コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 私の好きな、あいつ。 《参照1500突破感謝》
- 日時： 2016/08/08 14:40
- 名前： こん （ID: 3dpbYiWo）
- 参照： http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=41461
皆様、こんにちは。
作者のこんと申します。
クリックしていただき、ありがとうございます。
この作品はカキコで私が初めて投稿させていただく物となります。
至らぬ点があるかとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。
コメントは大歓迎です。
荒らしやなりすましはご遠慮ください。
なお、上記のURLはこの小説のpast storyやanother storyをまとめた「私はあの時恋をして、あいつはそのときこう思う。」のものとなります。
もしよければご覧頂けると嬉しいです。
《スレッド設立日》
2016.02.07
《作者の他の作品》
・気まま自由な短編小説
・空腹キケンちゅういほう
・私はあの時恋をして、あいつはそのときこう思う。
・君を想って三万里
-prologue-
今から思い返せば。
あの時、私は恋をしていた。
誕生日が一緒で、
背の順が隣で、
あんまり勉強は得意ではなくて、
走り回るのが好きで、
太陽のように笑う、
あいつが好きだった。
小学校を卒業して6年。
中学・高校を通過して、いつの間に大学1年生。
背が伸びた。
中学の最初は小さい方だったのに、高校を卒業する頃には後ろから数えた方が早くなった。
でも、
きっと。
あいつはもっと大きくなってて、
見上げなきゃならないのかもしれない。
今、何をしているのだろう。
今、どこにいるのだろう。
今、どういう風な見た目だろう。
色々と変わっているだろう。
もしかしたら、昔の面影なんて残ってないかもしれない。
でも。
絶対に変わっていないものがある。
それは。
あいつと私の、
生まれた日。
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- Re: 私の好きな、あいつ。 ( No.49 )
- 日時： 2016/03/11 01:51
- 名前： こん （ID: KdWdIJEr）
-18-
「薬学科1年の柏木沙耶です。」
「薬学科1年の須藤香織です。」
「薬学科1年、時川由乃です。」
私たちは立ち上がり、名前を言った。
「私は新川穂高よ。高ちゃん、て呼んでね。」
オカマのマネージャーさんが言う。
「私は川野水希。」
黒髪パッツンのマネージャーさんが言った。
「ちなみに私たちも薬学科の1年生よ。これからよろしくね。」
お互い1年生だとわかり、なんだか緊張が解けたところで、みんなで席に座った。
「あ、じゃあ水希…ちゃんは同じクラスにいるのか。」
沙耶が言う。
「あ、水希でいいよ。私も呼び捨てでいい？」
3人とも頷く。
「いいわね〜。私も女の子たちと授業受けたいわ。」
「えー、でも高ちゃんは男子にいつも囲まれてて羨ましいなあ〜。」
高ちゃんと由乃がそんなことを言った。
ピーッ。
一つの面を使って試合が始まった。
大木くんたちはまだ出番ではないらしい。
「きゃー、かっこいい！」
由乃が歓声を上げる。
沙耶も食い入るように下を見つめる。
「わっ！シュート入ったよ。今のすごくなかった？」
「うんっ！」
私は男子のバスケをじっくり見るのは初めてだった。
女子とは比べものにならないスピード感に圧倒された。
やっぱり筋力とか全然違うんだな、と改めて感じた。
「そうだ。」
水希がつぶやく。
「3人はここのマネージャーになる気ない？」
- Re: 私の好きな、あいつ。 ( No.50 )
- 日時： 2016/03/10 16:20
- 名前： こん （ID: IvmJM/UO）
-19-
「実はね、ここのマネージャーって私たち2人しかいないの。」
「え、そうなの？」
「大変だ。」
本当に2人だけなんだ。
大木くんが言ってた通り。
「…ごめんね。私と沙耶はダンスサークル入ってるから無理なんだ。」
「ごめん。」
由乃と沙耶が申し訳なさそうに言う。
ダンスサークルはすごい忙しい。
とてもじゃないけど掛け持ちは無理だ。
「そっか…。香織は？」
水希がじっと見つめてくる。
「ええっと…。うーん、サークルは入ってないんだけど。」
「入ってないの！？」
期待の目を向けられる。
「あ、でも、家が遠いからサークルは入らないことにしてて。」
ああー、と落胆する水希。
「ごめんね。」
家が遠い、というのもあるが、本当はそれだけではない。
でもそれは言わなかった。
そこで高ちゃんが思いついたように言った。
「あら、じゃあ。香織ちゃんが無理なく来れる時だけ来てもらうとかってできないかしら？」
「おお！それいい！」
水希がまた期待の眼差しを私に向ける。
「夜遅くなる時とかは先帰っていいし、今日は無理って時は来なくていいし。…それでも、ダメかしら？」
高ちゃんまで期待を込めてこっちを見てくる。
本当に、人手不足で困っているようだ。
あまりのオーラに圧倒される。
無理なく…か。
私は少し考えた。
「…うーん、わかった。」
ついに私はオーラに押されてそう答えた。
2人はハイタッチして喜ぶ。
まあ、確かに2人だけじゃ大変そうだし。
私なんかで役に立つなら…。
それに、少しくらいサークルやったほうが大学生活充実するだろうし。
「…よろしくお願いします。」
「よろしく！」
「よろしくねっ！」
こうして、男子バスケットサークルのマネージャーになった。
ちなみに由乃は、「香織、これからイケメンに囲まれた生活かあ。良いなあ。」とか変なことをつぶやいていた。
ピピーッ！
もう一つの面でも試合の始まる音がした。
下を見ると、大木くんと川崎くんと遠野くんが同じチームに入って試合をしていた。
- Re: 私の好きな、あいつ。 ( No.51 )
- 日時： 2016/03/10 23:20
- 名前： こん （ID: phd3C.MK）
-20-
「うわー、もうかっこよすぎるぅ〜！！！」
「やばいやばい。あ、遠野くんシュート！」
遠野くんが鮮やかなシュートを決め、沙耶と由乃は舞い上がってキャーキャー騒ぐ。
遠野くんはこっちを見てガッツポーズ。
二人は興奮して手を振る。
さっきからずっとこんな感じ。
大木くんがシュートを決めても、川崎くんが決めても、ずっと黄色い声を上げている。
「あらやだっ。先輩の今の動きいいわっ！筋肉の動きがもう…たまんないっ！」
高ちゃんも相当興奮している。
「高ちゃん、毎日毎日よくそんな興奮できるよね。」
水希はもう見慣れたのか、冷静に観戦していた。
私もシュートが決まった時とかは少し声を上げていたが、三人があまりにもうるさすぎてかき消されていた。
「高ちゃんって毎日こんな感じなの？」
ちょっと水希に聞いてみる。
「うん、こんな感じ。」
水希は苦笑いする。
「元気だね。」
「うん、ほんと。」
高ちゃんが立ち上がってシュートの決まった先輩に手を振るのを見て、私たちはくすくす笑った。
「じゃ、行くね。」
「あー、もっと見ていたいよ〜。」
沙耶と由乃はダンスサークルの方に行くため立ち上がった。
相当名残惜しそうだったが、いい加減行かないとそろそろヤバイようだ。
「じゃあね！」
「また明日〜。」
手を振って別れた。
- Re: 私の好きな、あいつ。 ( No.52 )
- 日時： 2016/03/10 23:42
- 名前： こん （ID: phd3C.MK）
-21-
水希は少しやることがあるようで、下に行った。
残ったのは私と高ちゃん。
下の試合は両面とも一旦終わっていて、次の試合のチームを組んでいる。
「ねえ、直ちゃんに今日の見学誘われたのって、香織ちゃん？」
直ちゃん…？
誰のことか分からず固まると。
「大木直斗よ。」
と高ちゃんは笑った。
「あー、なるほど。…うん、そうだよ。」
私は頷いた。
「あらー、やっぱりそうなのね。」
高ちゃんは意味ありげに言う。
「直ちゃんが誘った女の子ってどんな子か楽しみにしていたのよ。」
「…そうなの？」
下では、両面ともすぐに試合が始まる様子だ。
「ねえ、香織ちゃんは彼氏いるのかしら？」
いきなり話題が変わる。
「…いないよ。」
高ちゃんは嬉しそうに笑った。
「まあ、そうだとは思ったけど。…良かったわ。」
私は高ちゃんの顔を見て少し首を傾ける。
何が良かったのだろう。
「ねえ、直ちゃんのことはどう思う？」
またまた話が飛ぶ。
話の着地点がわからない。
「大木くん？…えーと、うーん。優しそうな感じ？」
私がそう言うと、高ちゃんは声を上げて笑った。
「ふふふ。そう。まあ、ここにきている時点で脈はあるって事なのかしらね。」
ピーッ。
両面とも試合が始まる。
大木くんは前の方の面で試合に出ていた。
「直ちゃん、結構いい男よ。顔も良いし、背も高いし、バスケ上手いし。」
高ちゃんはそう言って下を見る。
話の流れがよくわからない私もとりあえず下を向いた。
ダンッ。
試合開始直後。
大木くんがダンクシュートを決めた。
それから彼はこっちを見て、あどけない笑顔でピースサインをする。
トクン。
心臓が少しだけ、
揺れ動いた。
- Re: 私の好きな、あいつ。 ( No.53 )
- 日時： 2016/03/11 15:27
- 名前： こん （ID: iFTmHP4V）
こんにちは。
作者のこん、です^_^
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
お知らせです！
「私の好きな、あいつ。」の過去のお話やサイドストーリーをまとめて載せるスレッドを立ち上げました。
スレッド名は「私はあの時恋をして、あいつはその時こう思う。」です。
このスレッドに番外編として載せさせていただこうかとも考えましたが、過去のお話が長くなってしまうため、レスがごちゃごちゃになる事を避け、独立させていただきました。
もし、少しでも興味を持っていただきましたら、そちらも読んでいただけると嬉しいです。
これからも、どうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m
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