コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 年増化け猫と依無し少女 【感想大歓迎】
- 日時: 2014/07/14 20:27
- 名前: 一匹羊。 (ID: 5qCSmirc)
初めましての方は、初めまして! お会いできて感動です!
こんにちはの方は、こんにちは、平素はお世話になっております!
お久しぶりの方は、お久しぶりです、元気になさってましたか??
てなわけで、一匹羊です。
某学生掲示板での挨拶を華麗に使いまわしてみました。このサイト久しぶり。
一途な愛って素敵。
一生懸命って素晴らしい。
それだけで走り出した物語です。
稚拙な文章ですが、最後までお付き合いいただければ幸いです。
>>3
幕間
>>4>>6>>8>>11>>13
第一章「淡い思い出と」
訪問してくださった方
(超感謝です!!!!!)
朔良様
蛟様
いろはうた様
マリアンヌ様
- Re: 年増化け猫と依無し少女 ( No.28 )
- 日時: 2014/07/01 20:53
- 名前: 一匹羊。 (ID: 5qCSmirc)
いつものちょうど倍食材を買い込んで私が帰ってくると、夕星さんは私のソファの上で寝ていた。他人の家だというのに躊躇がない。
私が近づくと、薄らと目を開ける。眠りが浅いらしい。
「速かったな」
「元々これにしようと思ってた食材の買う分、増やしただけなんで」
気だるげに、うーと唸りながら彼は起き上がる。私は台所に向かった。なんだか心に何かが引っかかっているような気がする。さっきまで、それがどういうものか分かっていたんだけど、それを形にする前に、ふとした瞬間ぱっと消えてしまったような。
袋の中身を空けたところであ、と思いつく。
「夕星さん味の好みってありますか?」
「んー……豚」
魚じゃないんだ、と意外な気分……だけど。
「私が聞いてるのは味の好みですよ……食材の好みは聞いてません」
溜息混じりにそう言うと、あーそうか、などと惚けた返事が返ってくる。この化け猫さん意外なほどボケボケだ。
「んじゃ、家庭の味。出来れば和食」
またもや少々ずれた答えに、笑い混じりで私は返した。
「ここ家庭なんですから何作っても家庭の味になりますよー?」
まぁ、だとすればダシものが嫌いってことはないだろう。うれしい事にレシピを変更する必要はなさそうだ。豚肉だしね。
そこで、ついさっきの自分の言葉に引っかかった。
はてさて、ここは果たして家庭なのか?
ここには親子はいないし、夫婦でもない。家庭とはいえないだろう。
私も大概ずれた反応しちゃったな、と考え。
「きゃああああああああああああああ!」
悲鳴を上げた。
「何だ、どうかしたのか?」
当然反応する夕星さんに、何も返せない。ただ顔を覆ってぶんぶんと頭を振る。なんでもないんです、いやホント。
忘れてたものを思い出した——————すなわち、自分の性別を。
私はAカップの高校生とはいえ女だ。寸胴体系で愛嬌があるとしか表現の仕様がないが女だ。色気より食い気だが女だ。
それが——化け猫さんとはいえ、男性を家に招き、あまつさえ同居を持ち掛けるとは。馬鹿か私は、馬鹿だ私は!!
いやでも夕星さんすごくまじめで誠実だし。
いやいやいやそれすら演技だったとしたらどうするの? 大事な人に似ている顔の人がいたから不法侵入しました、って怪しすぎでしょ。
う。
お母さんもいっつも言ってたじゃん。男の人はみんな狼なんだよって。
いやあの人は猫だけど。
下らない脳内会議が頭の中でヒートアップ、ほかの人がもし覗いたら現実逃避とタイトルをつけるような。
あぁもう顔から火が出そう。そのままこの熱で昼ご飯作れちゃうよ。
昔から、この感情的になると暴走する癖はついていた。だが!
……これは流石に、ないでしょぉお〜……。
怪訝そうな顔をしていた夕星さんは、私の様子をじっと見ていたかと思うと口を開いた。
「大丈夫だ」
「何がですか」
絶対に分かっている筈がない。そう思いながら顔を覆ったまま、片目をわずかに出して返事すると、夕星さんは無表情に言い放った。
「子供に手を出す趣味はない」
「うっは何で分かったし————————!!」
「年の功だ」
思わず口調を乱して返事する、と、彼はにやりと口の片端を上げた。
「年の功も何もっ! あんた私とそこまで変わんないでしょうに!!」
私は今高校生。灰色の髪に金の目をした彼とはどう年増に見積もっても7つ上程度だ。
すると、不本意そうな顔で答える夕星さん。
「俺は見た目より大分年刻んでるぞ、失礼な。人生の酸いも甘いもかみ分けている」
いやいやそんなおじん臭い。
と思ったが、よく考えたらこの人は猫の上妖怪(?)だった。
猫がいくつ年を取ったら化けるのかなど見当もつかないけれど、確かに20代そこら程度の若さで化けるものではないだろう。もしそうならこの地球は化け猫社会だ。
見た目より相当年増だと見ていいだろう。
黙っている私を納得したと見たのだろう、夕星さんは口を開く。
「まぁ、そんな訳でな。お前のほうは色々と繊細(笑)な時期なんだろうし、出来る限りの配慮はしてやるよ」
繊細の言い方が何だか物凄く馬鹿にしてる感じがするのは気になるが、配慮をするというのは本当だろう。この人の誠実さを疑ったことが、何だかすごく申し訳ないような気がしてきて、私は有難う御座いますと頭を下げた。
- Re: 年増化け猫と依無し少女 ( No.29 )
- 日時: 2014/07/01 21:08
- 名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)
こんばんは、朔良です。
純玲ちゃん、男性に同居を持ち掛けるなんて危なっかしい女の子ですねー笑
すぐに襲われちゃいますがな。
夕星さんの本当の年齢はおいくつなんでしょうか……
アヤカシとかもうもう本当に萌えるので、いくつ差の恋愛でも、朔良は大丈夫です!←
「繊細な時期」ってw
確かにそうではあるのでしょうが、その言い方は……ねえ笑
夕星さんは根は優しい、純玲ちゃんの助けになってくれるような男性だと想像しますので、「配慮」は当然のように考えているのでしょうかね
更新頑張って下さい!
- Re: 年増化け猫と依無し少女 ( No.30 )
- 日時: 2014/07/01 21:28
- 名前: 一匹羊。 (ID: 5qCSmirc)
♪朔良様♪
おほほいおほほい羊もどうやら手遅れの様ですよまさか朔良様がこのスレにいらっしゃって下さっているなどとそんなまさかおほほいおほほい。……え? 嘘じゃない……?
そんな訳で壁に頭をぶつけて夢じゃないことを確認してきました羊です。
またもや訪問!!!!!!!!
ありがとうございます!!!!!!!!!!
この感謝をうまく伝える言葉を知らないので!!!!!!!!!
エクスクラメーション・マーク を無駄に増やして感謝します!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
はい無知蒙昧っぷりを存分に発揮しました。どうぞお笑いくださいませ……。
スミレの漢字、本文で一度しか出していないのに使って頂けて嬉しいです。有難う御座います。
いやあなんでこんなに無鉄砲で向こう見ずな子によよよ。
襲ったりは夕星はしないと思います(キリッ
あ、でも朔良様なら以下略。いくつ差でも大丈夫とか素敵ですね!! 惚れちゃいそうですぜ姉貴!!
朔良様!!!!!!! 訪問有難う御座いました!!!!!!!!!!!!
朔良様の小説を水帆ちゃんの反応を楽しみにしつつ待っています!
羊でした!
- Re: 年増化け猫と依無し少女 ( No.31 )
- 日時: 2014/07/02 18:15
- 名前: マリアンヌ (ID: BQ1ri7Nn)
純玲ちゃんはきっと顔もかわいい子なんだろうなぁ・・・と想像しつつやってきましたマリアンヌです^^
夕星さんに会ってみたいです(マジで)容姿かなり好みっぽいです私。
どんどんと進んでいきますな・・・!これを読むのが日課になって来てる気がしますw
私の方はやっと本編に入れたぐらいで・・・ああああ文章が上手く書けません!
どうしたら文章書くの上手くなるんですか・・・( Д ) ゜ ゜
- Re: 年増化け猫と依無し少女 ( No.32 )
- 日時: 2014/07/04 21:01
- 名前: 一匹羊。 (ID: 5qCSmirc)
紆余曲折ありつつも、テーブルに並んだ料理は煮物になった。
へえ、と意外そうな声が夕星さんから上がる。
「旨そうだな」
ちょっとだけ期待の色が混じっているように聞こえた。嬉しかったのでそういうことにしておく。
いただきます、と手を合わせて二人とも箸をとる。
和風の出汁を効かせた煮物は、いつもならば根菜1種で済ませるところを今日は根菜3種に鶏肉と、大盤振る舞いだ。それに白米。実に日本人。
相当お腹が空いていたんだろう、いそいそと煮物を口に入れる夕星さん。口に入れたまま、目を丸くしたかと思うと、そのまま咀嚼し、嚥下する。黙っている夕星さんに不安になりながら、私は尋ねた。
「…………どうでした?」
私を見た夕星さんは、ひたすらに意外そうな顔。
「旨い。予想以上に。お前本当に女子高校生か」
憎まれ口も気にならない程の賛辞に、こちらが照れてしまう。
「ど、どうも」
「うん。本当旨いよ。有難う」
夕星さんは、その後は私を見ず一気にご飯をかきこんだ。その食べっぷりを見るに、もうちょっと食べるのが遅かったら行き倒れていたかもしれないなと考えた。
そこで、かたんという音が聞こえた。夕星さんが箸を置いた音だった。
「御馳走様」
「いいえ、どう致しまして——って速っ!?」
あまりにもさらりと言われたので反応が遅れてしまった。え、私まだ一口も食べてないよ? どんだけ腹ペコだったの……?
「早く食えよ。食が細いのか?」
「い、いえ。ケッコウデス」
そんな会話もありつつ私も完食。二人で洗い物も分担して終了。
さて、時刻はすでに午後二時を回っている。
することもなくなった所で…………。
「……あの」
「……なあ」
「っあああぁあすいませんっ! そちらからどうぞっ」
「い、いや、俺は後でいいぞ、そっちから言え」
「…………じゃあ、お言葉に甘えて。……何しましょう?」
「奇遇だな。俺も今そいつを考えてた」
抜け抜けと言い放つ夕星さん。
お互いのことを知らないのに、何かを話したり、ましてや一緒にできるようなこともない。
気まずい沈黙が流れる。
「…………よ、よしっ! じゃあ早速ユキさん探しに繰り出しましょうか! ねぇ夕星さん!」
「早いな……まぁ暇だし行くか」
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