コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 『R−18』
- 日時: 2018/12/15 23:21
- 名前: 彩都 (ID: okMbZHAS)
カァカァ、カラスの鳴き声を聴きながら、海辺の近くの崖に立っていた上半身裸の少年の髪が靡く。
少年は大きく深呼吸をして、大きな海を見渡す──遠く遠くの奥、そこには綺麗な国、『ニホン』が存在していた──そして少年は一言、呟いた──
「──俺が、『このセカイ』を潰さないと──」
そう呟きながら、後退した──その崖には九つの綺麗な木の棒が刺さっていた──その木の棒は若干濡れていた──
『R−18』 第十部 開幕──
始めましての方は始めまして、何時も彩都の作品を読んでいる方は感謝します。
彩都(サイト)と申します。
今作で八作目です、まぁ、何とも小説のスレを作っては一ヶ月一回のみ更新とか、呑気にやってます。
さて、今作は名前が危ういですが、気にせずお読み下さい、そんな描写無いし。
まぁ、本音を書けば、『18歳未満の少年少女しかいない孤島』の物語ですね、なので『R−18』。
後、コメントはその章が終わったら、書き込んで下さい。
それでは本編をお楽しみ下さい──
第一部 書くかなぁ?
第二部 ありますよ。
第三部 存在します。
第四部 無い訳無い。
第五部 半分終了か?
第六部 折り返しか?
第七部 多分終盤か?
第八部 何か消える。
第九部 九割終了か?
第十部 回収多いな。 ←今ココ
第十部 『選択過多少年』
↓
第十部 第一部 プロローグ 過去と今を行き来する『モノ』 ←今ココ執筆中
↓
???
第十一部 有る訳無い
目次みたいな何か
>>0
親記事に決まってるだろ、何書いてんだこのアホスレ主は。
>>1
物語に対しての初レス、この更新で色々決まるか。
>>2
新キャラが出ました、たったそれだけですね。
>>3
物語は、少しずつ進む……
>>4
アキナちゃんは強いんだぞ!
>>5
彩都さんはあまり七草粥は好きでは無いです。
>>6
新名所、桜崖、落ちても安心。
>>7
西の地区長、登場、西のどの地区かは不明。
>>8
今回は戦闘回、何で戦闘を書いているんだろう? 自分的にはプロローグでは戦わない様にしているのですが……
>>9
戦闘終了&アキナの伏線を貼る、一体アキナは何者なんでしょう? 気付いてくれると嬉しいですねぇ。
>>10
アキナの小話、これで前回の投稿分の伏線は回収出来たか……?
>>11
勝手に決まる物語。
>>12
椎名の地区の地区長、ロバート・ダニエル・ジェームズが登場、実は『=』とか使いたかったけど、よく分からなかったから、『・』でご誤魔化しました。
>>13
さぁ、物語も中盤戦ですね、十夜とアキナは別行動に。
>>14
キャラのバーゲンセールですね、どれだけ新キャラ出せるだろう?
>>15
遂に登場、『能力』、どんな説明なのか? 後、全員紹介したいのに文字数が足りな……
>>16
やっと全員出し切る事が出来ました、さぁ、次回から、やっと物語が動き出します。
>>17
ん? あんまり本編が進んでいない……? 後、やっとアキナ登場。
>>18
原理さん、アンタって奴は……嘘でしょう!?
>>19
遂に十夜にバレてしまうアキナ! 一体どうなる!?
>>20
バレたから適当になりました、えぇ。
>>21
二日目開始、そして此処で大きい伏線を張る、さぁ、最終回で明かす設定になりました……忘れていなければいいですが。
>>22
今回は名前ネタ、完全に作者が悪いですね、名前は……誰だよ作者? ……彩都なんだよなぁ。
>>23
今回は他のキャラを掘り下げてみた、霜月を書くのが楽しかった。
>>24
他のキャラが久し振りに登場、完全に作者はキャラを忘れている模様。
>>25
名前ネタ、再臨、まぁ、面白いから、やらかしました、えぇ。
>>26
段々と集まっていきますねぇ。
>>27
プロローグなのに、葉月奪還編が始まります。
>>28
謎のキャラ登場、周防君、地味に入力めんどくさい名前。
>>29
今度の新キャラは二人です、おまけに兄妹です。
>>30
妹の名前を設定していないので、困りながら書きました。
- Re: 『R−18』 ( No.6 )
- 日時: 2016/12/17 17:01
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「急げ! 急げ! 早くしないと遅れてしまう!」
十夜はそう言って、走って、ユキタニ達を追いかける、すると後ろからアキナが走ってくる。
「お兄ちゃん、遅いね、あまり走っていないから?」
そう言われて、十夜は反論する。
「いいや、違うね、俺は走っていない、まだ競歩レベルだ、まだまだ本気を出せば早い」
「そう? だったら先に行ってるね」
アキナはそう言って、もっとスピードを上げる、あぁ、自分より早い存在になったか、と十夜はそう思いながら走るのを止めて、深呼吸する。
「はぁ、負けたかぁ、確かにあまり走っていないな、少しはスピードを上げないとなぁ」
十夜はそう言って、アキナの後を追った──
「遅いぞ、十夜!」
そう言って、ユキタニが十夜の頭に拳骨を放つ、結構痛かった、仕方無いだろ、寝ていたんだから……と心の中で思ったが、言葉にはしなかった。
「アハハ……で、今日は何処に行くのさ?」
十夜がそう言うと、ユキタニが答える。
「ん? あぁ、今日は桜崖(さくらがけ)の上だよ、崖の上で飯を食うんだ、綺麗な風景を見ながらご飯を食べる、何とも清清しい食事風景だろう?」
ユキタニがそう言うと、十夜は言う。
「あぁ、そう」
「何だ? 何とも薄情な奴だ」
「薄情で結構、こけこっこー!」
「何だそのつまらん言い回しは?」
十夜が叫ぶ、叫んだ言葉に対し、冷静なツッコミをするユキタニ、すると十夜は少し引いた、正論を言われて顔が引き攣る。
「はぁ……まぁ、いいけれどな、さぁ、早く桜崖に向かおうか?」
「あいよー、桜崖ね、OK、OK」
十夜はそう言って、ユキタニが引っ張る『家族』の中に割って入る十夜、十夜はアキナの隣に移動して、話しかける。
「全く……ユキタニは冗談も効かねぇでやんの」
「仕方無いよ、この『家族』唯一の16歳だし、ガキの感覚はもう無いんだよ」
アキナがそう言うと、ユキタニが十夜とアキナを睨む。
「おいおい……お二人さんよぉ、何気に言葉が聞こえているんですがぁ?」
「大丈夫、幻聴だろ?」
「そうだよね、お兄ちゃん」
「お前等ぁ……」
ユキタニはそう言って、大きな溜息を吐いて言う。
「はぁ、分かった、幻聴だな、それじゃあアキナと十夜っていう幻覚も見えない訳だ、さぁ、皆、先に進もうか」
「はーい!」
「うん!」
ユキタニが言うと、十夜、アキナより年下の幼年幼女は頷いて、ユキタニと一緒に前に進む、その行動に対し、十夜とアキナは言う。
「あーあー! すいませんすいません!」
「ゴメンなさいー!」
二人はそう言って、ユキタニの輪に入っていく……何とか輪に入れて、安心する二人だった──
桜崖(さくらがけ)、それは大きな海に面している崖の名称である、東のユキタニ地区の近くに存在する場所であり、毎月『遠足』と称して、弁当を食べる行事と化していた……崖は落ちても大丈夫な様に、下に海があるので、うっかり落ちても死なない。
そして何故『桜』崖と呼ばれているのかと言うと、崖の端に大きな桜の木があるからだ、毎年毎年、ユキタニ地区、椎名の地区等、色々な地区の『家族』が花見に来ていたりする、因みに桜崖が遠い地区もあるので、毎回春前になると、籤引きを行って、どの地区が先に花見をするか、決めたりする。
そんな場所に向かう十夜達、そして数十分掛けて桜崖に到着する、するとユキタニがリュックから、シートを取り出して、地面に引く、そして四隅を大きな石で挟んで動かない様にする。
「さぁ、準備も整ったし、皆、私が作った弁当を渡すから、自由に食べてくれ」
「わー! ユキタニのご飯だー!」
「私が先だよー!」
「わー、待て待て、皆順番だよ、順番!」
ユキタニが弁当に群がる幼年幼女達を制する、その光景を見て、十夜は呟く。
「これが四つの地区で一緒に行えたらなぁ……差別も、ルールも廃止して、皆が安心出来るルールを作れば、戦闘も喧嘩も無いんだろうなぁ……」
十夜の言葉に反応したのか、ユキタニが十夜に向かって叫ぶ。
「おーい! 十夜ー! 弁当はいらないのかー?」
「お兄ちゃん、呼ばれているよ?」
アキナ、ユキタニの言葉に反応して、フッと我に返る十夜、十夜は急いでユキタニの方に向かって、走って、弁当を受け取る。
「お前、どうしたんだ? 昨日の事を思い出したのか?」
ユキタニがそう言うと、十夜は首を横に振って、言い返す。
「うーん、そう言う意味じゃないんだけどね、もしも四つの地区全員が、こんな感じに花見とか、一緒に楽しめたらなぁって……ルールとか、喧嘩とか戦闘とかその日は無しにしてさぁ、楽しくいきたいよね、そんな日があってもいいと思わないかな?」
十夜の言葉に対し、重い溜息を吐くユキタニ。
「それは無理だよ、皆が皆、『敵』だと思っているから……同じ東西南北の地区ならまだしも、違う地区も一緒に楽しむとか難しいよ……お前の友達の椎名って奴の地区と私の地区の『家族』で花見とかなら出来るけどな──」
「まぁ、それもそうだけどね……今はそんな事を置いといて、『遠足』を楽しみますか」
十夜はそう言って、桜の木の下に移動して座る、十夜の言葉に対して、ユキタニは言う。
「あぁ、そうだな……」
ユキタニはアキナに弁当を渡して、大きく深呼吸してから自分の弁当に手をつける……そして十夜は思う、今日の弁当も美味しいな、と──
こんな綺麗な桜を見ながら食べる弁当は格別だ──そう感じながら十夜は弁当を勢いよく食べる──
- Re: 『R−18』 ( No.7 )
- 日時: 2017/01/14 18:52
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「美味しいな、今日の弁当は、前に食べた弁当より美味しい」
十夜がそう言うと、ユキタニが目を逸らしながら十夜に言う。
「あ、あれはただの失敗だよ、だから気にするなよ……」
「そうだけどさぁ?珍しいよね、ユキタニが料理に失敗するなんて」
「そりゃ仕方無いさ、初めて作った料理なんだ、椎名って奴の地区の準地区長に少し教えてもらっただけだしな」
十夜の言葉に対し、ユキタニは料理の失敗について説明する、すると十夜は椎名の地区の準地区長という言葉が出てきて驚く。
「えぇっ!? あの準地区長と!? 何もされなかったか!?」
「い、いや、何もされなかったよ、だけど包丁は投げられたな」
「あっぶねぇ!」
ユキタニの言葉に対し、十夜は冷や汗を掻く、それもその筈、椎名の地区の準地区長は椎名の地区の地区長に恋をしているのだ、もしも椎名の地区長が自分以外の女性を見て惚れて結婚してしまったら、片思いで終わってしまう、それを阻止する為にユキタニに攻撃を仕掛けたのだろう、だが無傷と言う事はどういう事だろう? そう思っていると、ユキタニが答えた。
「お前、もしかして、『何で無傷だったのか?』って聞きたいのか?」
「な、何故気付いた? 顔に現れていたかな?」
十夜がそう言うと、ユキタニは溜息を吐きながら答える。
「私とお前は何年来の付き合いなんだよ……『家族』なんだから相手の気持ち位分かって普通だろう?」
「そうか……『家族』かぁ……」
十夜はそう言って上空を見上げる、一体自分の父親、母親は誰なんだろう? 普通に仕事している二人なのかな? もしくはお偉いさんなのかもしれない、だが何故お偉いさんという言葉が出てきたのかは知らない。
「まぁ、いいや、とりあえず、私は準地区長に襲われた、だけど普通にやり返した、そして最初に襲ってきたから、色々なレシピを教えてもらった、と言う事、そして先月その色々なレシピの中から適当なレシピを選んで作ったらそのまま失敗した、と言う事だ」
「……すげぇな、ユキタニ……」
十夜はそう言って、少し体を後ろに引く、その行動に対し、ユキタニは十夜に近付いて行く。
「何で離れるんだよぉ?」
「うっ、煩い! ユキタニには関係ないだろ!」
十夜はそう言って、弁当を口の中にかき込んで、口の中に詰め込んだ後、近くにあった水筒を一気飲みして、大きなげっぷをする、あー美味しかった、そう思いながらその場で寝転がる、すると急に視界が真っ暗になり、綺麗な生脚とパンツが見える、パンツは女性用だった、いや、何で視界が真っ暗になって生脚とパンツが見えているんだ? 十夜はそう考えて、片手で飛び上がって、起き上がる、すると目の前に紫色のマントを纏った金色の横線が入った赤いスカートの少女がその場に立っていた、顔は仮面を着けており、素顔は判断出来ない、だがこの少女を十夜は見た事があった──ユキタニ地区は『少年少女隔離施設No.12 『R−18』』で言えば東の方に存在している地区だ、そして一部の地区や他の施設では『過激派』や『施設統一』を目指す輩もいる、勿論『少年少女隔離施設No.12 『R−18』』にもその『過激派』、『施設統一』を目指す輩は存在する、そして十夜の目の前に現れた少女も『過激派』、『施設統一』を目指す輩なのだ──そして少女は静かにユキタニに声を掛ける。
「地区のメンバー全員で食べるお弁当やピクニックは楽しいかい? 『ユキタニ地区』の地区長ユキタニさん?」
「……あ、あぁ、楽しいさ、やっぱり『家族』は良いものだよなぁ、西の地区長さんよぉ?」
西の地区長、と呼ばれた目の前の少女に怯えともせず、言い返すユキタニ、だが、西の地区長と呼ばれた少女はユキタニの持っている弁当を踏みつけて、煙草の火を消す様に右へ左へと動かして弁当を踏み潰す。
「そうかそうか、楽しいか……だけど、その『楽しい』という気持ちも壊してやる、もうすぐ『施設統一』も近くなっている、残りの地区は後少しだ、楽しく私の支配下で楽しんでおけ! アハハハハハハ!」
「…………」
高らかに笑う西の地区長と呼ばれた少女を見て、ユキタニは悲しそうな泣きそうな良く分からない顔をしていた、だが十夜にはユキタニの顔が理解出来た、理解したから十夜は次の行動に移っていた。
「おい」
「?」
十夜はその場で振り向いて去ろうとする、西の地区長と呼ばれた少女の左肩を掴んで、動きを止める、その行動に対し、西の地区長と呼ばれた少女は方の手を掃って前に進む、だが十夜はまたも肩を掴む、すると西の地区長と呼ばれた少女は十夜を強く睨んだ。
「お前……私を誰だと思っている? 私は西の地区長だぞ! お前等はカス同然の存在なのだぞ! お前等平民は私に平伏さなければならないのだ!」
「……で? 言いたいのはそれだけか? 俺が言いてぇのはそれじゃあねぇんだよ……」
十夜は西の地区長と呼ばれた少女の言葉を往なし、怒りを露わにしながら怒鳴る。
「俺が言いてぇのはそれじゃあねぇんだよ……俺が言いてぇのは『謝れ』! 『詫び』ろ! 『謝罪』しろ! 他人が作った料理に対し、足で踏みつけるな!」
その言葉を言った瞬間、顔を下げていたユキタニは顔を上げた。
「な、何を言っているんだ……? たかが料理ごときに『謝罪』だと……? 馬鹿げている! 何故私がそんな事をしなくちゃいけないんだ!?」
「『そんな事』だと!? 違う! このお弁当は『ユキタニが頑張って作ってくれた愛情が籠もった弁当』なんだ! てめぇが行った行為は『愛情を踏み躙(にじ)る』行為だ!」
十夜が怒鳴りながらそう言うと、ユキタニが泣きながら十夜の腰を掴む、そして『もうそれ以上言うな! 十夜!』と小声で言う、それに対し、十夜は食い縛って引き下がる事にした。
「全く、『ユキタニ地区』のニンゲンは躾も礼儀も分からん様だな!」
西の地区長と呼ばれた少女はそう言って、鼻息を荒くし、その場を去った──十夜は西の地区長と呼ばれた少女に対し、怒りが込み上げていた、アイツだけは許さない、そう思いながらその場に座る──
- Re: 『R−18』 ( No.8 )
- 日時: 2017/02/18 20:29
- 名前: 彩都 (ID: LdHPPNYW)
「何で止めるんだよ!? 自分は正しい事をした迄だ!」
西の地区長と呼ばれた少女が去った後、胡坐を掻きながら十夜は怒る、何故そんな行動をしたのか? 怒鳴りながら言う十夜に対し、ユキタニが静かに言う。
「アイツ等には反抗しない方が良いんだ、西の奴等には反抗するな、私はそう言いたいんだ、だから理解してくれ、十夜……」
「出来ないね、ユキタニは『家族』! だから『家族』が作った弁当を踏み躙ったんだ、これは俺が怒らないといけない事だ!」
ユキタニの言葉を切って言う十夜、そんな十夜に対しユキタニは十夜の顔面を平手打ちした、ユキタニの表情は十夜からは隠れていたが、号泣していた。
「黙れ! 西の奴等には戦ってはダメなんだ! これだけは理解してくれ十夜!」
「理解出来ない! だって『家族』を貶されたんだぞ!? これが平気でいられるか! これが平気でいられるようならソイツは『家族』失格だ! ユキタニだって分かってんだろ!? 本当は心の中で相当腹が立っている! ユキタニの代わりに行くだけだ! これは俺の意思! 俺の気持ちなんだ!」
十夜はそう言って立ち上がり、桜崖から移動する、ユキタニは『待て! 待つんだ十夜! 人の話を聞け!』と叫ぶ、だがユキタニは動こうとはしなかった、それもその筈、『ユキタニ地区の『家族』がユキタニの体の動きを止めている』からだ、身動きが取れないユキタニは叫ぶしかない、そしてユキタニ地区の『家族』は十夜の気持ちに賛同したのだった。
自分達では力が弱い、だから十夜に全て任せる、十夜なら僕達家族の『怒り』を西の地区長と呼ばれた少女にぶつけてくれる! 『家族』はそう思いながら十夜を見つめるばかりだ──
「ふむ、桜崖もガキばっかで零落(おちぶ)れたな……」
そう呟きながら西の地区長と呼ばれた少女は北に向かっていた、だが後ろから謎の唸り声が聞こえたので静かに振り向くと其処には石槍を持った十夜が現れた、西の地区長と呼ばれた少女は心の中で笑いながら戦闘態勢を取る。
「フフフ……アハハハハハ! 全く、傑作だなぁ! 弁当を貶されただけで私に歯向かうとは……中々面白い者よ!」
十夜は石槍を西の地区長と呼ばれた少女に石槍を投げる、だが石槍は細いので、案外簡単に避ける事が可能だった。
「おいおい、何ていう軟弱な攻撃だ?」
「うるせぇ! てめぇは俺を、『家族』を貶した! だから俺はキレる!」
十夜はジャンプして飛び蹴りを西の地区長と呼ばれた少女に当てようとした、だが西の地区長と呼ばれた少女は十夜の足を掴んで、地面に叩きつけ、足4の字固めをする、そして西の地区長と呼ばれた少女は思いっきり足で十夜の股間を突いた。
「お゛ぇ゛っ!?」
あまりの痛みで十夜は気絶しそうだったが、自分の右手の親指を地面に叩きつけた、『痛みには痛みで解決する』、股間の痛みよりも親指が砕ける痛みの方が強かった、なので股間の痛み等すぐに忘れた、そして十夜は起き上がって西の地区長と呼ばれた少女の腹部に自分の拳をぶつける、西の地区長と呼ばれた少女は『うぐうっ!』と呻いて足4の字固めを解除してしまう、十夜はその隙を見つけて、急いで自分の足を後方に下げる。
「ハァハァ、中々だな、お前……」
息を切らしながら言う十夜に対し西の地区長と呼ばれた少女は少し怒りを見せながら叫ぶ。
「てめぇ……ガキの癖に良くやるなぁ、驚いたよ」
「そりゃどうも──ていうか俺、アンタの名前知らねぇんだけど? 教えてはくれないか?」
「ん? 私の名前か? 確かに名乗っていなかったな、私の名前は『椛 白樺(もみじ しらかば)』だ、覚えておけ」
西の地区長と呼ばれた少女基椛白樺は十夜に名を名乗る、そんな椛に対し、十夜も名を名乗る。
「俺の名前は十夜 日下部だ、日曜日の日に上下の下、一部の部で、日下部だ、珍しい苗字だろう?」
十夜がそう言うと椛は鼻で笑う。
「別に? 白樺って名前も珍しいがな」
「それはそうだな、俺は初めて聞いた苗字だしな」
「私もだよ、日下部……二人共珍しい苗字だなぁ──さて、名も名乗った事だ、さっさと戦いを開始しようか? 私の中の闘争本能が暴走しそうだ」
「生憎それは俺もだよ──俺はお前を倒す、白樺ぁ!」
「それは私もだ! 日下部ぇ!」
二人はそう言ってもう一度ぶつかった、十夜は左手で椛の顔面を狙う、だが椛は右手で十夜の左の拳と相打ちさせる、椛の拳が強かったのか、十夜の指は少し罅がいってしまう、次に椛は回し蹴りを十夜に当てようとした、だが十夜はジャンプして椛の足に乗る、十夜は急いで両足で椛の顔面を蹴る、十夜の蹴りはクリーンヒットし、椛は鼻血を出しながら少し後退する。
十夜は右手の親指を壊した代償で汗を大量に掻いていた、急いで倒して指を治療しなければいや指が変な方向に治ってしまう、そう思いながら短期決戦を考えていた、だが椛は違う、自分で親指を折った事に対し、股間も攻撃している、両方の痛みが彼を襲っているのだ、このまま長期決戦すれば先に倒れてしまうのは奴の方だ、椛はそう考えながら、十夜との間合いを取る。
この戦い、どちらが勝つかは二人には分からない──
- Re: 『R−18』 ( No.9 )
- 日時: 2017/03/18 16:20
- 名前: 彩都 (ID: ???)
急いで勝たなければ……十夜はそう思いながら椛に対し、走って飛び蹴りを食らわせようとした、だが椛は十夜の蹴った足を握り、膝と肘を使用し、足を挟んで骨折させる。
「!?」
骨折させられ、驚く十夜、それよりも折られた部分が大変だった、その部分は脛(すね)──所謂『弁慶の泣き所』──だった、脛を折られて、相当でかい痛みが足から脳に伝わる。
「うっ……がぁぁぁ……!!」
あまりの痛みにその場で呻いてしまう十夜、何とか勝ったな、と思い、椛は十夜に近付いて、頭を足で踏もうとし、片足を上げる、すると十夜は椛の上げていない片足を薙ぎ払い、椛はその場で倒れてしまう、十夜は急いで起き上がって、椛の膀胱の部分を肘で攻撃する、すると膀胱が押し出されて、椛の下着は尿で濡れて、その場で少し漏らしてしまっている雰囲気にも見えた。
「こんの……クソガキがぁ! よくも私の下着を濡らす様な一撃をぉぉぉ!!」
「うっせぇ! 俺は『家族』全員の気持ちを背負っている、こんな柔な攻撃だけで済まねぇよ!」
十夜は叫ぶ椛にそう言うと、十夜は何とか椛の体に座り、馬乗りになる、十夜は椛の顔面を何度も何度も殴る、マウントポジションを取られ、椛は両腕で防御するしかない。
「謝れ! 謝れ! 謝れ! 謝れぇぇぇ!」
十夜はそう言いながら殴る、だが椛は両腕で防御する、早く顔面を殴りたかったが、まずは両腕を壊さないと意味が無い、十夜はそう思いながら何度も何度も両腕を攻撃する。
「はぁはぁ……くっそぉ……」
十夜は息を漏らしながら、拳を打つのを止める、もう体力が気持ちより追いつかないからだ、もっと攻撃がしたいのに……体力や筋肉が動いてくれない……十夜はそう思いながらその場で後ろ向きに倒れる。
「な、何とか助かった……」
椛はそう言って起き上がって、十夜の腹部を何度も何度も蹴っては蹴ってを繰り返して十夜に向かって言う。
「中々強かったな、もしもお前と次、戦う時があるのなら、私は負けているかも知れんな」
椛はそう言って、十夜の顔面をサッカーボールの様に思いっきり蹴った──
「…………」
無言のまま鼻血を出す十夜、負けた……負けてしまった、『家族』の思いが背中に乗っている、というのに……! 何で!? 何で負けたんだよ!? 十夜はそう思いながら左腕で涙を拭う──
「泣いていても強くはなれないよなぁ……もっと、もっと強くならなきゃ……もっと……!」
十夜はそう思いながら立ち上がろうとするが立ち上がれない、えっ? 何で立ち上がれないんだ? そう思いながら上半身を起こすと、自分の足が折れている事に気付いた、あっ、戦って足の痛み以外分からなかった、折れているから、馬乗りだったのか、と判断して、少し顔から血の気が引いていく。
これ、どうやって『帰る』んだ……? 十夜はそう思いながら必死に焦る、まずこんな所、誰も通らないし、『家族』だって追いかけて居ないだろう、だから、此処を通るのは……『今の所、誰もいない』のだ……どうする!? どうすれば良い!? 上半身を駆使し、何とか移動するか? いや、それをした所で、『家族』の居る場所迄何時間、いや、何日経つか分からない、まさか此処で野垂れ死に……? いや、流石にそれは厭だ! 流石に生きたい! アイツを倒す迄死にたくねぇ! 十夜はそう思いながらゆっくりと動く、だがあまり前にも後ろにも進まない、すると急に聞き慣れた声が聞こえた。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
その言葉を聞いて、十夜は驚いた、その声はアキナだった、何でこんな所にアキナが……? 十夜がそう思いながら背後から聞こえたアキナを見つめる、すると十夜を担いで、急速に移動するアキナ。
「ちょちょちょ!? 早い! 早過ぎるって! アキナ、低速で、低速でぇ!」
十夜が情けない声を出す、だがアキナはそんな話を聞きもしない。
「お兄ちゃん、少し黙って、黙らないと治療しないよ?」
「はい……」
流石に治療されないのは困るので、黙る事にした、それにしても偶然アキナが居て助かったな、と思いながら心の底から安堵して、息を漏らす──
「あー、助かった」
十夜はそう言って、ユキタニに骨折した足の治療を受ける、十夜が帰ってきた後、拳骨を貰ったのはいう迄もない。
「本当に壮絶な戦いだったんだな、肉体の傷がそれを良く語っているよ」
ユキタニはそう言って十夜の背中を叩く、あまりの痛みに『ぐぇっ』と呻き声を出す十夜だが、何とか家に帰ってきて、内心安心していた。
中々大変な戦いだった、十夜はそう思いながら『もっと、もっと強くなる』事を思いながら十夜は寝室に向かう。
「やっと寝れる……多分今日は相当熟睡だろうなぁ、熟睡し過ぎて朝食を忘れたくは無いけれど……」
十夜はそう呟きながら布団を体にかけて、目を閉じる──十夜はすやすやと寝ている、そんな姿を見て、ユキタニはにやりと笑って微笑む。
「何とも気持ち良い寝姿だ……それにしても十夜を追跡して助かったよ、骨折位しそうだったし、十夜なら」
ユキタニはそう言ってアキナに言う、そんなアキナは少し笑いながらユキタニに言う。
「フフフ、まぁ、お兄ちゃんなら、命を懸けて迄戦う、と思っていたからね、これ位普通だよ、それじゃあ私も寝る事にするよ、ユキタニも早く寝たら? 肌が荒れるよ?」
アキナがそう言うとユキタニが頭を掻いて呟く。
「ハハッ、アンタも言うねぇ、何処でそんな言葉覚えたさ?」
ユキタニがそう言うと、アキナは簡単に答える。
「ん? 何処で覚えたって? そんなの簡単さ、『ニホン』だよ」
アキナはそう言って、布団の中に潜る、ユキタニは溜息を吐きながら一人ごちる。
「はぁ……『ニホン』、か……アンタ、何で『18歳以上しか存在しない『ニホン』』の言葉を出したんだい? まぁ、今はそれを探っても意味が無いか、さて、私もちゃんと寝ないとねぇ」
ユキタニはそう呟いてから、布団の中へと潜る、アキナの『ニホン』発言にユキタニは少しもやもやしながら睡魔に襲われる──
- Re: 『R−18』 ( No.10 )
- 日時: 2017/04/15 21:00
- 名前: 彩都 (ID: ???)
私の名前は安芸奈 朝倉(あきな あさくら)、さて、何処から話そうか? 『私が18歳以上しか居ない筈の『ニホン』の情報を知っている』事とか? もしくは『私は何者か?』ってか? なぁんだ、そんな簡単な事か、そんな簡単な事、教えてやるよ、『私は少し特殊な『力』を持っている』んだ、だから『ニホン』の事も話す事が出来た。
ん? 何だよ何だよ、『小難しくて理解が出来ない?』何なんだよ、お前らは馬鹿かよ? いや、馬鹿だったな、すまん、一人で熱くなってしまった。
って、今はそれはどうでもいいんだよ、ちゃんと説明しないとなぁ、私は『前世の記憶を持っている』んだ、そう、『前世の私は18歳以上生きている』って事が証明出来る、だから『ニホン』の事も分かっている、そして私は『前世の記憶を持ったまま、この幼女の体に転生した』、と言う事、何だろう、解説しててアホらしい話だな、とまぁ、実際は違うかもしれない、だって『転生した』って話、実は『私が考えた自論』だからである、実際はどうか分からないけど──まぁ、結局、私は『前世の記憶を持ったままこの世界にまた生まれてきた』って事なんだよね、でも可笑しくないか? だって『前世の記憶を持ったまま生まれ変わる』なんてさぁ? だから私は一つの自論をまた考えた、それは『前世の自分は能力者だったのではないか?』ってね? 能力者? って思う人も居るかもしれない、それもその筈、『今の時代、能力者はほぼ居ないに等しい』のだから──『世界』も残酷になったものだ、『能力を持つ能力者を全て抹殺、殺害すればもう能力者は生まれない』のでは? という論も出てきた、だから色々な能力者が殺害されたねぇ、でも『自分が死んだ場面』だけは思い出せない、つまり、死んだ場面は今のこの体には受け継がれていない、と言う事だ、では自分の能力は一体何なのか? それを考えるのは案外楽だった、例えば『自分の記憶が来世の自分にも受け継がれている』、と言う事は、『自分の能力は『記憶を来世の生まれ変わった自分に受け継がせる』能力か、『記憶を他人に譲渡する』能力』のどちらかだろう、別に三つ目、四つ目の能力の事も考えたが、何だか的外れな様な気がするので、除外しておく、ではもう一つ、追加しておく事もある、それは『前世の記憶を持つ自分の人格とこの幼女の肉体を持つ人格と二つが一つになった人格』だ、と言う事だ、つまり『一つの中に二人分の人格がある』、と言う事だ、これを考えて、先述の二つの能力の事が違う、と考えられる可能性があるのだ、実際はどうかは分からない、だけど、人格の件も考えて、三つ目の能力を考えてみた、それは『肉体以外を来世に転生する能力』だ、この三つ目の能力の事も一応自論だが、実際はどうなのかは分からない、分かる方法はただ一つ、『『ニホン』に侵入し、自分の事を探る』迄だ、と言っても『自分の名前が分からない』から、調べようが無いけれど……結構多いんだよね、能力者って、今でも一年に100人以上は生まれているらしいし……あっ、これ、『ニホン』にいた時に知った話ね? 昔は普通に1000人以上とか生まれていたけど、時代により、能力者は減っていったんだってさ? 逆に普通は増えるよね? だけど減った、それは『無能力者が有能力者に勝った』という事を示しているかもしれない……あぁ、後、何でこんなに『ニホン』の情報を知っているかと言うと、敵の事を良く知らないといけないからね、だから必死に調べた結果がこれって事、さぁ、自分の能力は一体何なんだろうねぇ? それさえ分かれば苦労しないのに……今でも少し苦労しているけどさ、こんな事、話せるの、一人も居ないしね……自分と同じ能力を持った人と出会ってみたいなぁ……出会って、話せない苦労を分かち合いたいよ……早く現れないかなぁ……? 現れて欲しい。
「……何だこの手紙? あっほらしい文章だなぁ」
アキナはそう言って溜息を吐く、この手紙、寝る前に書かれているのは分かるが、何故書いているのか? もしかして大人の自分が今の幼女の自分と大人の自分の二つの人格があるって事を知らせる為に? でもどうして? 『今だからでないとダメ』なのか……? それは良く分からないが、これは他の人にバレてはいけない物だ、と判断する、そしてアキナは急いで手紙を握り締め、走って崖の方へと向かう──
「崖なら分からないよね、崖から降りて、小さな砂浜があるから、一応掘っても分からない様に、深く掘って……っと」
アキナは砂浜で20cm程掘って、袋に入れた手紙を入れる、手紙の内容はある程度暗記出来た、更に『大人の自分の記憶も覚えている』ので、忘れる心配は無いと思う……アキナはそう思いながらその砂浜から離れて、自宅に戻る、そしてユキタニの朝ご飯を食べて満足する……私は私、大人の記憶を持つ自分も自分なのだ、一緒に共生出来たら良いなぁ、アキナはそう思いながら昼寝をする──
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