ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ファンタジー・ワールド!
- 日時: 2009/10/30 15:35
- 名前: 魔女 (ID: ZQ92YvOU)
ただいま新型インフルエンザにかかっております、魔女です。
暇なので書いてみようと思ったのですが……。
よければ読んでください♪
- Re: ファンタジー・ワールド! ( No.25 )
- 日時: 2009/11/09 20:51
- 名前: 魔女 (ID: rRtxGeJP)
「そうかい、そうかい!あんたがあたしの娘のガールフレンドかい!」
母ちゃんはそう言って、豪快にイスにドンッと乗った。その重みでイスがギシギシいっている様な気がするのは、俺だけだろうか?
「だっ、だからっ、ガールフレンドじゃないって」
顔を赤らめながら、俺は言った。アリスは赤らめるどころか、真っ青だ。ブルブル震えている。無理もないだろう。自分より二倍は大きい巨体なのだから。
俺の母ちゃんは、まず体がデカイ上に、肝っ玉もデカイ。怖いもの知らずとはこの事だろう。村で一番恐れられている。茶色の髪は、おおざっぱに後ろで束ねられている。大きな体にはまる服は、お手製だ。だが、それほど手が器用なわけでもないので部屋にはホコリがはまってたりする。けれど、ゴキブリやねずみがこの家で出ないことは保証しよう。なにせ、どれだけ知能が低くとも、この家の母ちゃんが恐ろしいことはわかるのだから!
まぁ、こんな恐ろしい母さんですがね、心は広い方だ。悪事には絶対手を染めないし、困っている人がいたら手を差し伸べる。だが、悪い奴には遠慮しないのだ。まぁ、結局は恐ろしい事になるが、やさしい人なのだ。さっきだって、俺が「そいつは俺の連れだ」って言ったら下げてくれた(つまりはそれまで下げなかったと言う事だ)。
「さ、さ、さ、先ほどは、本当に申し訳ございませんでした!」
やっと口を開いたと思えば、すぐに謝罪の言葉。母ちゃんは魔女よりも強いのか。恐ろしい。
「いいんだよ!いきなり持ち上げたあたしも悪い!」
と、また豪快に笑う。
「ところで……あんた、モンスター退治はどうしたんだい?」
「あ……それは……順を追って話すから……」
「それほど長い話なんだね」
「あぁ…」
「その雰囲気は、訳ありだね」
母ちゃんの目が鋭くなる。これだから、隠し事は出来ないんだ。
「実は……アリスは、魔女なんだ」
「……」
「で……魔法族の人たちが、復活して、俺達人間に復讐をしようとしてるんだ。だから、王様のところは、大騒ぎで……モンスター退治できなくて……。アリスは……魔法族だけど……それを食い止めようとしてるんだ」
ズズーッと、母ちゃんが手元にあったコーヒーを飲んだ。
「それで……俺はたまたまあったんだけど、それで……あって……」
窓が、カタンとなった。たぶん、風だ。
それっきり、また沈黙になった。本日二回目。非常に気まずい。
やっぱり、信じてもらえないだろうか——?
それとも、アリスを追い出すのだろうか……?
意と決し、最後の言葉を言う。
「俺は、アリスと一緒に魔法族と止める!復讐をやめさせるんだ!アリスと一緒に旅にでる!!」
それから、もっと重い沈黙になった。
あぁ、もうダメか——そう思ったとき、いきなり厳寒のドアがけたたましくなった。
「なんだろうね、騒々しい……」
そう言って、母ちゃんがドアに近づいたとき、俺は外であるものを目にした。
村の男が総勢で、斧や剣や、火のついた木の棒を持って、目をぎらつかせていた。
「——!?」
俺の頭がフル回転する。
さっきの窓の音は、村の誰かが盗み聞きしていた時になった物音で、その人はたぶん、話の大まかな内容を知ったんだろう。村の人に知らせ、村人はアリスを敵だと思った。魔女だから、殺されると思ったのだろう。そして、俺達一家もグルと思い、俺達を全員殺す気だなんだ——。
「母ちゃん出ちゃダメ!!」
危うく出そうになる母ちゃんを、俺は突き飛ばした。
「お〜い、奥さん〜。ちょっと話があるんですけど〜」
表面は良さそうな声だが、母ちゃんも、窓から外を見て、状況を悟った。
「あっちゃあ〜……」
アリスが大きくため息をついた。
- Re: ファンタジー・ワールド! ( No.26 )
- 日時: 2009/11/09 21:35
- 名前: 魔女 (ID: rRtxGeJP)
↑の一行目の「娘」は、「息子」の違いです。すみません。
レンが女になった!ってツッコミが頂けると光栄です。
- Re: ファンタジー・ワールド! ( No.27 )
- 日時: 2009/11/09 21:51
- 名前: 魔女 (ID: rRtxGeJP)
「か、母ちゃん、どうしよう……!」
「男がオドオドするんじゃないよ!」
俺の言葉を即座に叱る母ちゃん。
「あ、あたしのせいだわ……ご、ゴメンなさい」
「ハハっ」
アリスの言葉に、母ちゃんは鼻で笑った。
「あんたが謝る必要はないよ……村の馬鹿共に謝ってもらいたいものだね」
そして、アリスの頭に手をポンっと置いた。
「あんたは悪くないよ。よく、魔法族のみんなの復讐を止める気になったね……」
やさしい、母親の顔で、母ちゃんはアリスを見た。アリスが、不安と安心の入り混じった顔をする。
「母ちゃん急いで!」
ドンドン!と、ドアを叩く音が、大きくなってゆく。
「あぁ、わかってる。あたしがここで足止めをするからって言いたいけどね、こんな頼りのない息子に可愛らしい女の子任せらんないね。裏口から出るよ!さぁ、三人で逃げよう、どうするかは、それから考えるよっ」
それから、母ちゃんは手際よく、必要なものをまとめ、裏口から出てった。運よく、誰も居ない。裏の山に逃げるため、駆け出した。
もう、家では男達が気がついて、家を荒らしているのだろう。母ちゃんなら、男達を蹴散らすのは簡単だろうが、俺達のために、家を捨ててくれたのか——?そう思うと、母親って言うのはカッコいいなぁ、と思った。
- Re: ファンタジー・ワールド! ( No.28 )
- 日時: 2009/11/09 22:02
- 名前: 魔女 (ID: rRtxGeJP)
なぜでしょう。コメントが少ないのは……。
誰も最後まで読んでいない気がするのは、私だけでしょうか……。
こうなると、私が一人黙々と話を進めているようで……悲しいです。
まぁ、なんだかんだ言って、続きは書きますけどね。
以上、魔女の独り言でした。
すいません。全くの無駄話です。
- Re: ファンタジー・ワールド!(コメください ( No.29 )
- 日時: 2009/11/11 20:36
- 名前: 魔女 (ID: rRtxGeJP)
何とか気づかれずに逃げ延びた俺達は、ゼェゼェ言いながら山から家を見下ろした。
「なんとか逃げたみたいだね……」
母ちゃんが言う。
それから、上でボーっと下を見た。
男達が大暴れしているのが、ここからでもわかる。窓が割れた。ドアからイスが飛び出す。
それ以上は見ていられなく、俺は後ろを向いた。
「母ちゃん……それで、さっきの話は」
「あぁ、もちろんいいともさ」
即答だった。
「じゃあ、アリスと一緒に旅に出ていいんだね!」
俺が楽しそうに言うと、母ちゃんは釘をさした。
「行くからには、ちゃんとその子を守っておやり。あんな男共に売ったら、ただじゃおかないからね」
「おばさん……いいんですか?」
アリスが不安そうに言う。
「なにが?」
「えぇっ……何がって……その、あたしのわがままのせいで、レン君を連れちゃって……」
「わがままだって?」
そしてまた豪快に笑う。
「わがままなんて、誰もそんな事思ってないよ!少なくとも、あたしとレンはね。あんたは魔法族の魔女だからこそ、魔法族の復讐をやめさせられるはずだよ。魔法族のためにも、人間のためにも、頑張りなさい。そしてレン!」
ビクッとする俺。
「この子が死んだら、人間みんな死んでしまうんだから、あんたは、自分が死んででも、アリスを守るんだよ!責任重いんだからね!」
「は、はいぃっ」
そして母ちゃんは、俺達を見て、
「頑張るんだよ」
と言った。
「母ちゃん、俺達が行ったらどうするの?」
「さぁ、どうしようかね。あそこに殴りこむか、このまま他の村に移り住むか……」
そこまで聞いて、俺は安心した。母ちゃんなら、大丈夫だろう。
「じゃあ、行くよ俺達」
「あぁ、頑張りなよ。あたしはそのぐらいしか言えないけど、祈ってるから」
「あぁ、じゃあな」
そして、俺達が森に走り去ろうとしたときだ。母ちゃんが怒鳴った。
「なんか言う事ないんじゃないかい!?」
へ?と思ったが、すぐにハッとした。
「いってきま〜す!!」
「いってらっしゃ〜い!!」
そして、アリスがポツリと言った。
「いい……お母さんだね」
そうか……さっきのクラウスの反応から見ると、アリスは親からも嫌われているのだろう。だから、俺の母ちゃんが珍しく思えた——。
「全部終わったら、帰ろうな、母ちゃんところに」
「……うん」
また、アリスが笑った。
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