コメディ・ライト小説(新)

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妖戯れ
日時: 2019/04/05 09:20
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12331

                 妖探偵事務所活動記録

最初に断っておくが『妖探偵事務所活動記録』だなんて格好つけて書き出しているが探偵事務所公認というわけでわない
(春夏秋冬部長に提案してみたがあっさり却下された)
ただ僕が個人的にたらたらと不思議な世界について 否、僕がただ妖と戯れるだけだ
それでも僕の話を聞いてくれるのであれば僕は嬉々として語ろうと思っている

第1話
札切ふだぎり 璃空りくの妖戯れ】
未公開

第2話
春夏秋冬ひととせ 一年ひととせの妖戯れ】
>>12

第3話
犬神いぬがみ 駒理こまりの妖戯れ】
投稿中

第4話
霧野きりの 切子きりこの妖戯れない】
未完成

第5話
柏崎かしわざき 波戯なぎの戯れ】
未構成

Re: 妖戯れ ( No.33 )
日時: 2019/02/28 19:00
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

吐き気がする

いやっそんなことはどうだっていい

どうするドウスル如何する?

戦う?

無理だ
生身の人間である僕が妖に勝てる訳がない

逃げる?

そうだ、昼間に札切先輩と一緒に張った罠の所まで逃げ切ればヤツを拘束できるはずだ
ここから一番近い罠はこの商店街の出入り口
西側の出入り口はヤツに塞がれてしまっているので必然的に僕は背後にある東側の出入り口に逃げることになる
確か50m

大丈夫
これ位の距離なら体力のない僕でも走りきれる
ましてやヤツはハイヒールを履いている
振り向き、全速力で駆け抜けるだけ
絶対に逃げ切れるはずだ

僕は自分を励ます
乱れた精神を安定させる為に言い聞かせる

今思えば僕は余裕ぶってそんな事をせずに走れば良かった
考える前に行動を起こせば良かった

そうしていれば、ヤツに先手を打たれることはなかった

僕が左足を後ろに引いた時、ヤツは裂けた口を限界まで開いていた

Re: 妖戯れ ( No.34 )
日時: 2019/03/10 19:46
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

来る
直感的にそう感じる---------が、ヤツの口からは何も出てこなかった
ただコオオオオォォオウゥゥと風が吹くだけであった

「3、いや後6mか..」

ヤツは残念そうに呟く
いやいや、そんな事は如何だって良い
恐らく、ヤツは今攻撃してこないようだ

回れ右
そして全力で走る
幸運なことに追い風だ
あっという間に旧商店街の出口にまでたどり着き後ろを振り返る

『!..』

おかしい
ヤツがいない
跡形もなく消え去っていた
何だ
逃げたのか?

とりあえず、このお札から半径20mは安全だ
札切先輩に連絡を取ろう
妖探偵社の電話番号はなんだったっけ?

「ウフフフフフ」

え?
また体が凍りつく
嘘だろ?
僕はおそるおそる後ろを振り向く

果たして其処には、裂けた口を限界まで開いたヤツがいた

Re: 妖戯れ ( No.35 )
日時: 2019/03/17 19:18
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

「ゼロ距離であれば射程距離なんて気にしなくっていい そうは思わないかしら? ウフフ」

ヤツは嬉しそうに笑う 微笑う 嗤う
何でだ
幾ら何でも速過ぎる
僕とヤツは20m程離れていたのに...

『⁉︎』

いや、そうじゃない...
疑問に思うべき所は其処じゃない
一番に考えるべきことは《どうして、ヤツが僕にゼロ距離まで近づけているか》だ

僕は今お札の範囲内にいる
このお札はただの紙切れじゃない
札切先輩が用意した霊験あらたかなお札だ
半径30m以内の妖を強制的に拘束する効力を持つお札である

なのに何故ヤツは自由に動けているんだ?
..でも、もう僕には関係ない
ゼロ距離からじゃあヤツの攻撃は避けられない

終わりだ

僕は肩の所が平らになる

死後の世界はあるのだろうか?
あったからと言って死にたいとは思わないけれど

ヤツの口の中で何かが光る

次の瞬間、ヤツの攻撃が来る---------------------------------------------------------------------------------ことはなかった

代わりに来たのは大量の水
天からの一点集中の雨であった
昼間、僕の受けた倍以上の大雨がヤツに一点集中で降り注ぐ

Re: 妖戯れ ( No.36 )
日時: 2019/03/26 09:37
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

分かってる
この雨を降らせているのは雨降り小僧だ
一点集中の大雨の水圧で立ち上がれずにいるヤツの後ろに居たのはやはり雨降り小僧であった
お札の範囲内にいるため、身動き一つできずにいる
このチャンスを逃す訳にはいけない
帰宅部の僕は既に疲れているがそんな事は関係ない
本日二度目の全力ダッシュで這いつくばっているヤツの脇を通り過ぎ、左腕で雨降り小僧を抱きかかえその場から離脱する
向かうべき場所は決まっている
妖探偵事務所
其処に行けば春夏秋冬部長や札切先輩と合流できる
走る
走れ
もっと走る
もっと走れ
もっと速く走れよ
くそッ
僕はこんなにも足が遅かったのか
犬神先輩と一緒にランニングしとくんだった
僕はネガティヴな思考へシフトしていく

『痛っ』

前に歩いていた人にぶつかってしまった
というか勢いがついていた分、僕が突き飛ばしたと言う方が正鵠を射ている
言い訳させてもらえるのならば、この時僕はヤツから逃げる事に夢中になっていて注意力散漫になっていたのだ
だからといって人を突き飛ばして良いという訳ではないのだけれど

『す、す、すみなせん..』

と僕がコミュ症全開で謝った相手はついさっき思い浮かべていた人物だった

Re: 妖戯れ ( No.37 )
日時: 2019/03/31 19:12
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

『ふーん、ナルホドねぇ』

ヤツから必死になって逃げている間に出会った彼女------------犬神駒理は僕たち(僕と雨降り小僧)の話を聞き、呟いた

因みにヤツに襲われている僕を見つけた雨降り小僧は、急ぎ雲を発生させヤツに雨を降らせるのと同時に全身が硬直し拘束されたらしい

『ところで雨降りちゃん その一点集中の大雨は今も続けているの?』

確かにそれは気になる疑問である
あの大雨が続いているのであれば、ヤツは未だに旧商店街から動けずにいることになる
さっきはヤツに攻められっぱなしだったが今は駒理先輩がついている
上手く行けば今すぐヤツを捕らえることができるハズだ
しかし雨降り小僧の返事は僕の望むものではなかった

「ぼくのあの技はすっごく疲れるし30秒くらいしか使えないし連発できないし、欠点だらけなんだよ」

そんなに都合よく事は進まない
というかコイツ駒理先輩の前だとあからさまに態度が変わるんだな

駒理先輩は頤に手を当て何か考えているようだ

何か納得のいくアイディアが思い浮かんだのか手を叩き

『柏崎くんは口裂け女と接触したのよね? なら何か口裂け女の匂いがついたものはないかしら?』

必死になって逃げ回っていた僕にそんな事を訊かれても困る

『そうよねー じゃあちょっと荒っぽくなっちゃうかもしれないけれども、あの子達に頼んだ方が手っ取り早いくていいわよねー』

そう言って駒理先輩は自分の影に話しかけた

『お仕事でーす みんな出てきてー』

瞬間、駒理先輩の影から数十匹の小さな犬が飛び出してきた

否、犬というより神社の入り口に飾られている狛犬のような姿をしていた

『二人とも 柏崎くんから彼以外の匂いがしないか確かめてくれない?』

駒理先輩は二匹に指示を出す
狛犬たちはこちらを見る
鳥肌が立つ
どうもこの狛犬は慣れない
何故なら僕は犬が嫌いなのだ
いや、恥を忍んで言えば怖いだけだ


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