コメディ・ライト小説(新)

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妖戯れ
日時: 2019/04/05 09:20
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12331

                 妖探偵事務所活動記録

最初に断っておくが『妖探偵事務所活動記録』だなんて格好つけて書き出しているが探偵事務所公認というわけでわない
(春夏秋冬部長に提案してみたがあっさり却下された)
ただ僕が個人的にたらたらと不思議な世界について 否、僕がただ妖と戯れるだけだ
それでも僕の話を聞いてくれるのであれば僕は嬉々として語ろうと思っている

第1話
札切ふだぎり 璃空りくの妖戯れ】
未公開

第2話
春夏秋冬ひととせ 一年ひととせの妖戯れ】
>>12

第3話
犬神いぬがみ 駒理こまりの妖戯れ】
投稿中

第4話
霧野きりの 切子きりこの妖戯れない】
未完成

第5話
柏崎かしわざき 波戯なぎの戯れ】
未構成

Re: 妖戯れ ( No.13 )
日時: 2018/08/28 16:12
名前: 天使のような悪魔 (ID: pQ5aes3P)

四月 二十七日 土曜日 午前七時

妖探偵社二十二回目の出社、
訳あって僕は、妖探偵社に300万円の借金をしており、(勿論、一高校生に300万円の借金が返せるはずがなく)妖探偵社で働き借金を返すことになっている
これまでに受けた仕事は零件...
借金総額...150万円
つまり、妖探偵社でアルバイトを始めてから一度も仕事をしていない...
つまり、 四月六日の騒動を除けば、借金は1万も返せていない
いや、正確にはお皿の洗い物や洗濯などの雑務なら毎日のようにしたのだが…
でもそれは、春夏秋冬部長達のお手伝い(というかお世話)であって妖探偵社の仕事ではない
なんというか、もっと数々の難事件をズババババッと解決するような展開を予想していたのだが現実はそう甘くないか...
今も二階の住居スペースのキッチンで春夏秋冬部長の為にコーヒーを入れている訳だし

『おーい 柏崎、早くコーヒーだせー』

ダイニングから春夏秋冬部長の苛立った声が飛んでくる

『柏崎君、ぼくはブラックで』

同じく札切先輩

『ランニング行ってくるからお風呂にお湯張っといてー』

裏口からも犬神先輩の声が飛んでくる
そういえば妖探偵社のビルは、仕事スペースである地下1階、1階、3階は正面玄関から入れるのに住居スペースのある、2階だけは裏口に回らないと入らないといけないだよなぁ
いや、待て
考えるべき点はそこではなくて...
これじゃ、まるで僕が春夏秋冬部長達の執事じゃないか

Re: 妖戯れ ( No.14 )
日時: 2018/09/01 16:06
名前: 天使のような悪魔 (ID: pQ5aes3P)

『お待ちどうさま』

そう言って僕はダイニングのテーブルの上にコーヒーを置く

『あの春夏秋冬、

僕は妖探偵社の召使いではないのですが...
いつまでも春夏秋冬部長達の言いなりなっているつもりはない
だから、この雑用仕事をやめさせてもらおうとお願いした
のだが、僕の切実な願いが春夏秋冬部長に届くことはなかった
正面の春夏秋冬部長はおろか、隣に座っている札切先輩までも届きはしなかったようだ
何故なら、春夏秋冬部長が僕の淹れたコーヒーを、

『ブゥーーっ』

と吐き出したからだ
……えっと〜僕何かしましたっけ?
隣に座る札切先輩のほうを見やるが、彼を状況が分かっていないようだ
おそるおそる僕は訊く

『えと〜春夏秋冬部長、どうしたんですか?』

すると春夏秋冬部長はギロリとこちらを睨み、怒鳴った

『どうしたも、こうしたもない! 柏崎!おまえ、ぼくのコーヒーに砂糖と間違えて粉末洗剤を入れただろ!』

Re: 妖戯れ ( No.15 )
日時: 2018/09/04 18:38
名前: 天使のような悪魔 (ID: pQ5aes3P)

『どうしたも、こうしたもない! 柏崎!おまえ、ぼくのコーヒーに砂糖と間違えて粉末洗剤を入れただろ!』

『へ?』

あれ?
いやまぁ確かに僕はうっかり屋だけれども、其処までのミスは犯さないと思うのだが...
あっ!
そういや洗濯しながらコーヒーを淹れていたんだっけ
あ〜多分それが原因だな〜
あれ?
コーヒーに粉末洗剤を入れたってことは洗濯機には砂糖を入れているのか?
それは無い、と言いたい所だが究極のうっかり屋、うっかり界の王子と呼ばれるこの僕が言うのでは説得力が無い
恐らく今頃札切先輩の胴着が洗濯機の中で甘くなっていることだろう

『チッ、柏崎、おまえはぼくになんの恨みがあってこんなことをするんだよ ああん?』

恨みならアルバイト初日からありますが...

『もういい、おまえは雑用仕事なんてしなくて良い ぼくは近くのファミマでコーヒーを買ってくるよ』

僕が想像していたのとは違う形で願いが叶ってしまった...
まあ人生とはそういうものだろう
知らんけど
春夏秋冬部長は、椅子に掛けてあった黒いパーカーを羽織り裏口から出て行ってしまった

Re: 妖戯れ ( No.16 )
日時: 2018/09/16 09:59
名前: 天使のような悪魔 (ID: smQzDzj0)

『アハハッ いい気味だね柏崎君...にしても砂糖と間違えて粉末洗剤って...アッハッハッ ホント面白いね』

『あははは そーですネ 僕ったらなんてミスを犯してしまったんだろー』

札切先輩の嬉しそうな呼びかけに対し、僕は引き攣った笑みでしか返せない
僕も札切先輩と一緒に春夏秋冬部長の不遇を思いっきり笑いたい所だが、そうは出来ない理由がある
何かって?
そんなもの決まっているだろ
僕は間違えて洗濯機に粉末洗剤ではなく砂糖を入れてしまったからだ
全く、僕がいる限りうっかり界の将来は安泰だな
いやいや今茶番やってる場合じゃないから
つい癖で茶番を始めてしまった
もしかしたら茶番界の将来を安泰なのかもしれない
まぁそんなことはどうでも良い
つまり、洗濯機に砂糖を入れてしまったということは洗濯物が物凄く《甘く》なっているということだ
そして、その洗濯物とは札切先輩の私服、胴着なのである
ここから僕が取るべき行動は4つ

ルート1
知らないふりをする

...ダメだな 洗濯したのは僕だけなのだから一瞬で惚けているのがばれてしまう

ルート2
体調が悪くなったと言い帰る

これもダメだ 何故なら、札切先輩のお札の能力であっという間に回復されてしまう

ルート3
隠れる

何言ってるん? 逆に怪しまれわっ!

ルート4
もう一度、洗濯する

多少札切先輩に怪しまれるかもしれないが洗濯機を回していなかったと言い訳すれば良い

よし、ルート4作戦開始だ
と僕が席を立つ前に札切先輩は口を開き僕に言った

『そろそろ道場に行くから開店準備よろしく〜 あと胴着ってもう乾燥機で乾かしたよね』

Re: 妖戯れ ( No.17 )
日時: 2018/09/18 12:03
名前: 天使のような悪魔 (ID: smQzDzj0)

『柏崎君...どんな阿呆でも流石に砂糖で洗濯はしないと思うんだけど...』

札切先輩は引き攣った笑みで僕に言ってくる
誰が見ても彼が怒っているのが一目で分かるだろう
たとえ、粉末洗剤と砂糖を間違えてしまう阿呆でも...

『どういうことかな? 柏崎君? ああん? 答えろよ』

怖い めちゃくちゃ怒っているよ
怒りすぎて春夏秋冬部長の口調が混ざってしまっている

『ええとですね その...粉末洗剤と間違えて砂糖を洗濯機に

という僕の言い訳を札切先輩の怒鳴り声がかき消した

『んなことわーってんだよ どう責任取ってくれんのかをきーてんだよ ああん?』

ヒイイィィ 怖すぎる
ていうか輩の脅しレヴェルじゃないですか⁉︎
僕が何も返せず黙っていると札切先輩は呆れたのかこう言った

『はああ〜 もういいよ 柏崎君がうっかり屋だということは三月の時点で知っていたし』

『えっと、その札切先輩、本当すみませんでした』

『良いっていってるだろ』

札切先輩は僕の謝罪を軽くいなし

『さあ 今日一日ぼくは道場に行けないからとっととお店開けるよ』

と言って裏口の方に行ってしまった

仕方ない
札切先輩には呆れられてしまったがここで名誉挽回と行きたい
僕は札切先輩の後を追い裏口へと向かった


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