コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 輪廻転生——時を越えた恋心——【3/22更新】
- 日時: 2014/03/22 09:45
- 名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: WCPibcIC)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=24475
桜咲く春、君に出会い 太陽輝く夏、好きになり
紅葉舞い散る秋、告白し 雪降る冬——君を失った。
これは——平凡な少年と、非凡な少女と、日本に伝わる伝説を廻る
——優しい恋の物語——
*
初めまして(の方が多いかな?)緑茶と申します!
今まで二次映像で書いていたのですが、そちらの作品が完結いたしましたので、新しい作品を書くことにしました!(前の作品は、上のURLから行けます)
亀更新ですが、よろしくお願いしますm(__)m
【目次】
*プロローグ >>1
*1* >>2
*2* >>7
*3* >>8
*4* >>9
*5* >>13
*6* >>20
*7* >>23
*8* >>26
*9* >>31
*10* >>33
【キャラ紹介】 >>3
【用語紹介】 >>4
【参照数】
100突破 >>10
200突破 >>17
300突破 >>20
400突破 >>25
500突破 >>32
《お客様》
朔良様
shadow様
カナタ様
《special thanks》
わちや様
《2014.1.1 始動》
- Re: 輪廻転生——時を越えた奇跡——【2/18更新】 ( No.29 )
- 日時: 2014/02/21 17:39
- 名前: shadow (ID: JzVAb9Bh)
ビビりました、、
作者様がバスケの素人なんて……。
描写から分かりやすい情景が伝わってきたので 、てっきりやってるのかと思いました。すげぇ〜
それと参照、おめでとうございます。
梗君がかっこいい@
けど、レギュラー発表の時、名前間違ってますよ。修正で直したほうが…
また来ます。頑張ってください。
- Re: 輪廻転生——時を越えた奇跡——【2/18更新】 ( No.30 )
- 日時: 2014/02/21 19:59
- 名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: eOcocrd4)
shadowさん
ありがとうございます!!
はい、全くのバスケ初心者でございます。
そして……やっちまったぁぁぁぁ\(^o^)/
ご指摘ありがとうございます。修正しておきました。
誤字脱字には気を付けているつもりだったのですが…お恥ずかしいorz
shadowさんも頑張って下さい!
- Re: 輪廻転生——時を越えた奇跡——【2/18更新】 ( No.31 )
- 日時: 2014/03/22 09:46
- 名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: WCPibcIC)
*9*
審判の手からボールが放たれ、試合が始まった。
ベンチで感じたより何倍もの圧力が、僕の肩に、足に、体全体にのしかかる。初めての公式戦に戸惑いながらも、僕はそれを押し退けるように動いた。
ドリブル。パス。シュート。ぶつかった力は拮抗し、攻めては守るを繰り返す。
コート中を走り回ってどのくらいしただろう。いつの間にか休みを告げるホイッスルが鳴った。
僕は肩で息をしながらベンチに戻り、深く腰掛けた。
天井を見上げて息を整えていると、
「桔川君」
名前を呼ばれた。声のした方に視線を向けると、そこにはドリンクとタオルを持った檜扇さんが立っていた。
「ああ、ありがと」
差し出されたそれらを受け取る。冷えたドリンクは、熱くなった体にはとても気持ち良かった。
「頑張ってるじゃん」
タオルで顔を拭いていると、また声がした。タオルを取り、見上げると予想通り燐が居た。
「選ばれたからには全力でやらないと、選ばれなかったお前らに悪いだろ」
「全くその通りだぜ。このペースで頑張れよ!」
「ああ。行ってくる」
差し出された燐の手を握って立ち上がる。そのままハイタッチを交わし、僕はコートに戻った。
*
再びホイッスルが響き、後半がスタート。
現在の得点差は二点で、僕達、秋明中がリードしている。だが、少しでも気を緩めると簡単に逆転されてしまうので、決して油断できない。
より多くの点を奪おうと果敢に攻め込むが、ゴールにたどり着く前に防がれてしまう。相手も逆転しようと攻めて来るが、こちらもゴールに近付かせない。
一進一退の攻防が続き、状況が動かないまま、残り時間一分。
そこで——動いた。相手のパスが通ったのだ。ボールを受け取った選手がそのままゴールへ向かう。先輩がブロックするも結果は虚しく、スリーポイントシュートが決まった。
(逆転……された……)
残り時間はわずか三十秒。これ以上は——と視線を下に向けた時、
「何してる! まだ可能性はある! 前を向け!!」
耳に届いたのは、練習中によく聞いた部長の声だった。
同じように下を向いていたメンバーは、皆その声で顔を上げた。部長の眼にはまだ闘志が宿っていた。
(そうだ……まだチャンスはある!)
部長の言葉で、再び闘志を灯した眼で僕らは敵を見据え、最後の希望を信じて走り出した。
*
デジタルタイマーの数字が一つ、また一つと減っていく。
わずかな残り時間、全力でぶつかる。
——残り五秒。奇跡的に通ったパスはゴール下の僕の手に届く。そのままシュート……!
ガンッ!!
ブロックに戻ってきた選手の手にかすり軌道がブレたボールは、鈍い音をたててゴールのリングに弾かれた。
弾かれたボールが床に落ちると同時に、ホイッスルが試合の終了を告げた。
*
控え室に戻った僕は皆に頭を下げた。
「すみません、でした。僕のせいで……」
小さな声で謝ると、ペシッと頭を叩かれた。
反射的に顔を上げると、そこには部長の笑顔があった。
「別に桔川のせいじゃない。相手に逆転を許した俺達の責任でもある」
「でも……!」
「でも、じゃない。誰のせいでもないんだ。例えお前のせいでも、俺はお前を責めたりしない。……それに、結果的には負けてしまったが、楽しい引退試合だったよ」
部長がそう言うと、他の先輩方も口々に「楽しかったな」とか「良い試合だった」と続けた。
「ありがとう……ございました」
声が震えるのを何とか抑えながら、僕はもう一度頭を下げた。
*
帰り道——日が沈みかけて薄暗い中、檜扇さんや燐と別れた僕は、公園に向かっていた。結果はどうであれ、桜に報告する約束をしていたからだ。
重くなる足を動かして公園にたどり着くと、そこには街灯に照らされながらベンチに座る桜が居た。
- Re: 輪廻転生——時を越えた恋心——【2/25更新】 ( No.32 )
- 日時: 2014/03/06 13:16
- 名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: cL1TK97H)
【お知らせ】
!参照500突破!
参照が500を突破しました!!
毎度の事、ありがとうございますm(__)m
そして、今回はもう二つお知らせがあります。
・題名を変更しました。
『輪廻転生——時を越えた奇跡——』→『輪廻転生——時を越えた恋心——』
とある鑑定師さんに鑑定をお願いした所、『題名から恋愛って分からなかった』とのお言葉を頂いたので、少しでも恋愛要素を出すために変更しました。
……そんなに変わってないw
・テスト期間でしばらく更新できませんorz
読んでくださってる皆様には大変申し訳ありませんが、辛抱強く待って頂けるとありがたいですm(__)m
よろしくお願いしますm(__)m
緑茶でした。
《2014.3.5》
- Re: 輪廻転生——時を越えた恋心——【3/5 お知らせ更新】 ( No.33 )
- 日時: 2014/03/22 09:47
- 名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: WCPibcIC)
- 参照: 遅くなってすみませんでした…( ノД`)…
*10*
桜は定位置である桜の木の下のベンチに座って、空を見上げていた。
ゆっくりと近づくと、足音で気づいたのか桜が視線をこちらに向ける。
「こんばんは、梗君。試合お疲れさま。……どう、だった?」
桜の問いかけには答えず、僕は無言で隣に腰をおろした。
「……そっか……」
それだけで察してくれた桜は、また空を見上げた。
「……あと一点、だったんだ」
沈黙が落ちた空間に、僕は今日あったことを少しずつ話していく。
「うん」
「僕が点を入れれば勝てたんだ」
「…………」
「僕の、せいで」
「……違うと思うよ」
今まで相づちを付いていた桜が小さな声で否定した。
「違わなくなんかない。シュートが成功していれば勝ってた。……負けたのは、僕のせいだ」
「違う。梗君のせいじゃない」
「どうして……そう言えるんだよ!!」
今度ははっきりとした声で否定した桜に、僕は立ち上がり、思わず怒鳴ってしまった。今まで溜めてきたものすべてが流れ出して止まらない。
「試合を見ていないのに、バスケをやったこともないのに……桜に何が分かるんだよ!!」
「分かるよ」
僕の固く握り締めた手に優しく触れながら桜は言う。
「ずっと見てたから。一生懸命練習してる姿を知ってるから。だから梗君のせいじゃないって思う」
「…………」
「それに悔しいなら、もっと頑張って次勝てば良い。……ね?」
「……はは。そうだよな、桜の言う通りだ」
僕は笑った。自嘲的に。
ミスを引きずって、桜に八つ当たりして……そんな自分がとても情けなかった。
「ゴメン、桜。怒鳴ったりして」
「ううん、気にしないで」
「……ありがとう」
「どういたしまして!!」
いつもの様に微笑んでくれる桜に、とても救われたんだ。
*
試合の出来事を話終わると、日はすっかり落ちて辺りは暗くなっていた。
「じゃあ、そろそろ帰るよ」
「うん。今日はありがとうね。試合の後で疲れてるのにわざわざ来てくれて」
「いや、元々約束してたし、色々話も聞いてもらったし……お礼を言うのはこっちだよ」
「それくらい、お安いご用!! 私なんかで良ければいくらでも話聞くよ!」
「なら、また頼むかも」
「任せなさい!!」
桜が得意気にドンと胸を叩く。その姿がとても可愛らしかった。
「あ、そうだ。梗君に聞きたい事があったんだ」
「ん? 何?」
聞き返すと桜は、少し申し訳なさそうに頬をかいて言う。
「今日の試合、見に行けなかったでしょ? だからお詫びと言ってはなんだけど、梗君の暇な日に一緒に出かけられないかなって」
「え……?」
一緒に出かけると言うことは、つまり……デートと考えても良いわけで。
僕にとって桜は、気になる存在というか……好きな人で。
思いもよらない誘いに、僕の思考は停止してしまった。
「ダメ……かな?」
「だ、ダメじゃない!!」
我に帰り、勢いよく首を振って否定する。
「明後日なら空いてるから、明後日の十時頃にここで良い?」
「うん。分かった」
「じゃあ、また!」
早足で公園を出る。これ以上ここに居ると、家に帰るのが遅くなってしまうし……何より、そのままあの場にいたら——きっと嬉しくて顔がニヤけてしまうだろうから。
*
早いスピードで遠くなる梗君の背中を、私は一人見つめていた。
一緒に出かけようと誘った時、梗君は何故か慌てていた様だけど、何かいけないことを言ってしまっただろうか? 梗君との会話を思い出していると、
「姉貴」
と、後ろから声をかけられた。
「ん? 珍しいね、若葉が出てくるなんて」
「別に良いだろ。……んで、今度はあの人間と出かけるのか?」
「なんだ、見てたんだ。……そうだよ。明後日一緒にお出かけ」
明後日が楽しみで笑みを浮かべると、若葉は不機嫌そうに私が座っていたベンチにドカッと腰をおろして続ける。
「前も言ったと思うけど、余り人間に関わるなよ。あいつらは俺たちと違う。どれだけ仲良くなってもすぐに居なくなる。今仲良くして、そいつが居なくなった時、姉貴は泣くだろ? ……俺は姉貴のそんな顔、見たくねーんだよ」
口は悪いが、言っている事はとても優しく、私の事をよく考えてくれているのが分かる。
「いつもありがとうね、若葉」
「…………」
お礼を言うと若葉は無言でそっぽを向いた。きっと照れてるんだろう。
「姉貴は……」
向こうを向いたまま若葉は口を開く。
「何?」
「……何でもない。じゃあ俺は戻る」
そう告げると若葉はスタスタと戻っていった。
そして誰も居なくなった公園で一人、星が瞬く空を見上げ願う。
明後日が素敵な日になりますように——
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