コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 『R−18』
- 日時: 2018/12/15 23:21
- 名前: 彩都 (ID: okMbZHAS)
カァカァ、カラスの鳴き声を聴きながら、海辺の近くの崖に立っていた上半身裸の少年の髪が靡く。
少年は大きく深呼吸をして、大きな海を見渡す──遠く遠くの奥、そこには綺麗な国、『ニホン』が存在していた──そして少年は一言、呟いた──
「──俺が、『このセカイ』を潰さないと──」
そう呟きながら、後退した──その崖には九つの綺麗な木の棒が刺さっていた──その木の棒は若干濡れていた──
『R−18』 第十部 開幕──
始めましての方は始めまして、何時も彩都の作品を読んでいる方は感謝します。
彩都(サイト)と申します。
今作で八作目です、まぁ、何とも小説のスレを作っては一ヶ月一回のみ更新とか、呑気にやってます。
さて、今作は名前が危ういですが、気にせずお読み下さい、そんな描写無いし。
まぁ、本音を書けば、『18歳未満の少年少女しかいない孤島』の物語ですね、なので『R−18』。
後、コメントはその章が終わったら、書き込んで下さい。
それでは本編をお楽しみ下さい──
第一部 書くかなぁ?
第二部 ありますよ。
第三部 存在します。
第四部 無い訳無い。
第五部 半分終了か?
第六部 折り返しか?
第七部 多分終盤か?
第八部 何か消える。
第九部 九割終了か?
第十部 回収多いな。 ←今ココ
第十部 『選択過多少年』
↓
第十部 第一部 プロローグ 過去と今を行き来する『モノ』 ←今ココ執筆中
↓
???
第十一部 有る訳無い
目次みたいな何か
>>0
親記事に決まってるだろ、何書いてんだこのアホスレ主は。
>>1
物語に対しての初レス、この更新で色々決まるか。
>>2
新キャラが出ました、たったそれだけですね。
>>3
物語は、少しずつ進む……
>>4
アキナちゃんは強いんだぞ!
>>5
彩都さんはあまり七草粥は好きでは無いです。
>>6
新名所、桜崖、落ちても安心。
>>7
西の地区長、登場、西のどの地区かは不明。
>>8
今回は戦闘回、何で戦闘を書いているんだろう? 自分的にはプロローグでは戦わない様にしているのですが……
>>9
戦闘終了&アキナの伏線を貼る、一体アキナは何者なんでしょう? 気付いてくれると嬉しいですねぇ。
>>10
アキナの小話、これで前回の投稿分の伏線は回収出来たか……?
>>11
勝手に決まる物語。
>>12
椎名の地区の地区長、ロバート・ダニエル・ジェームズが登場、実は『=』とか使いたかったけど、よく分からなかったから、『・』でご誤魔化しました。
>>13
さぁ、物語も中盤戦ですね、十夜とアキナは別行動に。
>>14
キャラのバーゲンセールですね、どれだけ新キャラ出せるだろう?
>>15
遂に登場、『能力』、どんな説明なのか? 後、全員紹介したいのに文字数が足りな……
>>16
やっと全員出し切る事が出来ました、さぁ、次回から、やっと物語が動き出します。
>>17
ん? あんまり本編が進んでいない……? 後、やっとアキナ登場。
>>18
原理さん、アンタって奴は……嘘でしょう!?
>>19
遂に十夜にバレてしまうアキナ! 一体どうなる!?
>>20
バレたから適当になりました、えぇ。
>>21
二日目開始、そして此処で大きい伏線を張る、さぁ、最終回で明かす設定になりました……忘れていなければいいですが。
>>22
今回は名前ネタ、完全に作者が悪いですね、名前は……誰だよ作者? ……彩都なんだよなぁ。
>>23
今回は他のキャラを掘り下げてみた、霜月を書くのが楽しかった。
>>24
他のキャラが久し振りに登場、完全に作者はキャラを忘れている模様。
>>25
名前ネタ、再臨、まぁ、面白いから、やらかしました、えぇ。
>>26
段々と集まっていきますねぇ。
>>27
プロローグなのに、葉月奪還編が始まります。
>>28
謎のキャラ登場、周防君、地味に入力めんどくさい名前。
>>29
今度の新キャラは二人です、おまけに兄妹です。
>>30
妹の名前を設定していないので、困りながら書きました。
- Re: 『R−18』 ( No.16 )
- 日時: 2017/10/14 21:38
- 名前: 彩都 (ID: 8nwOCftz)
「まぁいいか……それじゃあ、長月、自己紹介宜しくぅ」
椎名の言葉を聞いて、一人の少年が現れる、そして無言のまま一人の少年はホワイトボードに字を書いて、自己紹介をする。
『ぼくのなまえは』
一人の少年がそう書いた所で椎名が口を出す。
「あぁ、そういやそうだったな、長月は小さい頃、喉と声帯を痛めて、喋る事が出来なくなったんだ、忘れてたな、コイツの名前は長月 松永(ながつき まつなが)っていう名前だ、長月が下の名前だからちゃんと覚えておけよ十夜?」
「えぇっ……ま、まぁ、喋れないのなら、仕方無いな、宜しくな、長月」
十夜はそう言って、右手を前に指し出す、すると一人の少年──長月だ──がホワイトボードを消して、また文字を書く。
『よろしくね、とーやにいちゃん』
長月はそう書いて、右手を差し出し、十夜と握手をする。
「あぁ、宜しくだぜ」
「よし、それじゃあ次は……神無月かぁ」
「えぇっ? 僕かぁい? 全く、遅いぜ?」
神無月と呼ばれは存在はそう言って、十夜の前に現れる、そして十夜は神無月と呼ばれた存在を見て、驚愕する。
「えっ……!? お、女!?」
「あぁ、そうだぜ? 僕が神無月だぜ?」
「ちゃ、ちゃんと自己紹介をしろって……」
「あぁ、すまないね! 僕の名前はメアリー 神無月(── かんなづき)と言う、今では珍しいハーフだ」
神無月と呼ばれた存在は静かに手を前に出す、十夜は驚きながら手を前に出す。
「ん? どうかしたのかい? 僕の体に何かついている?」
「つ、ついているも何も……胸がついている……」
十夜がそう言って、前に出していない手で神無月の胸を指差す、すると神無月は『アッハッハッ!』と笑う。
「それは仕方無いさ! 貧弱な日本人と違い、ハーフは外国人の屈強な肉体、素早い成長スピードを誇るからね! 君達日本人とハーフの同い年じゃあ、ハーフの方が発達が良いよ!」
「お、おぅ……そうか……」
神無月の言葉を聞いて、静かに頷くしかない十夜、まぁ、ロバートさんだって、結構発達しているしな……と考える。
「ふむ、それじゃあ霜月ちゃんかねぇ次は?」
「あぁ、そうだな、それじゃあ霜月、登場するんだ! なぁに、大丈夫! 僕のように堂々としていれば舐められないって!」
神無月が肩を叩いて、霜月と呼ばれた存在に鼓舞を放つ、そして白髪の少女が十夜の前に現れる。
「…………」
無言のまま目を閉じ、十夜の前に現れる、十夜は不思議そうに白髪の少女を見つめる。
「……どうしたの?」
「……ひゃうっ……」
「えっ? 何で俺、驚かした感じになっているの?」
十夜がそう言うと、椎名が十夜に言う。
「霜月は驚きやすい存在なんだよ、だからゆっくり喋らないと……」
「あ、あぁ、そうか、それじゃ……君の、名前、を、知り、たいな?」
「……私の、名前は、霜月、です、霜月 海棠(しもつき かいどう)です、海棠が、苗字、です、どうか、宜しく、御願いします、……」
ゆっくりと頭を下げる白髪の少女、基、霜月、そして肌も白いので、十夜は不思議がる。
「あれっ? 何でコイツ、肌が俺達より白いんだ? 焼けていないのか?」
「ん? あぁ、ソイツ、俺も良く分からんが、『アルビノ』っていう、珍しい存在らしいぜ?」
椎名にそう言われ、成程、と思う十夜、『アルビノ』、ねぇ……一種の病気みたいなモノか、と考える十夜、すると霜月が静かに十夜に言う。
「十夜、お兄ちゃん、これから、も、宜しく、ね? わ、私、あまり、体、動かせない、から、遊び、に、誘わない、でね? 家で、じっと、している、方が、私には、割に、合っている、し……」
「あぁ、そうか、分かったぜ、さて、次は誰だ?」
十夜がそう言うと、椎名が言う。
「ん? あぁ、次で最後だぜ? それじゃあどうぞ!」
椎名がそう言って、とある場所を指差す、すると黒っぽい格好で、髪が長い少女が椎名を見る。
「……何?」
「いやぁ、十夜に自己紹介を……」
「私の名前は原理 師走(げんり しわす)と言うわ、この家の中で四番目の年長者、小さい子のお守り担当よ」
「因みにお守り担当は二人ずつ、男子担当、女子担当、両方担当の三つの担当があって、俺は両方担当、原理姉さんは女子担当だ」
二人の発言を聞いて、水無月姉さんより年上の人か……と考える、と言う事は、ロバートさんと、あの女性二人で上位三つを獲得しているってか? と思う。
そして原理が続けて言う。
「まぁ、十夜君は私の領域(カテゴリー)内ではないから、あまり関わらないかもね?」
「それは無いと思うぜ……多分だけどな?」
十夜の言葉を聞いて、原理が言う。
「多分って……何という運も勘も頼りそうな言葉は……まぁ、良いわ、残りの十一人と宜しくね?」
「あぁ、宜しくだぜ!」
十夜がそう言って、椎名が言葉を発す。
「さぁ、これでメンバー紹介は終了だぜ! さぁ、これから遊ぼうぜ! ……と言っても、十夜は足が悪いからなぁ……どうする?」
「ん? いや、俺は椅子に座って、監視しているぜ? 何か危険なものが無いかぁ? とかさ?」
「ん? そうか、それなら、監視は任せた! それじゃあ、皆遊ぼうぜー!」
椎名はそう言って、追いかけっこのような鬼ごっこを開始する──そして十夜は椅子に座って、静かに虚空を見つめる──
- Re: 『R−18』 ( No.17 )
- 日時: 2017/11/18 21:47
- 名前: 彩都 (ID: hxRY1n6u)
「……はぁ」
十夜は静かに溜息を吐いて、自身の足の事を考える、白樺椛との戦いで負傷した自身の脚、折れてしまうとか考えていなかったので、驚愕ものだった。
「…………」
早く骨折治らないかなぁ? と、思っていると、隣に原理が座って、話しかけてくる。
「脚、気になるの?」
「……まぁ、一応は」
「へぇ……『誰に折られた』の?」
「!?」
原理の発言に十夜は驚愕してしまう、ど、どういう事だ……? まさか原理は自分の骨折を『誰がしたか』分かるのだろうか? 十夜はそう思いながらカマをかける。
「へぇ……原理さん、どうして『誰に折られた』の? なんて聞くんです? もしかして俺の足の骨折の理由、知っていたりするのかな?」
「さぁ? どうかしらねぇ?」
カマをかけたが、原理には通用しなかったようだ、十夜は仕方なく、言葉を続ける。
「まぁ、西の地区長、椛白樺にやられたんです」
十夜がそう言った瞬間、原理は驚愕しながら目を見開いて、十夜を見続ける、そして冷や汗を掻きながら原理は十夜に言う。
「えっ? 待って? 十夜君の脚を『あの地区長』が折った? そして『生きていた』……!? これは凄い情報ね……」
「何処が凄い情報か? 俺はボコボコにされましたよ──それでも『勝てなかった』、やっぱり年上には勝てねぇのかなぁ?」
「そんな事は無いわよ! 白樺の奴に目をつけられた存在は大体が暗殺されているわ、だから貴方が『今此処で生きている』事こそ、珍しい事象なのよ!? 胸を張りなさいよ!」
「果たしてそれはどうでしょうねぇ? 椛白樺は……強い、俺の手でも勝てなかった存在だ、そう簡単に胸は張れません、『椛白樺に勝って、胸を張る事が出来る』と思うんです、だから一日でも早くこの脚を治さなければなりません」
十夜はそう言って、折れた脚を上に上げる、足を上げると、少しだけ刺激が走り、足が痛くなった。
「もう、無茶しないで?」
「でも、無茶しないと……俺の脚は治らないと思うんです、だから少しでも折れた脚でも歩ける様にしないと……」
「バカ? 折れた脚よ? 歩く度に尋常じゃない痛みが走って、歩く事なんて不可能よ?」
「でしょうね、でも、俺はその『不可能』さえ、打ち砕かなきゃならないんです、だって、俺の夢の一つに『不可能を可能にする』っていう夢があるので……」
十夜の話を聞いて、『そんな夢が……』と思う原理、原理は十夜に『夢の続き』を聞く事にした。
「ねぇ、十夜君? 出来ればで良いんだけど、『不可能を可能にする』夢の後、何か夢はあるの?」
「ん? あぁ、ありますよ、その夢は……」
原理の発言に十夜は一拍置いてから言う。
「この『R−18』をぶち壊す事です、こんな巫山戯たもん、自分がぶち壊す、だから……この夢を自分は叶えないと、色々な子達が両親に会えないと思うんです、両親だってそうです、『18年間も息子娘に会えない』だなんて、巫山戯ている、だから俺が壊さないと……!」
「でも、逆にDV──家庭内暴力の事よ──の被害は減った、と聞くけど……?」
「…………」
原理の発言に十夜は黙ってしまう、確かにそれは……だけれど、十夜はそう思い、言葉を紡ぐ。
「でも、そんなの、『両親が悪い』じゃないですか? 『そんな事』をする両親が、ね……」
「まぁ、確かにそれは有り得るわね、でもどうするの? DVの被害を最小限に抑えなければならないし?」
「それはその時ですよ、今考えても無駄です、何故なら今の俺の頭は小学生ですし……何より、『そんな事を考える脳が無い』です、だからその問題は何時か解決しないといけないですね」
十夜はそう言って、松葉杖を使って、ゆっくりと立ち上がり、原理に言う。
「それじゃあちょっとトイレに行ってきます」
「えぇ、トイレの場所分かる?」
「え、えぇ、一応は、ね……」
どうせ、男性女性のマークに『トイレット』とか、書いているだろ? と、十夜は思い、家の中へと入り、トイレを探す──
「ウフフ、アキナちゃん、手が器用ねぇ? これじゃあ私達の料理方法がパクられちゃう?」
「アハハ、そうねぇ……」
「えへへ……そこ迄褒められると、嬉しいなぁ……」
アキナは二人の準地区長にそう言われ、少し照れる、そんな三人の女子達をロバートは見つめていた。
此処でいい所を見せてケッコンするんだ、此処で少年少女達が好きってアピールをする事で、ケッコンするんだ、二人の準地区長はそんな事を思いながらアキナと共に餃子の皮を包み込む。
そんな場面を十夜は確認し、四人の許に向かう。
「あれっ? アキナ、何をしているんだ?」
「んっ? あっ、お兄ちゃんだ、今は餃子を作っているんだよ、この二人って凄いんだよ! 餃子の皮を一から作っているんだ!」
アキナの発言を受けて、十夜は『へぇ』と思う。
「成程、餃子ねぇ……と言う事はそれが今日の晩御飯?」
「えぇ、そうですよ十夜君」
「そうね」
二人の準地区長の返答を聞いて、十夜は少し喜ぶ、餃子はパリパリの皮が美味しいんだよなぁ、と思う、するとロバートが十夜に言う。
「それで? 『君はどうして此処に来た』んだい十夜君?」
「えっ? あぁ、トイレに向かおうと思って……そしたら、アキナの姿が見えたので……」
「成程、妹の姿を見に来た、と言う事だな?」
「いえ、血は繋がっていませんが」
「あれま、そうだったのか」
ロバートはそう言って、十夜に続けて言う。
「ふむ、トイレに向かおうと思っていた、か……よし、この家のトイレを案内しよう」
ロバートは立ち上がって、十夜の腕を引っ張って、案内する──そして十夜はトイレに辿り着き、やっと用を足す事が出来る、ほっ、何とかトイレに辿り着いた、トイレを探す為に東奔西走していたなんて、誰にも言えない……やっぱり原理さんに案内されときゃ良かった……十夜はそんな事を思いながらトイレの中で溜息を吐く──
- Re: 『R−18』 ( No.18 )
- 日時: 2017/12/16 21:33
- 名前: 彩都 (ID: KqRHiSU0)
自分はズボンを下げ、小便を放つ。ふぅ、我慢していたから、結構な量が出る、自分はそう思いながら、小便の放尿を終え、水を流し、手を洗ってから、壁に手をつきながら歩く。
そして目の前にロバートさんがいたのを確認する。
「フフフ、相当溜まっていたんだね」
「え、えぇ……探し回っていたのでね……」
十夜はそう言って、左手を伸ばすロバートの手を受け、歩き始める、そして十夜はロバートに『とある事』を聞く事にする。
「そ、そういえば、とある知り合いから聞いたんですが、ロバートさんが好きな二人のあの女子、居ますよね? ロバートさんは一体誰が好きなんですか?」
「おっと? まさか恋愛沙汰の事を後輩に聞かれるとは! いやぁ、驚いたなぁ」
「お、驚いた、ですか……それで? 回答は?」
自分が回答に急かすと、ロバートは静かに言う。
「んー? そうだなぁ……出来れば、二人とは結婚したくないね、だって、競い合ってるのは嫌いなんだ、自分を心から愛してくれる人が好きだね、あの二人は自身の権力を使って、後輩を扱き使っている、自分はそれが嫌いなんだ、『家族』なんだから、平等が良い、だから後輩とかを扱き使ったりしたくない……おっと、これは他言無用だよ? こんなのを公の場では言えないからね?」
「大丈夫ですよ、言う気は無いので……話だけ、聞いておきたかったんです、知り合いが言った事が事実かどうか、を」
「ハッハッハッ! そうだったのか、そうだったのか、君のお友達は中々に面白いねぇ!」
まぁ、その友人は椎名なんだけれど……自分はそう思いながらロバートに続けて言う。
「そ、それじゃあ、この島の中で好きな人はいるんですか?」
「ん? そうだなぁ? でも、憧れの人は居るよ」
「憧れ? へぇ、それは一体誰です?」
自分がそう言うと、ロバートさんは自分を指差して言う。
「そうだな、君の家長、ユキタニさんの事かな? あんな簡単に人を纏める事が出来るのは素晴らしいよ、彼女こそリーダーの資質がある、素質もある」
「…………」
まさかのユキタニで自分は驚愕する、そしてロバートさんは自分を家の外に案内させる。
「まぁ、君は外で遊んでおいた方が良い、此処から先は大人の話になる、自分や君にはまだ大人の話はさせられないからね?」
「そ、そうですか……」
自分はそう言って静かに頷いて、家を出る、それにしても、ユキタニの事を語るロバートさんの目は羨望の眼差しだったなぁ……十夜はそんな事を思いながらふと、空を見上げた、すると空は夕方の夕焼けを映していた──
そして十夜はゆっくりと歩いて、静かに考える、椛白樺を倒すにはどうしたら良いだろう……? まぁ、骨折を治したら大体はいけるかもしれないが……でも、どうだろう? 骨折が何時治るかはまだ分からない、最低でも一週間は必要だ、その間に特訓が出来れば良いが……十夜はそう思いながら静かに溜息を吐く、すると背後から誰かが抱き締めた。
「だーれだぁ?」
「ふぇっ!? え、えと、原理さん……?」
「せぇーかぁい……良く分かったわねぇ、声でかなぁ?」
「え、えっと……まぁ、そうですね、声です、原理さんの声は特徴的ですからね……」
自分がそう言うと、胸を押し付けながら原理さんが言う。
「えっえー? うっそぉ?」
「嘘ですよ」
「何だよ、焦った……それで、トイレ、間に合った?」
「え、えぇ、簡単に見付かりましたよ」
「へぇ、ロバートさんに案内された癖に?」
「……はい?」
な、何でこの人、『ロバートさんにトイレを案内された』って知っているんだ? そう思っていると、原理さんは言葉を続ける。
「更にロバートさんに手を借り、玄関迄歩いていたり、とかさ? 本当は知らなかったんじゃないのぉ?」
「え、えっと……」
自分が目を逸らすと、原理さんは自分の頭部を掴んで、強制的に目を合わせる。
「『私に嘘は通用しない』わよ? さぁ、本音を言って?」
原理さんはそう言いながら舌を出す、自分は仕方なく頷く。
「は、はい……じ、実際トイレの場所、分かりませんでした……」
「でしょうねぇ……だって、『最初っから分かっていた』しねぇ……」
そう言う原理さんに対し、自分は首を傾げる。
「は、はぁ……? それはどういう事ですか? 何で貴方は色々と知って──」
自分の発言を受けて、原理さんが静かに説明する。
「んー? そんなの簡単よ、私は『他人の心を見透かす』『能力』ですし」
「は、はぁ……?」
自分はそう言って、息を荒くする、た、『他人の心を見透かす』『能力』だと……? 確か『能力者』って、最近相当数が減っているとかなんとか聞いた事がある……まさか本当に原理さんは『能力者』って事か……? 自分はそう思いながら原理さんを見つめる、すると原理さんは顔を赤らめ、自分に言う。
「そ、そんなに見つめられると恥ずかしいわ……後、私が『相手の心を見透かす』『能力』を使えるって事は他言無用ね? もしも他言したら、君を殺害するから?」
そう言って原理さんは自分の前から立ち去る──な、何か怖いなぁ……自分はそう思いながら原理さんが『能力者』と言う事を隠しながら生きる事に気付く──な、何か厄介ごとに巻き込まれた気分だ……
- Re: 『R−18』 ( No.19 )
- 日時: 2018/01/13 21:24
- 名前: 彩都 (ID: eldbtQ7Y)
原理さんにそう言われ、十夜はビクビクしながら時は過ぎ、時間は夜になった。
今日の昼も歓迎パーティを行ったのに、またも歓迎パーティとは……何回歓迎パーティをすれば気が済むのだろうか? と静かに思いながら十夜の目の前には色々な料理が置かれている、そして十夜の対面には原理さんがいた。
「…………」
「…………」
得も言われぬ原理さんの雰囲気に十夜は気圧されていた、そしてロバートさんが大声で言う。
「さぁ、今日は十夜君とアキナちゃんの歓迎パーティだ! 皆して楽しもう! それでは、かんぱぁい!!」
ロバートさんの言葉に十夜の周りのメンバーは『かんぱぁい!』と叫ぶ、う、うーん、こういうノリはあまり好きではないが……こう言う時にはノっておかないとなぁ……と思い、十夜も『かんぱぁい!』と叫ぶ。
アキナも当然『かんぱぁい!』と叫んで、目の前の料理を食べ始めた。
アキナがご飯を食べているのを確認し、十夜も目の前の料理に手をつけた、うん、美味い、十夜はそう思いながら目の前の料理にむしゃぶりついた──
そして十夜は目一杯料理を平らげた、こんなに美味しい料理があったなんて……十夜はそんな事、一つも考えなかった。
「美味しかったぁ……」
十夜がそう言うと、ロバートさんが言う。
「アッハッハッ、確かにそうだねぇ、だってアキナちゃんが料理を手伝ったからね! そりゃ十夜君の好みの味だろうさ!」
「た、確かにそうともいえますね……」
十夜はそう言って、ロバートに頷く、するとアキナが言う。
「そ、そうかなぁ……照れるなぁ」
顔を赤らめ、頭を掻くアキナにロバートはアキナに抱きついた。
「うーん! 感動する! 同じ『家族』の十夜君の為に……! 素晴らしい『家族愛』だな!」
「あ、アハハ……」
ロバートの行動にアキナは静かに笑うしかない……すると、原理が立ち上がって、手を挙げてアキナに言う。
「ねーねー、アキナちゃんって、何処の国の生まれなの? ニホンにしては、顔が整っているようだけど……? もしかしてロバートと同じハーフかもしれないわね?」
原理の発言にアキナは顎に手を当てて考える、そしてアキナが言う。
「……どうだろう? 私、生まれも育ちも分からないからなぁ」
「成程、それじゃあ、こっちにおいで? 人間の人種の本を読ませるから、案内してあげるわ」
「人間の人種……? 何それ?」
アキナが原理の言葉に反応すると、原理が静かに説明する。
「そうねぇ……この世界には色々な人間が居るのよ、肌が黒い『黒人』という存在、肌が白い『白人』という存在、肌が黄色い『黄色人種』──因みにロバートは白人と黄色人種のハーフよ──アキナちゃんは一体どんな種類なのかしらねぇ……?」
そう言う原理に対し、アキナが言う。
「わ、私は多分黄色人種だと思うなぁ、だって周りの皆と肌が同じだしさぁ……?」
「あら? 実はハーフでしたーっていう話かもしれないわ? とりあえず、ついてきて?」
得も言われぬオーラを出しながら話す原理にアキナは根負けして、渋々ついて行く──原理は一体私に何を言いたいのか? アキナは静かな思いで原理について行く──
そして原理についていくと、原理は外に出始めた、まだこの自宅の内部を知らないアキナは『外に本があるのか』と判断していた、なので、アキナも靴を履いて、外に出た。
そして小さな広場に原理は立ち止まった、アキナも静かに立ち止まった、そして、原理はアキナに言う。
「…………不思議ね」
「……? 何が?」
アキナがそう言うと、原理がとんでもない事を言った。
「『だって、意識だけの大人がこの小さな体の中にある』と言う事が」
「!?」
原理のまさかの発言にアキナは静かに身構えた、続けてアキナが言う。
「……アンタ、私の過去を知っているのか?」
「さぁ? どうでしょうねぇ? 貴女ももっと、素を出してよ? 生憎此処は『私と君以外いない』んだからさ?」
「……あぁ、分かった」
原理の発言にアキナは静かに素の自分へと戻す、こんなクソガキの姿で素の自分がバレたのは初めてだ、アキナはそう思いながらその場で溜息を吐く。
「……はぁ、んで、『何時私の正体に気が付いた』んだ?」
「……そうね、『ついさっき』よ、『貴女から不思議なオーラを感じた』からねぇ?」
「……へぇ、成程、それで? 私の情報を十夜君にバラすとかするのかい? もしくは脅しか?」
そう言うアキナに原理は静かに口の端を歪ませる。
「ウフフ……違うわよ、『お互い、協力しましょう』って話よ、『同じ『能力者』同士』で……」
そう言って、原理は両手を広げる──そんな中、十夜は松葉杖を使用し、一人でアキナの背後に近付いていた。
一体どんな話をするのか? 少々気になったからだ、そしてアキナと原理が外に出たのを確認し、扉の近くで背中を預けた。
「…………不思議ね」
「……? 何が?」
『不思議』? 原理さんは一体何を言っているのだろう? と十夜は思う、すると原理はとんでもない事を言った。
「『だって、意識だけの大人がこの小さな体の中にある』と言う事が」
「!?」
原理のまさかの発言に十夜は意味が分からなかった、『意識だけの大人がこの小さな体の中にある』……? それはどう言う事だろう? 『意識だけが急成長した』と言う事なのだろうか……? 十夜はそう思いながらアキナと原理の会話を聞き続ける──アキナは一体何を隠しているのか? 十夜には分からない──
- Re: 『R−18』 ( No.20 )
- 日時: 2018/02/17 22:48
- 名前: 彩都 (ID: ???)
い、一体何が起きている、と言うんだアキナの体では……十夜はそんな事を思いながら、松葉杖を持ち、耳を傾ける、するとあまりにも無理な姿勢をしていた為、十夜は横に倒れてしまう。
「うわっと」
そう言って、十夜は倒れ、原理、アキナに正体を知られてしまう。
「あらら、鼠が一匹紛れ込んでいたようね」
「なっ……!? 十夜……!?」
焦るアキナに対し、静かに言葉を発す原理、そして十夜が口を開いた。
「あいたたた……お、おい、どういう事なんだよアキナぁ? お前……『能力者』なのか……?」
「…………」
無言で返答するアキナに対し、十夜はアキナを見つめ続ける事しか出来なかった、そして、アキナが静かに言葉を発す。
「……あぁ、そうだよ、それがどうかしたの? 幻滅した? こんなクソ小さい体に『大人の意識』があるって?」
「幻滅? 何で幻滅しないといけないんだ? 俺はお前に幻滅するポイントなんか無いぞ?」
「は、はぁ? あ、アンタ、自分で何を言っているか、分かっているのか?」
「分かっているも何も、『アキナ、お前が『能力者』かどうかは俺にとってどうでも良いんだ』よ、それを俺に言っていないから怒ろうとしているんだ、だってお前は『俺の妹』なんだから、そう言う秘密を言ってくれれば協力出来たのに……」
そう言う十夜に対し、少し焦るアキナ、コイツ、頭大丈夫か? と、思いながら、冷や汗を拭う。
「お前……」
「ハッ! これが兄である俺の行動だ、それに対し、妹のお前はどんな返答をするか? どんな行動をするか?」
十夜はそう言って、腕を組んで、仁王立ちで発言する、そんな十夜に対し、妹であるアキナは静かに腕を組んで、考える。
……果たして今の十夜を信用しても良いのだろうか? い、いや、信用出来ないって訳じゃないんだが、何と言うか……『その場で思い付いた嘘を発言している』ような感覚に私は陥っている……うぅむ、適当にこっちも返答するか……アキナはそう考えて、十夜に返答する。
「うん、有難う十夜お兄ちゃん」
「おっ? そうかそうか、そう言う返答かぁ、俺は嬉しいぜ」
十夜はそう言って、アキナを抱き締める、アキナは『何で抱きつくんだ?』と少し呆れる、すると原理が静かに発言する。
「えー、お取り込み中申し訳無いけれど、私とアキナちゃんの会話が終わっていないわ、だから十夜君は離れて?」
「えっ? あっ、はい……分かりました……」
十夜は原理の発言を受けて、抱き締めるのを中止し、アキナから離れる、アキナは『やっと離れたか……』と思いながら、原理を見つめる。
「それで? 協力の件はどうなったかしら?」
そう言う原理に対し、アキナは静かに返答する。
「…………お断りします」
「なっ!?」
「だって、私には何のメリットも起きないし? じゃあ、アンタと協力して私に何のメリットが生まれる?」
「そ、それは……じょ、情報の共有よ! 貴方の過去を知る存在を私は見つけれるかもしれないし! もしくは貴方宛に色々な本や物を送り付けて、自身の過去を調べ上げる事が可能だし!」
「そんなんどうでもいいんですよ、私は……私が知りたいのは『どんな人間だったか、どんな能力だったか』ってだけです、私の過去はある程度覚えている──朧気ですが──だから、『過去を知る気は無い』ですよ、私は」
そう返答するアキナに対し、静かに歯軋りを行う原理、そして原理は静かに二人に言う。
「そう、ね……分かったわ、それじゃあ、これ以上アキナちゃんに首を突っ込むのは止めておくわ」
「あぁ、その方が嬉しいですね」
アキナはそう言って、頭を下げる、するち原理が返答する。
「こちらこそゴメンなさい? まるで押し付けるように言って」
「いえ、良いんですよ、話は終了したので」
「あら? 本当にそれでいいの? まぁ、良いけれど……それじゃあ、解散しましょうか?」
「えぇ、そうですね」
原理とアキナの会話は少し話し合った後、お互い背を向いて、別れる。
そしてアキナは十夜に肩を貸しながら、家の中へと進入する。
「はい、これでお話は終了だよ? さぁ、今日はもう時間も遅いし、さっさと寝ようか、お兄ちゃん?」
「あ、あぁ……」
十夜は未だに信じられなかった、『こんな小さい体に大人の時の記憶がある』だなんて……十夜は静かに介護されながら溜息を一つ、吐いた──
そして十夜達は主役だが、『眠い』と言う事で、先に寝かせてもらう事にした、アキナと十夜は隣同士で布団が敷かれている。
「さぁ、寝ようか……」
「うん、そうだね……」
十夜はそう言って、布団にダイブするように寝転がって、『ふぅ……』と息を漏らした、今日は色々な事があったなぁ、結構色々な事があった、本当、『忘れられない』日になりそうだ、十夜はそんな事を思いながら布団の中に潜り込んで、隣に寝るアキナに言う。
「それじゃあ、アキナ、お休み」
「あっ、うん、お休み……」
まさか私のもう一つの記憶の事を言われるかと思った……アキナはそう思いながら、内心ドキドキしていた。
こうして、ロバートの家に滞在して、一日目が終了した、二日目以降は一体どうなるのか、十夜とアキナには分からない──
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