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- For Emperor Requiem ご感想お願いします
- 日時: 2009/11/21 13:12
- 名前: 神威 琉瑠 (ID: zCJayB0i)
森羅万象のこの世
限りなくゆきわたる
有象無象
嗚呼、つまらぬ
永久に続く命と力があるのに
妾の望みは永久に叶わぬ
嘆かわしいこの世に
今こそ願おう
今こそ欲しよう
妾の望みを
今こそ叶えてみせよ
- Re: For Emperor Requiem ( No.21 )
- 日時: 2009/11/21 12:20
- 名前: 神威 琉瑠 (ID: zCJayB0i)
第十六話;わたしの願い
「マーシャ・・・」
「さあ帝殿、我と共に魔女、マーシャの
永久からの解放を」
テューリエが何か言っている
けれど、突き付けられた現実が、
どうしても受け入れられなくて、
ただただ、首を横に振っていた
「・・・どうした、礼。
妾の願いを叶えてくれるのだろう?」
かわりない笑顔を見せるマーシャ
「マーシャの・・・・願い?」
「そう、妾の願い、永久からの解放。
・・・・無への還元」
無・・・つまり、それは
「・・・死にたいってことなの・・・!?」
私は叫んだ
しかし、その声は彼女に生易しく届いたようだ
「そう、死にたい。
疲れたんだ、贖罪で満たされた生に。
罪を犯したのは確かに妾だ。
だが、その罪は償い終えた。
それなのに、死ねない、朽ちない、滅びない。
・・・・なんて、虚しい・・・・。
だから、礼。妾の願いを叶えてくれ・・・・」
切ない瞳で見つめられる
「・・・私は、春なんかじゃない」
「礼・・・」
すっと前を見据える
「私は皇 礼よ。
ただの人間、一個人。
・・・・それでも、私は、貴方の願いを
叶えたい」
マーシャの顔が驚きの色で満たされる
「覚悟は決まった?帝殿・・・。
では、儀式を執り行います」
テューリエは分厚い本を開き、
鍵を取り出した
「はい。礼。
この鍵を使いなさい」
渡された鍵は古く、錆びていた
「それて、凍ったマーシャの心臓を開くのよ。
貴方はマーシャに<生>を与え、
私はマーシャに<死>を与える。
わかったわね?」
テューリエの言葉に頷き、
マーシャの前にゆっくりと立つ
「マーシャ、お別れね」
「ああ、今までありがとう。恩に着る」
マーシャに微笑みかける
「ねえ、マーシャ、私の願いってさ、
クーリングオフってまだできる?」
「ん?勿論だ。言ってみるがよいぞ」
マーシャは礼の頬に触れ、微笑む
「私の願いはね・・・」
< >
「!礼・・・」
「ふふ、お願い、叶えてね」
カチャン・・・・・
鍵は、開かれた
マーシャの体は、ゆっくりと、倒れ、
静かに消えていった
「・・・さようなら、マーシャ」
頬を伝う、雫
届くことは、ない
- Re: For Emperor Requiem ( No.22 )
- 日時: 2009/11/21 12:52
- 名前: 神威 琉瑠 (ID: zCJayB0i)
最終話;それは、皇帝の為の鎮魂曲
美しい、音色が聞こえる
優しい春の風に誘われて、乗せられて
日溜まりに溢れる、幸せな歌・・・
「・・・綺麗ね・・・。
これは<神様>から、貴方への贈り物よ」
テューリエは後ろに居る人物に声をかける
「・・・・・・・」
後ろに居る人物は何も言わず、
静かにその場を離れて行った
「ふん、嫌われたものね・・・。
私も・・・」
テューリエは笑みをこぼした
どことも知れぬ広大な野原
辺りは万緑に包まれ、生命の恵みが感じられる
そんな野に、テューリエは佇んでいた
「・・・・マーシャの願いは<無への還元>。
つまりは死だった。
礼を使って、自分の望みを果たそうとした」
銀髪の少女は語る
「けれど、礼に特別な感情を抱いた。
それは、計り知れない程の<愛>
山よりも高く、海よりも深く、空よりも広い、
純粋な<心>・・・・。
そして、礼もまた、マーシャを<愛>していた。
友として、母として、・・・<神>として・・・。
マーシャは、その思いに気づいていた。
・・・・それでも無の還元を望んでいた。
・・・私も、礼のことは<好>きだったけど。
<愛>には勝てなかったわね」
そっと瞼を閉じ、また、開く
「ねぇ、マーシャ。
貴方が還った世界は暖かいでしょう?
それは、礼のおかげよ。
あの子が<世界からの解放>という願いを捨て、
貴方の願いを叶える<手伝い>ではなく、
願いを<叶えた>のだから。
そして、願いを捨てただけではなく、
異なる願いをしたことによって、
貴方の<魂>は救われた・・・・・・・。
よかったわね。
帝に、春に、・・・皇 礼に会えて。
今度は・・・あの子の番・・・。
大丈夫。
貴方に代わって私が見守っていてあげるから。
安心しておやすみなさい。
永久のマーシャ・・・・・・・・・」
テューリエの声は、風にのまれて空に舞い上がった
「さて、新しい<魔女>は、
何をやってるのかしらね・・・・。
さっきまでいたのに、どこか行っちゃうし。
まあ<自由>という点ではあの子の初めの
願いは叶っているからいいのかしらね。
・・・運命は巡る。
そして巡り巡って、また会える・・・・・。
だから前を向いて進みなさい」
礼・・・・・・・・・
「貴方には叶えたい願いはある?
変えたい世界はある?
・・・・あるのなら、私が手伝ってあげる。
世界を、未来を、運命を叶えてあげる。
私にはそれだけの力があるから。
私の名前?・・・・そうね・・・・。
私の名前は<ライ>、<永遠のライ>よ」
物語は続く、いつの日か、会える日まで・・・
私の願いはね・・・・・
<いつの日か、貴方とまた、巡り合うことだよ>
それは至福に満たされた、
愛の言葉
- Re: For Emperor Requiem ( No.23 )
- 日時: 2009/11/21 12:56
- 名前: 神威 琉瑠 (ID: zCJayB0i)
これまで読んでくださった皆様!
本当にありがとうございました
もしよければ、ご感想などをお願いします!
ご指摘でもかまいません!
有難うございました!
- Re: For Emperor Requiem ご感想お願いします ( No.24 )
- 日時: 2009/11/21 14:00
- 名前: ぁろぇ ◆et0cofkO4A (ID: 5q2LsCvc)
「神威 琉瑠」さんの読み方がよくわからなくて…「かむい るる」さんでよかったのかなぁ。
小説ですが、一気に読ませていただきました。すっごく面白かったです!
no19の「1万年も前に人が生きていられたの?」のとこ、縄文時代のことを思い出してました。
- Re: For Emperor Requiem ご感想お願いします ( No.25 )
- 日時: 2009/11/21 14:10
- 名前: 神威 琉瑠 (ID: zCJayB0i)
ぁろぇ様、ありがとうございます!
はい、かむい るるです!
ややこしくてすみません(~_~;)
縄文時代辺りを想像しながら書いてたんですが
そんな昔に人って居たっけ?てなったもので・・・。
読んでくださって、有難うございました!!
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