コメディ・ライト小説(新)

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妖戯れ
日時: 2019/04/05 09:20
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12331

                 妖探偵事務所活動記録

最初に断っておくが『妖探偵事務所活動記録』だなんて格好つけて書き出しているが探偵事務所公認というわけでわない
(春夏秋冬部長に提案してみたがあっさり却下された)
ただ僕が個人的にたらたらと不思議な世界について 否、僕がただ妖と戯れるだけだ
それでも僕の話を聞いてくれるのであれば僕は嬉々として語ろうと思っている

第1話
札切ふだぎり 璃空りくの妖戯れ】
未公開

第2話
春夏秋冬ひととせ 一年ひととせの妖戯れ】
>>12

第3話
犬神いぬがみ 駒理こまりの妖戯れ】
投稿中

第4話
霧野きりの 切子きりこの妖戯れない】
未完成

第5話
柏崎かしわざき 波戯なぎの戯れ】
未構成

Re: 妖戯れ ( No.28 )
日時: 2018/12/27 11:42
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

行方不明者リスト2

沖島おきのしま 早苗さなえ(15)
女子中学生
4月18日 木曜日 17時頃
図書館内にて行方不明
本人の物と思われる参考書などはテーブルの上にて発見

予言かねごと 宍道しんじ(36)
男性会社員
4月19日 金曜日 20時頃
駅のホーム内にて行方不明
本人の物と思われるスーツやバッグは電車内で発見

美保湾みほわん 牡丹ぼたん(42)
専業主婦
4月22日 月曜日 未明
8時以降に行方不明
靴や衣類などは全て持ち出されていない
当日、本人が身に着けていた物はキッチンにて発見

遅桜おそざくら 菖蒲あやめ(11)
女子小学生
4月24日 水曜日 14時頃
友人の家に遊びに行くと家を出、行方不明
当日、本人が身につけていた衣服などは友人の家の前にて発見

以上の8名が今月の行方不明者である

このような情報をどのように収集したかは、ここに記せない

どうしても気になるのならば札切先輩に訊いてくれ

Re: 妖戯れ ( No.29 )
日時: 2018/12/31 15:56
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

『にしても、犯人はとても積極的に活動していますね』

被害者リストを眺めながら僕は言う

『うんそうだね この一ヶ月でこの数は流石に異常だよ』

僕の適当な感想に反応してくれるのは札切先輩だ

『見た感じ被害者に共通点は無いし、日時にも共通点は無い でも一番の特徴は被害者が身につけていたものは全て犯行現場と思われる場所に置いていかれてある事 何か他にあるかい?柏崎君』

『う〜んそうですね 深夜には犯行をしていないとか...ですかね? 因みにその..この行方不明者リストの方々ってまだ生きてるんでしょうか?』

思い切って訊きずらいことを訊いてみる
それに対する答えは案の定

『断定はできないけれど、多分もう…』

であった

Re: 妖戯れ ( No.30 )
日時: 2019/01/13 19:35
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

『う〜ん、話を聞く限りだと..背が高いかぁ、見越し入道..でもあいつは殺人をしないしな 殺人殺人〜 口裂け女..いや奴は鎌を使って殺すしな 神隠しは...衣服だけ残して連れ去らないからなぁ 《口から何かを飛ばす》か..野鉄砲..でも人型じゃないしな』

『えと、札切先輩 それって何も分からないってことですか?』

『いや柏崎 君、流石にこれだけの情報じゃまだなんとも..ぼくの知らない妖はごまんといるし、今この瞬間にも妖は増え続けている 全ての妖を把握するのは不可能なんだ だからもっと地道に情報を集めていくしかないよ』

『春夏秋冬部長なら、こういう時一発で当てるんだろうなぁ』

『ははは、それは一年が異常なんだよ さてさて柏崎君休憩はおしまい 次は罠を張りにいくよ』

『わ、な?』

僕の不躾な呟きに気を悪くした風もなく、札切先輩は立ち上がる

『そう、トラップ』

いや言い直しても意味は変わりませんが...

Re: 妖戯れ ( No.31 )
日時: 2019/01/29 21:05
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

札切先輩の言う《罠を張る》とは《お札を貼る》と言う行為であった

勿論貼るのはただの紙切れではなく、妖の放つ妖気と呼ばれるものに反応し、妖をその場に拘束するという効果のある高価なお札である

これを、町の至る所に貼る

一分の隙も無く張る

という作業は、日が出ている間には終わらず、最後の一枚を貼る時にはもう辺りは暗くなっていた

『お疲れ 柏崎くん 今日はもう暗いから帰っていいよ』

『はぁ お疲れ様です このトラップっていつになったら結果が出るんでしょうか?』

『さぁ? でも犯人がこの町で動けば必ず反応するはずだよ』

Re: 妖戯れ ( No.32 )
日時: 2019/03/07 20:19
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

夕暮れ時
僕はこの時間帯が好きだ
暖色と寒色のグラデーション
消えゆく橙色
滲み出るような深い藍色
意味も無く不安になるこの感じが堪らない

まあ如何でも良いのだが

兎に角この時、僕は行方不明者急増事件の犯人に出逢う

「私、綺麗?」

廃れた商店街ですれ違いに猫のような声で訊かれた

赤いベレー帽に赤いコート、赤いハイヒール、赤いマスク、全身真っ赤な女性にそう訊かれた
僕は160cmと高校生にしては低身長気味だがその女性は恐ろしく身長が高かった
2mはあるんじゃないか?
その女性の描写はここまでにして..

普通、通りすがりにそんな事を訊くか⁉︎

頭おかしいのかな?
まあ僕はこの質問にNOと答える程無礼ではない

当然のようにYESと答えた

すると通りすがりの女性は我が意を得たりと笑い、大袈裟にマスクを剥ぎ取った
そして再度、僕に質問をする

「私、綺麗?」

僕は恐怖した

恐れ慄いた

全身が打ち震え、石のように硬直した

女性の顔に

女性の口に

耳元まで裂けた口に


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