コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 生まれた星が悪かった!
- 日時: 2015/10/15 19:39
- 名前: あずさん (ID: uWXzIoXb)
おてんばで活発な和国の姫・メイリィ。
王子の婚約者候補としてやってきたレイジュ王国では、正直王族から迷惑がられてるけど気にしない!
だが、そんな彼女に思わぬ事態が!!
ってカンジの話ですが、そこまでドロドロしておりません(ちょっとダークかもしれないけど)!
元気なお姫様がめっちゃ奮闘したり、助けてもらったり、迷惑おかけしたりすると思います!しっかりラブコメ要素いれちゃいます!
あたたかーーく見守ってください!
- Re: 生まれた星が悪かった! ( No.19 )
- 日時: 2015/11/10 06:44
- 名前: あずさん (ID: uWXzIoXb)
第12話「雨にもまけず風にもまけず下っ端家来にも負けず!下」
眼下にいる家来たちを眺めながら、それにしても最近の自分は不幸すぎると実感させられる。
婚約者からは婚約破棄を言い渡され、濡れ衣きせられて監禁された挙句、刑によっては死ぬ可能性もあるなんて。
しかもどうにか前向きになろうとした矢先、家来たちに嫌がらせされそうな現状とか……。
「久々にサボらず受けた授業で『四面楚歌』って言葉習ったけど、まさに今それだわ」
「アイ〜?」
首をかしげるオサルに、パッと振り返って、「なんでもない」と言いながら笑ってみせた。
「ひひひ。こっちはロンリーウルフで満足ですよ!」
腰に手をつけて堂々と高笑いした。
「“やられる前にやる”———よっしゃ!オサルいくぜよ!」
そう言ってリュックの中をガサガサとあさった。
そうしていると、下のほうから「メイリィ様〜」と家来たちが自分の名を呼んでいることに気が付いた。
少しだけ耳を傾けた。
「メイリィ様いらっしゃいますか!?家来の者ですが、メイリィ様にお届け物を持って参りました」
家来の一人がそう言い、隣に並ぶ者たちはクスクスと笑っていた。
とりあえずそういう光景は、見ずともメイリィには予想がついていた。
「来たな。お届け物なんて笑わせる」
フンと鼻で笑い、リュックを背負ったまま鉄格子の窓に近づく。
「は〜〜〜い」
のんびりとした返事をしながら、外の家来たちと目を合わせた。
「おぉ!メイリィ様!よかったです、お元気そうで」
「(どこがお元気そうに見えますかっての!)で、お届け物ってなに?」
「あぁ、それはですねー…」
ポケットに潜ませている石ころに手を伸ばす家来。
メイリィはその光景を見逃さなかった。
「させるかボケぃ!!」
瞬間、リュックの中から取り出した果汁たっぷりの果実たちを、眼下の家来たちに向かって剛球のように投げつけた。
頭上から降ってくる得体の知れないソレに、家来たちは呆気にとられる暇もなく攻撃を受けた。
バシャン ビシャン ベチャッ
あちこちから果実が弾ける音が聞こえて、そのたびに「うわ!なんだこれ!」「くそ目に入った!」と家来たちの驚嘆が聞こえる。
メイリィがどんな出来かな、と注目してみると、とても芸術的なお顔に仕上がっていた。
「似合ってるよ〜!あ、トマトは美容にいいからそのまま睡眠したらいいよ〜!」
「なッ…あぁぁ〜〜〜!くそ〜〜〜!あのクソガキ〜〜!」
敬意の口調はどこかへ消え去り、家来たちはすっかりメイリィを悪ガキ扱いだ。
頭にきた一人の家来が少し大きめの石ころをメイリィに向かって投げつけようとした。
「ふざけるな!!」
怒声とともに投げつけたその石は、勢いよくメイリィのほうへ飛び込んでいく。
しかし、寸前でオサルが出現する。
窓の前に立ったオサルは、厚い布をもっていた。
それをバッと広げ、窓全体を覆ってみせる。
そこからはオサルの、小猿離れした超人技だった。
すさまじいスピードのその布の四方を頑丈な釘で打ち込み、完璧な攻防壁を作ってみせた。
投げつけられた石は文字通り弾き飛ばされ、主人のもとへ転がり落ちる。
「わぁ!オサル最高!さばけ過ぎ!」
パチパチと拍手するメイリィの前で、頭をかいて照れるオサル。
その真下にいる家来たちは、言葉を失って唖然としていた。
「あ!家来さんたち、おつかれさま。そろそろ仕事に戻らないとまずいんじゃないんですか?」
「こんなことしておきながら、よく言える!」
「はぃぃ!?先に仕掛けてきたのはそっちじゃん!言いがかりつけないでよ」
「何を言う。この光景を見たら、どう考えても被害者は我々だ!」
「もう面倒くさいな。じゃあもういいよ。勝手に報告なりなんなりどうぞ」
「なんて軽々しいんだ。ただで済むなんて思うなよ」
「思っちゃいないよ。今さら私がどうこうしたところで刑は変わんないんだし」
「…くッ」
悔しそうに奥歯を噛みしめる家来たち。
「覚えとけよ」
そう言い残して、家来たちはその場を去っていく。
足音が消えたのを確認し、メイリィは特大のため息をついた。
「やぁ〜〜〜。かなり面倒くさいねコレは」
「アイ〜〜」
一緒になってオサルもため息をついた。
メイリィはそんなオサルの頭を撫でて、「今日はありがとう」とささやいた。
「ごめんね。せっかく取ってきてくれた食料だったのに。全部使っちゃって」
するとオサルはぶんぶん首を振って「気にしないで」と言っているようだった。
「優しいねオサルは。和国に戻れたらさ、オサルが好きなもの何でも食べさせるからね」
「アイ!」
嬉しそうに目を輝かせるオサル。メイリィも自然といつもの笑顔を浮かべるようになった。
「だからさ、必ず和国に帰ろう。絶対にね」
最後のほうの言葉だけ、少し声色が強かった。それだけの願望が詰まっていたのだ。
- Re: 生まれた星が悪かった! ( No.20 )
- 日時: 2015/12/04 06:49
- 名前: あずさん (ID: uWXzIoXb)
第13話「それぞれの朝をむかえています」
あれから一週間がたち、メイリィのいなくなった王宮は穏やかな時間が流れていた。
と、言いたいところだが……
「ぎゃぁぁ!朝食の支度ーーーッッ」
ドタバタと荒々しい足音をたてながら廊下を走るシェフたち。
「お花に水をやる時間だッ!!」庭師の男が血相変えて走り回る。
そんな騒がしい早朝に不機嫌そうに目を覚ましたガージスは、廊下に出て「静かに走れ!」と一喝した。
「まったく、何だと言うんだ。最近たるみ過ぎているじゃないか」
メイリィがいなくなったことで平穏な日々が訪れると願っていた矢先、失望しそうな現実だ。
「ポルメリア氏がいないからですよ」と、ガージスの耳元で誰かが囁く。
驚いて振り返ったガージスの前にいたのは、ロッカだった。
「貴様、もう少し普通に出てこれるのか」
「仕事柄、くせでして」
笑顔で片付けるロッカ。
「それより、貴様は先ほど何と言った。忌々しい名を口にした気がしたのだが」
「忌々しい…ですか。私はポルメリア氏がいないから、とだけ言っただけですよ」
「その名だ。なぜ、この現状でその名を出す」
「お気づきでしょう。このような騒々しい朝が始まったのが、ポルメリア氏が王宮を離れてからだと」
明らかに眉間にしわを寄せるガージス。
このまま彼女の話を続けるとガージスが怒るかもしれない。
だがこの大臣が怒ったところで何も怖くないロッカは、話を続けた。
「ポルメリア氏は以前から早起き名人でしたからね」
「何を言いたい。やつが毎朝騒がしい行動ばかりしていたおかげで皆が定時に起きれたとでも?」
「ご名答ですよ。さすが大臣」
ニッコリと笑みを浮かべ、「それでは」と呼び止める間もなく颯爽と去っていくロッカ。
「ふん」
納得いかないガージスもロッカとは反対方向に足を進めていく。
厨房にきたロッカは大忙しに働くシェフたちの様子をうかがった。
「なにかお手伝いでもしましょうか」
「何言ってんだ!一流シェフの技量もねえ召使は引っ込んでろ!」
一番タチの悪そうなシェフから返答がきた。
ロッカはそれでも涼しい顔して「了解しました」と応じる。
そしてちらりと厨房の片隅にあるザルに抱えられたいくつかのリンゴに目がいく。
艶のある綺麗なリンゴ。
すぐにそれが、メイリィのふるさとのリンゴだと直感した。
(そういえばポルメリア氏から頂いたものはすべて見回りの者たちに配ってしまってもうないな…)
また、食べてみたいな————などと考えていると、無意識にリンゴに手を伸ばしていた。
すると、そこへディオラ王子が駆けつけた。
息切れしながら駆けつけたディオラの髪はボサボサ。服装も今さっき着替えたばかりだと分かる。
つまり、王子も寝坊したのだ。
自分たちと同じように寝坊したであろう王子の姿をみて、どこか安心するシェフたち。
「ちょ、朝食の手伝い…はぁはぁ…俺もしようか?」
息切れしながら駆けつけた我が主のお優しいお言葉。
シェフたちが一瞬感動し、そしてすぐに両手を振って「とんでもありません!」と首を振った。
「私のときもそういった態度を見せてくれてもいいのに」
ボソッとつぶやいた言葉に、なぜかさきほどのタチの悪い男性シェフが睨みつけてきた。
「はいはい立場が違いますね。そうですね」
小さな声で軽い文句をつぶやき、シェフたちの働く姿をじっと見るディオラを視界に入れる。
すると、その彼と目が合い、無条件にディオラのほうから近づいてきた。
「やぁ、ロッカさん。おはよう」
「おはようございます、王子。今日はお洒落な髪型をしていますね」
そう言われた途端、「え!」と驚嘆し厨房の鏡でその寝癖の激しい髪型を確認するディオラ。ついでに乱れた服装も。
そして手で顔を覆い、羞恥心にとらわれ始めた。
「こんな姿でシェフたちの前に…」
「気にすることはありませんよ。——て、私のような立場が言うものじゃありませんね。申し訳ございません」
「いや、いいんだよ。ストレートに指摘してもらうのが一番だ」
髪を整えながら、ロッカが手に持っているリンゴに目線がいく。
「リンゴ?」
「え?あぁ、はい」
「きれいなリンゴだな」
「そうですね」
メイリィのふるさとのものだと言おうか迷っていたが、なかなか口に出せなかった。
「あなたのものか?」
「はい」
厨房にあったものを勝手に自分のものだと発言したが、シェフたちは聞こえていないみたいなのでこのまま貰ってしまう方向に切り替える。
ちょうど食べてみたいと思っていたところだし…。と考えるロッカ。
(この話つぎも続きます)
- Re: 生まれた星が悪かった! ( No.21 )
- 日時: 2015/12/04 21:24
- 名前: ぱすてる∞ (ID: Q.pGZPl6)
もう書いてくれないのかと思いました…!
よかった〜!!
更新がんばってくださいねー!
- Re: 生まれた星が悪かった! ( No.22 )
- 日時: 2015/12/09 18:34
- 名前: あずさん (ID: uWXzIoXb)
ぱすてる様
受験とテスト期間でなかなか来れませんでした〜!!
でも一段落したので、また更新再開します!!
わざわざ来てくれてありがとうございます〜〜!!
- Re: 生まれた星が悪かった! ( No.23 )
- 日時: 2016/01/29 21:32
- 名前: ぱすてる∞ (ID: Q.pGZPl6)
お久しぶりです!
最近更新ないので不安です(;o;)
更新難しくても、顔をだしてくれれば安心できますー!
これみてたら、お返事よろしくおねがいします。
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