コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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『R−18』
日時: 2018/12/15 23:21
名前: 彩都 (ID: okMbZHAS)

 カァカァ、カラスの鳴き声を聴きながら、海辺の近くの崖に立っていた上半身裸の少年の髪が靡く。
 少年は大きく深呼吸をして、大きな海を見渡す──遠く遠くの奥、そこには綺麗な国、『ニホン』が存在していた──そして少年は一言、呟いた──
「──俺が、『このセカイ』を潰さないと──」
 そう呟きながら、後退した──その崖には九つの綺麗な木の棒が刺さっていた──その木の棒は若干濡れていた──

『R−18』 第十部 開幕──

 始めましての方は始めまして、何時も彩都の作品を読んでいる方は感謝します。
 彩都(サイト)と申します。
 今作で八作目です、まぁ、何とも小説のスレを作っては一ヶ月一回のみ更新とか、呑気にやってます。
 さて、今作は名前が危ういですが、気にせずお読み下さい、そんな描写無いし。
 まぁ、本音を書けば、『18歳未満の少年少女しかいない孤島』の物語ですね、なので『R−18』。
 後、コメントはその章が終わったら、書き込んで下さい。
 それでは本編をお楽しみ下さい──

 第一部 書くかなぁ?

 第二部 ありますよ。

 第三部 存在します。

 第四部 無い訳無い。

 第五部 半分終了か?

 第六部 折り返しか?

 第七部 多分終盤か?

 第八部 何か消える。

 第九部 九割終了か?

 第十部 回収多いな。 ←今ココ
 
 第十部 『選択過多少年』
   ↓
 第十部 第一部 プロローグ 過去と今を行き来する『モノ』 ←今ココ執筆中
   ↓
  ???

 第十一部 有る訳無い

目次みたいな何か

>>0
 親記事に決まってるだろ、何書いてんだこのアホスレ主は。
>>1
 物語に対しての初レス、この更新で色々決まるか。
>>2
 新キャラが出ました、たったそれだけですね。
>>3
 物語は、少しずつ進む……
>>4
 アキナちゃんは強いんだぞ!
>>5
 彩都さんはあまり七草粥は好きでは無いです。
>>6
 新名所、桜崖、落ちても安心。
>>7
 西の地区長、登場、西のどの地区かは不明。
>>8
 今回は戦闘回、何で戦闘を書いているんだろう? 自分的にはプロローグでは戦わない様にしているのですが……
>>9
 戦闘終了&アキナの伏線を貼る、一体アキナは何者なんでしょう? 気付いてくれると嬉しいですねぇ。
>>10
 アキナの小話、これで前回の投稿分の伏線は回収出来たか……?
>>11
 勝手に決まる物語。
>>12
 椎名の地区の地区長、ロバート・ダニエル・ジェームズが登場、実は『=』とか使いたかったけど、よく分からなかったから、『・』でご誤魔化しました。
>>13
 さぁ、物語も中盤戦ですね、十夜とアキナは別行動に。
>>14
 キャラのバーゲンセールですね、どれだけ新キャラ出せるだろう?
>>15
 遂に登場、『能力』、どんな説明なのか? 後、全員紹介したいのに文字数が足りな……
>>16
 やっと全員出し切る事が出来ました、さぁ、次回から、やっと物語が動き出します。
>>17
 ん? あんまり本編が進んでいない……? 後、やっとアキナ登場。
>>18
 原理さん、アンタって奴は……嘘でしょう!?
>>19
 遂に十夜にバレてしまうアキナ! 一体どうなる!?
>>20
 バレたから適当になりました、えぇ。
>>21
 二日目開始、そして此処で大きい伏線を張る、さぁ、最終回で明かす設定になりました……忘れていなければいいですが。
>>22
 今回は名前ネタ、完全に作者が悪いですね、名前は……誰だよ作者? ……彩都なんだよなぁ。
>>23
 今回は他のキャラを掘り下げてみた、霜月を書くのが楽しかった。
>>24
 他のキャラが久し振りに登場、完全に作者はキャラを忘れている模様。
>>25
 名前ネタ、再臨、まぁ、面白いから、やらかしました、えぇ。
>>26
 段々と集まっていきますねぇ。
>>27
 プロローグなのに、葉月奪還編が始まります。
>>28
 謎のキャラ登場、周防君、地味に入力めんどくさい名前。
>>29
 今度の新キャラは二人です、おまけに兄妹です。
>>30
 妹の名前を設定していないので、困りながら書きました。

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Re: 『R−18』 ( No.11 )
日時: 2017/05/13 17:52
名前: 彩都 (ID: dSN9v.nR)  

「うーん……」
 十夜はそう唸り、頭を掻きながら、目を覚ます、昨日一昨日の戦い、完全に勝てなかったな、そう思いながら十夜は九つの墓がある崖に向かった。
「……なぁ、九人の戦士達よ、俺は『奴』に勝てるのか? 椛に……!」
 そう呟いて、俯く、すると目から一滴、いや二滴以上の涙が溢れる、情けない、完全に情けない、自分はそう思いながら膝をついて涙を流す、大声で、雄叫びを上げながら涙を流す、すると、急に頭に冷水を掛ける存在が居た、その存在はアキナだった。
「アキナ……」
「男が泣いていると、みっともないよ? 泣くよりも前に進まなきゃ、もっともっと……前に前に進んで進みまくる、それが男ってもんじゃないの?」
「…………」
 アキナの発言を聞いて、何だか力が沸いて来た、そうだよ、『前に進めば良い』んだよ! 何と言ういい情報をくれたのか、と十夜はそう思いながら、その場を立ち上がる、そして折れた足を叩いて大声で海に叫ぶ。
「ぜってぇ勝ってやる! どんな大人より! どんな島の住人よりも! 絶対に絶対に絶対に強くなってやる! 俺の成長は無限大なんだよ! 世界よ! 俺という存在を見縊るな! ぜってぇ……強くなる!」
 十夜はそう叫んで、その場でへたり込む、そして折れた足を見て、静かにアキナに言う。
「こんな事をほざいている内は弱いな、とりあえず、骨折を治さないとな……」
「うん……案外声が耳に響いた……」
 アキナはそう言って、十夜の足を睨む、折れている、と言っても、骨と骨を合わせるのが簡単で、早く治りそうなのは理解出来るが、結構罅があったので、早く治るかは分からない、最低でも一週間は様子見として、放って置かないと、そう思いながら、十夜を立ち上がらせて、自宅に戻る──

 そんな十夜とアキナを空中で見つめる存在が呟いた。
「……見付けた、日下部十夜、お前が……」
 その存在は棒付きキャンディーを口に咥えながら、静かに舌先で舐める、全く、『面白い』というモノは全然尽きないなぁ、そう思いながら空間を歪ませて、その歪ませた空間の中に入る──

「はぁ、骨折って大変だなぁ、手や腕ならまだしも、足は歩く為に重要な機関だからなぁ……全く、椛の奴め……」
 十夜はそう呟いて、ユキタニに作ってもらった雑炊をアキナのフーフーによって、食べさせられている、腕は使える筈だが、ユキタニが『念の為』と言って、一向に食べさせてくれないのだ。
「俺ってば大丈夫なのに何でアキナに……」
「はいはい、ブツブツ言わずに食べて?」
「はぁい……」
 十夜はそう呟いて、蓮華の上の雑炊を口に運ぶ、美味しいのは美味しいのだが、葱がしゃきしゃき、新鮮であまり美味しくなかった、雑炊で温めているのだから、葱もしんなりしてても良いのに……全く、新鮮な野菜はあまり好きでは無くなってしまうだろう、と、心の中で呟いて、ゆっくりと雑炊を食べる、そして我慢出来ずにアキナの手から雑炊入りの土鍋を奪って、一気に口の中に掻き込んで、咀嚼して、飲み込む、雑炊が熱かったのか、急いで冷水を飲んで、肉体を冷やす十夜。
「おらよ、これでいいだろ?」
 十夜はそう言ってその場で寝転がる、アキナが『食べてすぐ寝たら牛になるよー?』と言うが、十夜は聞こえない振りをする、それにしても早く骨折を治したいなぁ、そう思いながらゆっくりと目を閉じる──

「全く、お兄ちゃんは私の言う事を聞かないんだから……」
 そう呟いてアキナが溜息を吐く、もう、もう一人の人格が見たらどうなるだろう? 怒るかな? もしくは諦めるかな? そう思いながらアキナは溜息を吐く、何度溜息を吐いても、この苦労は尽きなさそうだ、そう思いながら青空を見つめる──

「おぅい、アキナー? 早く土鍋を持ってきてくれるかぁ? 早く洗いたいんだがぁ?」
「あっ! ごめんごめん! 物思いに耽っていたよ!」
 アキナはそう言ってユキタニの言葉を聞いて、急いで土鍋をユキタニの所に持って行く。
「……アイツはどうだった?」
 ユキタニがアキナに言う、するとアキナは両手を開けて言い返す。
「ダメだこりゃ、私の言う事を聞かないし、ユキタニの言う事も聞かない、相当心に来ているんじゃない?」
「成程なぁ……」
 アキナの言葉を聞いて、完全に溜息を吐くユキタニ、すると一つ、良い案が思い付いた。
「あぁ、そういえば『アイツ』が居たなぁ、おまけに『アイツ』の下には十夜の知り合いが居るし……少し預けてみるかな?」
 ユキタニの発言を聞いて、アキナが不思議がる。
「ん? 『アイツ』って?」
 アキナの発言を聞いて、ユキタニは笑いながら答える。
「あぁ、『アイツ』の事? 『アイツ』は『椎名君の『地区長』』だよ、『アイツ』は男だし、何より、『椎名君という知り合いが居る』、預けても問題は無いだろう」
 そう言ってユキタニは淡々と述べる、アキナは無理を承知で発言する。
「ねぇ、確か地区長には『二人の女性の副地区長』が居るよね? 私もお兄ちゃんと一緒に行きたい、そして強くなりたいなぁ……なんて?」
「あぁ? 何でアキナ迄……? まぁ、一人二人預けるのも別に困らないだろう、良いぞ」
 ユキタニの発言を聞いて、内心とても喜ぶアキナ、アキナは十夜と共に椎名の地区長の所に行く為に準備を始める──そして時間は進んで翌日となる──!

Re: 『R−18』 ( No.12 )
日時: 2017/06/17 20:20
名前: 彩都 (ID: ???)  

「骨折は治ったかな!?」
 十夜はそう言って、いきなり起き上がって自分の足を確認する、だがまだ折れている、たった一日二日で骨折なんて治る筈が無い。
「……やっぱ治っていないな」
 十夜はそう呟いて、机の方に移動して、両手を使用し、立ち上がる、次に十夜は片足だけで自分の寝床の方に向かい、松葉杖を手に取り、左手の腋に支えとして、使用する。
 十夜は松葉杖を使用して、居間に向かう。
「よぉ、お早う」
「お早うじゃない! また一人で動き出してぇ……あぁ、そうだ、十夜」
 十夜が居間に向かうとユキタニが少し怒鳴る、そして十夜に話し始める。
「お前、今日から椎名君の地区に移動して、少し面倒を見てもらえ、アキナも一緒だ」
「えっ? ちょっ!? 一体何の事だ!? 理由と、その他諸々を聞かせてくれよ!」
「聞いても無駄だろ? まぁ、大まかに言えば、『十夜、お前の行動がちと暴走し過ぎだから、他の地区に行って、少しは精神と性格を改めろ』っていう為に面倒を見てもらえ」
「えぇ……いきなり過ぎて話が追いつけないが、とりあえず、俺は椎名の所に行けばいいってか?」
 ユキタニの話を聞いて、渋々反論する十夜、すると静かにユキタニは頷く。
「あぁ、そうだ、それじゃあ、荷物は用意しているからアキナと行って来い」
「そうだよ、お兄ちゃん、ユキタニーこっちは荷物用意出来たー!」
「おう、分かったぁ! と言う事だ、アキナも準備が出来た様だし、さっさと行って来い!」
 アキナの言葉を聞いたユキタニはそう言って、大声で反論する、そしてユキタニは十夜の背中を叩く。
「頑張って来いよ!」
「い、いきなり過ぎて未だに訳分からんが……とりあえず、行ってくるぜ!」
 十夜はそう言って、松葉杖を使用して、玄関にいるアキナと共に椎名の地区に向かう──椎名の地区で何が起きるか分からないし、何も起きないかもしれない、それは行ってみないと分からない──

「ふぅ、歩くと近いんだけど、松葉杖だから、結構辛い……」
「まぁ、それは仕方無いよ、自業自得」
「お前……何つー難しい言葉を……」
 十夜はそう呟いて、溜息を吐く、結構近くなっているのに、何だか厭な感覚がする、何というか、『厭な予感がする』という様な感覚を覚える。
「あっ、確か此処が椎名お兄ちゃんの……!」
「んぁぁ? あぁ、此処だな!」
 アキナが椎名の地区の自宅を指差すと、十夜は静かに頷いて急いで椎名の地区の自宅を目指す、すると急に十夜はずっこけてしまう、アキナが心配すると、急にサイレンが鳴り響く、サイレンは『侵入者発見! 侵入者発見!』と叫んで、椎名の地区の人間を呼ぶ、そして家の玄関から、二人の女性が現れる、一人は巨乳の槍を持った女性ともう一人は貧乳の弓矢を持った女性が現れた、槍を持った女性は胸元が見えている、少しセクシーな格好で、下のスカートもミニで、後少しでパンツが見えてしまいそうな格好だった。
 それに対し、弓矢を持った女性はピンク色の着物姿で、胴体には怪我をしない様に胸当てを当てている格好だった。
「侵入者発見! 直ちに処理する!」
「これは私の獲物よ! アンタは引っ込んでおいて!」
 槍を持った女性が言う、すると弓矢を持った女性が牽制する、そして槍を持った女性が言う。
「はぁ!? アンタ一人だけ地区長にいいとこ見せたくない!」
「あぁ!? 何を言っているの!? 地区長にいいとこ見せちゃダメなの!?」
「ダメだ! 地区長は私の物だからな! 早く18歳になって、結婚するんだ!」
「えぇ!? 結婚するのは私よ! アンタみたいな奴と結婚しないわ、地区長は!」
「あぁ!?」
「えぇ!?」
 槍を持った女性と弓矢を持った女性が喧嘩する、こけた十夜は二人をじっと見つめる、アキナも十夜と同じ様に二人を見つめていた、すると玄関から金茶髪の白人の男性が現れた、すると急に槍を持った女性と弓矢を持った女性が詰め寄って猫撫で声で喋る。
「あー! 地区長さぁん! コイツが私の邪魔をぉ!」
「違いますー! 貴方が私の邪魔をー!」
「あぁ、分かった分かった、だけど、ちゃんと侵入者を見てよ、雪谷さんから紹介された二人だろう?」
「えっ?」
「えっ?」
 金茶髪の白人の男性の言葉を聞いて、振り返る二人、すると『あっ、本当だ』と言いたげな表情をする。
「…………」
「…………」
 アキナと十夜は無言のまま三人を見つめる、すると金茶髪の男性が二人に近づいて、手を差し出す。
「やぁ、日下部十夜君に朝倉安芸菜君、私の名前はロバート、ロバート・ダニエル・ジェームズだ、宜しく」
 そう言って金茶髪の男性──ロバート・ダニエル・ジェームズだ──は手を差し出す。
「あ、有難う、御座います……」
 十夜が頭を下げて感謝の言葉を述べると頭を撫でるロバート。
「君も大変だねぇ、足を骨折して、他にも色々な事が起きた……でも、此処に来たからには安心してくれ、骨折が治る迄居ていいからね?」
「あ、有難う御座います!」
 ロバートはそう言って、口の端を上げて笑顔になる、更にアキナにも頭を撫でるロバート。
「君も……出来る限りお兄ちゃん達が十夜お兄ちゃんを手助けするから、君も十夜お兄ちゃんを手助けしてあげてね?」
「う、うん! じゃなかった、はい!」
「おぉっ! いい返事だ、二人共いい返事だねぇ、若さっていいなぁ」
 ロバートはそう言って、両手を広げて二人に言う。
「ようこそ! 我が地区の家へ!」
 ロバートは両手を広げた後、二人を抱き締める、そして十夜とアキナは今日からロバートの地区の家に一時、滞在する事ととなった──滞在している間、ロバートの家で何が起きるかは十夜もアキナもまだ分からない──

Re: 『R−18』 ( No.13 )
日時: 2017/07/15 20:49
名前: 彩都 (ID: yOB.1d3z)  

「あっれぇ? 侵入者って聞こえたから、駆けつけたが……まさかのお前だったのか、十夜」
 急に玄関から聞き慣れた声がする、そして十夜がロバートから離れて、玄関を確認する、すると其処に立っていたのは、椎名だった。
「あっ! 椎名じゃないか! 良かったぁ、居ないと思っていたぜ、だってお前、色々と移動しているから……」
「アッハッハッ! 確かにそうだな! ん? ダニエルさん、その女の子は?」
「あっ? そうか、お前はあまり見て無かったよな、コイツは安芸奈朝倉(あきな あさくら)、俺の妹分みたいな存在だ」
「アキナです、宜しく御願いします」
 椎名と十夜は邂逅して、少し話し合う、すると椎名がアキナに反応する、アキナは椎名に挨拶して、頭を下げる。
「おっす! 俺の名前は椎名! 椎名って呼んでくれ!」
「分かりました、椎名お兄ちゃん」
「おっ、お兄ちゃん呼びねぇ、他人に言われると何か面白いな!」
「そ、そうか? 俺は聞き慣れているからいいが……」
 十夜はそう言って、頭を掻く、そんな三人を見て、ロバートはニヤニヤしながら呟く。
「妹ねぇ……確かにこの家には妹、弟が足りないなぁ……自分より二、三歳、年が離れた弟、妹が居れば、もう少し家事も軽くなるんだが……」
 ロバートがそう言うと、椎名が小声で言う。
「アンタもアンタで、無意識か……全く」
「お前も苦労しているんだなぁ……」
 椎名の小声に対し、十夜も項垂れて、溜息を吐く──そんな二人を見て、アキナが呆れる。
「どうして男ってこういうのなんだろう……?」

「十夜君にアキナ君、君達も雪谷さんの場所から何も食べずに来たろう? だから、食事でもして、親睦を深めようじゃないか! 昼の小パーティーさ!」
「しょ、小パーティー?」
 アキナがロバートが言った言葉を反復すると、ロバートは強く頷く。
「うむ! そうだ! 昼は小パーティー、夜は大パーティーさ!」
「な、成程……つまり、宴的な?」
「うーん、ニホンではそう言うのかも」
 次に十夜が呟く、十夜の言葉に顎を当てながら、ロバートが言い返す。
「まぁ、今、それを深く考えても、意味が無い、今は新しい仲間が来たお祝いをしよう!」
「そ、それもそうだな、手厚く歓迎を受けているんだ、少しでも楽しまなくっちゃな!」
「うん! そうだね!」
 ロバートの発言を受け、十夜とアキナは強く頷き、自分達の目の前にある豪勢な食卓に手を突っ込んで、料理を食べ始める、料理の味に舌鼓しながら、二人はよく咀嚼して、飲み込む、何だこれは!? こんな美味しい料理、食べた事がない! 十夜はそう思いながら次から次へと手が伸びて行く、美味しい! この料理の味付けはどんな味付けなんだろう!? カレー? それとも出汁!? アキナはそう思いながら味付けについて考える、考えている内に手が次から次へと伸びて行く、二人は、目の前の料理を楽しんで、食べ続ける──
「ふぅ、美味かった……!」
「本当、そうだよねぇ? あぁ、後で味付けについて、話をしよう」
 十夜、アキナがそう言うと、アキナの言葉を聞いていたロバートが言う。
「ふむ、我が食卓の味付けに喜んでくれたかい?」
「はい! とても美味しかったです! 味を真似たいのでレシピを教えてくれませんか!?」
「レシピねぇ……果たして教えてくれるだろうか? 今朝の件もある、私も付いておかないとな……それじゃあ、一緒にレシピを教えに貰いに行こうか?」
 ロバートの言葉を聞いて、アキナが目を輝かせながら前後に首を揺らす。
「教えに貰いに行きましょう!」
「えーと、十夜君はどうする? 私達と共に料理の見学を受けるかい?」
 急に自分の事になって、落ち着いて、安心していた十夜は体を大きく動かして、驚く。
「えっ!? 俺ッスか? ……まぁ、アキナがロバートさんと一緒なら、安心か……いえ、俺は大丈夫ッス、俺は椎名達と共にこの家のガキ達と遊んでおくんで、お二人で楽しんできて下さい」
 十夜の発言を受け、『ふむ』と頷くロバート。
「あぁ、分かった、くれぐれも危険な事とか、危ない事はするなよ? 十夜君、君の足は折れているのだ、あまり激しい動くをすると、接合が難しくなるから気を付ける様に……あぁ、後、生まれ付き体が悪い子も居るから、あまり積極的に参加させない様に、他には……」
「大丈夫ッスから! 椎名から聞くんで!」
「あぁ、それなら安心だ、椎名は私にとって、安心出来る唯一の男子だからね……それじゃあ、椎名と楽しんでくれたまえ! 私達は料理見学だ!」
「おー!」
 アキナとロバートはそう言って、走って料理をする部屋──調理室──へと向かう、十夜は思う、ロバートの発言を……『安心出来る唯一の男子』、この部分に引っ掛かりがある、まるで、『男子がロバートと椎名の二人しか居ない』様な発言だ……十夜はそう思いながら顎に手を当てて考える、もしかして、『男子の中で一番の年上がロバートさん、二番目に椎名という構成』なのだろうか? そもそもとして、椎名の家の事は考えた事も無かった、どんな『家族』構成なのか、どんな人が居るのかなんて……まぁ、サイレンが鳴った時に現れた二人とか、ね……十夜はそう思いながら、ゆっくりと立ち上がって、椎名の所へと向かう、外から椎名の声がしている、と言う事は庭で遊んでいる、という事だ、十夜は松葉杖を使用して、外の庭へと靴を履いて、向かう──

Re: 『R−18』 ( No.14 )
日時: 2017/08/19 22:27
名前: 彩都 (ID: Fm9yu0yh)  

「さぁ、さっさと行こうぜ!」
「お、おう……」
 椎名はそう言って十夜を急かす、だが十夜は足を骨折している身、松葉杖を使用しないと歩けない、なので、必然的に杖なしで歩くよりも遅く動いてしまう。
「中々に大変なんだな、杖って……」
 十夜はそう呟いて、椎名の元に向かう、すると、庭には色々な少年少女が立っていた。
「あっ! 今日来た人だ!」
「本当だ! 一緒に遊ぼう! ねぇっ!?」
「こらこら、この人は足が悪いんだ、完治してから遊んでくれ」
「えー!? 何でぇ!?」
「何でもクソもねぇだろ? 足を骨折したんだ、少しは休ませて上げないとな」
 椎名に群がる少年少女の言葉を一つ一つ返答していく椎名、十夜は椎名の姿を見て、『すげぇ』と思ってしまう。
 自分なら話の一つも聞いてくれないが……凄いな椎名は……そう思っていると、椎名が言う。
「えーと、この人は日下部十夜って人だ、今日から数日の間この家に泊まる人だ!」
「いえーい! 今日も賑やかぁ!」
「そうだねー! 楽しみー!」
「賑やか? 楽しみ? それって毎日の事じゃあ……?」
 十夜がそう言うと、一人の少年と一人の少女が言う。
「何言ってんのさ十夜! 毎日が賑やか!」
「毎日が楽しみの連続だよ! 毎日何が起こるか分からない! だから少しでも笑って過ごすんだ! そうすると賑やかで楽しいよ!」
 一人の少年と一人の少女の言葉を聞いて、『成程』と心の中で呟く。
 面白い考えをしているな、この地区は……そう思っていると、椎名が十夜に声を掛ける。
「おぅい、十夜ぁ? 自己紹介を済ませたんだし、こっちの自己紹介を済ませないとなぁ?」
「えっ? あぁ、そういやそうだったな、自分だけ『日下部十夜』って名乗っただけで、椎名以外名乗っていないな」
 椎名の発言を受け、顎に手を当てて頭の中で考える十夜、そして椎名が少年少女、幼年幼女達に声を掛けて、自己紹介の方法を教える。
「よし! これで皆自己紹介が出来るな! それじゃあ十夜に自己紹介をしよう! まずはお前だ如月ぃ!」
「えぇっ!? 俺ぇ!? まさかのトップバッターかよぉ!」
 椎名が声を荒げて如月と呼ばれた少年に指を指す、いきなりのトップバッターに如月と呼ばれた少年は困惑している。
「えーと、俺の名前は如月 葛城(きさらぎ かつらぎ)だ、葛城が苗字、如月が下の名前だ」
 そう言って如月と呼ばれた少年は自己紹介をする、十夜も自己紹介をする。
「俺の名前は十夜日下部、宜しく如月」
「おう!」
「それじゃあ次は睦月だ!」
 椎名は睦月と呼ばれた少女を指差す、すると睦月は顔を赤らめて椎名に言う。
「む、無理だよぉ! わ、私って引っ込み思案だし……」
「だぁいじょうぶ、大丈夫だって! 十夜も今は引き篭もりだし!」
「おいてめぇ」
 睦月と呼ばれた少女の発言に返答する椎名、すると椎名の頭を掴んで十夜が手に力を込める。
「あぁっ?」
「ゴメンゴメン! 冗談だって十夜くぅん?」
「冗談に聞こえないな……さっさと睦月とやら、自己紹介をしてくれないか?」
「ひゃう!? わ、分かりました……私の名前は睦月 時岡(むつき ときおか)と申します、よ、宜しく御願いします十夜さん!」
 そう言って睦月は十夜の前で頭を下げる、十夜は両手を振って睦月に言う。
「そ、そんなことしなくても良いよ! 俺は君より年下かもしれないだろう!?」
「そ、そうですかぁ? それなら頭を下げておきます……」
 睦月は十夜の前でやっと頭を上げる、すると椎名が他の名前を叫ぶ。
「それじゃあ弥生! 十夜に自己紹介だぁ!」
「えぇっ? 私ッスかぁ? 仕方無いッスねぇ……どうも、私の名前は弥生 翡翠(やよい ひすい)と言うッス、因みに男ッス、いやぁ女装していると男共が群がって面白いンすよ、本当」
 そう言って弥生が言う、十夜は自己紹介される迄『この子は女か』と思っていたからだ。
 そしてまさかの男で驚愕していた。
「お、俺の名前は日下部十夜、俺の事はからかうなよ?」
 十夜がそう言うと弥生は笑って十夜に言う。
「わぁってますよ……ていうか、アンタを誘惑したら、椎名さんが怖いッスからね……後、言い忘れていたッスけど、翡翠が苗字、弥生が下の名前なンで、忘れない様にして下さいッス」
「あっ、そうなのか、分かった、覚えておくよ弥生君」
「え、えーと、性別がバレる可能性があるンで、君付けではなく、呼び捨てで御願いするッス」
 十夜は弥生にそう言われて、静かに頷く。
「お、おう、分かった……」
「よし、弥生が終わったなら、次は卯月だな! 宜しく!」
 椎名がそう言うと、周りの中で胸が大きい少女が現れる。
「おっす! 私の名は卯月 愛嬢(うづき あいじょう)と言う! 以後お見知り置きを、日下部十夜君!」
 卯月と呼ばれた少女はいきなり十夜の手を掴んで握手する、上下に握手した手を揺らして、十夜は目の前がぐわんぐわんとなって、酔いそうになる。
「ま、待て待て! これ以上すると気絶するって卯月!」
「おっ? すまんすまん! 力が強過ぎて加減が出来ないんだ! 本当にすまないと思っている!」
「そ、そうなのか……それにしても力が強いな、どんな事をしたらこんなに力が出るんだ?」
 十夜が卯月にそう言うと、十夜に卯月は返答する。
「ん? 別に飯を食って、体を動かして……」
「……凄いな」
 十夜はそう言って頭を掻く──そしてメンバー紹介はまだまだ続く──

Re: 『R−18』 ( No.15 )
日時: 2017/09/16 21:15
名前: 彩都 (ID: 1Fvr9aUF)  

「それじゃあ、皐月、次はお前だぁ!」
 椎名の大声を聞き、口にマスクをつけている少年がゆらぁり、とゆっくり現れる。
「……皐月、皐月 朋肥(さつき ともこえ)、宜しく……俺は病弱なんだ、だからあまり外には関わりたくないから、俺と遊びたいなら室内で……」
「お、おぅ……そうか、宜しく皐月君」
「うん、十夜お兄ちゃん」
 皐月はそう言って、右手を前に差し出して、握手の形をする、十夜はそれを受け取り、右手を出して握手する。
「よぉし、それじゃ、次は 水無月姉さんだぁ!」
「えぇ、私かぁい? まぁ、いいけれど……私は水無月 音塚(みなづき おとづか)って言うの、宜しくね十夜君?」
 人ごみの中から巨乳の女性が現れる、そして自分に握手を求める。
「お、おぅ、宜しくな」
「うん……力仕事は任せてね? お姉さん力あるから……」
「へぇ、それは頼もしいぜ、足が骨折している俺にとっては最高の相手だ」
「ウフフ、それは嬉しいわ……お姉さん頑張っちゃうわ!」
 水無月はそう言って朗らかな笑顔をする、すると椎名が説明する。
「水無月姉さんは俺よりも年上のお姉さんなんだ、因みにこの家で五番目の年長者だ」
「へぇ……残り四人が気になるが、まぁ、いいか──水無月、これから宜しくだぜ?」
「うん、宜しく」
「ふむ、それでは『ふーちゃん』だな! ふーちゃん! 出て来い!」
 椎名がそう言うと、身長80cm程度の少女が現れる。
「初めまして、私は文月、文月 吻合(ふみづき ふんごう)と言います、以後お見知り置きを」
「……えっ? 『ふーちゃん』……? こんなこじんまりしたのが?」
 不意に本音を言う十夜、すると十夜の口を塞いで椎名が言う。
「『小さい』、『こじんまり』とか、ふーちゃんの前では禁句だぁ!」
「禁句……? 何でだ?」
 十夜が椎名の話を聞いて不思議がると、椎名の後ろで筋肉質の存在が現れる。
「誰が『こじんまり』ってぇぇぇ!?」
「ふえぇっ!? 何だこれ!?」
「ふーちゃんは体が小さい事がコンプレックスなんだよ! だから体が小さい事を言われると『能力』で体を大きくして、驚かせるんだよ!」
「えっ!? って『能力』……? 何だよそれ?」
 いきなり現れた筋肉質の存在に驚くと椎名が体が大きいのは文月の『能力』の所為だ、と説明する、だが十夜は『能力』の事を知らずに椎名に聞き返す。
「えっ……? こんな年になってるのに『能力』を知らないのか……!? 全く……説明するのも面倒だ……」
 文月はそう言って肉体を元のサイズに戻し、『能力』について説明する。
「『能力』というのは、『神様が私達にくれた特殊な力』の事を言うんだよ、『昔は『能力』を持つ『能力者』ってのが大量に居た』らしいんだけどねぇ……今では千人に一人レベルらしいよ?」
「……へぇ、そういう奴等がいるんだな、初めて知ったぜ……んで文月、アンタはどんな『能力』を持っているんだ?」
 十夜が文月から『能力』の話を聞いて、納得し、文月に『能力』の名前を聞く、『ふむ』と言って、文月は簡単に答える。
「そうだな……簡単に言えば『体を大きくする『能力』』だ」
「……へぇ、それだけなのか?」
 十夜がそう言うと、椎名が十夜の頭を叩く。
「馬鹿じゃねぇの!? 『能力』は一人につき一つなんだよ! 『能力』ってのは便利な反面、肉体に負担が掛かる! だから二つ『能力』を持っている人は早死にしやすいんだよ! この『R−18』にも『能力』を二つ持つ者が居たらしいが……その人達は長くても十歳で死んだらしいぜ?」
 椎名の話を受けて、へぇ、と思う十夜、そして十夜は文月に言う。
「……椎名の話は本当か?」
「まぁね」
「ふぅん……」
「おや? 反応が薄いね、誰も彼も『能力』の事を聞いたら驚くのに」
「別に? だって複数持ちの存在が死ぬんだぜ? 一つだけだったら生きる事が出来るのに……何だか可哀想に思ってね」
「……君の感性は面白いね」
「ん? そうか……それじゃあ椎名、次の相手を」
「ん? あぁ、忘れてたぜ、それじゃあ葉月だな!」
「えっ? 僕ですかぁ? 仕方無いなぁ……僕は葉月 新田奈(はづき あらたな)と申します、ふーちゃんと違って『能力』は持っていないです」
「へぇ、そうなのか……本当に『能力』って限られた存在にしか持っていないんだな」
「アハハ……まぁね、でも昔のニホンでは『カセット』という物を使用して、『能力』を使えない人でも『能力』を使えるように出来る機械が開発されていたって話は聞いた事があるね、でも何故か世間に発表する事は無かった、多分資金難とかかな?」
「へぇ、それじゃあ『全世界の人間を『能力者』にする』って事も出来たかもしれないのに……資金難とかだったら悲しいな」
 葉月の話を聞いて成程な、と思う十夜、そして椎名に言う。
「お前だったらどんな『能力』がいい? 椎名」
「えっ? 俺か? 俺なら……『モノを透かせる『能力』』かな?」
「へぇ、それはどうして?」
「だってその『能力』を使用すれば『服の中が透ける』んだぜ!? 金持っている奴を『能力』で発見して、カツアゲ出来るじゃねぇか!」
「…………聞いた俺が馬鹿だったぜ、今の話は忘れろ」
「えっ? 何でだよぉ? おい、十夜ってばぁ?」
 椎名の話を聞いて呆れる十夜、そして十夜は次の自己紹介を待つ──


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