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年増化け猫と依無し少女 【感想大歓迎】
日時: 2014/07/14 20:27
名前: 一匹羊。 (ID: 5qCSmirc)

 初めましての方は、初めまして! お会いできて感動です!
 こんにちはの方は、こんにちは、平素はお世話になっております!
 お久しぶりの方は、お久しぶりです、元気になさってましたか??

 てなわけで、一匹羊です。
 某学生掲示板での挨拶を華麗に使いまわしてみました。このサイト久しぶり。
 
 
 一途な愛って素敵。
 一生懸命って素晴らしい。

 それだけで走り出した物語です。
 稚拙な文章ですが、最後までお付き合いいただければ幸いです。

>>3
幕間

>>4>>6>>8>>11>>13

第一章「淡い思い出と」


訪問してくださった方
(超感謝です!!!!!)

朔良様
蛟様
いろはうた様
マリアンヌ様

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Re: 年増化け猫と依無し少女 ( No.3 )
日時: 2014/05/22 19:33
名前: 一匹羊。 (ID: 5qCSmirc)

 ・  ・   ・     ・        ・



 ……おや。

 珍しいこともあるもんだ。


 お嬢さん、どちらから来たんだい?

 ああ、迷い込んでしまったんだね。ここはあんたのいる場所じゃあないよ。



 ……そんなに呼んだって、ここにあんたのお母さんはいないよ。これないもの。

 
 そんなに泣くんじゃあないよ。
 大丈夫。向こう側に、ちゃんといるさ。


 

 
 
 ……うん。本当に、珍しいこともあるもんだ。

 お迎えが来たよ、小さなお嬢さん。
 さ、怖いものに出会う前に帰んな。



 …………。


 あぁ、ひとつ言い忘れてた。

 あんた、こっちに来たことを他の人に話しちゃだめだよ。いいね。




 


 それじゃあ、さよなら。御機嫌よう。

Re: 年増化け猫と依無し少女 ( No.4 )
日時: 2014/05/22 19:57
名前: 一匹羊。 (ID: 5qCSmirc)

 


 窓から差し込む光が眩しくて、目を細める。
 いつの間に眠っていたのだろう。暗がりに沈んでいた部屋は、零れるほどの朝日で染まっていた。
 こきこき、ぎこちなく動く首を動かして、時計のほうに目を向ける。
 まだ四時だ。夏の朝は早い。


 開いた窓から顔を出す、誰かがそっと息を潜めているような、静謐を湛えた空。
 
 お母さんはきっとあそこにいる。


 眩しいくらいきれいで透き通った笑顔を浮かべて、お父さんと笑ってる。


 ちょっとセンチメンタルになってしまった思考を切り替えるように、ぱっと立ち上がる。きっと空を睨む。

「今日も一日頑張るからねーっ! お父さん、お母さん、見ててよね——っ!!」

 これが、私の毎日の日課。一日一回、空に向かってメッセージを。

 空の向こうにきっといる、5歳のときに事故で往ってしまったお父さんと、五ヶ月前に持病の悪化で亡くなったお母さんに、大好きな二人に、心からのメッセージを叫ぶ。

 仏壇に手を合わせるよりも、声とか思いとかが届きやすい感じがする。
 叫ぶっていう行為その物も好きだしね。

 毎日、結構なボリュームで叫んでいるけれど、どうせご近所さんなんかいないんだから恥ずかしくなんか無い。迷惑もかかってないし。

「っはー、そんじゃ今日は何しようかなぁ……」

 目はばっちり覚めてしまって、もともと朝型だから眠くも無い。
 ちょうど窓開いたし、掃除でもしようかな、と腕をまくり窓に背を向けたところで。




「ユキ」

 凛と張った声が、聞こえた。
 
 

 振り返った、
 瞬間、
 まるで、
 空から、
 降りてくるみたいに——



「迎えに来た」



 そこに立っていた青年が、私を抱き締めた。
 

Re: 年増化け猫と依無し少女 ( No.5 )
日時: 2014/05/22 22:43
名前: 蛟 (ID: faSasGNm)


ヤバい。初っぱなからもう好き←
化け猫早く登場してほしいです(*´v`)
更新頑張ってください。

Re: 年増化け猫と依無し少女 ( No.6 )
日時: 2014/05/27 18:26
名前: 一匹羊。 (ID: 5qCSmirc)

「生きてたんだな」
 呟く様な、しかしその裏に燃えるほどの熱のこもった声が、耳元に囁かれる。低く錆びた声は、男子慣れしていない私を混乱させるには十分過ぎるほど格好良かった。

 目を白黒させる私を気にも留めず、青年は私をなお一層強く引き寄せる。

「16年、俺も考えた。でも、やっぱり何も知らずお前が死ぬなんて嫌なんだ」

 瞬間、引き剥がされた。真正面から顔を覗き込まれる。

 強い意志のこもった目に、射抜かれた。

「約束の時間は待っただろう? もう良いだろう? お前の傍にいても……ユキ」

 
 ……もう。
 もう、限界っ!



「……はなし、てぇっ!!」

 叫びながら青年を突き飛ばす。
 青年は窓側に倒れこんだ。

「誰ですか、ユキって……何なんですか、人の家にいきなりっ」

 声を限りにして怒鳴りつける。意味が分からなかったし、知らない人にいきなり抱き締められたことによる恐怖もあった。
 
 すると、呆然とこちらを見ていた青年が呟いた。
 ユキじゃ、ないのか……?

 逆に私が驚いてしまう。何故なら、その声が余りにも不安げに揺れていたから。

 そこで、初めてはっきりと青年の顔が見えた。

 灰色と黒の混じった不思議な色の短髪は、くせっ毛なのかふわふわしている。
 華奢ですらりとしたシルエットに、線の細い輪郭。
 
 そして、切れ長の瞳。
 金の中に黒の瞳孔という、こちらも珍しい色合い。引き込まれてしまいそうな、冷たい揺らめきをたたえていた。

Re: 年増化け猫と依無し少女 ( No.7 )
日時: 2014/05/25 19:30
名前: 一匹羊。 (ID: 5qCSmirc)

♪蛟様♪
 
 訪問ありがとうございます!

 好きだなんて、もう! 作者冥利に尽きます! てか嬉し死にで命尽きます!!

 がんばらせていただきますね!

 P.S,読み方みずち様で宜しかったでしょうか?


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