ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 裏切り戦争
- 日時: 2009/11/22 23:26
- 名前: 若月星輝 (ID: U0hMzT3c)
こんばんはー^^初めまして!若月星輝と申します☆
此処に来るのは初めてですが、以前まで、コメディ・ライト小説の方で書かせてもらいました^^
そちらの方では、めいプーという名前を使っていましたが、今後からは、若月星輝でいきたいと思います。
そこで、『裏切り戦争』というお話を書いていましたが、読者の方から、シリアス・ダーク小説で書いた方が良いとの意見がありましたのできました。
この、裏切り戦争というお話は、
戦争というか…なんとういか…これ、戦争なんですかね?って感じなお話ですが、どうぞ見てみてください^^
少し、読みにくいかもしれませんが…
感想もお待ちしております〜ヽ(^o^)丿
☆*゜ ゜゜*☆*゜ ゜゜*☆*登場人物☆*゜ ゜゜*☆*゜ ゜゜*☆*
紀伊軍⇒粟生軍⇒赤軍
親方(おやかた)女子
姫佐(ひめさ)〃
乃ノ侍(ののじ)〃
王門(おうもん)男子
空之助(くうのすけ)〃
天光(てんこう)〃
紀伊軍⇒粟生軍⇒青軍
香世(かよ)女子
コヨミ(こよみ)〃
龍ノ太朗(りゅうのたろう)男子
坊ちゃん(ぼっちゃん)〃
紀伊軍⇒閼伽軍⇒青軍
皐月(さつき)女子
蒼知(そうち)〃
小次郎(こじろう)男子
紀伊軍⇒閼伽軍⇒黄軍
如月(きさらぎ)女子
安地(あんじ)〃
琥珀(こはく)〃
宗氏(そうし)男子
啓次郎(けいじろう)〃
虎(とら)〃
法助(ほうすけ)〃
閼伽軍⇒赤軍
渚(なぎさ)女子
茉莉(まつり)〃
里井架(りいか)〃
香奈(かな)〃
百合(ゆり)〃
紫苑(しおん)〃
坂野介(さかのすけ)男子
髑髏(どくろ)〃
龍(たつ)〃
青軍⇒赤軍
夏菜(なつな)女子
三亜美(みあみ)〃
猿男(さるお)男子
涼二(りょうじ)〃
城軍⇒赤軍
響羅(きょうら)女子
琴瀬(ことせ)〃
曝露(ばくろ)男子
雄介(ゆうすけ)〃
*♪*・.。。.・*♪*・.。。.・*♪*目次*♪*・.。。.・*♪*・.。。.・*♪*
>>1 第1話 戦争の始まり
>>2 第2話 閼伽軍との決着
>>3 第3話 次の戦争
>>4 第4話 裏切り戦争の始まり
>>5 第5話 裏切りの底
>>6 第6話 いざ!決着の時
>>7 第7話 新しい世界
>>8 第8話 新軍登場!!!
>>9 第9話 うっかりの赤軍
>>10 第10話 嵐の予感!?
>>11 第11話 恐ろしき夜
>>12 第12話 次の日
>>13 第13話 迷路
>>14 第14話 過去の仲間たち
>>15 第15話 桃色の青春
>>16 第16話 傷つく心
>>17 第17話 仲間危機
>>18 第18話 突然の手紙
>>19 第19話 14人戦争
>>20 第20話 それぞれの冒険-海編
>>21 第21話 それぞれの冒険-山編
>>22 第22話 それぞれの冒険-街編
>>23 第23話 寒い夜、14人の仲間
ヘ(゜∀゜*)ノ*:.。..。.:*ヽ(*゜∀゜)ノヘ(゜∀゜*)ノ*:.。..。.:*
第7話あたりから、会話文が普通になります^^
改めて読んでみてくださいっヘ(゜∀゜*)ノ
感想お待ちしていまぁすっ(っ´∀`)っ
゜.+ε(・ω・`*)з゜+.゜ε(・ω・`*)з゜.+ε(・ω・`*)з゜+.゜ε(・ω・`*)з
私、めいプーが書いている、‘めいプーシリーズ,もよろしくお願いします(゜ω゜=)それと、若月星輝も宜しくです^^
まだ、途中ですが、よろしくねっ(≧∇≦)
- Re: 裏切り戦争 ( No.19 )
- 日時: 2009/11/22 00:11
- 名前: 若月星輝 (ID: U0hMzT3c)
そして次の日。今日から一週間、14人の厳しい戦争(戦い)が幕を開けた。
—————第十九話『14人戦争』—————
朝6時。目覚まし時計とともに、14人は目を覚ました。いよいよ今日が、戦いの始まる日。そう、14人戦争の初日だ。
「おはよう。」
この言葉から、14人戦争の始まりの幕が開けたのだ。
昇降口に集まった赤軍は全員で14人。親方は最後の最後に人数確認をした。
「はいっ!ピッタリ14人います!」
早速船に乗り出そうとした。
皆の姿は、大きな荷物を抱えているところがとても印象的だった。
それに、今は秋だが、冬に近い秋だ。この前も雪が降ったからな。朝はやけに寒い。皆は厚着だ。
親方と涼二は、赤軍の軍長として、計画を立てていたところだった。
「この3つの薬草を、どうやって探したらいいんだろうか…。全員で1つを探してから、また全員で1つ探す方法は…時間がかかりそうだよな。」
親方は深くうなった。
それに対して涼二は、
「やっぱり…グループで探した方が早いと思うな。」
と言った。
それに納得した親方は、
「そうか!例えば、海の薬草は、2人のグループを2つ。山の薬草は、2人のグループをそれぞれ2つ。残った薬草は、3人のグループを2つ。」
と言った。
この作戦を、皆に伝えるために、全員を呼び出した。
「今から作戦を言うから、ちょっと皆集まって〜!」
大声で叫んだ。
すると、皆は眠そうにしながら、フラフラと歩いてやってきた。
皆は寝不足で今まで寝ていたらしい。
そして、作戦を皆に言うと、皆納得して大賛成だった
「では早速、グループを決めるので、くじを引いてください。」
涼二はそう言い、立方形の箱を出した。
「この中に、‘海,‘山,‘街,それに数字が書いてあるので、同じだった人とグループになって下さい」
「え〜私、海は嫌っ。だって泳げないもん!」
「俺は山が嫌だ。虫が居そう。。。」
「はいはい!文句言わない!!!さっさとくじを引いて」
しっかり者の渚は言った。
いっせーのーせっ!の声とともにくじを引いた。
結果は…
海1が、親方、天光。
海2が、三亜美、雄介
山1が、渚、茉莉
山2が、里井架、涼二
街1が、乃ノ寺、坂野介、曝露
街2が、香奈、百合(ゆり)、紫苑(しおん)
という、バラバラな結果になってしまった。
「え———!!!俺、三亜美となんて嫌だ———。」
雄介は天光に怒鳴った。
「いや…俺に言われても…。」
困るように天光は言い返す…。
「やったー!!!うちら女子3人だよー!紫苑〜百合〜」
美香は嬉しそうに言う。
「えー。うち女子一人じゃん〜!!!嫌ぁぁぁー」
乃ノ寺は海に向かって叫ぶ。
それぞれ、良かったところと良くなかったところのグループがあったが、時間もないので、このグループで行くことにした。
「では、早速、薬草探しを開始します。山のグループは、もう山についたので準備してください。」
山のグループは、大きな荷物を抱え、船を降りた。
「じゃ、頑張ってくるよ〜!!!」
と手を振り、山を登り始めたのだった。
船は街の方へ向かい、何も見えなかった海が、遠くの方に街が見えてきた。
船はどんどんと進んでゆく…。
「よし、そろそろ街グループは荷物準備した方がいいね。」
そう言い、荷物をまとめた。
あっという間に船は街に着いていた。
「それじゃぁ!行ってきまっす!!!」
さっきと同じように手を振り、船は街グループを街においた後、海の中心部へ向かっていった。
船に残ったのは、たったの4人。
とても静かだった。
何時もなら25人居るはずなのに、どんどん人が減っていった。さっきまでは14人だったのにな…。
「うっし!!!皆のためにも、頑張るかぁっ〜!!!気合い入れていこうぜ!!!」
静かな船は、親方のこの声により、少し賑わってきた。
「そうだな!山と街の方は、もう始まってるんだ。海の中心部に着く間、海の薬草の事について調べていようぜ!!!」
天光はそう言った。
3か所バラバラになった14人。これから一体どうなるのか…!?無事に薬草を見つける事が出来るのか…!?
—————————第十九話終わり————————
- Re: 裏切り戦争 ( No.20 )
- 日時: 2009/11/22 00:12
- 名前: 若月星輝 (ID: U0hMzT3c)
11人の仲間を助けるために、3つの薬草を探しに行った赤軍。3か所に分かれて探すことにしたが…。
—————第二十話『それぞれの冒険‐海編』—————
「ねぇ!これ見てみて。」
三亜美は、リュックサックの中に入っていた、大きな図鑑を取り出して言った。
そう、海の薬草が載っていたのだ。
「えっと…海の薬草は、海の一番深いところにあって…岩の下にしか生えない。色は、水色と紫の混ざった色らしいよ。」
親方は図鑑を指差しながら言った。
「海の一番深いところは、海の中心部だから、もう少し行ったところだね。そろそろ着替えしようか。」
雄介はそう言うと、船の裏の方へ行き、着替えを始めた。
他の3人も着替えた。
「んじゃ、俺と天光は、あっちの方にもぐって探すから、雄介と三亜美はそっち、宜しく!」
親方はそう言うと、
雄介は
「りょーかいしましたぁーっ!!!」
と、敬礼をしながら言った。
雄介はものすごくテンションが上がっているようだ。
「うちさぁ〜泳ぐの得意だから〜凄く深いところでも泳げるよ〜!!!すごいでしょ?」
三亜美は自慢してきた。
「俺だって、御前より得意だァァァっーーー!!!」
親方は少しムキになりがちで言った。
「はいはい、喧嘩はやめろ。早速海に潜ろうぜ」
天光はそう言うと海に向かって飛び込んだ。
《バッシャァァァ—ン》
天光が飛び込んだ時の海は、少し波が立ち、水しぶきが上がった。
船に乗っている3人にも、水しぶきが上がった。
「うへぇー。こりゃ、冷てぇわ———!!!」
天光は海に浮かびながら騒ぎ始めた。
「んじゃ、俺も入ってみるかな。」
雄介は、助走をつけ思い切り海に飛び込んだ。
《バッシャャャァァァ—————ン》
天光の時よりも、高く、大粒の水しぶきが上がった。
「ぎょぇぇぇーーー冷たいーーー。」
雄介はうきわを使い、海に浮いて遊び始めた。
「ちょい待てぃ!!何でうきわを持って来てるんだ!今日は遊びじゃないんだぞっ!!!」
親方は船から海を下に見る感じで言った。
「はいはーい、分かってるよ。そんくらい。な?親方も入れよ!!!」
雄介はそう言い、親方の腕を海の方へ引っ張った。
「いや…俺はまだ入らなくてい………うわぁっ!」
親方は言い終わらないうちに雄介に海へ引きずり込まれた。
《ジャボー——ン》
「プハッ!まだ入らなくていいって言おうとしたのによー!!!」
親方は息を漏らしながら言った。
「ま、この時間が勿体無いから、早速探しに行こうぜ」
そう言い、二手に分かれて探し始めた。
4人は深い底へと潜ってゆく…。
「あ!もしかして…これ?」
三亜美が持ってきたのは、ただの薄紫色のビニールだった。
「これ、ただのビニール!!!」
親方は言った。
「やっぱり、そう簡単には釣れないのね。」
三亜美は残念そうに言う。
「うわぁ。さみぃ…そろそろ…船に戻らねぇ?今冬に近いって言うのによ…これは辛いだろう…。」
天光はそう言うと、船に上がった。
「それもそうだね。風邪引くと悪いから、今日はこの位にしておこう。また明日頑張ろう。」
親方も船へ上がった。
そして、さっきのように作戦会議を始めた。
「薬草はゴミに似ているから、間違えないようにしないとね。」
「うん。今から図鑑でよく調べてみるよ。」
こうして、今日は海の薬草を見つける事が出来なかった。図鑑で調べ重ね、明日には見つける事が出来るのだろうか…!?
—————————第二十話終わり————————
- Re: 裏切り戦争 ( No.21 )
- 日時: 2009/11/22 00:12
- 名前: 若月星輝 (ID: U0hMzT3c)
海の薬草は結局見つける事が出来なかった…さて、山の薬草は見つける事が出来るのだろうか…?
———第二十一話『それぞれの冒険-山編』———
海1海2のグループが図鑑で調べている時、山1山2グループにはこんな事が…
「いやぁぁぁぁぁーーーーーっ!!!!!」
と大声を上げるン渚。
渚は蛇に驚いているようだ。
「ま、ま、茉莉っ!!!前行ってよ!」
渚は茉莉の背中を押すが、茉莉はなかなか前へ進もうとしない。
これは、山1のグループだ。
山のグループは船から降りた後、山1と山2に分かれて探しているのだ。
茉莉はウジウジして、一言も語らない。
その様子を見た渚は、
「はぁ…茉莉を前にして歩くと、なかなか前に進まないのね。っしょうがない、あたしが前を歩く。」
そう言い、細い道を二人は上って行った。
‐‐‐‐‐その頃、山2のグループは…‐‐‐‐‐
里井架と涼二は順調に進んでいた。
前へ前へというより、上へ上へと上っている。
「順調だね。涼ちゃん。(涼二の愛称)」
里井架は肩に下げていたタオルで汗を拭きながら言った。
今は冬に近い秋だが、動けばそりゃもう暑くなる。
「うん。この山は、統計100メートルの山だから、あともう少し登れば着くと思うよ。」
涼二は言った。
‐‐‐‐‐その頃、山1グループ‐‐‐‐‐
「きゃぁぁぁーーー!!!」
渚は、また大声をあげていた。
そして、渚とともに茉莉は走って行く…。
何があったのかというと、渚が普通に前を歩いていたら、横の草むらから、
《カサカサカサ………》
と、何かが動く音がしたそうだ。
それに驚き、今、夢中に何処かへ走っているのだ。
走るのが遅い茉莉も、これに驚き、ものすごいスピードで渚の後ろについてきて走った。
気が付いたら、いつの間にか頂上に着いていた。
山1が付いた頃、同時に山2の方も着いた。
「お!!!渚やん!!!」
元気よく里井架は言う。
「…あ…里井架ぁ………。」
クタクタになりがちな渚は言う。
「いよいよ此処が…頂上かぁ。」
涼二はそう言うと、図鑑と虫眼鏡を持って探し始めたのだった。
「山の薬草は、綺麗な黄緑色で、鳥のような形をしているらしいよ〜!!!」
涼二は3人に言うと、
「は〜い!!!」
渚と里井架は手を挙げていった。
しばらく無言で探していると…
「あ…綺麗な…鳥…」
と小さな声で、茉莉は言いだしたのだ。
それに反応した里井架は、
「え!?山の薬草見つかった!?マジか!?」
と言いながら茉莉の方に行ってみた。
そこにあったのは、薬草ではなく、ただの鳥だった。
「ったく!!何だよ。ただの鳥じゃん!」
里井架は、少しキレ気味だったが、笑いながら言った。
すると、涼二は虫眼鏡で、茉莉のところにある鳥を観察し始めた。
「あ!この鳥、怪我してるよ。足が出血してる。消毒しないと。」
そう言い、消毒をして小さな包帯を巻いてあげた。
「涼ちゃーん。鳥、大丈夫?」
心配そうに渚は言うと、
「う〜ん…。羽も怪我しているようだから…しばらく飛べないな〜。よしっ!怪我が治るまで、僕たちで看病しよう!!!」
と涼二は言った。
鞄からパンを出し、鳥の口に優しく入れてあげた。
すると…
「ピーチク…ピーピーチク…」
鳥は泣き始め、そしてヨレヨレになりながら飛び始めた。
「あ!!!いきなり飛んじゃ駄目…」
鳥は何処かへ行ってしまった。
「あーぁ。あの鳥、大丈夫だったかな。」
渚と里井架は顔を見合わせて言った。
「あの消毒は、そう早く効かないんだ…。今頃どこかで落ちてしまっているだろうに…。」
涼二は少し悲しそうに言った。
すると…その時、
「…あ…鳥…」
茉莉が指差した先にはあの鳥がヨレヨレになりながら
戻ってきたのだ。
そして、涼二の掌の上で止まった。
「ん?この鳥…何か口に、はさんでいる…。」
よく見てみると、それは、山の薬草だった。
綺麗な黄緑色で、鳥の形をしている。
この鳥は、涼二たちにお礼として持って来てくれたのだ。きっと。
涼二の掌にいる鳥は、薬草を渡した後、再び飛びだって行ってしまった。
その時、涼二たちには、鳥がほほ笑んだようにも見えた。
飛び立つ鳥を見ながら、4人は、
「ありがとう!!!」
と叫んだ。
————————第二十一話終わり————————
- Re: 裏切り戦争 ( No.22 )
- 日時: 2009/11/22 23:24
- 名前: 若月星輝 (ID: U0hMzT3c)
優しい鳥が、山の薬草を届けてくれたおかげで、山の薬草をゲットした涼二達。さて、そのころ街の方では…?
———第二十二話『それぞれの冒険-街編』———
「あ〜っもう!!!此処何処〜!!!」
乃ノ寺は、少しイライラしながら言った。
「街の薬草って、何処にあるのか分からないんだよな…。」
坂野介は、左右前後をちらちら見ながら言った。
この3人が、今歩いているところは、辺り何もない草原。小さな街だ。
「此処はなにもなさそうに見えるけど…?」
乃ノ寺は腕を組んで2人に問いかけた。
「あぁ、確かに何もねぇ、ただの田舎だな。移動しようぜ。こんな小汚い、古臭い街に居たくねぇ。」
と曝露は少しきつい言い方をした。
この街は、ただ一つの一軒家があり、建物もとても古いようだ。近くには、小さな川と、沢山の野菜が植えてある畑があった。
「んじゃぁ、次行くところは、大きな建物がある、大都会ね♪早速、この近くの○○駅から…」
『た…助けておくれ〜!!!!!』
突然、川の方から声が聞こえたのだ。
「お年寄りの声…おばあさんの声!?」
3人は川に駆けつけると、おばあさんが川に流されていたのだ。
「あ!!!今助けます!!!」
坂野介と曝露は猛ダッシュで川に飛び込んだ。
すると、おばあさんの肩を持ち上げて、草原の方へ上がった。その様子を見て、乃ノ寺も、おばあさんの屁を引っ張ってあげた。
「大丈夫ですか!?おばあさん!!!」
3人はびしょびしょになりながら、言った。
おばあさんは、笑顔で、
「ありがとう。あなたたちの御蔭で助かりました。お礼をしたいので、どうぞ、私の家に来て下さいな。」
と言った。
遠慮なくあがらせてもらった。
家の中は、いろりなど、古いものばかりおいてあった。
「どぉぞ、お茶を飲んでってくださいね…」
おばあさんは、温かいお茶を出してくれた。
「ありがとうございまーす!では、いただきまーす!」
おばあちゃんのお茶は、最高に美味しかった。
「わぁ!このお茶、美味しいですね〜」
乃ノ寺は一口飲んで言うと、
「そうかい?ありがとう。このお茶はね、亡くなったおじいさんと一緒に、作っていたお茶なんだよ。」
おばあさんは、微笑みながら言った。
でもその微笑みは、とても悲しい顔にも見えた。
それを聞いた、3人は黙り込んでしまった。
おばあさんはその様子を気にして、
「おじいさんはね、1年前に、病気で亡くなったのよ…。ガンの病気でね…。」
「え…ガン!?」
思わず坂野介は口に出していってしまった。
「そう、ガンよ。病気の事、分かっていたはずなのに、お茶作りなんてするから…。毎日毎日、楽しそうにやっていたわね…。」
おばあさんは、目に涙を浮かべながら言った。
「…それほど…お茶が大好きだったんですね。お爺さん…。」
乃ノ寺は小さな声で言った。
「亡くなった日も、お茶つみをしてたのよ。最中にいきなり倒れて…病院に運ばれたけど、もう、目を…覚まさなかったのだよ…。」
おばあさんは、涙をこぼしながら語ってくれた。
声も、とても震えていた。
「…。」
3人は何も言えず、ただ下を見て涙をこぼしていた。
「…話を聞いてくれて、ありがとうございますね。お礼に、このお茶の葉、持って行ってください。これは、此処の街にしか育たない、珍しい葉なんです。」
おばあさんの言った言葉に、曝露は反応した。
「…街の薬草!?」
曝露は咄嗟に言った。
「街の薬草の事…分かるのかい?そう、これは、街の薬草。私とおじいさんで作ったお茶だからね、絶対に役に立つだろう。」
おばあさんはそう言い、瓶に入れたお茶っ葉を、曝露に渡した。
「あ…ありがとうございます!!!」
3人はとても嬉しそうに言った。
そして、おばあさんに手を振りながら、待ち合わせ場所の船の方へと帰って行った。
その様子を見ておばあさんは、
「とても明るくて、優しい子達じゃったのぉ〜…おじいさん…。」
おじいさんの写真を抱えながら静かに目を閉じた。
そしておばあさんは、おじいさんの世界へと旅立ったのだ。
実はおばあさんも、おじいさんと同じ、ガンの病気にかかっていたのだ。
しかし、病気の事は分かっていても、病院に行きたくなかったのだ。
おじいさんが大事に育てたお茶を、無駄にしたくない、おじいさんの分まで、お茶を育てるという、気持ちがあったからだ。
もしも、このおばあさんが、病院で入院してたら、今頃おばあさんの命はあったはず。その代わり、お茶は腐れて無くなっていただろう。
おばあさんが、命をおとすほど頑張って育てたお茶だ。おばあさんに感謝しないとね。
おばあさんが倒れて、おじいさんの世界へと旅立った事は、まだ誰も知らない。もちろん、あの3人も。
街の薬草とは、おじいさんとおばあさんが、命がけで作ってくれた、お茶の事だったのだ。
————————第二十二話終わり————————
- Re: 裏切り戦争 ( No.23 )
- 日時: 2009/11/22 23:24
- 名前: 若月星輝 (ID: U0hMzT3c)
山の薬草の次は、街の薬草。残りはあと一つ!!!
海の薬草は、手に入るのか…?
————第二十三話『寒い夜、14人の仲間』————
14人の戦いは、6日間続いた。しかし、残りの一つ、
海の薬草がなかなか見つからない。
たった4人の力じゃ探せないという事で、山&街のグループの人からも手伝ってもらう事になった。
-----6日目の夜-----
今日はとても寒かった。風が強いし、雨も降りだした。
寝るときは、船の中で寝ているのだ。
この船は結構頑丈でとても広い。屋根もしっかり付いている。
船は、交換しながら運転する。30分に1回交換ね。
今は丁度、涼二が運転しているところだ。
「少し…雨が強くなってきたようだね。」
涼二は隣に座っている親方に言った。
「うん、この寒さじゃ、今晩は雪が降りそうだ。」
親方は、腕時計で時間を確認しながら言った。
「もうすぐ11時か。次の運転当番って、誰?」
「次はね、紫苑ちゃんと、百合ちゃんと、香奈ちゃんだよ。僕もそろそろ交換かぁ〜。悪いけど、3人を呼んで来てくれない?」
涼二は親方に頼むと、親方は、OKサインをして部屋へと向かっていった。
親方は、皆の寝ている部屋を、静かにノックしてドアを開けた。そのとたん、いきなり枕が飛んできて顔に当たった。
「いってぇぇぇ———っ!!!」
親方は叫んだ。
「あ〜あ〜!!!親方ーごめーん。俺の投げた枕が〜」
雄介は、髪の毛を触りながら言った。
「何してたんだ!こんな夜遅くに!」
親方は、おでこを押さえながら言った。
「見れば分かるだろ〜?枕投げだよ!旅行定番の!」
雄介は、それはもう偉そうに言った。
親方は、手に汗を握り締めながら、
「これは、旅行ではな———い!!!さっさと電気を消して寝る!いいか!!!それと、次の運転当番は交代だから運転室に来るように!!!」
と言った。
「…はーい」
少しいじけて返事をした。
「ちぇーっ。つまんねぇー。もう寝るのかー?」
雄介は皆に言った。
「まだねねぇーよ!!!寝れんしー」
曝露は言った。
そのとき
《ガタガタガタ………ドドォ〜ン》
ものすごい音がした。
「きゃぁっ!な…何!?今の音!?」
今まで寝ていた、渚が言った。
この音で起きたようだ。
「ちょっと、外見てくるな」
そう言った坂野介は、外に出るためにドアを開けた。
そのとたん、外からは大量の吹雪が入ってきた。
「う…うあぁぁっ」
さっきの音は、吹雪のせいだったようだ。
坂野介は、急いでドアを閉めた。
「うわっ、あっぶねぇ…」
その瞬間、部屋中が寒い空気へと変わった。
「…うぅぅ…何っか…話す気になんなくなってきた」
いきなり曝露の様子がおかしくなった。
いつもはあんなに五月蠅い男子が、静かになってきたのだ。
「さ…寒ぃぃぃ〜でも、運転している人の方が、もっと寒いよね…?」
里井架はそういうと、モーフを持って、外へ駆けつけた。
後に続いて、皆も外へ行った。
そう、運転している仲間の元へ行ったのだ。
「あ…あれ?皆まだ起きてたの?」
香奈が皆に言った。
渚と里井架は突然、香奈や百合や紫苑に抱きついた。
「ほら!こうすると温かいでしょ?だから、皆一緒にいようって思ってね」
里井架は笑いながら言った。
「そうだね。うちら、仲間だもん」
吹雪の寒さなんて、皆は忘れてしまっていた。
何故かって?それは、仲間の温かさのせいだね。
————————第二十三話終わり————————
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