コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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【住民参加型】カキコ学園2年カオス組!!【偶像劇】
日時: 2018/05/13 17:29
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: 6quPP6JX)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=300

 皆様は、学生生活を如何お過ごしでしょうか。

 屋上で雨乞いをしたことはありますか?
 学校の7不思議を全て解明した事はありますか?
 調理実習で誰かが暗黒物質的なクソマズ料理を作ったことはありますか?

 そんな現実では「ありえない」の一言で片づけられてしまうような学生生活を覗いては見ませんか?


 さあ準備は整った。
 始業を告げる鐘を鳴らせ。

 ————彼らの混沌とした日常が始まります。

***** ***** *****


 我ながら意味の分からねえポエムを書いたと思います。笑えよ。笑えばいいだろ(ヤケ
 ゴホン、気を取り直して。

 こんにちこんばんおはようございます。スレ主の山下愁です。
 ええ、このコメディライト板では何度目の出現でしょうね。数えてみてください。——いえ、やっぱいいです。
 この物語は上記URLにあります『偶像劇企画』でご協力していただいた皆様が登場します。その数30名!! ありがとうございます!!
 おっと、「お前に偶像劇など書ける訳がねえだろカス」と鼻で笑う声がどこからか聞こえてきますが無視しましょう。ええハイ。
 さてと。この話を読むにあたって守ってほしい規則がいくつか。


その1 現実ではありえない学生生活を送る個性豊かな生徒たちによるカオスな偶像劇です。まあ当然フィクションですので絶対に真似はしないようにしましょう。言わなくても分かりますよね?

その2 なるべく皆様のキャラを丁重に扱うつもりではありますが、中には雑に扱うキャラもあるかと思います。物語上に必要な演出なので、参加者の皆様はご了承ください。

その3 キャラ崩壊があるかと思います。原型は留めようかと精一杯こちらの方でも努力をいたしますが、もし万が一キャラが崩壊してしまった場合はごめんなさい。土下座させてください。再現率を重視する読者様・参加者様方は閲覧注意です。

その4 誤字・脱字はなるべくこちらで見つけて直していく所存です。ですが直っていなかった場合はご指摘していただけると助かります。

その5 作者は社会人ですので言い訳になりますが遅筆です。申し訳ございません。

その6 荒らし・誹謗中傷・パクリはおやめください。なお、2次創作する場合は山下愁に申し出てください。



 カキコで小説を閲覧するにあたって最低限の規則を守っていただければ幸いです。当然守れますよね? 守らねえよバーカなんて言ってあっかんべーする人なんていませんよね?
 よし、ならよかった。
 それでは始まります。皆様が少しでも楽しめるような小説を書けるように尽力いたしますので、よろしくお願いいたします。

***** ***** *****


プロローグ>>01

4月!!「桜の木の下には死体が埋まっているってほんとかな?」>>02
5月!!「クラスに馴染めない? そんなもんテンションでどうにかなるでしょ!!」>>68
6月!!「運動部の祭典である体育祭は、文化部にとって地獄でしかない」>>87
7月!!「プール掃除って意外と楽しいよ、やってみる価値あるよ!?」


***** ***** *****

お客様
大関様 アーリア様 HIRO様 はる歌世様 冬野悠乃様 Orfevre様 モンブラン博士様 俊也様 メデューサ様 purplemoon様
羽音様 オルドゥーブル様

***** ***** *****

暇つぶしSS一覧
LINEネタ>>33 >>34 >>41 >>45 >>54 >>60 >>70 >>74 >>78

榮倉桃馬【夕焼け小焼けで帰りましょう】微ホラー世にも奇妙風味>>76
八雲優羽【放課後ゲーム】>>86


***** ***** *****

NEWS!! 小説カキコ2016年夏 小説大会にて管理人・副管理人賞を受賞いたしました。ありがとうございます。

※最近我が家のパソコンの調子が悪く、タブレットからの投稿となります。読みにくいかもしれませんが、ご容赦ください。

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Re: 【住民参加型】カキコ学園2年カオス組!!【偶像劇】 ( No.102 )
日時: 2018/01/05 16:23
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: zL3lMyWH)

 吉田莉音は後悔していた。なんで生徒会なんて面倒なものに入ってしまったのかと。
 こうなることは分かっていたし、覚悟もできていた。ある程度は。だが限度だってあるだろうに。ああ、神様。どうか生徒総会付近でやり直しを!
 と、強い信仰心を持ち合わせていないのだからいくら莉音が祈りを捧げたところで時間など戻りはしない。暁美式タイムリープ術を習得したいと思った。

「んしょ、っと。これ絶対に運動部とかがやったらいいと思うんだけどなぁ」

 莉音は現在、人手が足りないからという理由で次の種目に使われる飴食い競争の飴を、白い小麦粉の中に大量投入していた。ちなみに彼女は生徒席に戻っておらず、小田原博人と史岐彩が「パン食いと飴食いのどちらが公開処刑か」などというくだらない学級裁判は知らないのである。
 という訳で、バットの中いっぱいに埋め尽くされた飴入り小麦粉の海を見下ろして、莉音は「やってやったぜ」とばかりに薄い胸板を張った。よし、完璧。

「わーお、これバラエティとかでよく見る奴じゃんね」
「すごーい!」
「わあ!? い、いつの間に!?」

 いつの間に体育倉庫へやってきたのか、クラスメイトの天利いろはと真上ののがひょっこりと莉音の背後から顔を覗かせていた。ここは一応、関係者以外立ち入り禁止なのだが。
 いろはの方はにやにやとしたなにかいたずらを企むような笑み、そしてののは至って純粋なキラキラとした瞳を小麦粉の海へと注いでいた。

「ここ、一応係の人以外は立ち入り禁止なんだけど……」
「カキコ学園の生徒だから関係者以外立ち入り禁止とかナシだぜナシ。そんなこと言ったらやーさんだってやばいじゃんね。色々不法侵入やらかしてるもんね」
「え!? 警察警察!?」
「そうだよ、ののちゃん。是非にやーさんへピストル突きつけて『逮捕しちゃうゾ』ってウインクしながら言ってみ。余罪が出てくると思うから」

 いろはが冗談半分で言うと、ののは「こうかなっ!?」とおもむろにポーズを取り出す。人差し指をピンと伸ばし、まるで銃口を突きつけるかのように先端を莉音へと突きつけ、バチーンとウインク。

「逮捕しちゃうゾ☆」

 ……高校生がやるようなポーズではないのだが、莉音はどことなく苛立ちを覚えた。いやポーズ云々ではなく、彼女のとある身体的特徴に。
 すなわち胸である。
 こう、ポーズをとった拍子にゆさっと弾んだのである。ラノベ的に『たわわに実った〜』とか『豊満な〜』とか表現されるアレである。視界の暴力。
 莉音は静かに自分の平原へと視線を落とした。弾むほどない。心が弾むとかそういう表現は聞いたことが無きにしも非ずなのだが、もうこれは挑戦状なのだろうかそうなのだろうか。

「ちょっと、ねえちょっと? 大丈夫? 小麦粉をばふばふ叩いてるから舞ってるよ、白いの」
「ぶへぁ!? げっほこほっ!!」

 無意識のうちに小麦粉の海をぶん殴っていたようで、目の前を細かな小麦粉の粒が舞う。吹雪よりも酷い。激しく咳き込みながら小麦粉の嵐を払いのけるが、おかげで莉音は真っ白けになってしまった。
 すると、なにを思ったのかいろはが他の小麦粉入りバットを覗き込むと、

「そいやっ」

 ばふっとぶん殴った。
 ぶわっと小麦粉が宙を舞い、いろはの顔面へと襲い掛かる。

「けほ、こほっ。こりゃ酷い!! あはははは!!」

 なにが面白いのか、顔を白くさせたいろはは腹を抱えて笑っていた。莉音のやることを遊びかなにかと勘違いしたのだろうか。
 ののも楽しそうに「ばふばふーばふばふー」と言いながら、何度も何度も小麦粉を叩いていた。そのたびにぶわっと小麦粉が舞い上がり、彼女の頬や鼻の頭を白く染める。

「ほら、これでお揃い。ふははははは!! ののちゃんが一番白いね!!」
「美白」

 ドヤァとののは白粉を塗りたくったような顔で自信満々に胸を張る。ボケなのか本気なのか分からないが、とりあえずその豊かな胸が心底恨めしい。
 それでも。

(——まあ、いっか)

 小麦粉は洗えばどうにかなるし、殴ったものは仕方がない。いいサンドバックでした、と莉音は締めくくった。
 ともかく、次の飴食い競争の準備は終わったのだ。

「あ、ねえねえ。やーさんが阿呆で騒がしいお祭り野郎認定を受けてる。クソワロス」
「本当だ。騒がしいのも好きだけどなぁ」
「あと王良先生がムサイ男どもに追い掛け回されてる」
「なにがどうしてそうなったの!?」

Re: 【住民参加型】カキコ学園2年カオス組!!【偶像劇】 ( No.103 )
日時: 2018/01/21 13:55
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: gdJVioco)

 カキコ学園には謎の自動販売機が存在する。
 生徒たちは水筒の持ち込みをしているのだが、なくなった場合は外に買いに行くことを許可していない。なので必然的に自動販売機で買い求めることになるのだが……。

「どうしてこんなラインナップばかりなんだろう」

 荻枝摩由の目の前に鎮座している自動販売機は、特に異色だった。
 お茶やスポーツ飲料のペットボトルが並べられているのはいいけれど、『元気マックスジュース』とか『処女の生き血』とか『天使の唾』とか『堕天使の涙』とか『魔王の審判が下る時』とかもう後半に行くにつれてだんだんと厨二めいてきているのは何故だろう。
 とりあえず摩由はスポーツ飲料のペットボトルを購入したのだが、『処女の生き血』とか『堕天使の涙』とかものすごくきになる。ただこれを買ったらなんか、その、負けな気がする。

「やーさんとか飲んだことあるかな……」

 ふと思いつくのはクラスどころか、学校一の問題児の銀髪碧眼の彼だった。常に騒がしくてお祭り騒ぎが好きな彼なら、こんなラインナップの自動販売機は網羅しているに違いない。
 ちょっと聞いてみようかな、と思った矢先のこと。

「あれ、荻枝だっけ……? もしかしてお前も飲み物買いにきたクチ?」
「あ……ええと……確か野島君だっけ……?」

 クラスメイトの野島治人がひらひらと手を振っていた。振り返すと、彼はヘラヘラと笑ってくれる。

「ここの自動販売機って面白いよな。『天使の唾』とか『堕天使の涙』とか、そんな訳の分かんねえモンばっか揃ってるし」
「も、もしかして買ったことあるの?」
「あるよ。ていうか全部飲んだ」

 さらりととんでもない台詞を告げると共に、治人は硬貨を自動販売機の中に入れて『処女の生き血』を購入した。しかも平然と、迷うことなくボタンを押した。その光景に、摩由は思わず目を瞠ってしまった。普通に買ったぞこの少年。
 ガコンと自動販売機が正常に作動して、『処女の生き血』とおどろおどろしい字体で書かれた缶を落とした。綺麗な少女の影絵が書かれているその缶を引っ掴んだ治人は、缶のプルタブを開けて『処女の生き血』を飲み始めた。

「の、野島君って……吸血鬼かなにか?」
「これただのトマトジュースだぜ」
「え、あ?」

 治人がからかうようにニンマリと笑う。
 本当に血かなにかではないかと勘ぐっていた摩由だったので、ただのトマトジュースだと明かされて頭の中が一瞬だけ真っ白になった。いや、ただの自動販売機に血が並ぶなんてことはないけれど、このカキコ学園ならあり得そうかなとは思っていただけで。
 摩由の混乱状況になにを思ったのか、治人がさらに硬貨を投入して今度は『魔王の審判が下る時』を購入した。トマトジュースの他にもまだ飲むのかと思いきや、彼はその『魔王の審判が下る時』という缶を摩由の前に差し出してくる。

「飲めば? これはやーさんのオススメ」
「やーさんの?」
「やーさんは変な自動販売機を網羅してるから。一緒にいる小田原と梓の奴が一緒になってミックスジュースを作ってたし。これも割と美味しいぜ」

 ほら、と缶を押しつけられて、摩由はもたもたと『魔王の審判が下る時』のプルタブを上げた。カコンッと金属質な音が静かな廊下に響く。
 おそるおそる口につけて飲んでみると、あんこの甘い味が舌いっぱいに広がった。

「…………おしるこ?」
「そうそう、魔王様が審判下す時におしるこなんか飲むかなって思った。やーさんも『酒かなワインかなウハー大人だぜ!』と余裕で校則どころか法律さえも無視しそうな勢いだったな。おしるこだと分かった瞬間に最上の野郎に間接キスさせようとしていた」
「あそこってデキてるの?」
「それ言ったらやーさんはさめざめと泣くだろうし、最上の奴は遠慮なくネタにブッ込んでくるだろうか黙っとこうな?」

 ただでさえ、あの問題児はなにかとBでLな展開に引き込まれやすい。あれだろうか、お姉さんが腐っていると聞いたことがあるのだが、その影響だろうか。
 しかもこのおしるこ、冷たいのである。冷たいおしるこって聞いたことない。
 治人が「ちなみにそれ冬になると『魔王の灼熱』とかそういうのになるらしい。俺は去年知らなかったけど、やーさんから聞いた」と教えてくれた。なんか知らないけど、やーさんは情報屋かなにかか。
 こくこく、とおしるこをチビチビと啜っていると、治人が唐突に「あーやだやだ!」と叫び出した。すでに飲み終わったらしい『処女の生き血』をゴミ箱に捨てながら、

「このあとにある騎馬戦が嫌なんだよ。三年生が強すぎてな。遠慮なんかなんもねーの。もう上も下も取っ組み合いだ」
「あ、去年見てた。一年生が真っ先に潰されるよね……」
「男子は強制参加だから仕方ないけど、怖いったらねえよ」

 ふと摩由は去年の騎馬戦のことを思い出してみた。
 何故か空中を舞う小柄な男子生徒。すでに上に乗っている男子生徒が引き摺り下ろされたというのに、騎馬だけで上級生に突撃を仕掛けて教師に止められた生徒。騎馬に乗っている男子生徒が槍投げの槍を装備して強制退場を命じられた生徒。様々だ。
 なんだか、もう、混沌としていて摩由の理解が追いつかない。

「今思うと酷いよね……カキコ学園の騎馬戦」
「でも大丈夫だ。今年は武器禁止って言われてるから、ただの取っ組み合いだけで済みそうだ」

 遠い目をしながら治人が親指を立てる。どの辺りが大丈夫なのかよく分からない。
 そんな治人を見て、摩由はせめてもの応援をしてやろうと言葉を探すが、残念ながら語彙力が見当たらない。「あー」とか「うー」とか唸って、摩由は追加で硬貨を自動販売機に投入した。
 購入したのは『元気マックスジュース』の瓶の飲料だった。その謎めいた栄養ドリンク的な飲料を治人の目の前に突きつけて、

「騎馬戦、頑張って。こんなことしかできなくて、ごめんね」
「……ふはっ」

 なにが面白かったのか、治人が噴き出した。ひとしきり笑ったあとに突き出した飲み物を受け取った。

「ま、せいぜい頑張りますわ。期待はせんでくれよ?」
「それでも、頑張って」

 女である摩由は、あの激しい騎馬戦に参加できないから。
 またひらひらと手を振って去っていく治人の背中を見送って、そして摩由はふと呟いた。

「……そういえば、元気マックスジュースってなんなの栄養ドリンクなの?」

Re: 【住民参加型】カキコ学園2年カオス組!!【偶像劇】 ( No.104 )
日時: 2018/02/13 11:52
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: 7WYO6DME)

もうすぐバレンタインですねってことで。
久々のLINEネタです。


八雲優羽:野郎ども

八雲優羽:明日は何の日か知ってるか

最上長門:リア充撲滅デーッスね

野島治人:すげー物騒な日だなオイ

野島治人:なんで俺はここに呼ばれた

八雲優羽:なんとなく?

八雲優羽:のじーもやるよね?

野島治人:なにを?

最上長門:リア充撲滅に決まってんじゃねえッスか

最上長門:今小田原博士がビーンズガンを開発してる最中なんだよォ!!

野島治人:直訳して豆鉄砲

八雲優羽:ッたくよー人類はどいつもこいつも菓子業界の陰謀に踊らされやがってよー

最上長門:全くですよ先輩、言っちゃってくださいよ

八雲優羽:日本の二月の行事はなァ!!

八雲優羽:SETSUBUNって決まってんだよォォォ!!

八雲優羽:甘ったるいのなんかくそくらえだ!!

最上長門:そうだそうだー!!

野島治人:やべえ

野島治人:やべえよこいつら

野島治人:なにがやべえって、やばいしか言えないことがやべえんだよ

八雲優羽:という訳で

八雲優羽:のじーも参加するよね?

最上長門:リア充殲滅作戦に

野島治人:それ具体的にはなにやんだ?

八雲優羽:指揮官は空ちゃん先生

野島治人:担任なにしてんだ

最上長門:武器作成は我らが小田原博士

野島治人:ビーンズガンですね分かります

八雲優羽:実働部隊はその他大勢

野島治人:人数がいそうだなー

野島治人:誰がいんの?

野島治人:お前ら実働部隊だろどーせ

最上長門:他にはカンタとかいるぜよ

八雲優羽:A組のイケメンカスどもをぶっ潰そうぜって言ったら二つ返事でおkが帰ってきた

八雲優羽:この時ばかりはカンタにシンパシーを感じた

野島治人:珍しいなあいつも

最上長門:ちなみに当日の情報は全て佐々木の旦那がやってくれることになってくれてやすぜ

野島治人:最上は一体どうしちゃったんだろうな

野島治人:口調変わってないかな

八雲優羽:野郎どもォ!!

八雲優羽:勝鬨を上げろぉぉぉおおおおお!!!!

最上長門:おおおおおおおおおおおおお!!

八雲優羽:明日に向けて就寝!!

最上長門:おやすみなさい!!

野島治人:軍隊かここは

野島治人:まあいいや




〜次の日〜


「C組のクラス全員参加とか聞いてない」
「いやー、リア充殲滅作戦にこれほどの同志が集まるとは思わなかったね!! ビーンズガンの配給が間に合わずに、最終的にで〇六豆を袋ごと投げつけるという暴挙に出るしな!!」
「学校中豆だらけにしてやったッス」
「紅河とかさ、梓とかさ、なんでカカオを持ってきたんだしかもでっかいの。おかしいだろ!? なんで俺がツッコミしなきゃいけないんだよォ!!」


 リア充殲滅作戦は、C組の大奮闘によって成功を収めた。
 被害は学校中を豆だらけにして、校長にクラス全員正座でしこたま怒られたことぐらいだろう。
 なお、首謀者(八雲優羽)の言い分はこちらである。

「むしゃくしゃしてやった、後悔も反省もしていない」

Re: 【住民参加型】カキコ学園2年カオス組!!【偶像劇】 ( No.105 )
日時: 2018/02/28 22:25
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: 6PL6dW6J)

 騎馬戦という名の地獄がこの世には存在する。
 カキコ学園の体育祭の名物でもあるこの騎馬戦、実は結構ルールが緩い。去年なんかは陸上競技に使われる槍を持ち出してきたことから武器禁止の規則が通達されたが、
 何度でも言おう、基本的に規則は緩い。超緩い。もう脳内お花畑の夢見る女の子よりも、めちゃくちゃ緩い。

「つー訳で、行きます」
「ねえやーさん、今年は武器禁止って言われてるのになんで僕は紙鉄砲を持たされてるのかな?」

 優羽、柊、長門の三人の騎馬の上には三野上紘が、新聞紙で作られた紙の鉄砲を持たされた状態で乗っかっていた。ちなみにその頭であるが、取れたらおしまいなハチマキはしておらず、頑丈そうな黄色いヘルメットをしていた。
 余談ではあるが、彼は昨年、砲弾のようにぶん投げられたことがあるのだ。おかげで三年の騎馬を一つ潰すことは叶ったが、危うく紘は昇天するかと思ったのだ。
 閑話休題。
 新聞紙で作られた鉄砲をひらひらと振る紘を見上げ、優羽は「あはは」と笑った。

「それで相手を怯ませられれば楽勝だよな!! 今年こそ三年生に勝ってやるぜ!!」
「反則負けで即座に退場とかならないよね?」
「大丈夫。その辺りは審判抱き込んだから」

親指をグッと立てて清々しいほどの笑みを浮かべたのは、優羽の常から行動を共にしている長門だった。

「審判のゴリラへ『ゴリラ総受け』の同人誌を書いて贈呈したから」
「目に毒だよッ!?」
「ちなみにトーン張りとベタ塗は俺としゅーやんも一緒に頑張った」
「褒めて」
「褒められるものじゃない!!」

 ボケ三人に対して果敢に突っ込んでいく比較的常識人の紘は、ヘルメットで守られている頭を抱えて盛大にため息をついた。どうして騎馬の野郎はまともではないのだろうか、と悩み始めたところである。
 ところが、深々とため息を吐く紘を「武器が不満だ」と感じ取った馬鹿日本代表の八雲優羽は、その青い瞳を輝かせる。

「みーくんはあれか、武器が不満か。それなら仕方がない、我がサバゲー部とっておきの水鉄砲を貸し与えてやろうではないか」
「偉そうな口調が気に食わないんだけど、一応聞いておこうか。性能は?」
「んにゃ、ダイヤモンドが切断できるらしい。ヒロ情報」

 それ工業用のウォーターカッターじゃねえか——紘は盛大に胸中でツッコミを入れたが、もう言葉に出すのも億劫だったので首を横に振って「ううん、いい」と辞退した。

「三野上、借りといた方が身の為だと思うぜ」
「ごめん菊川君、ウォーターカッターって多分人を殺せるから無理だと思う」
「甲冑相手に勝てる? そのチャチな玩具で」

 ……………………。
 甲冑?
 どこの誰がそんな甲冑を着こんでいるのかと思いきや、なんと最強無敵を誇る三年生の中に甲冑を着た騎馬がちらほらと混じっていた。しかも騎馬の方は馬の被り物までしている。
 あれか、ここは仮装大会かなにかか。
 眩暈を覚える紘。対抗心を燃やして「強力水鉄砲を持ってくる!! 今すぐ!!」と言って、一時的に騎馬を解体して長門と一緒になってサバゲー部の部室へと急ぐ優羽。柊は観客席で見ている俊樹へ投げキッスをしては中指を立てられていた。
 混沌である。もう混沌としていて収拾がつかなくなってきている。
 波乱を知らない一年生。
 全てを知りながら堂々と構える三年生(甲冑つき)。
 そして新人と猛者の間に挟まれながらも、この中でひときわ異彩を放つ二年生(武装済み)。

 三つ巴の戦いの火蓋が、今切って落とされた————!!

Re: 【住民参加型】カキコ学園2年カオス組!!【偶像劇】 ( No.106 )
日時: 2018/03/09 08:37
名前: 山下愁 ◆ZVS5IXbCDY (ID: iqzIP66W)

騎馬戦という名の地獄がこの世には存在する。
 カキコ学園の体育祭の名物でもあるこの騎馬戦、実は結構ルールが緩い。去年なんかは陸上競技に使われる槍を持ち出してきたことから武器禁止の規則が通達されたが、
 何度でも言おう、基本的に規則は緩い。超緩い。もう脳内お花畑の夢見る女の子よりも、めちゃくちゃ緩い。

「つー訳で、行きます」
「ねえやーさん、今年は武器禁止って言われてるのになんで僕は紙鉄砲を持たされてるのかな?」

 優羽、柊、長門の三人の騎馬の上には三野上紘が、新聞紙で作られた紙の鉄砲を持たされた状態で乗っかっていた。ちなみにその頭であるが、取れたらおしまいなハチマキはしておらず、頑丈そうな黄色いヘルメットをしていた。
 余談ではあるが、彼は昨年、砲弾のようにぶん投げられたことがあるのだ。おかげで三年の騎馬を一つ潰すことは叶ったが、危うく紘は昇天するかと思ったのだ。
 閑話休題。
 新聞紙で作られた鉄砲をひらひらと振る紘を見上げ、優羽は「あはは」と笑った。

「それで相手を怯ませられれば楽勝だよな!! 今年こそ三年生に勝ってやるぜ!!」
「反則負けで即座に退場とかならないよね?」
「大丈夫。その辺りは審判抱き込んだから」

親指をグッと立てて清々しいほどの笑みを浮かべたのは、優羽の常から行動を共にしている長門だった。

「審判のゴリラへ『ゴリラ総受け』の同人誌を書いて贈呈したから」
「目に毒だよッ!?」
「ちなみにトーン張りとベタ塗は俺としゅーやんも一緒に頑張った」
「褒めて」
「褒められるものじゃない!!」

 ボケ三人に対して果敢に突っ込んでいく比較的常識人の紘は、ヘルメットで守られている頭を抱えて盛大にため息をついた。どうして騎馬の野郎はまともではないのだろうか、と悩み始めたところである。
 ところが、深々とため息を吐く紘を「武器が不満だ」と感じ取った馬鹿日本代表の八雲優羽は、その青い瞳を輝かせる。

「みーくんはあれか、武器が不満か。それなら仕方がない、我がサバゲー部とっておきの水鉄砲を貸し与えてやろうではないか」
「偉そうな口調が気に食わないんだけど、一応聞いておこうか。性能は?」
「んにゃ、ダイヤモンドが切断できるらしい。ヒロ情報」

 それ工業用のウォーターカッターじゃねえか——紘は盛大に胸中でツッコミを入れたが、もう言葉に出すのも億劫だったので首を横に振って「ううん、いい」と辞退した。

「三野上、借りといた方が身の為だと思うぜ」
「ごめん菊川君、ウォーターカッターって多分人を殺せるから無理だと思う」
「甲冑相手に勝てる? そのチャチな玩具で」

 ……………………。
 甲冑?
 どこの誰がそんな甲冑を着こんでいるのかと思いきや、なんと最強無敵を誇る三年生の中に甲冑を着た騎馬がちらほらと混じっていた。しかも騎馬の方は馬の被り物までしている。
 あれか、ここは仮装大会かなにかか。
 眩暈を覚える紘。対抗心を燃やして「強力水鉄砲を持ってくる!! 今すぐ!!」と言って、一時的に騎馬を解体して長門と一緒になってサバゲー部の部室へと急ぐ優羽。柊は観客席で見ている俊樹へ投げキッスをしては中指を立てられていた。
 混沌である。もう混沌としていて収拾がつかなくなってきている。
 波乱を知らない一年生。
 全てを知りながら堂々と構える三年生(甲冑つき)。
 そして新人と猛者の間に挟まれながらも、この中でひときわ異彩を放つ二年生(武装済み)。

 三つ巴の戦いの火蓋が、今切って落とされた————!


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