コメディ・ライト小説(新)
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- 空飛ぶ島の冒険家
- 日時: 2019/04/04 16:42
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
永遠のルーンはプリーマ島を空を飛ぶ島へと変化させ二人の冒険家を
乗せてあちこちを飛び回る。ユニとゼロの二人はプリーマ島で
様々な場所を冒険する。
1.セコンド島・純潔のリング >>01-05
2.ドリッテ島・寛容と慈愛のリング >>06-10
3.クアルタ島・謙譲のリング >>11-15
4.サンキエム島・救恤のリング >>16-21
5.ロクサキ島・忍耐のリング >>22-28
6.ギムレー島 >>29-32
7.プリーマ島・聖女の選択 >>33-34
8.
- Re: 空飛ぶ島の冒険家 ( No.25 )
- 日時: 2019/04/03 09:20
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
サヤは朝早く目が覚めてしまった。他はまだ眠っている。だがたった一つ
誰もいない布団があった。サヤは起き上がり辺りを見回した。縁側に座っている
サカズキがいた。
サヤ「(何してはるんやろ…)」
そこでサヤは驚いた。サカズキは自身の手首に噛み付いた。思わず声が出て
サカズキもサヤの存在に気が付いた。
サヤ「飢餓感…そんなのあるんか…」
サカズキ「ここにいれば落ち着くとは思ったんだけどな~。まぁ驚かせて
悪いな嬢ちゃん、このことは秘密にしてくれ。あまり心配されるのは
嫌でな」
日も高く昇り既に全員が起床している時間になった。仕掛けるのは今夜
夕方になったら移動し始める予定だ。
サカズキ「ユニって言ってたな。狐、お前はもしアイツに一緒に旅を
しないかって言われたらついていくのか」
ツキカゲは首を横に振る。
ツキカゲ「行かない、そう言うと思う。俺はここを守るように命令
されている。背くことは出来ないさ」
サカズキ「ならこれから時々来てやろうか?ここの眺めは最高だからな」
酒を注いだ盃に桜の花弁が浮いた。それを気にせずサカズキは酒を飲んだ。
階段に座り込みサヤとユニは会話していた。
サヤ「ユニはん元々はこの島に住んでたん?」
ユニ「うん、お父さんの仕事が冒険家でね。プリーマ島に引っ越したんだよ」
サヤ「そうやったんか~…通りで苗字がこの島らしい苗字で」
サヤは言った後から何度も頷いた。
- Re: 空飛ぶ島の冒険家 ( No.26 )
- 日時: 2019/04/03 10:15
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
夕方になり階段を降りて城を見据える。ここは城下町、城まですぐだ。
ミーニャ「ってあら?ランマルは…?」
サヤ「やることがあるゆうてどっか言ったで?」
大きな足音が聞こえる。大人数の足音だ。
サカズキ「お前ら構えろ!奴らは鬼だ」
サヤを守るように全員が彼女の前に立ち構える。
ゼロ「行こう!皆!!」
全員が地面を蹴る。ユニは弓を引いた。その矢は鮮やかな緑色の光を
纏っている。サカズキは鬼を殴り飛ばし一直線に飛ぶ緑の矢を見つめる。
サカズキ「(これも巫女の力かい…)」
ツキカゲ「(不味いな…数が多い…)」
このままでは此方がやられることをツキカゲは勘づいた。遠方から数十人の
足音が聞こえた。鬼とは違う。この足音は妖怪とは違う。
ランマル「悪ィ!間に合ったか!?天下の大将軍様のお通りだ、退きやがれ!!」
ショウグン「ったく大きな顔して…やらないときはとことんやらねえ癖に
良いところばっかり取っていきやがって」
将軍とランマルは兄弟、ランマルは弟だ。
ショウグン「敵は鬼だ!この島を…死ぬ気で守るつもりで戦え!!」
侍たちが声を上げる。
ランマル「さぁ俺たちは急いで城に行くぞ」
サカズキ「俺とツキカゲは残るぜぇ。人間だけじゃ心許ないしな」
ツキカゲは走っていくユニの姿を見ていた。もう守られるだけの子どもでは
ない。そして彼女を守る必要は無いようだ。
城に入り倒れるミカドにサヤは駆け寄った。
サヤ「お兄!しっかりしいや、こんなところで眠ったらダメやで!!」
ミカド「…めん‥‥」
微かに聞こえた謝罪の言葉はサヤの耳にしっかり入る。力を無くした
ミカドはサヤに謝罪し臨終した。
- Re: 空飛ぶ島の冒険家 ( No.27 )
- 日時: 2019/04/03 10:49
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
シュバルツ「悪いな聖女、斬らせてもらうぞ」
ユニの後ろに刀が迫る。だがその剣は弾かれる。
ランマル「折角帰って来た巫女さんを殺されるわけにゃあ行かねえな」
チェリベ「…邪魔だ」
隠し持っていた短刀でランマルの脇腹を切り裂いた。チェリベは素早く
ユニとの距離を縮め短刀を突き出す。
ユニ「無理、しなくていいんだよ?チェリベさん」
チェリベ「ッ!?」
シュバルツ「何をしているチェリベ。お前は俺に従っていればいい」
微かに見えた。チェリベの心が揺れたのが…。仕方なく従っている。
そんな感じだ。
シュバルツは音も無く近付きゼロに噛み付いた。
シュバルツ「ここまで不味いとは思わなかったなぁ?でもこれでお前も
きっとこっち側に目覚めるだろうよ」
弓を使っているため至近距離では戦えない。それを理解しているため
チェリベはリーチが短い短刀を使いユニと戦っている。ユニの行動を
知り尽くしているのかそれともただ単に強いだけなのかユニは押されている。
チェリベ「無理をしなくていいと言ったな。君さえ死ねば俺は解放されるさ」
ユニ「やっぱり…仕方なく従ってるんだ」
チェリベ「君のお人好しが君を死へと誘う…」
ユニ「ッ!純潔の鎖!」
黄色の鎖はチェリベを拘束する。だが鎖は砕けチェリベから黒い瘴気が
放たれる。右腕に禍々しい黒い模様が浮き出る。相当闇に侵食されている。
チェリベ「大丈夫そのうち俺は地獄に行くんだ…あの人と同じあの世に、な」
悲しげに微笑むチェリベの顔はすぐに殺意の籠った顔になる。
- Re: 空飛ぶ島の冒険家 ( No.28 )
- 日時: 2019/04/03 11:00
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
チェリベの首に刀が当てられる。
ランマル「殺したはずなのにって顔だな?ところがどっこい生きてるんだなぁ
これが…なぁ?妖怪」
ツキカゲ「形勢逆転、かな」
シュバルツ「役立たずだな…退くぞチェリベ。聖女、また会おうじゃないか」
黒い霧が消えていく。彼らの気配は消えたようだ。
翌日、ランマルは自ら一緒に冒険したいと言って来た。
ツキカゲ「犯人を倒したい…そんなこと言ったって本当は借金から
逃げたいんじゃないのか?」
ランマル「うぐっ!な、ンなことぁないぞ!!」
図星だということは全員が分かった。
ツキカゲ「ユニ様、再会できて成長が見れて良かったです」
ユニ「私もまた話せてよかったよツキカゲ!」
ユニをツキカゲは抱きしめた。
ゼロ「じゃあさようなら皆」
ユニ「私たち頑張るから。またね!!!」
ユニたちは手を振った。
サカズキ「行っちまったなぁ…泣いてるのかい?狐」
ツキカゲ「…そうかもな」
空を飛んでいくプリーマ島を見ながら二人は呟いた。
サヤ「二人とも何ボーっとしてるねん!」
サカズキ「プレゼント喜んでくれたかなぁって、な?」
ツキカゲは小さく微笑み頷いた。
サヤ「サカズキはん、鬼のことは頼んだで」
サヤは小さな手でサカズキの背中を叩いた。藍色の光を放っていた
忍耐のリングはユニの手に渡っていた。
- Re: 空飛ぶ島の冒険家 ( No.29 )
- 日時: 2019/04/03 20:06
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
ギムレー島のとある教会の中に一人の男が十字架の前に立っていた。
青みがかった白髪の男は協会から出ることは出来ない。
???「君が言うことを聞いて大人しくしてくれれば僕も君を閉じ込めなくて
澄んだんだけど…」
紫のネクタイを締めた男は白髪の男に歩み寄る。
???「それはお互い様だろうラスト。お互い逃げなければ捕らえなくては
行けなかった」
ラスト「そうだったね白の王ヘイムダル…まさかこんなあっさり捕まえられる
とは思ってなかったけど」
ヘイムダル「理性的な闇族で良かった。君の仲間、ひねくれ者が多いし。
それに預言しておこう、もうすぐ君は僕を取り逃がすことになる」
空を飛んでいるプリーマ島。
ミーニャ「ギムレー島…」
カナン「黒の王、黒の王子、聖女…この三人が揃っているのなら当然
白の王もこの世に存在している。この島は無人島だが黒の王が組織する
組織が統治し白の王を隔離している」
ゼロ「助けに行って仲間になってもらうってことか…?」
カナンは大きく頷いた。スペクター、サイファ、ランマル、ゼロ、ユニの
五名が島に降りることになった。つい最近まで無人島ではなかったのだろう
レンガの道も作られた島だ。道に従って一同は歩いていく。
サイファ「一応ここは敵地のはずだが…不思議だな」
ミーニャ「魔獣もいないからってこと?来ないなら来ないでいいじゃない」
サイファ「それに一理あるけど敵が何も気付いていないというわけでは
無いと思うぞ。俺たちと否ユニ殿と白の王を会わせるのが目的と
見ることもできる」