コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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共鳴のプラネット【完結】
日時: 2014/04/11 19:50
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=36208

 こんにちは。またははじめまして。
 朔良と申します。

 2014に入った節目ということで、新たに物語を書きはじめたいと思います!

 今回はバンドを組んだ男女3人の話です。
 タイトルにひねりがもう少し欲しかったと自分でも思っておりますが、これが朔良の限界でした……。
 更新、かなーり遅いです。
 余裕で2〜3週間しなかったりします。
 たまーに頑張るときもあり。
 コメント返信も遅くなることが多いですが、ご了承くださいませ<m(__)m>

 
 よろしくお願いします!

 URLは短編集「甘美な果実〜微かな吐息〜」です。



【目次】
登場人物 >>1
prologue >>2
第0章  >>8 >>14 >>16
第1章  >>21 >>25
第2章  >>26 >>27
第3章  >>35
第4章  >>41
第5章  >>48 >>51
第6章  >>55
第7章  >>67 >>68
第8章  >>72 >>73
最終章 >>74

完結ありがとうメッセージ >>75



【お客様】
緑茶様
珠紀様
ゴマ猫様
いろはうた様
華世様
妖狐様
苑様
御子紫様
瑞咲様
水野雅様 
はるた様
七海様 
莉遠様 
優様
たまのり。様 
 
 
 

 コメント励みになってます!
 ありがとうございます<m(__)m>

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Re: 共鳴のプラネット【3/26更新】 ( No.71 )
日時: 2014/03/29 11:24
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)

 たまのり。さん
  こんにちは! ご訪問ありがとうございます!
  表現が上手いだなんて……! 嬉しいです!
  朔良なんかで勉強したら後で絶対に後悔しますよ汗
  そんな風にスッと読みとれる文章を書けたことがとても嬉しいです。
  たまのり。さんにそんなことを言って頂けて幸せです!
  たまのり。さんの文章だってめちゃくちゃ素敵です!
  また感想を書きに行かせて頂きますね。
  
  キーボードならまだ空いてます笑
  歌声を聞きたいだなんて夕映もとっても喜びますね( ^)o(^ )
  夕映は不器用な女ですが、伊織と響には素直でいてほしいなあ、と思いながら「歌いたい」という思いを文にしました。
  歌声が届きましたか……!
  私も嬉しい限りです(*^_^*)
  
  あ、愛してる!?
  うわあああ三人も朔良も幸せです(+_+)
  
  コメント本当にありがとうございました<m(__)m>



 莉遠さん
  お久しぶりですね、訪問ありがとうございます!
  もうすぐ完結です……
  寂しいと言って頂けて幸せです(>_<)
  長編は案外面倒臭いですよね〜!
  ネタというより話が続かないw
  莉遠さんの短編ですか!
  是非とも読んでみたい……!(^◇^)
  夕映が自分の道を決められて、私も本当に安心してます。
  このままウロウロされたら困りますしね(+_+)
  励ましのお言葉ありがとうございます……!
  夕映も喜びまくりですね!(ツンデレですが)
  コメントありがとうございました!
  更新頑張りますねー!

Re: 共鳴のプラネット【3/26更新】 ( No.72 )
日時: 2014/03/29 18:50
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)

 第8章 素顔

「——ありがとうございました。お疲れ様です」
 
 夕映がスタッフにそう声をかける。何日も続いたレコーディングが完了した。夕映が納得できず、延々と長引いたのだが。

 スタジオを出ると、伊織が缶コーヒーを手に持って出迎えてくれていた。

「お疲れ」

 短い言葉を言いながら、夕映に缶を投げる。器用にキャッチした。少し握りしめて、微かな笑みを浮かべる。

「どうも」

 相変わらず言葉はぶっきらぼうだったが。


 もうすぐ、planetのシングルが発売になる。両A面CDで、どちらも夕映が作詞作曲をした作品だ。ここ最近は徹夜状態で、常に籠っていたが、やっと完成し、今は気楽そうだった。
 その間は伊織も響も夕映の制作に何も口出ししなかった。夕映は、一人で大丈夫だと信じていたから。



「おかえり」

 家に着くと、響が温かく出迎えてくれた。家で昼食を作っていてくれていたようだ。美味しそうなサンドイッチがテーブルの上に上がっている。

「あ、これ焼いたハム入れたの?」
「そう。そのまま入れるよりいいかなーと思って」

 夕映の言葉に響が嬉しそうに頷く。響は三人の中の誰よりも料理が上手い。というより、家事全般はすべて出来る。女子力の高い男だ。


 
 そんな気楽な生活は終わり、ついにやってきたこの日。
 今日は、日本で一番有名な音楽番組の収録だった。planetはシングルの二曲をメドレーで歌う。
 夕映の母親が、舞台袖で見ているのだ。夕映本人が会社に許可を取り、母を招いた。
 夕映は、自分の思いを聞いてほしかった。今の思いを。吐き出すような歌詞とメロディーを。

 観客の歓声とMCの声がハッキリと聞こえる。
 順々にアーティストたちが歌っていく。planetの出番が近づく。夕映は珍しく緊張していた。落ち着かせるように、伊織と響が優しく微笑んだ。それに習うように、夕映も気持ちを落ち着かせ、フードを深くした。

「続いては、planetでスペシャルメドレーです! ギターボーカル、Yueが作詞作曲を手掛けた楽曲、『月の下で』『この声を』」

 夕映がスタンドマイクを持つ。覚悟を決めるように前奏が始まった。


 一人の夜 
 無力な僕は
 そっとコーヒーを飲んだ

 眠れぬ夜
 そうなるようにと
 苦い時間を過ごした

 一人が怖くて
 愛してほしくて
 声をからして叫んだ

「孤独から抜け出したい」
 そんな祈り 届くわけがない
 誰か見守ってほしい
 孤独な月が哀れむ様に
 僕を見つめていた

「縛られている僕」には
 何も出来ず 何も意味がない
 誰か助けに来てくれ
 孤独な月が慰める程
 僕は弱いのかな


 それは、伊織と響に助けられる前の悲痛な夕映の叫び。伸ばす先には何もなくて、見据える先にも何もなくて、ただ呆然と母の言うことを聞いているだけのセカイ。

 一度、音楽が途切れ、アップテンポな前奏が始まる。 
 それは、夕映の「イマ」の曲。


 涙の夜に電話をくれるような
 親しい人はいない
 それは自分のせい
 
 
 


 人の温かみを無駄にするように
 意地を張って泣いてた 
 ねぇ ごめんね

 本当は君に見つけてもらえた時
 とても嬉しかったよ

 僕に笑いかける君は
 優しくて綺麗で
 とても愛しかった
「僕の意味」を教えてくれて ありがとう

 
 響く声の中、段々と音が小さくなっていく。夕映が軽く頭を上げた時、衝撃でフードが外れる。伊織と響は焦ったが、夕映は何も動じることはなく、アカペラで最後を飾った。


 僕の声を聞いてくれて ありがとう


 ざわつく観客の声を盛大な拍手が鳴る。
 夕映はフードを被ることはなく、そのままplanetは深々と礼をして、退場した。

Re: 共鳴のプラネット【3/29更新】 ( No.73 )
日時: 2014/04/01 10:41
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)

 第8章 素顔

 ——planetボーカル、Yueの素顔!
 ——今まで顔を隠し続けていたYueが……
 ——IoriとHibikiの素顔公開もあるのか!?

 そんな声がネットに多く上がる。
 また、『あれは事故なのか? それとも演出?』などの声も。しかし、そこまでネットを騒がせた本人は収録終了直後、舞台袖に向かい、母の姿を探している。

「どうしていないの……」

 そんなことを呟きながら周りをもう一度見渡す。どこを見ても、母の姿はない。

「Yueさん」

 後ろから声をかけられ、振り向くと、そこには番組スタッフの青年が立っていた。手に持っていた白い封筒を夕映に渡す。

「先程までいた、女性に渡されまして……『planetのYueに渡して下さい』と」

 それを聞くと、勢いよく封を切る。中には、一枚の便箋が入っていた。夕映は左手で封筒を持ちながら右手で器用に半分に折られた便箋を開く。

『夕映へ
 正直、貴女がこんな歌を歌うとは思っていなかった。こんなにも、貴女のことを私が追いつめていたなんて思っていなかった。貴女の為だと思ってやってきたことは、ただの私の自己満足だったみたい。
 今まで渡してくれたお金はすべて貯めてあります。それを取りに、今度実家に帰ってきなさい。それ以外でも、月に一度くらいは顔を見せに来て。
 今まで本当にごめんなさい。貴女の活躍を心から応援しています』

 思わず、手に力が入り、紙がくしゃり、という音を立て、少し折れる。そんなことは気にしない、という風に、夕映は急に駆け出した。

「伊織、響……!」

 ペットボトルを持ち、並んでいる二人に駆け寄り、両方に抱きつく。右には伊織、左には響がいる。

「え、ゆ、夕映!?」

 伊織が困惑したように驚いた声が出る。
 響も驚いているからだろう。声が出ない。

「伊織……響……」

 顔は見えないが、夕映の声だけが聞こえる。微かに掠れた声で、愛しそうに名前を呼ぶ声が。

 伊織と響は、何も言わず、夕映の背中を撫でた。
 愛しい者に、優しく触れた。



                         第8章 完

Re: 共鳴のプラネット【4/1更新】 ( No.74 )
日時: 2014/04/01 11:19
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)

 最終章 planet


 事務所にて、planetのメンバーは集まっていた。今年行われるライブツアーについて打ち合わせするために。しかし、話はどんどん脱線していっている。

「……で、ずっと聞きたかったんだけど、この前フード外したのって……」
「事故だよ。今となっては、私には必要のないものだから」

 伊織の質問に夕映が答える。あれだけ騒がせておいて、さらりと答えている。

「歌っている時の表情を見られていたくなかっただけだから。真剣じゃない、とか言われたら困るからね。でも、今は私、自信に満ち溢れた顔で歌っている自信があるの」

 そんなことを、笑顔で言えるようになったことも大きな進歩だろう。こんな風に、自分に正直に生きる夕映が最高に格好いいと伊織と響は思った。

「伊織、響、今まで色々な迷惑をかけてごめんね」

 突如、夕映が謝罪を述べる。
 もちろん、二人は謝罪を言われるようなことをされたとは思っていないのだが、夕映の気が済まないらしい。

「それと、ありがとう。私、二人のこと、とっても大事な仲間だと思ってる。私が制作した歌は、二人に向けたメッセージだから……」

 それは、夕映が制作した楽曲二つのうちの「この声を」の方だろう。しかし、伊織と響はそれに「とても愛しかった」という言葉が入っているのを思い出す。果たして、それはどちらに向けられた言葉なのか、という疑問が生まれる。

「二人のこと、大好きよ」

 心を読み取ったように、いい笑顔で夕映が告げる。

「……ドンマイ、伊織」
「お前もな。苦労するわー……」

 二人は心底がっかりしたようにうなだれた。



 それを、扉の外からこっそり見ていたプロデューサー陸也。夕映の言葉に笑いを抑えるのに必死になっている。隣には可哀想に二人を見つめる事務所の女性社員もいた。
 二人は、出直そうと思い、一旦その場を離れ、廊下を歩きはじめた。

「……あの、素朴な疑問なんですけど、『planet』って名前、陸也さんが提案したんですよね? あれってどういう意味なんですか?」
「ん? ああ……」

 一旦言葉を区切り、陸也は言いなおす。

「夕映の名字は『白土』伊織は『天王』響は『須金』……全員惑星の漢字が一つずつ入っている。夕映は土星だ。土星の意味は『制限』『忍耐』とか。伊織は天王星で、『革命』『奇行』とかな。響は金星で『調和』『平和』とかだ」

 それだけでは分からない。説明を促すように陸也に無言で視線を送る。陸也も、言葉を続けた。

「制限されたものを、革命を起こし爆発させる。それを調和し、いいものをつくるんだよ、あいつらは」

 やっと意味が分かったように、女性は「納得」という顔で頷いた。

「陸也さん、ちゃんと三人のこと考えているんですね」

 笑顔でそう言うと、陸也は少し照れたように踵を返した。女性と二人きりでいるのは気まずいのか、急ぎ足でplanetの元へ向かった。

 心の中で夕映に呼びかけながら。

 

 ——なあ、知っているかマリオネットちゃん? マリオネットは所詮人形。操る人間がいないと動けない。
 ——だが、人間なんて皆がマリオネットだ。動かされて、動くモノたち。
 ——大事なのは、「誰が操るのか」だ。最上級の人形は、自分で操り師を選ぶ。
 ——伊織と響を操り師に選んで正解だ。同時に、お前は伊織と響のことも操っている。

 ——互いに、操りあって、認め合って、罵りあって、動かされ続けて、いい動きが出来るんだよ。


                           最終章 完
 

Re: 共鳴のプラネット【4/1更新】 ( No.75 )
日時: 2014/04/01 11:34
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)

 お知らせ

 朔良です。
「共鳴のプラネット」を読んで下さった皆様、本当にありがとうございます!

 祝、完結でございます!

 たった4ヶ月の間の連載でした。長いようで短いような、そんな感覚です。
 亀更新で、話はグダグダ……ですが、皆様から頂く温かいコメントに本当に励まされてきました(*^_^*)
 
 無事完結することが出来たのも、応援して下さった皆様のおかげです。
 参照突破記念〜なども、今回一度もやらなかったので、何も恩返しが出来ていない状態なので、本当に申し訳ないです。


 そして、新作ですが……全く何も考えていません!(>_<)
 しばらくは同時進行中だった短編集の執筆に励みたいと思います。余裕が出来たら、また長編にも挑戦したいと考えています。
 短編集にも足を運んで下さっている方々! ありがとうございます泣
 
 ではでは、今まで本当にありがとうございました!
 これからも執筆を頑張っていきますので、応援して頂けたら幸せです(^◇^)



 special thanks!
【コメントを下さった皆様】
緑茶様
珠紀様
ゴマ猫様
いろはうた様
華世様
妖狐様
苑様
御子紫様
瑞咲様
水野雅様 
はるた様
七海様 
莉遠様 
優様
たまのり。様 
エリック様
 その他、読んで下さった皆様!





                        2014.4.1 朔良
 


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