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- 私の見えない世界
- 日時: 2013/01/05 22:34
- 名前: るな (ID: D//NP8nL)
前回「ずっと、いっしょだよ」を書いていたるなです!
引き続きよろしくお願いします!!
さて、今回の「私の見えない世界」は2作目となります。
登場人物
☆本条 みのる(男・17歳)
本条家の跡取り。ある事故以前の記憶がない。
☆真白 このみ(女・17歳)
みのるの通う学校に転校してきた。右目が見えない。
あらすじ
2年生の2学期に転校してきた真白このみ。どこか影がある彼女は、みのるの席の隣の席に来る。同じ過去を持つみのるには心を開くが、他のクラスメートには冷たい態度を取っている。
みのるもまた、両親との溝が深く、心には見えない壁があった。
二人の行く先は——……
文章がままならない作品となるかもしれませんが、この作品もよろしくお願いします!!
- Re: 私の見えない世界 ( No.7 )
- 日時: 2013/01/08 18:12
- 名前: 詩音 (ID: ex27zm0y)
るなー♪
続き早く書いてー!!
あと、私もう一つ、「お嬢様って執事と恋しちゃいけないの?」書いてるよー♪
- Re: 私の見えない世界 ( No.8 )
- 日時: 2013/01/08 21:42
- 名前: るな (ID: D//NP8nL)
3 共通の過去
「離して!お願い…!おばあ様たちがまだ来てないわっ!」
「いけませんっ、お嬢様!戻ってはなりませぬ!」
家の執事が体を固定する。
炎に包まれた鉄の塊がいくつも連なって、目の前で爆発している。
小さな爆発が何度も起こっていた。
するとひときわ大きな爆発が起こった。
見ると先程まで自分が乗っていた車の前の車からだった。
「おばあ様…?おじい様?お父様…!お母様!!」
「お嬢様!いけませんっ。こらえてくださいませ!」
その事故での死者は、自分の家族4人と自分の車の前にいた車に乗車していた人だけだったらしい。
- Re: 私の見えない世界 ( No.9 )
- 日時: 2013/01/12 21:45
- 名前: るな (ID: D//NP8nL)
「こ、このみ…さん?大丈夫、ですか?」
「なぜそんなに緊張しているの?」
「え?だ、だって、女の人を名前で呼ぶなんて…」
「じゃあもっと指定するわ。呼び捨てで呼んで。“さん”とか“ちゃん”とかで呼ばれるのは苦手なの」
はあ…なんか疲れるな、こいつ。 呼び捨てなんて、男友達だけだぜ。
女に呼び捨てなんて小学校以来だ。
「呼んでみて」
は? って言いそうになったところで堪えた。
「こ、このみ…?」
「なぜ疑問文なの?もっと普通に呼んでよ」
すっかり忘れていたが、今は授業中だ。 しかも6時間目。
そんなことはお構い無しに真白このみは言ってくる。
「…このみ」
言うと真白このみは満足そうにまた寝に入った。
だから俺も構わずに授業に集中する事にした。
俺は自分の意思とは関係なしに会社を継ぐ。
嫌いな両親でも、やはり少しは感謝しないといけないと思うし、もとは本当の両親の会社だから。
だけどやはり6時間目。
眠気に勝つことはなかった。
- Re: 私の見えない世界 ( No.10 )
- 日時: 2013/01/12 21:47
- 名前: るな (ID: D//NP8nL)
「…るっ。みのる!」
名前で呼ばれるのは久しぶりだ。 …誰だ…?
「起きて、みのる!授業終わるわ」
隣から聞こえる、透き通った声。 ああ、真白このみか…。
「大丈夫?随分うなされてたみたいだけど。教室中に響き渡っていたわ」
「大丈夫です。いつものことですから。倒れなかっただけマシです。すみませんでした」
昔の夢を見た。 あの忌まわしい事故…いや事件の夢を。
あの夢を見ると、起きたときに疲れていたり、倒れていたりする。
授業中も何度かうなされてたことがあったが、クラスのみんなはもう慣れている。
今日だってすごい汗を掻いている。自分でもこんな自分が嫌になる。
「ねぇ、なんであなた敬語なの?お願い、普通にしゃべって」
「…うん」
なんだ、これ。 なんで俺、こいつに怯えてるんだ?
「それより、何の夢をみていたの?そんなに怖い夢なの?」
「昔のトラウマ。もうずっとなんだ」
「私も見るわ、昔のトラウマの夢。ああいうのって、なかなか消えないわよね」
真白このみは目を遠いところへいかせた。
「ねぇ、今日うちに来ない?もっとあなたの話を聞かせて」
「え?でも、迷惑じゃ…」
「いいのよ、誰もいないから」
「あ、でも…」
- Re: 私の見えない世界 ( No.11 )
- 日時: 2013/01/15 08:35
- 名前: るな (ID: D//NP8nL)
「さ、上がって」
「お邪魔します…」
結局来てしまった。 逆らえない雰囲気を持ってやがる、真白このみ。
広い屋敷に俺たちの声だけが響く。案外中はきれいだった。
あまり物はない…と言うより、全然ない。
あるとすればテーブルと椅子くらい。壁に絵が飾ってあるけど、真白このみが飾った物ではないだろう。
「座ってて。今お茶持ってくるから」
「あ、お構い無く…」
リビングとキッチンは仕切りが無くて、顔が見える。
うちは完全に仕切られているから、なんだか落ち着かない。まあ、当たり前か。人んちなんだから。
「はい。麦茶だけどいいかしら?」
「はい」
「もう!なぜそんなに堅苦しいの?私たち同級生よ?」
そんなこと言ったって、緊張するんだから仕方がない。
女と喋るなんて、ひよりちゃんとしかしない。
真白このみはマイペースだ。話がころころかわる。ついていくのが大変だ。
「ところで、あなたの昔のトラウマって?」
単刀直入だなぁ。もう少しオブラートに包んで言えないものかねぇ。
「話せば楽になるわ。心の闇は、人に話すとだんだん軽くなるの。それに…私の話も聞いてほしいから」
「えっ?」
「いいから話して」
真白このみに強制され、俺はあの忌まわしい過去を話すことにした。
「多分、七年前のことなんだけど。 俺たちは家族で旅行に出かけたんだ。久しぶりのことだったから、すごいはしゃいでいた。 旅行先に向かってた矢先のことでさ、高速道路に乗った瞬間に乗ってた車がドカン!…って。 俺は後ろに乗ってたんだけど、前に乗ってた俺の両親は逃げ出せなくて、俺だけが助かった。 外に出てみたら一面が火の海でさ、びっくりしたよ。 茫然としているうちに、すっげえおっきな爆発があったんだ。 その直前に父さんと母さんの顔をみたら、笑ってたんだ。 なんだか『生きて』って言われてるみたいでさ。 あの顔、今でも忘れられない…。 その時の場面が、夢でずっとループしてるんだ」
『多分』って言うのは、俺にはそれ以前の記憶がない。
本当の両親の記憶はない。あの事故のせいで、俺の記憶までぶっ飛んじまった。
だから事故のことも曖昧。
「まさかその事故って、七年前の8月23日の…?」
「なんでそれを…」
「私の祖父母と両親も、その事故で亡くなったの…」
「……え?」
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