コメディ・ライト小説(新)
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- 死神と、少女と。
- 日時: 2019/07/26 01:47
- 名前: 赤ずきん (ID: 1CRawldg)
あたたかい。
赤い。
あたたかい。
血がとまらない、血がとまらない。
とまらない血が、私の手を染めていく。
睫の先についた血が、月までも赤く見せていた。
赤く染まった月。
「ぅああぁああぁああぁああああぅぁああああぁぁぁぁああ!!!!!!!!!」
誰かの泣き叫ぶ声がする。
痛い、痛い。
「愛してるよ」
- Re: 死神と、少女と。 ( No.14 )
- 日時: 2019/08/14 16:45
- 名前: 赤ずきん (ID: BgBE1Y9A)
〒_たかつき 様
感想共に投票も!!
ありがとうございます!
とっても嬉しいです。
コメントは執筆者の私にとって、とても励みになります。
まだ始まったばかりなので、これからも見ていただけたら嬉しいです^^
この度は読んでいただきありがとうございました!
_赤ずきん
〒_コウ 様
この度は読んでいただくだけでも嬉しいのに、コメント共に投票ありがとうございます!
又、気遣いとても感謝致します。
またお時間ありましたら読んでいただけると嬉しいです。
ありがとうございました!
_赤ずきん
- Re: 死神と、少女と。 ( No.15 )
- 日時: 2019/08/14 16:47
- 名前: 赤ずきん (ID: BgBE1Y9A)
次の日。
言われたままに手渡された制服に身を包み、ありすは四人の後をついて行った。
「ここは…学校…ですか?」
外見からは学校というよりお城といった方が正しかった。
「大きいです!…豪華…ですっ!」
見とれているありすに目もくれず四人は校門をくぐり抜ける。
それに続いて、ありすは慌ててその後を追いかけた。
「「おはようございます」」
先程まで普通に登校していた学生達が四人の姿を見ると、素早く横にはけ、頭を深々と下げた。
それを四人は素通りしていく。
全く興味を示していない。
「何者…」
思わずありすは口に出してしまう。
…それにしても、先程からありすは自分への多数の視線を感じていた。
生徒たちの鋭い視線だ。
睨まれている。
「芋女」
その視線を察知したのか、塁はありすの肩を強引に抱いた。
異性にこのような触れ方を一度もされたことのないありすは、石のように硬直してしまった。
塁がありすの肩に触れたのと同時に辺りはざわつき始めていた。
「アリス…アリス…」
「あいつがアリス…」
「センリの娘…」
「え…?」
指先から身体全体へと鳥肌がたった。
「守る…から…」
塁の小さな声だった。
しかし、ありすにはしっかりと聞こえた。
先程よりも強く塁に引き寄せられる。
ありすの肩を掴んでいる手に力が入る。
「塁さん?」
『守るから…約束』
「っ!」
一瞬の頭の痛みと共に、幼い男の子の声が聞こえた。
辺りを見渡しても子供の姿はない。
どこか懐かしいような声。
優しい声。
愛しい声。
記憶…
誰の…?
「おい」
塁の声にぼーっとしていた意識が戻る。
見上げると怪訝そうな顔をしていた。
「ご、ごめんなさい」
ありすは妙に耳に残っているその声を頭の片隅に追いやった。
- Re: 死神と、少女と。 ( No.16 )
- 日時: 2019/08/14 18:51
- 名前: ごるご (ID: WMx7lJF5)
過去の恋出てきましたかー コメライっぽくなってきて楽しいなぁ でもシリアス加減もいいかんじ。バランスがいいですね 次も楽しみです
- Re: 死神と、少女と。 ( No.17 )
- 日時: 2019/08/15 21:41
- 名前: 赤ずきん (ID: BgBE1Y9A)
〒_ごるご 様
この度は、読んでいただきコメントもありがとうございます^^
一体誰の声なのか…読者の皆様には考察していただき楽しんでいただければ幸いです。
当方、コメライでも結構シリアスを入れてしまう部分があるので、バランスがいいと褒めていただけるのはとっても嬉しいです。
これからも、シリアスすぎずいいバランスを保っていけたらいと思っております。
また見に来ていただけたら、赤ずきんはとっても喜びます^^
ありがとうございました。
_赤ずきん
- Re: 死神と、少女と。 ( No.18 )
- 日時: 2019/08/15 21:45
- 名前: 赤ずきん (ID: BgBE1Y9A)
連れてこられた先は体育館だった。
ありすたちが着いて間もなくすると、生徒たちが続々と集まり綺麗に整列をする。
ありすは舞台の袖のところに座らせられた。
壇上に登った4人を見上げる。
「昨夜、ありすを迎えた」
体育館全体に塁の静かな低音ボイスが響いた。
そのたった一言で生徒たちがざわつく。
「俺等に許可なく手を出したものは即刻」
「「「「殺す」」」」
さっきまで騒いでいた生徒たちは一斉に静まり返った。
…†††…
家へ帰ってありすは大きなため息をつく。
『殺す』
四人の声が。
ずっと頭の中でループしている。
あそこは普通の学校ではないことは、もう薄々感じていた。
自分と四人への生徒たちの視線・行動…
あの夜に襲ってきた男と同じ品定めするかのように、ありすへの視線は違和感を覚えるほどにギラギラとしていた。
授業中も休み時間も、四人に〈監視〉されていた。
「はあ…」
ありすはもう一度大きなため息をつくと、ソファに倒れた。
「あれ?ありす眠い?塁達はお風呂に入る時間遅いんだけど…ありすはお風呂どうする?僕はいつもこの時間に入ってるんだけど」
いつの間に、ありすが寝ているソファの下にしゃがみこんでいた梓が上目遣いにありすを見上げる。
「梓ちゃんがお先で大丈夫ですよ」
可愛い、と梓への叫びを瞬時に飲み込み、平常心を装った。
「ほんっと警戒心ないなぁ…」
「え?」
「んーん!こっちの話!あ、ね?ありす!!一緒に入る?」
「!?」
思いがけない申し出に咳き込む。
「い…一緒にって…」
確かに梓は女の子だ。
一緒に入っても何もおかしなことではない。
「……うん、入ろっか」
「え!?」
こちらも思いがけなかったのか梓は目を見開いて驚いていた。
「え…意味分かって言ってる?」
「意味…?」
「あー…そっか…うん。分かった…ありす、気づいてないんだ」
ありすの頭の上に大量の【?】が浮かぶ。
「じゃあ先に入って待ってて」
梓に小さな溜め息をつかれ、それを気にしながらもありすはお風呂場へと向かった。
…†††…
「ふぅ…生き返ります…」
10代の女子のセリフではない…。
「梓ちゃん…まだかな?」
ぽつりと呟くと、すぐに声が聞こえた。
「ありす、入るよ?」
「は、はい!!」
女の子だとしても、一緒にお風呂は緊張してしまう。
ありすは恥ずかしくなり、湯船に顎まで浸かり、開けられた扉に目を向けた。
「あ…」
そこには金髪の長いロングヘアーの梓の顔があった。
白い肌があらわになり、恥ずかしそうにタオルで隠している。
「僕…胸なくて…」
控えめに言っても可愛い。
「そ、そんなっ気になりませんよ!私の方こそ胸が…」
目線を下したことで違和感に気づく。
確かにお世辞にも胸があるとは言えない。
しかし、なさすぎるのだ。
というより、触れられたときにも思ってはいたが、結構肩や腕ががっちりとしている。
まるで…
「お、おと、おとおと…」
「あれ?やっぱり気づいちゃった?いや、さすがに脱いだら気づくよね~。あ、証拠としてアレ、見る?はい、ありす♪」
勢いよく横に投げられるタオル。
そのおかげで顔を出す、女にはない……アレの姿。
「き!?きゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
ありすは自分が裸なのを忘れ湯船から出ようとする。
「きゃっ」
足をつるりと滑らせ顔面が地面へと急降下。
「危なっ!!」
きゅっと目を瞑って痛みを待つ。
「…?」
だけど痛みはいくら待っても訪れない。
「…大丈夫?」
真上から梓の声が聞こえてゆっくりと目を開けた。
「!?」
この状況をなんと言えばいいだろう?
【押し倒されてる】
そして。
「髪…が…」
長かった金髪の髪はありすの顔横に落ち、短髪の男の子が目の前に現れた。
「梓…ちゃん」
「まだ『ちゃん』づけするの?」
いつもより低い声…ガッシリした身体…力強い腕…そして短い髪。
「僕は〈男〉だよ、ありす?」
梓はありすの手を自分の胸へと移動させ、もう片方の手でありすの頬を撫でた。
「ご感想は?」
「ぺったん…こ」
ありすはその場で気を失ってしまった。