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【後書き更新】ネオンソーダの泡達のポップ 【完】
日時: 2013/04/05 16:39
名前: れとら ◆8Odabd9tcI (ID: uM8899vc)

>ぱちんぱちんと消えるモノほど、
>何かを残していくものなんだぜ

れとらです。
放置してたのを開いてやりました。

ネオンなポップなしゅわしゅわな話←
訳分かんねぇよ。

まあ、頑張ります。

目次  登場人物 >>6

0 >>1 
1 >>2>>3
2 >>4>>5>>7
3 >>8>>9(2行まで)
4 >>9,(●の後から)>>10>>11>>12>>13
5 >>14>>15>>16>>17
6 >>18>>19>>20>>21
7 >>22>>23>>24
8 >>25>>26>>27
9 >>28>>29>>30

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Re: ネオンソーダの泡達のポップ ( No.12 )
日時: 2013/03/28 14:28
名前: れとら ◆8Odabd9tcI (ID: MGsyo9KU)


その辺りから、私にはその記憶が薄れてきている。
思い出したくないからなのか、それとも。
何かが引っかかって、思い出せないのか。

中学でも、そうだった。
私は携帯を買ってもらっても、着メロ設定とかは何もいじらなかった。
私が入ったグループには、少しおかしなルールが存在した。
『自分達のグループの子のアドレスには、必ず同じ指定着信音を設定する』こと。
その着信音は、全て、リーダーが決めていた。
音楽を聴くことを、まだ、躊躇していた頃、だった。
私はそのルールをつい、無視してしまった。
そして。

「何で玲加設定してないの!?」
「えー、ありえなーい」
「ホント、うちらのことキライなの?」

また、中傷は並べられる。
音楽は、私の世界に果たして必要だろうか?

Re: ネオンソーダの泡達のポップ ( No.13 )
日時: 2013/03/28 14:56
名前: れとら ◆8Odabd9tcI (ID: MGsyo9KU)


勿論、音が無ければ世界は廻らない、普通には。
でも、自ら音楽を聴くことを他人に押し付けることはどうだろう。
高校に入り、16歳になったくらいで、音楽へのためらいが少しばかりなくなった。

だから、『NEONSODA』というバンドの音楽にも興味を持った、が。










「(私が音楽を奏でることを、あの子は許してくれるかな)」


              

Re: ネオンソーダの泡達のポップ ( No.14 )
日時: 2013/04/01 11:12
名前: れとら ◆8Odabd9tcI (ID: MGsyo9KU)


入り口のところで立ち竦む私に気付いたダイは、イヤホンを取って立ち上がった。
私を椅子に座らせたダイは、本題は、というような口ぶりで話し出した。

「レイは、NEONSODAの一員になる気、ある?」

いつもとは違う低い声で言うダイは、何処か寂しげに、そう言った。
誰かを思い出すような、そんなような。

「私だって、やってみたいですけど」

でも、とダイにというより私に、そう口に出してみた。
じゃあなんで、といった顔をしているダイ。
その時、入り口の外で物音がしたと思う。

「私が音を奏でることは、あの子の為にはならない……!」

音楽室の茶色のタイルを蹴る。
視界には、青の上履きと、緑の上履き、それに茶色。
無くなった音楽へのためらいが、また、私を襲った。


「それは、違う、と思う」

再び物音がして、振り向いた先にはケイがいた。

Re: ネオンソーダの泡達のポップ ( No.15 )
日時: 2013/04/01 11:29
名前: れとら ◆8Odabd9tcI (ID: MGsyo9KU)


[kei side]

盗み聞きするつもりは無かった、と思う。
ダイに言われた通り、佐倉さんもといレイを旧音楽室に呼び、レイに言った通りに後から其処に足を運んだ。
ドアノブに手を伸ばしたときに聞こえてきた彼らの会話から、入りづらくなって、それで、聞いていた。

『私が音を奏でることは、あの子の為にはならない……!』

レイが言ったその一言は、僕の心に何故か突き刺さった。
"あの子"とは恐らく、というか絶対、奏都のことだろうと思った。
レイは気付いていないが、僕らは、深く繋がっているんだ。

「それは、違う、と思う」

奏都はそんなこと、望んでない……!

「何で、何で」
「奏都はそんなこと、望んでない……!」
「……何で!!」

そんなことは言えるの、と。
奏都はそんなこと言えるはずない、と。
僕にそんなことばを、レイはぶつけた。

あと少しで、完全下校だ。

Re: ネオンソーダの泡達のポップ ( No.16 )
日時: 2013/04/01 11:41
名前: れとら ◆8Odabd9tcI (ID: MGsyo9KU)


[reika side]

何で、何で、何で、何で、何で。
何で、ケイが奏都を知っている?

                ●

奏でる都、と書いて「かなと」と読む奏都の名前は、ドラマーだった伯父が付けた。
因みに私の名前は、伯母が付けたのだけれど。
4つ下の弟が出来たと喜んで、私は奏都に色々なことを教えた。
得意だった音楽、得意だった国語、得意だった絵。
けれど、私が教えた音楽が伯父の血で、奏都を苦しめたんだと知ったのは、12歳の頃だ。

奏でる都とは名前負けで、歌もリコーダーもピアノも、奏都はてんで駄目だった。
8歳の奏都は、ある日、私にこう言った。

『お姉ちゃんの名前が、奏都だったよかったね。それだったらぴったりだったのに。僕が玲加で、お姉ちゃんが奏都』

ドラマーの伯父の血は、全て私がもらってしまったのだと気付いた時だ。
その時は、女子と男子なんだから名前はこのままで言い、と言ったけれど、それでも奏都は1週間、言い続けた。
それから、私も音楽を聴かなくなった。
そのせいで、小、中と傷ついた。


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