コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 私の見えない世界
- 日時: 2013/01/05 22:34
- 名前: るな (ID: D//NP8nL)
前回「ずっと、いっしょだよ」を書いていたるなです!
引き続きよろしくお願いします!!
さて、今回の「私の見えない世界」は2作目となります。
登場人物
☆本条 みのる(男・17歳)
本条家の跡取り。ある事故以前の記憶がない。
☆真白 このみ(女・17歳)
みのるの通う学校に転校してきた。右目が見えない。
あらすじ
2年生の2学期に転校してきた真白このみ。どこか影がある彼女は、みのるの席の隣の席に来る。同じ過去を持つみのるには心を開くが、他のクラスメートには冷たい態度を取っている。
みのるもまた、両親との溝が深く、心には見えない壁があった。
二人の行く先は——……
文章がままならない作品となるかもしれませんが、この作品もよろしくお願いします!!
- Re: 私の見えない世界 ( No.2 )
- 日時: 2013/01/05 22:40
- 名前: 詩音 (ID: ex27zm0y)
イエーイ!詩音だよー♪
お客様一番乗り〜!!
設定凄いおもしろそうだね。
更新早々期待☆
- Re: 私の見えない世界 ( No.3 )
- 日時: 2013/01/05 22:42
- 名前: るな (ID: D//NP8nL)
私立城慶高校。
俺が通う高校だ。あまり有名ではないものの学力はトップクラスだし、生徒数も少なくない。
今日は二学期の始業式。俺は2‐Cの教室に入った。
俺は入学当初から遅刻ギリギリの登校が日常茶飯事。
だけど実際に遅刻したことは一回もないんだぜ?
そんなわけで今日も始業式だろうと関係なしに俺はチャイムが鳴る寸前で教室に入った。
だからホームルームも準備が終わる前に始まった。
幸い俺の席は一番後ろで隣は誰もいない。
それでもって窓際だから荷物が机の下にあっても気づかれない。
「始業式は終業式同様、放送で行われる。しっかり話を聞くように」
担任の三影が言った。
この学校はなぜか“講堂に集まる”ということをしない。講堂はちゃんとあるのに。
講堂は名前だけで、いつも立ち入り禁止になっている。
始業式の校長の話も聞かないでボーっとしていると、いきなり教室が騒がしくなった。
「うるさいな…」
俺はこの歓声の意味を理解しなかった。関係ないと勝手に思って。
式が終わって、やっと静かになったかと思ったら、今度は黒板の前に知らない女が立っていた。
長い前髪を右に分け、メガネをかけた女。
後ろ髪は栗色でふわふわしていて、背中まである。背は見たところ俺より少し小さいくらいだ。
ちなみに俺は170cmある。
うちの学校の制服をスタイルよく着こなした、どこか影のある女だった。
「真白このみです。よろしくお願いします」
抑揚なく彼女は言った。
「そしたら、真白。本条の隣の席に行け。一番後ろの、ほら、窓際の席の奴の隣だ」
「はい」
いきなり俺の名前が出て驚いて間もなく、真白このみはこっちに向かってきた。
だけど顔や口調に似合わず、いたるところに体を…いや、右半身をぶつけていた。右半身をぶつけながら、真白このみは俺の席の隣にやってきた。
何事も無かったように真白このみは空席に腰を掛けた。
「あ、えと、本条みのるです。あ…っと、よろしく」
「……よろしく」
少しもこちらを見ようとせず真白このみは言った。
自己紹介が遅れたが、俺は本条みのる。城慶高校に通う17歳だ。俺がどんな奴かってことは、そのうち分かる。
そのうちに真白このみは顔をうずめて寝る体制に入ってしまった。
「あぁ…真白、さん?寝ちゃうん…ですか?」
「『このみ』」
「は?」
「『このみ』って呼んで。苗字で呼ばれるの私嫌いなの。それに、寝たってあなたに迷惑はかけないでしょう」
「え、でも今から二学期の大体の日程が掲示され…ますよ?」
この学校、1年間の予定が学期ごとにしか掲示されないから、始業式って結構大事だったりする。
「いいのよ、昨日全部聞いたから」
「あ……そうっすか……」
何も言い返せなかった。
なんだ、この真白このみ。 俺、嫌われてる?
「ねえ、家が近いって聞いたんだけど」
「はい?」
急に真白このみがこっちを見たから驚いた。
「あなた、駅の近くにある大きい家の人でしょ?今日の放課後、送ってって。私、まだ道よく知らないの」
よかった。嫌われてるわけではないようだ。
「あ、いいで…すよ」
返事をする前に、真白このみはもう寝てしまっていた。 不思議な奴だ。
- Re: 私の見えない世界 ( No.4 )
- 日時: 2013/01/06 17:41
- 名前: るな (ID: D//NP8nL)
今回も頑張っていきま〜す!!
よろしくね☆
- Re: 私の見えない世界 ( No.5 )
- 日時: 2013/01/06 17:45
- 名前: るな (ID: D//NP8nL)
2 鍵
——本条みのる——。
この人なら自分の心を癒してくれる気がした。
どうしてなのかは自分でも分からない。
ただ、何となく。
何となくそんな気がした。
- Re: 私の見えない世界 ( No.6 )
- 日時: 2013/01/07 14:13
- 名前: るな (ID: D//NP8nL)
真白このみは何もしゃべらなかった。 無言で歩いていく。
俺がいなくても家に帰れるんじゃないのか、こいつ。
そう思った俺は、少し離れて歩いた。
すると、グイッと制服をつかまれた。
「離れないで」
そして俺は真白このみの右側を歩かされた。
なんか離れようとしてから俺の制服を離そうとしない。
しかもだんだん俺の方に寄ってきて何度かぶつかった。
「大丈夫?」
「ええ」
そのまままた何にも喋らずに歩いた。
俺の家はこの街で一番大きい敷地を持っている。 日本を代表する…とまではいかないけど、そこそこ金も権力もある。
でも、うちの近くに誰かが引っ越してきたなんて聞いてない。どこに引っ越してきたんだろうか?
「家って、どこなんすか?」
「あなたの家の向かい」
「え?でも誰かが越してきたなんて聞いてないっすよ?」
「だってまだ挨拶に行ってないもの」
なんなんだ、こいつ。普通一番先に挨拶に来るだろ。
……って、俺ん家の向かい? 今まで空き家だった、あの幽霊屋敷かよ。
「まさかとは思いますけど…幽霊、じゃないっすよね?」
何言ってるんだ、俺。 バカなことを言ったな…。
「…プッ」
わ、笑われた…。
「バカね、そんなはずないじゃない。あそこは私の祖父母の家よ。…その祖父母も、七年前に両親と一緒に吹っ飛んでしまったけど…」
「えっ?」
最後の方、声が小さくて聞き取れなかった。
「なんでもないわ。ありがとう、送ってくれて。引っ越しの挨拶はあなたにしたから良いわね。恵まれたご家族に、よろしく言っておいて」
いつの間にか、家の前に着いていた。
真白このみの言葉に返事する頃には彼女は既に家の中に入っていた。
俺は呆気にとられながら、自分の家へと足を向けた。
「おかえりなさいませ、みのる様」
メイドの成瀬ひよりが出迎えた
。今年で23歳の彼女は6年前に家に来た。なぜ来たのかという経緯は知らない。
ただ、家の事情としか教えてくれなかった。
「本日の学校はいかがでございましたか?」
「転校生が来たよ。ちょっと、変な奴だったけど」
俺は彼女を“ひよりちゃん”と呼んでいる。
変な気があるわけではなく、彼女がこの家に来たのが俺が11歳の時だったから、そう呼ぶようになった。
「ねぇ、ひよりちゃん。その転校生、向かいの幽霊屋敷に住むんだって」
「そうでございますか。ですが、あのお屋敷のことを【幽霊屋敷】だなんて言ってはいけませんよ。…転校生の方も傷つきますから。それに…」
「それに?」
「聞いたことがあるのでございます。あのお屋敷は最近…と言っても10年経つか経たないかのことですが、すごく賑やかだったそうですよ。それもまるっきり無くなってから、庭の手入れもされなくなって【幽霊屋敷】と呼ばれるようになったそうです」
確かにそうかもしれない。
あそこが【幽霊屋敷】と呼ばれて、ちょっとした遊び場になったのはここ何年かの話だ。
「そうだ、みのる様。旦那様からお手紙が届いておりましたよ」
「……そう。捨てておいて」
「承知いたしました」
俺は両親が嫌いだ。 正確には俺の義父母が。
義父母は、俺の父親の弟・慎也とその妻・凛子だ。
しかもその義父母は日本各地を飛び回っていて、この家になんかいやしない。
俺ん家の財産全て盗って、その金で遊び回っている。会社のことはほとんど部下にやらせて。
全てはあの事件のせいなんだ。
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