コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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生まれた星が悪かった!
日時: 2015/10/15 19:39
名前: あずさん (ID: uWXzIoXb)


おてんばで活発な和国の姫・メイリィ。
王子の婚約者候補としてやってきたレイジュ王国では、正直王族から迷惑がられてるけど気にしない!

だが、そんな彼女に思わぬ事態が!!

ってカンジの話ですが、そこまでドロドロしておりません(ちょっとダークかもしれないけど)!
元気なお姫様がめっちゃ奮闘したり、助けてもらったり、迷惑おかけしたりすると思います!しっかりラブコメ要素いれちゃいます!

あたたかーーく見守ってください!

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Re: 生まれた星が悪かった! ( No.4 )
日時: 2015/10/20 19:21
名前: あずさん (ID: uWXzIoXb)


第4話「いったい誰が悪かった?」


私のふるさとである和国から段ボールいっぱいのリンゴが送られてきた。
そして段ボールの底には、一通の手紙があった。
半年ぶりの家族からの手紙に、胸が高鳴りっぱなしだ。


———メイリィへ 元気に暮らしていますか?

そこからは、長々と私のことを本当に心配しているんだと感じ取れる言葉が綴られていて思わず目が潤んだ。

———今度あなたが帰ってきた時に、渡したいものがあります。


手紙の最後のほうにかかれたこの言葉に首をかしげた。


「渡したいもの?なんだろ・・・あ、婚約指輪?ってなわけないかハハハ」


とりあえず王宮の人たちにリンゴを配ろうと段ボールを「よいしょ」と抱えた。



「つやつやシャキシャキ、和国のリンゴいらんかねーーー!!」


商売人のスイッチオンにして、王宮の中を駆け巡る!




時を同じくして、大臣の部屋。



「———よし、これで完璧だ。くくく、おてんば娘め・・・地獄に落としてやろう」


普段まわりの人間たちに見せない凶悪な笑顔を浮かべる一人の男。大臣のガージスだった。
なにやら資料や写真を持っており、とんでもないことを実行しようとしているようだ。



(まずは。波を立てる場所が必要だな・・・そうなると、やはり最初に話すべきはあいつだ)


そう思いながら部屋から出たガージスは、廊下の窓ガラスから見えたディオラ王子とマリーネアにニヤリと笑みを浮かべた。


「王子!」


息切れしながら青ざめた表情を浮かべてディオラのもとへ駆け寄るガージス。
その声に気づいて、ディオラがマリーネアとの会話を中断させてそちらに目線を向けた。


「どうしたのだ、大臣」


ガージスの表情を見て、ただ事ではないと感じ取ったディオラは表情を引き締めた。


「ちょうどお二人おられてよかったです。とても重大な話です・・・しっかり聞いてください。———実は」




——————・・・・・・



「リンゴー!いりませんかー!!」

「ん?」


リンゴ配りを始めてから1時間、いまだ売れないリンゴを意地でも配りきろうと木の上で一休みしていた家来の人に声をかけた。


「あれ、誰かと思ったらお姫様じゃないですか」


返ってきた声は、澄んだ女の人の声だった。
よく見ると、家来かと思われたその人は少し格好が違った。


「声かけといて何なんですけど、どちら様で?」
「あぁ、私、王宮の護衛兼監視係のロッカです。以後、お見知りおきを。メイリィ様」
「ロッカさんね!おーっす、よろしく!!」


ロッカさんか。ロッカさん・・・ロッカさん・・・よし覚えた。これでばっちり。
それにしても、最初見たとき男だか女だかわからなかったなぁ。今喋ってみてようやく女の人だって認識できたけど。


「それより、リンゴがどうたらとか」
「あ!そうそう!これ私のふるさとのリンゴなんですよー!!見てみて!!」

するとロッカさんは軽やかに地面に着地した。うわぉ、その身体能力ほしい。


「へーぇ。艶やかですね、それに色もきれいで」
「でしょー!!味も最高なんだよ本気で本気で本気で!!」
「ははは、わかりましたよ。それじゃあ、一つ頂いてもよろしいでしょうか」
「ホント!?どうぞどうぞ!一つと言わずたくさんどうぞ!!」
「私だけそんなに取ったら、他の方々への分が減りますよ」
「あぁ、いんです別に。全然売れてないから!たはは」
「売れていないのですか?こんなにきれいなのに。もったいないですね」
「でしょー!?なんでかな〜〜みんなに渡しにいったら『あとでいただきます』って何か困った顔してサラッと拒むんだよね〜〜。別に毒なんて入っちゃいないのにさー!」


陽気に笑いながら言うメイリィを見て、ロッカは手の中にあるリンゴをじっと見つめた。


(距離をおいている、ってことか。なるほど・・・姫様と仲良くすると他の者たちからよろしく思われないから・・・というところかな)


柔らかい思考ですばやく答えを導き出したロッカは、メイリィからスッとリンゴの入った箱を取った。


「ロッカさん?」

「今、外回りをしている家来たちがもうすぐ休憩をとると思うので私のほうから配っておきますね」

「いーっすよロッカさーん!私がするから大丈夫大丈夫!気になさるでない!」

「そんなこと言って、勉強をサボりたいんじゃありませんか?」


にやりと笑うロッカさん。うっ、勘づいているよこの人。


「さっき、講師さんがお見えになっていましたが——そろそろ戻らないとまずいのでは?」

「うぅう!勉強は苦手なんだよねー私!」

「どこのお姫様も、お勉強はするものですよ。さぁ、頑張ってくださいメイリィ様」


そういって、ロッカさんが箱の中からリンゴを一つ取って私に手渡した。


「それ食べて、やる気だしてくださいね」

「うーん、まぁ、ロッカさんがそう言うんだし・・・やっちゃうか!」


また怒られるのも面倒だしね。ロッカさんがリンゴ配ってくれるって言うんだしそれに免じて、今回は頑張ろう。今回は!!


「それじゃあ私いくね!またねロッカさん!」

「はい。またの機会に」



メイリィが去ったあと、ロッカはためしにリンゴを一口かじってみた。

「おっ・・・」

メイリィが言っていた通り、中はシャキッとした食感があって甘さもちょうどよい。
そのへんに売っているリンゴよりも、格別においしいと感じた。



Re: 生まれた星が悪かった! ( No.5 )
日時: 2015/10/21 20:17
名前: あずさん (ID: uWXzIoXb)


第5話「やっぱり嫁いだ国が悪かった!?」


とりあえず歴史の勉強をまじめに受けようと自分の部屋に戻ると、教えてくれるはずの講師がまだ来ていなかった。

「あっれー?いつも早くに来るのにおっかしいなー?」


まあ、どちらかといえば来ないなら勉強しなくてオッケーだし好都合なんだけどね〜。
と、淡い期待をしていたら、部屋の扉が開いた。


(やっぱ来るよねー)


なんて思いながら振り返ると、そこには普段私の部屋に来ることのない人物らが立っていた。
大臣に、王子さんにマリーネアさん、その他数名の家来。


な、何事?なんかやけに神妙なお顔をしていますけど。



「どうしたんすか〜?みなさんお揃いで!あっもしかして皆で勉強しようって感じ?それなら楽しそうだし喜んでしまー…」

「言葉を慎め、この悪女!」







     は  ?








視界がシャットアウト。頭の中が一気に真っ白。
口元が笑ったまま、私は動かなくなってしまった。


(今、なんて…?)


なんかすっごい嫌なこと言われた気がしたんだけど、気のせいだよね?そうだよね?
うんきっとそうだ。ためしにもう一回聞いてみよう。うん。



「今、なんと?」

「聞こえなかったか?悪女だと言ったんだ。貴様のことを」


いつも以上に機嫌の悪いガージス大臣が、眼光するどく私にそう言った。
あれやっぱり私、悪女って言われたよ。悪女って。わがままとかおてんばとかそういう陰口は今まで散々聞いてきたけど、「悪女」は正直はじめてなんですけど。地味に心にグサッと刺さったんですけど。



ていうか、なぜ?



「ちょ、ちょーーっと話がつかめないんですけど。ハハハ…悪女という由来はどこから発見されたんですかねー!?」

まだまだ疑う心を抑えて、必死にジョークか何かだと信じながら問うた。
すると大臣は、冷笑した。うわ今、カチンときた!やな大臣だな!



「何をいまさら、自分が一体何をしてきたか忘れたわけではあるまいし」
「何をしてきたか?」
「日ごろから目立った行動の多い小娘だとは思っておったが、まさかここまでとは…」
「ちょーーーーーーーーっと待てぃ!本題がわからん!!具体的に言ってくれないと全然話が入ってこないって!!!」


つい声を荒げてしまった。それにしても、さっきから私へ向ける視線がみんな冷たいんですが。今まで以上に。

王子さんなんか、穏やかなんて印象消え去ってるよ。何かメッチャ睨めてる。悲しい。



「まだシラを切る気か貴様!王国を破滅させようと目論んでいるくせに!!」

大臣に怒声を浴びせられ肩が少し震えた。でもよくよく言葉の内容を聞くと、たちまちわけがわからなくなる。


「王国を破滅させる?私が?いやいやいやいや!!!そーんな私映画に出てくるエイリアンでもなんでもないんですけどハハハ!!」

「黙れ!!」


またもや怒声を浴びせられた。
少しずつ私の中のメンタルが崩れかけてきて、顔に浮かべる笑顔が消えてしまいそうで怖い。
なにこれ修羅場?人生初の修羅場?16年生きてきたなかで初めての修羅場に立たされる私のこの気持ち…。


すると、大臣の前にスタスタと出てくるディオラ王子。
表情メチャクチャ怖すぎて、直視できない状態。


「……メイリィ」


かすれ切った声が、私の名前をささやいた。



(こんなに真っ直ぐ見てもらえたの・・・たぶん初めてかもしんないな)


わりと素直にそう思った。言い方はちょっと大げさだけど、ようやく視界に入れてくれたような。そんな感じだ。
けれど状況も内容も最悪で、悪いことしたわけでもないのに胸がズキリと痛んだ。



「———まさか、こんなことをしでかしてくれるなんて…出会った当初は思ってもみなかった」

「王子さ…」



「今日、この場を借りて——————婚約を破棄する」




「な、なぁにぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!?????」



波乱の幕開けだ。

Re: 生まれた星が悪かった! ( No.6 )
日時: 2015/10/21 20:45
名前: ぱすてる∞ (ID: Q.pGZPl6)

こんにちは!ぱすてる といいます!

すごーくすごーーーく面白いですね…!

最初題名にひかれて、主人公が自分の好きなキャラとおなじだったので読んでみたら面白すぎてびっくりです!

ヤバイ。マジで面白い((

更新がんばってくださいね。
騒がしくてすいませんでした。

Re: 生まれた星が悪かった! ( No.7 )
日時: 2015/10/22 18:10
名前: あずさん (ID: uWXzIoXb)


ぱすてる様


わわわわわ!!コメントありがとうございます!!
おもしろいと思ってもらえてうれしいです
嬉しくて嬉しくて爆発しそう!(ちょっと大げさ)
頑張る気力が湧いてきました!更新頑張りまーす!

Re: 生まれた星が悪かった! ( No.8 )
日時: 2015/10/22 19:39
名前: あずさん (ID: uWXzIoXb)

第6話「やっぱりやっぱり嫁いだ国が悪かった!」


どうもこんにちわ。きっとこの物語のヒロインは私なはずなのだけれど。どういうことかつい数十秒前、婚約者である王子さんから婚約破棄を言い渡されました。
さあどうしたものでしょうか。プリーズアンサーミー。


「婚約破棄?なんで!?どうしてそうなっちゃうの!?」

「理由ぐらい、君がいちばんわかっているだろう。メイリィ」

「わからんわ!!!」


気づけば私のまわりを家来が取り囲んでいる。まるで私が犯罪者ではないか。

もう思考回路がめちゃくちゃでこんがらがっていると、大臣がズカズカと前に出てきた。


「メイリィ・ポルメリア———。貴様はこのレイジュ王国の秘宝を盗み取っただけでなく国王ハトラ様の書斎を荒らし国家の機密情報資料を外部に漏らした———これは大罪であるぞ」


私を見下ろすその眼光が、脳裏に刻まれていくようだった。
大臣の口から出た言葉に身に覚えなんて全くない。何を根拠にこの人はそんなデタラメ話を喋っているんだ。


「お言葉をお返ししますけど大臣さん。あなたは私がここへ来た時から私をよーく見てるはずですよね?いくら問題起こすとはいえ、こんな規模の騒動を私が引き起こすと思いますー?たった一人で?勉強もできない馬鹿なのに?」

言いながら地味に悲しくなってきたわ。自分で自分のこと馬鹿だって認識できてるのが切ない。
けど私の言葉に、それまで怒り気味だったディオラ王子が「・・・ま、まぁ言われてみれば」と少し納得してくれた。いや、ちょっとひどいとは思ったけど。


しかし、大臣はなおも笑っていた。なになにコイツ、なんか一番怪しいのこいつじゃない!?


「言葉では何とでも言える。証拠を出すまではな」


そういって懐から数枚の写真を出した。

そしてそれを王子さんとマリーネアさんに見せる。私も気になって、その写真を覗いてみた。


1枚目の写真は、なぜーーーか私がハトラ国王の書斎から何かの資料を持ち逃げしていると思われる場面。
2枚目の写真は、どーーーしてか私が何かの入った木箱をスーツを着た男たちに手渡している場面。


そして私の口から出た言葉、


「よくできた合成写真だね〜」


なんて暢気に言った瞬間、大臣から鋭い視線を浴びせられた。


「冗談を抜かすな!これは家来が撮った決定的場面だ!貴様は普段から勉強をサボっていたな!その時間に貴様がしでかした悪事がこれだ!」

「大臣さん落ち着いて落ち着いて。もう中年男性って起こりやすいんだから困ったもんだね〜」


ちらりと視線を王子さんとマリーネアさんに向けてみたけど、すでに私を見る目が違っていた。


あー・・・なーんだこれ。四面楚歌って言葉習ったけど、今まさにその状態なんだけど。


「それと同時に」


うわまた何か言い出し始めちゃったよ大臣さん・・・次は何?


「ここ最近のマリーネア様に対する陰湿な嫌がらせ。ディオラ王子への嫉妬心からかもしれんが、無視できぬことだ」


「は、はい・・・・?」


あまりにもさっきから身に覚えのない事柄が並べられてるんだけど。
ウソ発見器にかけてもいいから、私の無実を証明したい。


「マリーネアから話は聞いていた。知らない間に私物を傷つけられていたり俺が送った手紙が届いていなかったり・・・悪質な脅迫文を幾度も送られていたこと・・・まさか、君がそんなことをしていたとは・・・」


王子さんが怒りと悲しみに満ちた目を私のほうへ向けた。
これほどまでに辛そうな顔を見るのは何年ぶりだろうと思った。
あまりにも心の傷ついた王子さんを見て、反論するにも言葉を返すことができなかった。



「ポルメリア氏、マリーネア様の件についてはこの場で深く謝罪をするのであれば刑を軽くしてやってもよい」


いつの間にか私に対する呼び方も「メイリィ様」から「ポルメリア氏」とダウンしている。
それにしても今の言い方がどうも気にくわなかった。


「そんな。私、何もしてないのにどうして謝罪なんか・・・」

「貴様。まだ罪を認めぬのか!」

「認めるもなにも、こっちは無罪なんですけどー!?」

「ぐぬぅ!もう許さぬ! この大罪に対する刑が決まるまで貴様を塔に監禁する!!!」



すごい話がヒートアップしてるんですが、そろそろ夢からさめてもいいでしょうか??


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