コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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共鳴のプラネット【完結】
日時: 2014/04/11 19:50
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=36208

 こんにちは。またははじめまして。
 朔良と申します。

 2014に入った節目ということで、新たに物語を書きはじめたいと思います!

 今回はバンドを組んだ男女3人の話です。
 タイトルにひねりがもう少し欲しかったと自分でも思っておりますが、これが朔良の限界でした……。
 更新、かなーり遅いです。
 余裕で2〜3週間しなかったりします。
 たまーに頑張るときもあり。
 コメント返信も遅くなることが多いですが、ご了承くださいませ<m(__)m>

 
 よろしくお願いします!

 URLは短編集「甘美な果実〜微かな吐息〜」です。



【目次】
登場人物 >>1
prologue >>2
第0章  >>8 >>14 >>16
第1章  >>21 >>25
第2章  >>26 >>27
第3章  >>35
第4章  >>41
第5章  >>48 >>51
第6章  >>55
第7章  >>67 >>68
第8章  >>72 >>73
最終章 >>74

完結ありがとうメッセージ >>75



【お客様】
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 コメント励みになってます!
 ありがとうございます<m(__)m>

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Re: 共鳴のプラネット ( No.51 )
日時: 2014/03/05 20:48
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)

 第5章 作詞作曲

 言われるがままに、おもむろに指を鍵盤に置く。響に弾けと言われた「熱情」。嫌いではないが、好んで弾く曲ではなかった。
 音がなる。そこから物語を展開していく。
 歌うよりも、叫ぶように。

「夕映、この曲苦手なんだ」
「……は」

 わざわざ弾いてやったというのにそんなことを平然と言う響に苛立ちが生まれる。そのまま黙っていると、響は夕映を見つめることなんてなく言葉を続けた。

「だって、そうだろう? 確かに上手いけど機械音みたいだ。弾くことに必死になって特に意味もない音を並べるだけ。そんな演奏で何か出来るって言うのか?」

 そこで言葉を切り、響は夕映を見つめた。夕映も響を見つめ返す。そして、無表情のまま口を開いたのは夕映だった。

「確かにそうだけど」

 平然と肯定する夕映に響は少したじろいだようだった。慣れたはずだったが、感情を読み取りにくい夕映の真意は簡単には掴めない。この後の言葉を待った。

「響、何かあった? 普段は思ってもそんなこと私に言わないよね」

 苛立ちをぶつけるわけでも泣き喚くわけでもなかった夕映に響は面食らったかのように口を半開きにし、くすりと笑った。苦笑いだけれども、安心しきったような優しい笑顔を見せながら。

「ほんと、夕映には敵わないなあ」
「何が……」

 言いかける夕映の口を塞ぐように響は前のめりに首を垂らし、夕映の方に置いた。
 夕映は少し黙ってから、口を開く。

「……どうしたの?」
「何でもない。もうちょっと」
「……うん」
「何でもないから」
「うん。知ってる」

「何でもない」と言い続ける響の背中をさする。響の優しさだった。決して自分の悩みを打ち明けない。それは少し寂しいことだけれど、こうやって甘えて、自分で解決するように頑張る。
 優しくて、強い人だ。
 それを言及することは夕映はしない。ただ、甘える場所を与えるだけ。ただ、ぬくもりになるだけ。
 そんな二人の関係だった。
 
 それからしばらく経ち、響の曲が「マンネリ化している」とプロデューサーに言われていたと知った。
 しかし、夕映はそれを聞いても思った。 
 響なら、きっと乗り越えられると。


                            第5章 完

Re: 共鳴のプラネット【3/5更新】 ( No.52 )
日時: 2014/03/05 21:51
名前: 妖狐 (ID: ET0e/DSO)

お久しぶりです!
テストが終わり、極楽気分の妖狐ですよ♪
朔良師匠の更新具合を見て、スキップしながらやってきました〜(テンションがおかしいのは気にしないでください。

人には話せない悩みってありますよね。
辛いけど辛いよって他の人には言えないように。
一人で抱え込んで頑張るんですよね。
けれど響くんのように甘えられる相手がいるのってすごく幸せなことだなって思います(*^_^*)
そんでもってそれを理解したうえで甘える場所をあたえる夕映ちゃん、素敵すぎる!
二人ともすごく素敵で、強くて、優しい方たちだと思います!!

朔良師匠、ピアノ弾けるんですか!?Σ(・Д・)
おおおお、すごいです!!
私はこれっぽちも弾けないのでピアノが弾ける人って憧れなんです。
指がすらすら動いて、音を紡いでいくのがかっこいいっていうか。
いつか師匠のピアノ、聞いてみたいです♪

更新応援しています!

Re: 共鳴のプラネット【3/5更新】 ( No.53 )
日時: 2014/03/06 20:47
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: 5K27D2Vq)

私もピアノ昔やってたので、若干話はわかります。

まあ私は楽譜を見ずにアニメやらゲームやらのBGMやらを耳で聞いて弾いていたので、あんまクラシックとかは弾けないですが


二人の関係が非リア充にはただのリア充にしか見えません。まあそれ以前にどこか信頼関係があるだけだと思うんですけど。

けど自分のことをわかってくれる人がいるってのはうらやましい限りですね。


続き頑張ってください!

Re: 共鳴のプラネット【3/5更新】 ( No.54 )
日時: 2014/03/08 16:24
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)

 妖狐さん
  お久しぶりですね!
  私もテストが終わり極楽です(*^_^*)
  そうですよね。
  辛いことを辛いって言えない人がたくさんいると思います。
  響は夕映を心の癒しとしています。
  夕映は響を……どう思っているんでしょうかね笑
  妖狐ちゃんも甘える場所がありますか?
  そんな風に、甘えることが出来る場所がある人は少なくとも幸せ者ですからね!
  弾けますが……下手くそです!
  偉大な妖狐ちゃんにお聞かせ出来る様な演奏ではないです(+_+)
  一度だけ、ピアノが原因で指をつったことがあります汗
  更新頑張りますね!
  コメントありがとうございました<m(__)m>


 莉遠さん
  おお! 莉遠さんもピアノ弾けるんですね!
  耳で聞いて……つまり耳コピじゃないですか!(゜_゜>)
  すごいです!
  私は耳コピあまり出来ないので羨ましいです。
  是非聞かせて頂きたいなあ(^O^)/
  私にもリア充にしか見えません←
  最近伊織が可哀想に思えて仕方がないです。
  信頼関係はかなり強いんじゃないかな、と思いますね。
  お互いに理解し合ってる二人だと思って書いてます。
  続きも更新したいと思います!
  コメントありがとうございました(*^_^*)

Re: 共鳴のプラネット【3/5更新】 ( No.55 )
日時: 2014/03/08 17:23
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)

 第6章 母

「——ふうん……ここがあの子達が住んでいる場所ね……」
 夕映、伊織、響が住む家の前で佇む女性が一人。
 ついに、彼女は現れたのだ。夕映の前に。



「何で朝からステーキ食べなきゃなんないんだよ!」
「はあ!? 俺が当番なんだから何でもいいだろ!」
「伊織、朝からステーキは重い」
「夕映までっ……」

 土曜の朝から彼等は騒がしい。確かに、朝食にステーキをチョイスする伊織もどうかとも思うが。
 その時、家のチャイムがなった。響が素早く立ち上がり、扉の方へと近づく。伊織はステーキを切り分け、夕映はイヤホンで音楽を聞きながら、寒いのかストーブの前で丸まっていた。
 しばらく響が戻ってこない。夕映が少し気になり、立ち上がろうとする。しかし、響は戻ってきた。後ろに、一人の女性を連れて。
 夕映は声を出ないのか、少しの間放心状態だった。まさか、会うとは思っていなかったのだ。

「——どうして、貴女がここに?」
「久しぶりね、夕映」

 
 響が温かい紅茶をカップに注ぐ。伊織がカップを台に乗せて、二つを持って夕映と夕映の母親の前に置く。

「どうも」

 伊織の方を見ずに、一言だけ母親は告げた。夕映は無言だった。

「今月分のお金はもう実家に入れたはずですが。何か不都合がありましたか?」
「いいえ、娘に会いに来るのはおかしいことかしら?」

 それを聞き、伊織が台所でこっそりと呟く。「母親ヅラすんなよ」と。響もそれに対しては反論はしなかった。

「夕映。もう、歌手なんてやめなさい」

 その言葉に、伊織と響は目を見開いた。しかし、当の夕映は平然とした表情だった。そして、思いもよらない言葉を吐いた。

「また、それですか。私はやめません。何度言ったら諦めてくれるんですか」

「また」夕映はそう言った。今までにも言われてきたのだろう。しかし、その事実を知らなかった伊織と響は今も驚いていた。夕映は誰にも言っていなかったのだ。「歌うことをやめろ」と言われ続けてきたことを。

「外に出れたのだからいいじゃない。これからも自由にしていいわ。わざわざ歌手なんて続けなくてもいいでしょう?」
「伊織と響のことを考えて下さい」

 すぐさま、そう言った。グループ活動なのだから、夕映一人だけで決めていいことではない。そして母親から返ってきた言葉は、思いもよらない言葉だった。

「他のボーカルを起用すればいいじゃない。夕映以上の歌声を持った人なんてたくさんいるじゃない」

 その言葉についに堪忍袋の緒が切れたのか、今まで黙って見ていた伊織が立ち上がり、言葉を発した。

「夕映の代わりなんていないです! 俺等が演奏したいと思うのは夕映の声だけですから!」

 母親は機嫌を悪くしたように伊織を見つめた。
 追い打ちをかけるように響が穏やかな笑みを浮かべながら言葉を紡ぐ。

「申し訳ありませんが、今日は帰っていただけますか? 少し、僕たちの気分も悪いので」

 気分が悪い、という言葉を使う。さぞかし母親も気分を悪くしたであろう。
 ため息をついて、家を出て行った。今日はきっとホテルなどを取っているのだろうけれど。

「ゆ……」

 伊織が声をかけようとしたが、遮るように夕映は自室へと向かう為に階段を上がった。
 伊織も響もそれ以上は声をかけなかった。



                           第6章 完




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