ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 紅—血染め、崩壊の生活。— オリキャラ何人か……募集
- 日時: 2009/11/09 21:13
- 名前: 琉絵 ◆l8pbXGbvPw (ID: kVKlosoT)
*
もし“現実”の人間が“異世界”に来るとしたら
“異世界”は崩壊しますか?
崩壊と言う名の狂気は、恐れられているものである。
もし“異世界”の人間が“現実”の人間と関わるとしたら。
神は許してくれますか?
時に関わりは恐ろしいとされている。
一応↑はプロローグです。
初めまして、琉絵です。
何故同じスレッドを作ったと言うと……
パスワードを設置するのを忘れて居たからです。
……ちなみにこの物語は、現実の殺し屋が異世界と関わる事——簡単に言えば。
時に流血・吐き気を覚えるかもしれないシーンもあるので、苦手な方はすぐに読むのを止めて下さい。
苦情を言われても、作者は受け付けません。
小説の批評は受け付けます。
—扉—
登場人物(紅葉) >>1-2
(一般人) >>7
(異世界) >>19
(その他1) >>20
序話Ⅰ >>3-4
Ⅱ >>5
Ⅲ >>6
Ⅳ >>8
Ⅴ >>9
第1章【—360度回転するきっかけ—】
ファル >>10-12
燐 >>13-14
ミオリ・燐 >>15
イーラ >>16-17
- Re: 紅—異世界と現実人間の生活。— ( No.7 )
- 日時: 2009/10/09 20:04
- 名前: 琉絵 ◆l8pbXGbvPw (ID: aza868x/)
この人物達は、現実のその他の人です。
登場人物
・池田嬬浬(いけだ じゅり)
清らかな心を持つ、優しい女性。
しかし怒ると怖い。
海とは“恋愛”の関係。
20歳。
容姿:向かって左側がセミロング。
右側はショートと異端な髪型。
ワンピース、パンクのファッションを好む。
カラコンを入れており、その色は紫。
身長は165センチ。
・条累吉良(じょうるい きら)
柔道・空手・武道が得意な中学2年生。
オシャレが好き。
表と裏の外見があるらしい。
明るいが、恐ろしい時が……
容姿:普段はセミロングで、一部の髪をお団子にしている。
瞳は栗色。
身長は157センチ。
・軋間流羽(きしま るう)
家族を亡くしている。
親戚の仕送りとバイトで学校生活などを送っている。
バイトは年齢を偽っている。
本当の年齢は14歳。
容姿:黒色の髪、黒色の瞳。
身長は164センチ。
・逢陀刹裡(あいだ せつり)
お嬢様だったが、監視される生活を嫌がって家出をし、今は唯一の味方だった幼なじみの家で暮らしている。
腹黒で結構わがまま。
16歳。
容姿:雪のような真っ白な髪(普段はカツラを被っている)
目はカラコンを入れ、青色。
身長は154センチ。
- Re: 紅—異世界と現実人間の生活。— ( No.8 )
- 日時: 2009/10/12 20:06
- 名前: 琉絵 ◆l8pbXGbvPw (ID: kVKlosoT)
序話Ⅳ
*
「……条累」
「…ほぇ?」
とある中学校の放課後。
時計は4時30分を指していた。
その中の教室の端。
窓際の席で黒い髪、黒い瞳を持つ少年が、栗色の髪、栗色の瞳を持つ少女を起こしていた。
その少年の瞳は、静かに少女を見ていた。
少女は顔を上げ、目を擦りながら口を開いた。
「……おはよー、軋間〜」
まだ眠たいのか、目には涙が浮かんでいた。
『軋間』と呼ばれた少年は、2つの鞄を持っている。
その内の少し潰れた鞄を、少女の机の上に置く。
「……帰ろう」
「うん、帰ろう。てかあたし、いつから寝てた?」
「……3時ぐらい」
「うわ、ホントに? ごめん、バイトは?」
軋間は小さく呟く様に言った。
「……今日と明日休み……」
「へー」
「……条累」
「?」
条累は軋間を見上げて、不思議そうにする。
軋間は条累を抱きしめていた。
「…………?! 軋間?」
「……お前をストーカーしてる奴が居たから、隠した」
彼等が抱き合っている場所は、廊下だった。
しかし廊下の隅に、1つの影が伸びている。
隠れているつもりだろうが、夕焼けのせいで影は伸びている。
それに気づいていないのだろう。
「えー……あ、3日前に来たラブレターがそうかも?」
「……」
「——軋間、送り主ぶっ飛ばして来ていいかな?」
条累の顔つきが変わった。
——本気で気絶させようとしていた。
だが軋間は強く抱きしめる。
「……条……いや、吉良」
「離してよ。今からぶっ飛ばして来る!」
「駄目。絶対に駄目」
条累は溜息を付き、そして軋間に言った。
「分かったよ……でも襲われる」
すると軋間は条累を抱き上げ、そして廊下の隅へと向かう。
そして1つの影は蹴られる。
「いたいな……軋間君?」
「……消えろ」
「何を言っているんだい? 条累さんは僕の物なんだよ?」
1つの喧嘩が始まっている。
しかし終止符は吉良の行動によって切られた。
「……吉良は、俺の大事な奴。だから消えてくれ」
「五月蝿いな……」
「ねぇ、城島君。あたしね、コイツが好きだから」
そう言って、吉良は軋間の腕から飛び降りる。
そして軋間の胸倉を掴んで、自分の方へ引き寄せた。
軋間と吉良の唇がぶつかる。
軋間は逃れようとするが、吉良は柔道・空手・武道を得意とする女子だ。
逃れられず、彼女のなすがままとなった。
深く、長い接吻だった。
唇が離れる。
軋間の顔は真っ赤になり、そのまま片手で顔を覆って立ち座りをした。
城島は呆然としていた。
「あたしの大好きな奴だから。だから諦めてくれないかな?」
城島は立ち去った。
あの光景を見れば。ましてや自分の好きな人があんな事をすれば立ち去るだろう。
「……条累」
「あはは、帰ろっ」
彼女は頬を赤らめながらも、笑っていた。
- Re: 紅—異世界と現実人間の生活。— ( No.9 )
- 日時: 2009/10/12 20:24
- 名前: 琉絵 ◆l8pbXGbvPw (ID: kVKlosoT)
序話Ⅴ
*
車も通っていない。
車のかわりに『馬車』が使われている。
人が歩いている。
緑の髪、赤い髪、青色の髪——
自分達の世界では無い。
此処は自分達の世界では無い。
「刹浬」
「なっ、何なのよ……此処」
白雪の様に真っ白な長い髪を持つ少女の右手を、明るめの茶髪の少年の左手が握っている。
「俺にも分かんねぇ……つか、さっき馬車通ったじゃん?」
「通ったわよ! いくら“東京”でも馬車は使わないでしょ?! 馬車を使うなんて、おとぎ話よっ」
少女は興奮しながら早口で喋る。
少年はその少女に対して言った。
「だろーな。——つか、これからどうする?」
「知らないわよっ!! どうするの……錐磨」
『錐磨』と呼ばれた少年は困っていた。
彼女——刹浬の方が、錐磨にはとても大切だった。
その時だった。少年と少女の前に手があった。
2つの手。
1つの手は人差し指、薬指に太い緑色の指輪が嵌められた。
1つの手は全部の指に、金色や黒色、銀色と髑髏、蜘蛛などのデザインが書き込まれた指輪が嵌めてある。
「……兄貴、何で手差し伸べてるんだよ」
「そういうお前こそ。お前等、大丈夫か? ここ盗人が居るからさ、あんた等も売られるよ」
「う……売られる?!」
「うわ、うるせー、この高い声。だから女って嫌いなんだよ」
「五月蝿いわよっ! このチビ!」
刹浬は自分よりも身長が小さい男に対して、そういい捨てる。
チビといわれた少年——実際小さいが、言った。
「チビ?! うるせーよ、このクソ女!」
「アンタの方が五月蝿いでしょ、この馬鹿猫!」
「猫だと、オラァ!?」
兄貴と呼ばれた少年は、溜息を付く。
そして錐磨の正面にしゃがみこむ。
「お前の名前は?」
「火倉錐磨。あっちの女は、逢陀刹浬」
「変わった名前だな」
「…お前等は?」
少年は楽しそうな笑みを浮かべると、言った。
「俺は、ウィザーク・ホルテスミス。あっちは、俺の弟で、テリカ・ホルテスミス」
ウィザークはそう言った。
- Re: 紅—血染め、崩壊の生活。— ( No.10 )
- 日時: 2009/10/17 21:30
- 名前: 琉絵 ◆l8pbXGbvPw (ID: kVKlosoT)
第1章 —360度回転するきっかけ—
「……軋間流羽か。コイツが、ターゲット?」
「そう、それじゃファル行って来てね」
「へーい」
意気揚々に走り去った少女——ファル。
橙色のサンドバイザーを被り、短めの髪を持つ小柄な少女は外出した。
*
「……へぇ、あいつが“軋間流羽”か」
彼女は彼が歩いている商店街の一角にある、寂れたゲームセンターの中から観察していた。
彼女の姿は、先ほどの姿とは違った。
身長を高く見せる為か、ヒールの高いブーツを履いている。
サンドバイザーのかわりに、帽子を被っている。
そしてショートパンツと白いTシャツを着ていた。
今は秋なのだが、彼女にとって寒さも暑さも関係ないらしい。
「最近のお気に入りのブーメランでも投げるか……チッ、女と一緒か。今殺そうと思ったのに」
小学生にしか見えない少女の言葉とは思えない。
実際彼女は中学生だが、身長の小ささから小学生としか見れない。
「……」
彼女はゲームセンターから出て、彼等の後を追い始める。
彼女の耳に会話が聞こえて来た。
「バイト無いの?」
「……うん」
「何のバイト?」
ファルは耳を動かす。
口元に卑しい笑みが浮かぶ。
軋間は口を開いた。
「……ホスト」
「軋間のこの顔ならモテそうだよねー」
「……店長にはバレてる……でも結構ご指名が入るからとか……で先週1位を取った……」
ファルは裏道に入り、軋間に狙いを定める。
ブーメランをファルは投げようとする。
しかしその手は止まった。
「凄いじゃん! 軋間の家に泊まって料理作る!」
「…………ありがと」
彼女の楽しそうな表情と、彼の嬉しそうな表情。
それを壊すこと——彼を殺す事が出来なかった。
「……何で……だ? いつもならあんなのぶっ壊そうと思うのに……どうして、殺せないんだよ、あたしにはっ!!」
彼女はブーメランを近くにあったゴミ箱に投げ捨てた。
そして彼女は蹲る。
「あいつ等……を、殺す事……できねぇよ。何でだよ……」
彼女は呻くように言った。
*
「美味いな、これ」
「おー、そうか? つか喧嘩すんなよ」
錐磨がコーンポタージュを飲んでいる中、喧嘩はまだ続いていた。
ウィザークはテリカと刹浬に言い捨てる。
「うるせぇ、この女が悪いんだ!」
「そもそも言ったのは、そっちでしょ!?」
大声で喧嘩をしている。
はっきり言って、ウィザークと錐磨にとっては五月蝿いであろう。
錐磨は刹浬に言った。
「刹浬、ほら」
「……」
刹浬は喧嘩をやめた。
そして錐磨から渡されたコーンポタージュを受け取る。
渡されたコーンポタージュをゆっくりと飲む。
「……温かい」
「だろ? ほら、テリカもやめて飲もうぜ」
「チッ」
舌打ちをしたテリカは勢い良くコーンポタージュを飲み干そうとする。
しかし熱々のスープの為、火傷をしかねない。
「あっっぢぢぃぃぃ」
「アホだなテリカ……」
錐磨は呆れながらそう言った。
- Re: 紅—血染め、崩壊の生活。— ( No.11 )
- 日時: 2009/10/18 12:10
- 名前: 琉絵 ◆l8pbXGbvPw (ID: kVKlosoT)
*
「……此処が……ターゲットの家……」
何処にでもありそうな一軒家の門の前。
其処にファルは立っていた。
あの後も尾行した。
しかしこの一軒家の雰囲気がおかしい。
温もりが無く、ただ悲しみが残っていそうなこの家。
彼に一体何があったんだ?
その時、近所に住んでいるらしい40代以降の女がファルに話しかけた。
「あら、流羽ちゃんのお友達?」
「!? い、いえ。……ちょ、ちょっとこの家の雰囲気がおかしいから」
すると女は悲しそうな顔をした。
「……流羽ちゃんはね、家族を失っちゃったのよ」
—失った—
何で失ったのだろう?
ファルはその事に対して、好奇心を見せる。
「……どうしてですか?」
「交通事故よ。それも悪質な……慰謝料も降りたんだけど、彼にとってはそれよりも家族が戻って来てほしいんでしょうね」
……そうなのか。
あいつの背中は何か……あ、そうだ。
“哀愁”が浮かんでいるって感じだった。
女はさらに話す。
「でも、彼女が出来たのかしらね? それから少しだけど楽しそうな表情を浮かべてるのよね」
あの女か……
栗色の長い髪に、瞳も栗色の……
女が立ち去った後、ファルは複雑そうな表情を浮かべた。
「……殺せねぇ……いくら何でも……あいつの大切なモノを奪う気になれねぇよ」
ファルは涙を流した。
普段ならもう殺しているのに、何故か今回のターゲットを殺す事は出来なかった。
唇を噛み締めている為、血が流れる。
それに構わず、ファルは嗚咽もあげずになき続けた。
「殺されたくないが、もっと嫌なのは……」
ファルは立ち上がると、軋間の家へと振り向きながら言った。
「アンタを壊したくない……」
しかしファルは目を瞑りながら考えた。
こんな事、許される筈が無い。
気持ちを知らせたら、きっと誰かが軋間流羽とあの女を一緒に殺すに決まってる。
“氷の刀使い”は絶対に殺すに決まってる。
“馬鹿娘”にも当たったら、もっと危ない。
その時、彼女の肩を叩く者が居た。
「ファル? 何で泣いてんの?」
ビィナラだった。
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