コメディ・ライト小説(新)

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カオスヘッドな僕ら【連載終了】
日時: 2022/10/17 18:15
名前: 夢兎 (ID: gzz.lbul)
参照: www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=18233

 「なにがどうしてこうなった…………」


 ****

 こんにちは。夢兎、またの名前をむうと言います。
 簡単なプロフィール! 高2女子、以上!

 ちょっと個性強めの妖怪幽霊たちが繰り広げる、怪異コメディです。
 怖い要素は(多分)ないので、楽しく見て下さると嬉しいです。


 おかしな仲間に翻弄されながらも成長する(かもしれない)主人公。
 そして彼らとの出会いは一体何を生むのでしょうか?
 カオスヘッドなキャラたちが繰り広げる怪異譚、始まります(いつ終わるかは分かんない!←)

 【注意】
 ●私情により未完の作品です。(ここ大事)
 ●完結小説の一覧に登録しましたが、未完です(二回目)
 ●荒らしや中傷行為はご遠慮くださいませ。
 
 【キャラクター】>>11 
 出てこないキャラもいますがお楽しみに! ちょくちょく追加予定。


 【単語紹介】>>49
 本編の中で出て来た単語や設定を、詳しくまとめたページです。
 コメディなのにやたらと用語が多い物語ですスミマセン。

 
【Special Thanks】

・美奈様>>15 りゅ様>>46 閲覧をしてくれた皆様。
 又とあるサイトでアイディア参考をさせていただいた皆様。


 【感謝】
 2021年夏☆小説大会にてコメディ・ライト版 銅賞入賞。
 感謝ぁぁぁぁぁぁ(涙)>>40にコメントを記載しました。

 【その他作品】
 ろくきせシリーズ↓
 〈鬼滅の刃 会話文短編集〉
 〈鬼滅・花子くん 短編集続編 六人の軌跡〉
 〈ろくきせ恋愛手帖〉
 
 ********************

 【目次一覧】

 一気読み>>01-
 ↑ここからすべてお読みいただけます。

 ★キャラクター別情報File★
 百木周&百木朔>>22 クコ>>25 紗明>>31 栗坂八雲>>40
 

 □第1章 リスタートする人生>>01-12
 
 第1話「僕が死んだ理由」>>01
 第2話「クコと言う名の少女」>>02>>03
 第3話「やらかしてしまったので」>>04
 第4話「栗坂八雲」>>05>>06>>07>>08
 第5話「黒札と白札」>>09>>10
 第6話「そして物語は始まる」>>12

 □第2章 札狩life始めました!>>13-50

 第7話「デスメタルでアタック!」>>13>>14
 第8話「僕たちの非日常」>>17-20>>23-25
 第9話「カオスヘッドな僕ら」>>26-28
 第10話「僕たちの作戦会議?」>>29>>30>>33
 第11話「刺客」>>34-39 >>41
 第12話「秘められた力」>>42-48
 第13話「室長室にて」>>50

 □第3章 from天界管理局!

 第14話「ネートル室長を探せ」>>51>>52>>54>>55
 第15話「お説教、みたいな」>>56>>57
 
  ………………………………

 ※あとがき的な>>58
 
 

 
 ☆記録ログ☆

 2020年7月下旬 スレ立て、執筆開始
 2020年9月上旬 2カ月間の休載後、再び執筆開始。
 2020年9.22 イメージ曲を選曲。
 2020年9.23 キャラ紹介作成。
 2020年9.24 改稿作業完了。
 2021年2.08  高校合格。再び執筆開始。
 2021年9.04 我、帰還也。(三カ月間来なかったってマジか)
 2022年3.02 我、またまた帰還也(お前どんだけ失踪するんだ)
 2022年10.2 連載再開。
 
 




 
 
  

Re: カオスヘッドな僕ら ( No.8 )
日時: 2020/09/16 07:11
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 「あのう、ちょっといいですか?」


 僕と紗明が、最近人気の弾幕ゲーム・デーモンコロシアムの話に夢中になっていたとき。
 不意に後ろから声をかけられ、思わず「ひゃふうっ!?」と悲鳴を上げた。
 後ろにいたのは、つい先ほどまでウザいオーラをプンプン漂わせていた女の子だ。


 学校指定のブレザーにチェックのスカートの制服が、セミロングの髪型にとても合っている。
 そして、ほっぺたには白い札。
 女の子はさっきまでとは打って変わり、おどおどと口を開いた。



 「は、はい、なんでしょう」
 「………え、えっと、あの、私、なにがどうなったのかよく分からんけん教えてほしいなって……」


 えーっとですね。
 僕もよく分からないんですけど、全てはそこの死神の仕業らしいですよ。
 なんでも憑依? をしていたらしく。自分で言ってて全然分かんなくてごめんね。


 そう伝えると、女の子はぷうっと顔を膨らませて、横でブレイクダンスを踊っている彼をギロリ。
 どうやらこの子、バリバリの霊感持ちらしい。
 今の今まで自分が幽霊だと言うことを忘れていた僕は、その事実にハッとする。


 「紗明、また私に乗り移ったの? やめてって言ってるのに聞かんね……」
 「ハイッ、だってアルジ様はとってもチャーミングで可愛っすから!!」


 紗明がコンマ何秒レベルで返事をする。一瞬だが、チラリと犬の耳と尻尾が見えた。
 僕の横でクコがげんなりとため息をつく。
 パリピの上にロリコンまであるのか。まぁこの子が可愛いってことには同感だけど。


 「ちゃ、チャーミングって……嬉しいけど、もう乗り移らないで…」
 「あのう、キミこの死神と面識あるの?」


 「うん、なんか庭で倒れてて……『お腹すいたァ』っていうから、ごはんあげたのが出会い」
 「餌付けすんなよ死神に!!」


 キミのそのやさしさには本当に頭が下がるんだけど、呼び寄せたものは大きいよ。
 逃がした魚は大きいじゃなくて、「なついた死神はウザい」に実際なってるんだし。

 あのう、キミが嫌じゃなければ、こいつしっかり世話してくれないかな。
 


 「うん……分かった。私、栗坂八雲くりさかやくも。君は?」
 「僕はモモ……チッッッッ」

  
 名乗ろうとした直後、クコが「あ、髪にゴミついとる」と言って、僕の髪を思いっきり引っ張る。
 いででででででででででで!! はげるはげるはげるはげるはげるッ!!!


 「えーーっと。おモチくん……だね。よろしくねッ」
 「いや違います百木です」


 僕はとっさに答えたが、栗坂さんはずっと「おモチには醤油派」と言って聞かなかった。
 というわけで、おモチにはマーガリン派の僕は、ただ黙るしかなかったのだった。
 マーガリンっておいしいんだよ? 今度絶対やってみて。

Re: カオスヘッドな僕ら ( No.9 )
日時: 2020/09/15 16:48
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 「ふうん。それは……おモチくんも、災難だったね……」


 どういう経歴で僕が幽霊となってしまったのか、そして何で変な天使と一緒にいるのか説明。
 栗坂さんは、同情するように何度も僕の目を見つめ返してきた。

 ふとした機会に知り合った、駅前の牡丹ぼたんヶ丘中学に通う中1女子の栗坂さん。
 彼女は、札狩ふだがりと呼ばれる悪用退治を仕事とする死神・紗明と知り合ったことで、彼と一緒の札狩に協力し、収入を得ているらしい。


 「ちなみに、栗坂さん」
 「八雲でいいよ。だっておモチくん、生前中3だったんだよね? 敬語つけんくてもよかよ」

 ちなみにこの栗坂……じゃなくて…八雲…ちゃん……八雲さん……。


 「八雲って呼んで!」
 「ハッハイスミマセンッ!!」

 コホン。八雲は何で札狩をやっているのか聞いてもいいかな。
 一応僕も、クコからその、札狩って奴を勧められてるから、参考にしたいんだけど…。

 やばい年下の、実際超キュートの子を呼び捨てにするとか……い、命が持たない……ッ!
 さっきからずっと、顔に熱を感じて彼女の顔すら見えず、すっと下を見ている。
 栗坂さんじゃかった、八雲の靴下は、ワンポイントがアディ〇スの黒いハイソックスだった。


 「八雲はなんで札狩をやってるの? 紗明に協力してるって話だったけど、実際こいつと協力…」
 「おいゴキブリ! なんで俺をそんな目で見る!」
 「ハン、うざったらしいからに決まってるやろ。そんなことも分からんアンタは馬鹿や」

 クコが腕組をし、勝ち誇ったように言う。やっぱり紗明との仲は余りよろしくないらしい。
 そして紗明……今僕のことなんて言った?
 ま、まさかとは思うけど君、僕という輝かしい存在をこの世の悪魔と同じにしたりしてないよね?


 「ハンッ!? 俺ァさっきからずっとテメーのことは、こう言ってんぜ。ゴキちゃんってなァ」
 「わざわざ『ちゃん』付けする必要があったらゴキブリ扱いするのやめようよ!?」

 「だってテメー、さっきッからずぅぅーっと地味ィなオーラまとってんじゃねェかよ」
 「うぐッ」

 「それに、いつもは会話につるんでこねェ癖に、いざって言うときにだけウルセーッしよォ。
 なんか急に邪魔してくるあたり、地上で有名のGと同類ッつーか」

 ………ずっと地味ィなオーラで悪かったな。
 僕からするとキミたち死神や天使の個性が強すぎて、存在が薄くなってんだよ。
 ほらほら、例えば顔面偏差値100のとこに40くらいの奴いてみ?
 ぜったい場違いだと思うよね、多分それと同じなんだよ。


 「なに言ってんの紗明。おモチくんは別にゴキブリでもなんでもない。そんなこと言ったらダメ」
 「す、スイマセンッ!! はぁぁぁ……アルジ様怒った顔も超可愛っs」
 「さぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁき………」
 「ハイ、スミマセンッ。アルジ様は笑った方が絶対可愛っスよってあだだだだだだだだ!??」


 八雲は広島出身らしく、ときどき方言が入る口調が特徴的だ。
 あ、札狩を始めた理由は、「ぬいぐるみを妹にプレゼントするため」らしい。
 なんていい子!
 眉間にしわを寄せてムッと叫ぶ彼女に、ロリコン&ドMパリピの紗明っつー死神。
 もう犬かと思うほど『なでてー! なでてー!』オーラを放っている。


 「うひッ……紗明あんた、地上で変な性癖つけるとか、うちもうついていけへんのやけど」
 「何言ってんだクコ。俺のこれは性癖っつー馬鹿なやつじゃなくて、単なる愛情love表現」
 「…………さ、さ。百木くん危ないからこっち行こな」


 身の危険を感じたのか、クコがそろりそろりと紗明から距離を取り、僕の腕をグイッとつかんだ。
 急に横から離れた僕らに、八雲が慌てて紗明の頭にゲンコツ一発ぶち込む。
 KОされた死神を引きずり、クコの前に連れて行くと、八雲はぺこりと頭を下げた。


 「ほんとーに申し訳ありませんクコさん! この子、朝はものすっごく大人しいんだけど……」
 「八雲ちゃん、知ってるで。こいつ二重人格やから、疲れるやろ。おおきにな」
 

 ん……何て言った今。二重人格持ち?
 は、はぁぁぁぁぁ!? これ以上彼に余計な設定つけんのやめようよ。。。
 話、ついていけないよ……。


 「大丈夫だよおモチくん。札狩経験者として、いっぱい教えてあげるけんね」
 「いや、僕が言ってるのはそれじゃなくて………」
 「私、この前お墓で貞子みたよ~。めっちゃくちゃ怖かったー! キャー―――ッ」


 アイドルの握手会に行った時みたいに、「めっちゃ可愛い」風に「めっちゃ怖い」と叫ぶ彼女。
 今まで気づかなかった。
 どうやらこの世界は僕中心に、ヤバい奴しか集まらないように出来てるらしい。

 そもそも、ごくごく普通の中3生だった僕が事故死して、クコという変な天使と知り合った時から、何かが変わり始めてるのかもしれない。


 もうこの先、こいつらみたいな変人が出てこないことを祈るよ。
 七夕の短冊にも書くし、初もうでの時もそう願うことにしよう。
 ただ僕は、ただ地味ぃに札狩ライフを楽しんで、得た収入でキャッキャウフフしたいだけなんだ。


 そんな僕の予想を、いとも簡単に裏切るのが、この世界だ。
 だけど紗明がいうところの地味ィなオーラでゴキちゃんの僕は、そんなこともまだ分からない。
 つまりは、まだまだ陰キャってわけ。……当分、ゴキブリの認識は続くだろう。アーメン。
 

Re: カオスヘッドな僕ら ( No.10 )
日時: 2020/09/15 16:31
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)


 西側の、茜色の空を見ながら、俺は通学カバンの中からガラケーを取り出し、耳に当てる。
「百木周」と書かれた画面の通話ボタンを推し、さっき買った炙り昆布を口に放り込んで数分。
 チカがいつまでも帰ってこないから、自分で買っちゃったよ、フン。

 俺の名前は百木朔。周の双子の弟だ。
 小っちゃいころからチカは頭が良かった。
 俺が友達とワイワイ遊びに行くタイプの一方で、兄のチカは一人で黙々と勉強するタイプ。
 遊びに行こうって誘っても、なかなか意見を曲げてくれない。

 優しいし、いいお兄ちゃんだけど、もう少し俺との時間も大切にしてほしい。
 それとも、俺がもう少し勉強を頑張って、彼と一緒の塾の入塾試験に合格すればいいのかな。
 できるか。あそこ偏差値70もあるんだよ。


 『ただいま、電話に出ることが出来ません。ピーっという発信音の後に、お名前と―――』



 「………嘘、おかしいなぁ。チカ、どこにいるんだろう……」


 
 寄り道するようなタイプではない。まぁ、本屋を別として。
 俺も本屋にはよく行く。というのも、俺はクラスメートとはちょっとだけ、違うところがある。

 普通の子は、ガラケーで電話しないし、おやつにキュウリに味噌をつけて食べない。
 すごろくで遊んだり、デスメタルを聞いたり、レコードプレイヤーで音楽も聞かない。
 本屋で読むのが、TRPGのルールブックだったりすることも、多分少ない。


 最近は音楽聴くのは大体MDプレイヤーかスマートフォンだし、本屋に行ったら大体漫画を買う。
 最近流行りのJ-POPやボカロPや歌い手や、好きなアニメや声優。
 そういう話題で盛り上がる。


 俺はそういう意味では、話題に乗れないタイプなんだろう。
 それでも友達は沢山いるし、ちょっと不便に感じることはあるけど生活できないほどではない。
 でも、時々、俺もみんなみたいに流行に乗れたらいいなと思ったことはある。


 「――そろそろ、趣味とか隠したほうがいいのかな……」


 とポツリと呟いたところで、プルルルルッ プルルルルッッとガラケーが鳴った。


 「はい! もしもしチカ? 何度もかけたのに出ないなんて酷いよ……って、ママ!?」
 「あのね、朔。驚かないで聞いてね」


 電話の向こうの声は、チカではなく、ママの声だった。
 いつもは明るいその声が、今は輝きを失って、冷たいと感じられるほど低い。



 「周が、交通事故にあって、それで………うッ………」
 「――――――――」


 今なんて言ったの?
 ねえ、ママ、今なんて言ったの?

 あれ、今日はエープリルフールだっけ。ってことは多分嘘だよね。
 あれれ、今日8月じゃん。あれ、ねえママおかしいよ。あれれ。


 ………………なんで、チカ、電話に出ないの?


 なんでチカなの? なんで俺じゃなくて、チカなの?
 頭がいいのが俺じゃなくて、なんで兄のほうだけ………。


 なんでチカが先に、俺より先に、死ななきゃいけなかったの?




 ガシャンと、急に手の力が抜けて、硬い地面に携帯が落ちた。
 手も足も震えが止まらなくて、唇だけやけにパサパサ乾いていて。
 変な汗ばかり流れて、泣くことすらできなくて。


 ………………周が死んだなら、俺が生きる意味なんて………。




 「チカぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




 そう、震える声で必死に絞り出したその時、横からピュウッと強い風が吹きつけた。
 思わず目をつぶり、砂が目に入るのを防ぐ。
 と、右の頬に冷たい感触がした。何かが、ほっぺたに貼りついたような感触。



 そっと頬に触れてみると、小さな正方形の札が、頬にぺったりとくっついていた。




 「わ、ナニコレッ!? シール!? 趣味悪ッ!!」



 慌てて指の爪ではがそうとするが、粘着性が強くてなかなか剥がれない。
 おまけにこの札のような黒いシールには、怪しげな文様が描かれている。
 こんなやつつけて人前に出られるかっ!

 なんではがれないんだよクソッ………! ああぁぁもう、ムカつく……!



 「あーそれ、取ったらダメですよぉ」


 
 不意に、後ろから声がした。超絶ロリ声。
 この声なら絶対声優になれそう。そう思うほどの、可愛い澄んだハイトーンボイスだった。
 

 振り向くと、10歳くらいの背丈の女の子が、八重歯をのぞかせて笑っている。
 背中まである桃色のロングの髪に、黒いハンピース。
 ニーハイソックスって言うのだろうか。白黒の縞柄の長い靴下を履いている。


 え、、と。あなた……誰?


 「おめでとーございまぁす! アナタは黒札の資格を得ることができましたぁ!」
 「は……? く、黒札って?」


 「あ、申し遅れましたぁ。私の名前は、プリシラ・ローズベリですぅ! シアと呼んでください」
 「は、はぁ……」


 「私は嬉しいですよぉ。最近は黒札も白札も、いっぱい狩られてますからねぇ。私のような、利用する側も減っちゃってますしぃ。私の姉も、なんと狩る側についちゃったんですよぉ。ほんとー、メーワクですよねぇ」



 「だから、これからは一緒に、札狩どもをお腹いっぱい、食べれますね♪」




 ……………この子が何を言ってるのか、分からない。


 
 

 

Re: カオスヘッドな僕ら ( No.11 )
日時: 2022/04/08 22:21
名前: むう (ID: EUXdXu0M)


【キャラクター紹介】
 ここではカオ僕の個性あふれるキャラクターを簡単に説明していきます!
 詳しいことは、キャラ別情報Fileを確認してください!


 〈札狩陣営☆目標:悪霊退治をして平和を守る!〉


  チカ(百木周ももきちか

 下校帰りに事故って命を落とした中3男子の幽霊。
 ふとしたことで天界に行く道が途切れ低迷中。
 現在は八雲の家に居候しながら悪霊退治をしてお金を稼いでいる。
 少し内気や性格だが、誰にでも隔てなく優しいいい子。


  クコ(九子くこ

 天界管理局で働く天使。関西弁。推定年齢14歳(実年齢600歳)。
 セーラー服と丸メガネが特徴のドSっ子。この作品のムードメーカー。
 腐れ縁の紗明とはなにかとそりが合わない。
 世話焼きなチカのパートナー。


  紗明さあき
 
 札狩≒悪霊退治を担当する死神。クコの悪友。
 朝は酷く大人しいが、夜になるとめちゃうるさくなる二重人格者。
 パートナーは八雲で、彼女のことが大好き。
 やるときはやる性格だが今のところあんまり活躍していない。


 八雲(栗坂八雲くりさかやくも
 
 都内の公立中学に通う中1女子。オカルトや怖い話が大好物の天然娘。
 周のことを「おモチくん」と呼ぶ。
 広島出身のため、たまに出る方言があざとかわいい。
 チカに少しだけ興味を持ち始めている。


 
 朔(百木朔ももきさく


 本作のW主人公。周の双子の弟。違う中学に通っている。
 好きな食べ物は炙り昆布。流行にとことん疎いタイプ。
 チカとは反対に直感に任せて動く行動派だが、勘が鋭い。
 無邪気で明るい中3男子。ユルミスと契約して、悪魔の力を短時間だけ使えるようになった。

 
  
 ロリ(ユルミス・ローズベリ)

 クコと紗明の後輩で、 朔のパートナー。
 ゴテゴテとしたドレスに身を包んでいることからロリと呼ばれている。
 宇宙の記憶媒体であるアカシックレコードの管理をしていたが、解雇されてしまう。
 紗明のことが好きだが、その理由も今だに不明。


 バキュン先輩(栗坂翔くりさかかける

 八雲の兄。大学一年生。バリバリの霊感持ち。
 札狩のことを知っている頼れる助っ人。
 どこかチャラいオーラを漂わせるイケメン。彼女もいるとかいないとか。
 周に初対面でバキュンポーズを取ったことからこんなあだ名がついてしまった。


 〈ヴィンテージ陣営☆目標:札狩なんか知るか。俺達は好き放題やってやる!〉


 シア(プリシア・ローズベリ)

 突然朔の前に現れたロリータ少女の悪魔。
 その正体は、ヴィンテージの幹部&ヴィンテージQ班班長。
 月菜と亨介とともに暗躍中。
 ユルミスとの関係は未だに謎。この小説でのラスボス的立ち位置。


 月菜るな御影月菜みかげるな

  中学3年、コスメ系YouTuberとして活躍中の実力者。
 オシャレとメイクのことなら誰にも負けない自信がある。
 シアの命令で享介とともにヴィンテージとして動いている。


 享介きょうすけ佐倉享介さくらきょうすけ
 
 月菜と共に行動をしている毒舌系男子。ニックネームはキョーちゃん。
 黒札を駆使して戦うが、あまり戦闘向きな性格ではないためいつもはサポートに回ることが多い。
 めったに感情を表に出さない性格だが、怒ると怖い。


 〈天界の住人達〉

 ネートル室長(ネートル・ネクロニカ)

 天界管理室の室長で、クコ・紗明・ユルミスの上司。
 全身が骨だけど、人の事をしっかり見てくれるいい人。骨だけど!
 管理局の全ての課を取り締まっている。
 毎日とても忙しいが、手際の速さで仕事を片付けるできる男。


 ルキア(ルキア・レオンハルト)

 天界管理局保安課の、4番隊副隊長の天使。
 見た目は9歳くらいだか実は200歳越え。
 身長は135㎝程度と小柄な体系だが、その実力はかなりのもの。
 真面目さわやか優等生タイプ……?

 セシル(セシル・バーナード)

 天界管理局保安課の、2番隊副隊長でルキアの同僚。
 明るくマイペースな性格で皆を振り回すが、それさえもお仕事モードらしい。
 ルキアとはビジネス不仲。


 
 

Re: カオスヘッドな僕ら ( No.12 )
日時: 2021/10/06 11:36
名前: むう (ID: evOUbtyP)

 
 プルルルルッ プルルルルッとけたたましい音が鳴り響いて、少女は「ふわぁ」と欠伸を一つ。
 眠たい眼をこすりながら、「もしもし?」と電話を耳に当てた。

 フリルを多用したドレスが良く似合う少女だった。ミニ丈のスカートはフリルが三段もある。
 こんな格好でジャンプでもすれば、絶叫が部屋中に響き渡るだろう。
 白銀の髪は左右でツインテールにしていて、恰好と合わせて彼女は「ロリ」と呼ばれている。


 『遅いぞユルミス! 何かい電話したと思ってんだ!』

 
 電話の向こうから大音量の怒声が流れ、ユルミスと呼ばれた少女は思わず電話を耳から話した。
 そして、欠伸を噛み殺しながら、めんどくさそうに返事をする。

 「ネートル室長ぉ……何の用……?」
 『上司と話すときは敬語!!』
 「ネートル室長ぉ……何の用でございますか……?」
 『はいOK!!』


 眠気のせいで、ろれつが回らないユルミス。
 眠気覚ましに、中央のテーブルに腰かけて紅茶をゴクっと飲み干す。
 この甘すぎない甘さがちょうどいい。ついでに、籠の中に入っているクッキーをぱくり。


 「おいひいでふ、ネートル室長。あほでまた作って持ってきまふねぇ」
 『ありがとう、でも俺の話を聞いてくれ!!』
 「ふわぁぁあーい。了解でふ……」
 『上司と話すときは欠伸をしない!!』


 ユルミスの態度に、ネートル室長はもう堪忍袋の緒が破裂寸前。
 ただでさえおシワの多い室長が、彼女のせいでさらに血管が……(以下略)。
 

 『仕事だ、大急ぎで黒札の現在位置と、クコたちの現在地を頼む!』
 「ふわぁ……パイセンたちなら今は地上ですよ……ふわぁぁぁあ~」
 『そんなことは分かっとんじゃボケ!! 地上のどこにいるかって聞いてんだよ!!』
 「そんなに怒らないでくださいよ……血管、死にますからぁ……」

 
 彼女の悪意のない一言で、電話越しのネートル室長はふるふると震えている。
 これが異世界系物語の美女だったら、「大丈夫?」と声をかけたくなるのだが……。
 何しろ室長は齢8000のよぼよぼお爺ちゃんだ。
 そんなお爺ちゃんのお顔プルプルを見ても、「ああ、血管……」くらいしか思わない。


 ユルミスは億劫そうに起き上がると、部屋の中央に浮いている巨大なクリスタルに近づく。
 これは「アカシックレコード」という記録媒体であり、過去や未来、現在、全ての物事を記録している。

 
 その表面をスマートフォンを操作するようにスクロールし、ユルミスは再び電話を耳に当てる。
 彼女の仕事はアカシックレコードの保管・管理。
 ただでさえ綿密なクリスタルなので、任されるのは相当信頼のおける人物しかいない。

 ユルミスはとりわけ優秀な人材……なのだが……。
 ただいま、寝起きでちょっとやる気が3パーセントしか出てないみたいだ。


「パイセンたちならぁ、東京都のK市の3丁目を只今歩いてるみたいですね。黒札は、はい、……えっと、回収したのがおよそ2489個、未回収130個、そして……。人間に付着しているものが3つほどあります」


 『なるほど……。ユルミス、お前も来週から札狩に参加してくれ』
 「え……っ。ぱ、ぱぱ、パイセンと一緒にやれるんですかっ?」
 『クコが長い事帰ってこない。ちょっと様子を見てやってくれ」
 「はいッ! 愛してますネートルお爺!!」
 『室長じゃ!!』


 うきうきルンルンとその場を舞い、室長の「おいユルミッ」という声をサラッとスルーして受話器を片付けるユルミス。


 ネートル室長がなぜ彼女を地上に送ろうとしたのか、なぜ彼女に電話したのか、その理由を答えるにはまだ早い。
 

 

 


 


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