演技だとは、どう考えても思えなかった。
「千景ちゃん、あのあと一回だけ来たんだよ」
「は?」
「とどめさしにきたのかと思ったけど、すまない、って一言だけ言って帰った」
「……」
「裕翔」
「……なんだ」
「開こうね。モノクロストリート」
何故、このタイミングで言うのか。
疑問に思えば、考えていたことに返事が返ってくる。
「このタイミングだからだよ。高校卒業したらすぐにでも、さ」
「……おう」
あとで、千景がセピアロードというところに所属したことを読んだと、つぐみから聞いた。
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