ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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DISSOLVE STORY
日時: 2009/12/28 21:03
名前: はせピン (ID: 4Ru1i4kp)

二度目の小説消失しました。
今度は荒しが来た原因だと思います。
尚、バックアップ出来るので再生します。
七魔将の土属性が追加されていたので載せます。

小説の名前の提案は架凛様です。
(↓は架凛様のスレです。)
>> http://www.kakiko.cc/bbs2/index.cgi?mode=view&no=3274


キャラクター紹介

名前「キース・アンバート」(名前提案:架凛様)
性別「男」
年齢「15」
武器「双剣→剣(サーベル系)」
容姿「赤髪に琥珀色の瞳、服装は黒シャツに灰色のズボン。」
性格「冷静・冷酷(ファーナ対面後、冷酷さがなくなっている。)」

キースイラスト>> http://image-bbs.webclap.com/practice/up_img/1260536781-73999.jpg
(イラスト制作者:菜月様)

名前「ファーナ・クレアス」(名前提案:架凛様)
性別「女」
年齢「14」
武器「(後に発表)」
容姿「セミロングの緑髪に青色の瞳、服装は青い服に白いズボン。」
性格「明るく優しい」

ファーナイラスト>>http://files.uploadr.net/554d816e21/002.JPG
(イラスト制作者:雪梨様)

名前「ミルド・シェトリス」(名前提案:架凛様)
性別「女性」
年齢「12」
武器「メイス」
容姿「腰まである銀髪に蒼色の瞳、服装は黒と紫のローブ」
性格「仲間になる以前は非常に攻撃的であったがキース達と一緒に行動するようになってから穏やかになっている。」


名前「リア・ライトネス」(名前提案:架凛様)
性別「女」
年齢「14」
容姿「桜色のお下げ髪にエメラルドの瞳、服装は黒のチュニックワンピース。」
性格「陽気で明るい。少々強気。」

リアイラスト>> http://d39.decoo.jp/data/4/46924/4b37fcd451c47.jpeg
(イラスト製作者:卍樹愛様)


名前「ゼファー・アラウンド」
性別「男性」
年齢「21」
武器「長剣(グラディウス等)」
容姿「ソリッドアッシュに青色の瞳、服装は白いコートに黒のシャツ、茶色っぽい長ズボン。」
性格「冷静で時には冷酷。」

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episode23「奪還!!」 ( No.24 )
日時: 2009/12/28 21:32
名前: はせピン (ID: 4Ru1i4kp)

レオールの王城《大聖堂》。
ハロルド教皇死後前はコンスタンツ王家が治めていて平和だと思われていた宗教都市レオール。
しかし、ハロルド教皇死後、遺した遺言ではコンスタンツ王家の次男トーマが後継ぎに決まっていた。
しかし、その時に重臣の一人であったウィンダムがトーマを幽閉すると同時にコンスタンツ王家の長男セルゲイ討伐指令を出した。
現在ではウィンダムが教皇となり、宗教都市は以前の活気が一気になくなってしまっていた。

しかし、キース達とアルカトラル皇帝ロジェーの協力を得て今、トーマ救出の作戦が行われた!

「ふぁあぁ〜」

大聖堂の周りを見張っている一人のウィンダム軍兵士が欠伸をした。

「おい、何時反乱軍が攻めてくるか分からないのに欠伸なんかするなよ。」
「別にいいじゃねぇか、ウィンダム様は七魔将の一人と協力しているし、ハロルド教皇の元にいた重臣達はウィンダム様の味方だ。攻めてくるなんて玉砕だよ。」

緊張感のない兵士を叱咤しながも話し始める兵士二人。
そうしていた時、一人の兵士が何かに気づきピクッと体を動かした。

「どうしたんだ?」
「何か、声と足音が聞こえないか?」
「気のせいだよ、反乱軍がここに来ることなんか……」

『ワアァァァァァ!!!!』

兵士の声を掻き消して突如前に現れる軍隊。
その軍隊を見て二人の兵士は何の軍なのか気づく。

「アルカトラル帝国の兵士じゃないか!?それに反乱軍も!?」

そう、向かい来る軍隊はアルカトラル帝国の軍隊とセルゲイ率いる反乱軍だった。
勢いの強い二つの軍に二人の兵士は波に飲まれる。
そして二つの軍は大聖堂に入って行った。

「アルカトラル帝国が反乱軍と組んで攻めて来たぞ!追い返すんだ!!」

隊長らしき人物がそう叫ぶが勢力を増した軍隊には敵わず敗走の一方であった。
大聖堂内は既に戦場と化していた。
そんな中、戦っていたセルゲイは後ろで応戦しているキース達に顔を向け……

「キース君!ここは我々に任せて君達は弟を頼む!弟は地下牢にいる筈だ!!」
「分かりました。」

返事をしたキースはセルゲイが投げた大聖堂内の構造の地図を受け取り、ファーナとミルドと共に地下牢へと向かった。
薄暗く狭い階段を下りて行く。
敵の気配は全くない、逆に気味の悪い雰囲気が漂っている。
階段を下り終えると三人の兵士がいた。
しかし、一人の兵士は軽装ではなく、重装備をしていた。
重装備した兵士が片手にしている大剣をキース達に向けた。

「貴様等……反乱軍の分際でウィンダム様に逆らうとは……死で償え!!」

重装備の兵士の声と同時に一斉に襲いかかる兵士達。
しかし、寸でにミルドが術式を示す魔法陣を具現させる。

「ファイアーボール!」

魔法陣から出た火の玉が重装備の兵士の鎧にぶつかる。
相当な力に押されて重装備の兵士は吹き飛ばされ、向こう側の壁に激突し気絶する。
ミルドの力を見た二人の兵士はガクガクと震えて持っていた武器を床に落として土下座し始めた。

「ゆ、許して下さい!」
「トーマ様の幽閉場所を教えなさい……」
「トーマ様はこの……」

二人の兵士は立ち上がって黄金色の扉に指を指した。
キース達は黄金の扉を開けて入ると牢屋と同じくらいの部屋で前には縦長い帽子を被った少年がいた。

「だ、誰ですか……?」

優しい瞳に顔、だがその顔は恐怖に満ちていた。
そんな少年にファーナは近づく。

「君を助けに来た人だよ。今、お兄さんとお姉さんがアルカトラル帝国の人達と一緒にウィンダムの兵士と戦ってるよ。」

優しく微笑んで話すファーナ。
この少年がコンスタンツ王家の次男であり次期教皇であるトーマだと言うことは三人は分かっていた。
トーマはファーナの優しい微笑みに恐怖を無くす。
そして立ち上がり……

「ありがとうございます!」

そう言って頭を下げた。
その後、階段を上がって戻るが既に勝負は終わっていた。
帝国軍とセルゲイ軍の圧勝だった。
生き残っていたウィンダム軍の兵士の数は数十人。
全員がセルゲイとアンフィーの前に土下座をしていた。

「申し訳ありません……ハロルド教皇の死後にトーマ様に付いて行こうとしたものの、ウィンダムに弱味を握られてしまって……」
「それでお前達は私達に敵対していたのか……」

ウィンダムに味方していた兵士達は弱味を握られて付いていた事を聞いたセルゲイは手を顎にあてる。
隣にいたアンフィーがセルゲイに顔を向ける。

「兄上、砦の兵士達は大丈夫でしょうか?」

心配そうに尋ねるアンフィー。
セルゲイは首を縦に振った。

「あぁ、彼等は精一杯やってる。砦を守るだけじゃなくて我々に忠誠を誓っているからな……」

大聖堂を奪還した一方、砦では……

「おのれ……」

橋の前で沢山の自軍を失って苛立っているウィンダム。
門を壊す為に必要な破城鎚(はじょうつい)を何度も兵士達は門にぶつけるが鋼鉄の門の前では全く敵わなかった。
ぶつけている間に絶壁の上で弓矢を構えている兵士に射られるのがオチだった。

「ウィンダム様駄目です!全く通用しません!!」
「うぐぐ……くそぅ!」

全く門を壊せず兵士を失っていく事に悔しがるウィンダム。
その時、ウィンダムの元に一人の兵士が駆け寄って来た。

「ウィンダム様大変です!アルカトラル帝国がセルゲイ軍と連携を組んで大聖堂に奇襲!!及び、大聖堂奪還されました!!」
「な、何だと!?何故帝国が……!?」

『どうやら、支配に失敗した様ね……』

基地に響く少女の声。
ウィンダムと兵士達の前に現れたのは黒いローブを纏い、水色の前髪が見える。
チャームだった。

「ちゃ、チャーム様……」
「大聖堂を奪還されて、砦の奪略の失敗……もう貴方に永遠の命を授ける事は出来ないわ……」
「お、お待ちください!もう一つ、私にチャンスを!!」

土下座してチャームに一つのチャンスを要求するウィンダム。
チャームは片手を前に出した。
途端、鞭が飛び出してウィンダムの首に巻き付いた。
それだけではない、巻き付いた首が紫色へと変わり、次第に体全体が紫色になり、ウィンダムは口から泡を吹いて倒れた。

「ひ、ひいぃぃぃ!!」

チャームの強さを見た兵士達は恐れて逃げ出した。

「結局役に立たなかったわね。欲を丸出しにした人間の目はドブの水同然……」

チャームはそう呟いてその場を去って行った。



大聖堂

「ウィンダム氏はどうすればいいのでしょうか……」
「うむ……」
「セルゲイ様、大変です!」

一人の兵士が謁見の間に入ってくる。

「どうした?」
「ウィンダムの死体を発見しました。毒殺のようです!」
「何だと……?」

突然の敵の死にセルゲイは目を見開く。
隣にいた皇帝ロジェーが前に立つ。

「どうやら、彼に味方していた七魔将に裏切られたのだろう。大聖堂を奪われれば負けですからな。」
「七魔将が……利用価値がなくなると殺してしまうのか……」
「兄上、トーマの戴冠式を……」

アンフィーが二人の間に口を挟む。
新教皇となるトーマにする戴冠式を行う為にセルゲイは無言で顔を縦に振ってトーマに近づいた。

「トーマ、父上の遺言の通りだ。お前が教皇になってこの宗教都市を治めてくれ。」
「兄上……分かりました!」

強気と決意の顔をして冠を受け取るトーマ。
玉座に座ると兵士達の歓声が城に響いた。
その歓声を聞きながら新教皇トーマは皇帝ロジェーに近づく。

「皇帝陛下、この宗教都市レオールはウィンダムの横暴でかなりの被害があります。その為にこの国を帝国の保護下にしてもらえないでしょうか?」

帝国の保護下……それは宗教都市レオールをアルカトラル帝国の領地の一つになる事だった。
新教皇トーマは兄と姉に顔を向けると上の兄妹は微笑んで首を縦に振った。
それを見た皇帝ロジェーは頷いて一人の兵士に顔を向けると兵士は頷いて一枚の紙を渡す。
そして膝を折ってお辞儀する新教皇トーマの前に立って……

「新教皇トーマ。この宗教都市レオールを我が国アルカトラル帝国の保護下、及び、帝国領の一つとしてこの国の一つとして治めてもらう。」
「はい!!」

賞状を受け取ると同時にまたもや歓声が響いた。
そしてトーマが新教皇となったと同時に宗教都市レオールはアルカトラル帝国の保護下になった。

episode24「ジェイトリス運河」 ( No.25 )
日時: 2009/12/28 21:33
名前: はせピン (ID: 4Ru1i4kp)

新教皇トーマの祝賀会が終わってから、キース達は皇帝ロジェーと共にアルカトラル帝国へと帰還する。
三人はロジェーと別れてから《EMPIREGUILD》で次の情報を手に入れる為に控室で待っていた。
数分後にドアが開き、ツカイフが入ってきた。

「待たせたな。」

そう言って手に持っている紙を広げた。

「帝国の南西にあるジェイトリス運河が武装した連中に占領されちまってな。エスタ帝国との交易が出来んくなっちまったらしい……」
「その運河を占領した連中を追い出せと?」

一つの情報を聞いたキースはそう言う。
ツカイフは頷く。

「お前さん達はギルドの人間じゃないが一応手伝ってほしい。」
「引き受けるさ、レオールの時は助かったからな。」

立ち上がって依頼を引き受けるキース。
他の二人も同意なのか立ち上がる。

「運河の酒場にニーナが待ってる。隠し場所は見つかっている筈だから、そこから侵入するといい。」
「分かった。」

頷いてキース達は帝都から南西にあるジェイトリス運河へと向かう。
ジェイトリス運河に辿り着くが運河には要塞の様な建物が建てられていた。
外壁や門の前には覆面を被り、武装をした謎の兵士が見張っていた。
流石に隠密が得意なキースでも無理であった。

「あの守り方は相当なやり手だな……」

陰から要塞の守備を見る三人の中でキースがそう呟いた。

「ツカイフさんが言ってた通り、酒場に行ってニーナって言う人に会おう。」
「そうだな。」

ファーナの言葉通り、酒場に入る。
本来なら野蛮な男達が騒いでいる筈なのだが要塞が建てられている性か暗い。
それだけではなく、人が少なかった。
キースは辺りを見回しているとオレンジ髪で身軽な服装をした少女を……
その少女は以前、金品を盗んでいた所を発見して逃げていた所に魔物に囲まれていた所を助けた少女だった。
キースは少女に近づく。

「ニーナだろ?」

キースは少女の名を言う。
少女はピクンと反応し、キースに顔を向ける。

「えぇ、私がニーナよ……久しぶりねお人好しさん。」

フフッと笑みを浮かべて話し出すニーナ。
キースはニーナの言葉を聞いてふフッと笑った。

「ツカイフの依頼でこの要塞を侵入したいんだが……」
「いいわよ。付いて来て……」

ニーナは立ち上がって酒場を出る。
三人も黙々とニーナに付いていき、辿り着いた場所は運河の倉庫だった。
中に入るとニーナはデスクを動かす。
そこには薄暗い階段があった。

「ちょっと苦労したけど、今の時刻なら見張りは手薄。後は貴方達次第ね。」
「分かった。それじゃあ行ってくる。」
「健闘を祈るわ。」

三人は要塞に繋がる通路を歩いて行く。
しかし、三人は気付かなかった……手薄と言う言葉が油断だと言う事を……

「再び隠し通路を通って来るとは……」

三人が歩いている所が映っている。
それは映像機の様だが三人は気付いていなかった。
侵入した三人を黙って見ているのは金髪の髪に白いスーツを着た男性。
薄暗い部屋の中で幾つもののモニターを見ていた。

「一度は許したが二度目は許されんな……」

青年は三人が映っているモニターを見ながらそう呟き。
目の前にある装置に手を出す。
キーボードを操作するように……

「死んでもらう。姿を見られたくないものなのでな……」

そう言って四角く赤いスイッチを押した。
途端、通路を歩いていた三人に異変が起きた。
上のライトが赤く点滅し、サイレンが鳴っている。

「な、何!?」

突然起こった事態に驚くミルド。
キースは起きた異変で何が起こったのか一瞬で分かった。

「急いで上に上がるぞ!」

二人の手を引っ張って俊足と言える速さで走る。
階段を駆け上がり要塞に侵入した三人だが安心していられなかった。
所々に響く機械音に足音。
音は近づいて行き、最悪な状況に追い込まれる。
辺りを見回していると閉じているシャッターに目を付ける。
ミルドに顔を向け……

「ミルド!あのシャッターに力をぶつけてくれ!!」
「分かったわ!」

ミルドは頷いてシャッターの前で掌を出す。
掌に火の玉が具現する。

「ファイアーボール!!」

鉄砲玉を撃ったかの様に火の玉は掌から発射されてシャッターを吹き飛ばす。
三人は急いで入り階段を駆け上がる。

「紋章術か……」

何処からか三人をモニターで見ている青年がミルドの放った技を見てそう呟いた。

「初級術とはいえ、鋼鉄のシャッターを軽々と破壊するとは……中々のものだ。」

そう言ってまた装置に手を出し操作し始めた。
しかし、操作したのは黄色のスイッチを押しただけである。
青年は無線機を取り口元に近づけた。

「私だ……侵入者の消去(デリート)を頼む。」

そう言うと無線機を懐にしまい再び視線を三人が映っているモニターに移した。
三人は敵との戦いを避ける為に逃げ回っていた。
その時、三人の前に武装をした男性とその左右には片手に武器を持った機械人形(ロボット)がいた。

「お前がこの要塞の主か?」

キースは睨みつけながらそう言う。
男性は首を横に振った。

「我々の要塞の侵入者は生かしておけん。消去(デリート)する!!」

男性がそう叫ぶと両隣りにいる機械人形(ロボット)が襲いかかる。
一体の機械人形が片手に持っているフレイルをファーナ目掛けて振るう。

「キャッ!?」

戦えないファーナは頭を守るかの様に両手で蹲る。
フレイルの鉄球部分がファーナに直撃しようとしたその時、フレイルの鉄球と棒を結んでいる鎖が砕け散り、鉄球が機械人形の顔にめり込んだ。
ファーナの前にはキースが庇うかの様に前にいる。
機械人形はよろけながら後ろに下がる。
途端にミルドは魔法陣を具現させる。
しかし、赤い魔法陣ではなく、黄色の魔法陣だった。

「サンダーボルト!」

戦意喪失状態の機械人形に稲妻が落ちる。
機械人形はバチバチと体に電流を流しながらその場に部品をばら撒いて崩れ落ちた。
男性は二人の圧倒的な力を見ていながらも動揺や驚きもしていなかった。
男性は舌打ちすると階段を昇って行った。

「あっ、待ちなさい!」

ミルドは逃げて行った男性を追っていく。
キースとファーナもミルドの後を追いながら男性を追う。
そして三人が辿り着いた場所は薄暗いが微かにライトが照らしている通路に辿り着いた。

「ここは何だろう?」

辿り着いた場所にファーナは首を傾げる。
三人は通路を歩いている中見かけるのは実験用のカプセルだけだった。
そのカプセルを見てキースはある事を思い出す。
エスタ帝国でファーナが閉じ込められていたカプセルと同じである事を……

(ファーナもこのカプセルに保存されていた……もしかしてこの要塞にいる奴等はもしかして……!?)

歩いている時に何かに気づき、前で歩いていたミルドとファーナの服の後ろの首根っこを引っ張った。
同時に二人がさっきいた足場に僅かに光った何かが電撃の様に走った。
それが銃弾だと三人は気付く。
目の前を集中して見ていると、そこには球型で両手にガトリング砲。
そして頭にバズーカ砲を装着した謎の物体。
その物体を見た三人はアルカトラル帝国に戻る時に戦った自律機動型(オートマシン)と同じだと気づく。

「あ、あの時の……!?」

ミルドは目の前にある自律機動型に指を指してそう言う。
同じ形で同じ作りに驚く三人の前に立っている自律機動型。
キースは自律機動型を睨みつけていた。
そして僅かな殺気を感じ武器を構えた。

「気をつけろ!これは自律機動型じゃないぞ!!」

キースがそう言ったと同時に自律機動型(?)はエンジン音を出して三人に襲いかかって来た。

episode25「vs自律機動型(?)」 ( No.26 )
日時: 2009/12/28 21:34
名前: はせピン (ID: 4Ru1i4kp)

アルカトラル帝国に戻る時に襲いかかって来たアグニム作の自律機動型(オートマシン)。
しかし、機体にある目玉の様な所には先程三人が追っていた男性が乗っていた。
三人に襲いかかる自律機動型の突進を三人は避けた。
と同時にミルドが術式を作り、魔法陣を具現させる。

「サンダーボルト!!」

機械には電撃。
自律機動型の頭上に稲妻が落ちるが何事もなかったかの様に動く。

「攻撃が効いてない!?」

傷一つ付いていない相手を見て驚くミルド。
三人の方に振り返った直後に自律機動型の両手のガトリング砲が一斉に放たれる。

「ちっ!」

舌打ちしながらキースは片手に持っていたサーベルを投げようと振り被る。
しかし、投げようとした時銃弾が肩にあたり金属音が辺りに響く。
機械人(ヒューマノイド)でありながらも人工皮膚とその後にある機体を銃弾は貫き、肩から血が流れる。

「うぐっ……あぁ!!」

激しい痛みに耐えながらも力の限りにサーベルを投げた。
サーベルは空中で回転しながら自律機動型へと向かっていく。
そしてサーベルは自律機動型(?)のコクピットを守っているガラスに突き刺さる。
ガラスは異音を立てて亀裂を増やしていく。

「ミルド!火の玉をコクピットにぶつけろ!!!」

叫ぶキース、ミルドは頷いて赤い魔法陣を掌に具現させる。

「ファイアーボール!!」

掌の魔法陣から火の玉が放たれ、コクピットに直撃する。
爆発音と同時に大量の砂煙が発生する。
自律機動型(?)が反撃してこないかと警戒しながら構える。
しかし、ファーナはキースの肩を力で治していた。
淡い光が貫かれた肩を何事もなかったかの様に皮膚が再生してく。
治し終えるとキースの後ろに隠れた。
砂煙は次第に消えていき、自律機動型の影が見える。
機体にバチバチとショートしたかの様な音を立てている。
砂煙が消えると自律機動型の姿がはっきりと見えた。
崩れ落ちていてコクピットのガラスは辺りに散らばっている。
そして肝心な所である操作していた男性はピクピクと体を震えていた。
どうやら、気絶している様だった。

「や、やったのかな……?」

ファーナが恐る恐るそう呟く。
三人は自律機動型(?)に近づく。
途中、キースはファイアーボールで吹き飛ばされたサーベルを手に取る。
三人が目の前に近づいたその時、スポットライトの様な物に照らされた。

「止まりなさい!」

後ろから女性の声が響き、三人は後ろへと振り返った。
そこには眼鏡を掛け、金髪のポニーテールをした20代後半の女性。
その女性の前には数人の武装した男性が銃を構えていた。

「アンタは誰だ?」

不利な状況でありながらもキースは女性に尋ねる。

「私はリヴァル・カーソンと言います。」

女性はキースの言葉を聞き、自分の名を語る。
リヴァルが片手を前に出すと前にいる武装した男性達が三人を囲む。
銃を後ろから突き付けられ、顔を青くするファーナとミルド。
その二人を見てリヴァルは眼鏡をクイッっと動かす。

「ご安心ください。抵抗しなければ消去(デリート)はしません。」
「消去(デリート)だと?」
「私達が貴方方が何者なのかご存知ないとでも?」

“消去(デリート)”と言う言葉に首を傾げて言うキース。
リヴァルは意外そうな顔をしながらも冷静に言い返す。

「機械人(ヒューマノイド)O−017のキース・アンバート。」
「………!?」

リヴァルから出た言葉にキースは目を見開いた。

「そしてそちらのお嬢さんお二人は半機械人(ハーフヒューマノイド)及び、プロトタイプのファーナ・クレアスとミルド・シェトリス……」
「「………!?」」

更にリヴァルがファーナとミルドの名を言う。
自己紹介もしていないのにフルネームで言われて二人の目も見開く。

「アンバートとシェトリスは独房にクレアスはあの方の部屋に……」

リヴァルがそう言うとキースとミルドの後ろにいた戦闘員が二人の両手を後ろに回し手錠らしき物を掛ける。
一方のファーナは手錠を掛けられていないが前後に男性二人が立ち、背中を押されて行く。

「ファーナ!!」
「キース!!」

男性達に連れて行かれる三人。
一人になったファーナが辿り着いた場所は一つのドアだった。
リヴァルはそのドアをノックする。

「リヴァルです。例のプロトタイプを連れてきました。」
「御苦労、入っていいぞ。」

向こう側から返ってきた男性の声。
扉は自動式なのか開き、リヴァルは入る。
ファーナは逃げようとしたが後ろの男性に銃を突きつけられているせいか、後ろを振り向かず、男性に押されて中へと入った。

「残念だったな……プロトタイプとは言え本人以上の回復術を使うとは大したモノだ……」

部屋にいた男性がそう言う。
ファーナはその男性の顔を見ようと顔を上げる。
男性は金髪にエメラルドの様な煌めきを持つ瞳をしたリヴァル同様、二十代後半の男性。

「私が思い出せないようだな?無理もない。」

男性は立ち上がって歩きだす。

「この世界は嘗て神が統べていた。しかし、神は我々人間を生み出しときながらも愚かな事だと気付かず彼等は地に堕ちた。」

神話の様に言う男性。
ファーナは何も言わず、男性の話を聞いていた。

「我々人間も愚かだ。神と同じ様な愚行を犯すとは知らずに機械人(ヒューマノイド)を作った。しかし、彼等は我々人間の奴隷……復讐や下剋上は無理な事だった。」

男性はそう言ってガラス越しに見える景色を眺める。
話を聞いていたファーナの口が開いた。

「貴方は一体何をしているんですか?」

ファーナの尋ねた言葉。
男性はフッと笑いファーナに近づく。

「私がしている事はこの世界の歴史を変える事、つまりこの世界の天命を無くしているのだ。」

優しい微笑みをする男性。
しかし、瞳は裏を考えている事はファーナは気付いていた。

そう、男性の瞳は自らの野望を隠し込んでいた。

七魔将キャラ紹介 ( No.27 )
日時: 2009/12/28 21:54
名前: はせピン (ID: 4Ru1i4kp)

《神炎》
名前「ギリア」
性別「男」
年齢「13」
武器「大きい剣(3m40cm位)」
属性「火」(先着一名、尚、闇と無は既に選んでおりますので。)
容姿・性格「いつも眠そう。あまり敵視しない。むしろ攻撃する気がなくなったりする。クールで頭脳派。 藍色の髪で襟足長め。瞳はエメラルドグリーン。片目は包帯をしている。」
服装「パーカー?&黒いズボンの上に黒いローブ。(フードはかぶっていない)」

一人称:僕
二人称:ギー
三人称:神炎

必殺技
技名「炎蘭帝夢エンランテイム
説明(剣に炎を溜め、この技を発動させる。炎を無限の小さい火の剣にして、光の速さで四方八方から刺す)

技名「火封岩カフウガン
説明(火を纏った大きな岩を積み重ね防御する。防御技。)
第二形態の姿「片目の包帯を取ると第二形態に。右手に炎の紋章ができ、自ら炎を操れるようになる。」
(キャラ提案者:珠凛様)

《ネレイド》
名前「チャーム」
性別「女」
年齢「18歳」
武器「ムチ」
属性「水」
容姿「10歳くらいに見える。身長140センチ、髪の毛
は水色でロング、パーマがかってる」
性格「クールが基本、まわりのことをあまり気にしない。たんたんとしゃべる。だが、身長の事をいわれると凶暴化する」
必殺技「アクアブラスト」
説明 「水をまとったムチを使う。水には少し毒が入っているためダメージがある。また、首に巻きつけられると、水で、窒息する」
必殺技「キュリアジェット」
説明 「首にかかっている雫型の水晶のネックレスがある。その雫の前に手を合わせると大量の水の塊が出てきて相手を水の中に閉じ込める事ができる。アクアブラストとと同時に使う事でより、相手を苦しめる。」
第二形態の姿「下半身は人魚の様になり水を操れる様になる。」
(キャラ提案者:haru様)

《風花》
名前「アリアス」
性別「女」
年齢「20歳」
武器「身長以上の刀」
属性「風」
容姿「黒髪でロングストレート。紫色の瞳で、身長170くらい。黒いスーツ」
性格「女の子をからかうのが好き。自分の事は「私」と言うが、喋り方は口は悪くないが男っぽい」
必殺技「旋激乱舞(せんげき・らんぶ」
説明「一瞬にして懐に入り込み、居合い切りの『一線』、振り抜いた後相手を切り上げる『廃線』、切り上げた相手を突き刺しながらかまいたちで吹き飛ばす「風終線(ふうついせん」の三つを一瞬で放つ」
必殺技「極・三武龍激破(きょく・さんぶりゅうげきは)」
説明「風の力を刀身に集中させ、一気に三体の風の龍を放つ。龍が相手を飲み込み、体内のかまいたちが相手を何回も斬りつけ、尻尾から出てきたのを2体目の龍が飲み込む。最後の龍は地面に叩き付ける。放った後反動がある」
第二形態(イヤリングをとると、封じられていた風の力が解放されて、すばやくなる。耳が妖怪みたいに尖って、白目の部分が赤くなる。周りの風が大抵の攻撃を受け流してくれる。かなり大きい衝撃だと受け流せない。風の力を使った攻撃が強化され、風の制御が完全になって相手の風の抵抗を強め動きを遅くする事が出来るようになる。が、滅多に使わない。)
(キャラ提案者:のんびり様)


《光を出す死神》
名前「ユキ」
性別「男」
年齢「16」
武器「巨大化する十字架」
属性「光」
容姿・性格「灰色の目に銀髪。性格はマイペースでのんびり屋だが、戦闘状態になれば逆の性格になる。たとえば、暴力的になったりするという・・二重人格・・。死神である」

服装「黒服にガイコツの仮面をかぶっていることが多い、十字架はネックレスにしている。」

一人称:僕 または 俺
二人称:ユキ

必殺技
技名「断罪ノ光」
説明(十字架にこの呪文をかけると、真中にあるエメラルドから光を放ち 敵を数人灰にすることが出来る。)

技名「ムーンライト」
説明(十字架を月の光に反射させて、飾りが毒蛇の飾りになった剣にすることができる。これは夜しかできない・・この剣で戦えるのはユキだけ。)

第二形態の姿(詳しく)「十字架が取れれば、死神として目が赤くなり 人の心を読んだり 予測ができるようになる。」
(キャラ提案者:みちる君様)

《月光の喪壊》
名前「ライル(シャロウ・M・ライル)」
性別「15」
年齢「男」
武器「大鎌(鎌(光)は以上に大きい)」
属性「光」
容姿・性格「黒髪で左目は前髪で隠れている。左目は銀目で右目は隠れているが、光の紋章が刻まれている。性格は優しく兄貴肌の感情表現豊か。緊張感など暗いことを明るくほぐそうとする。悪戯や遊ぶのが好き、笑顔が多い(八重歯がある)が戦闘中などは冷静沈着。でも裏があり短気で少し乱暴者。感情崩壊になる、表は光。裏は影といわれる」
服装「白のロングコートを羽織っていて、上は包帯に血の跡がついている。下は黒のズボン、少しダボっとしている。黒に紅いチャームのついたハットをかぶっている。」

一人称:俺(遊んでいるときなどは僕)
二人称:シャロウ・ライル
三人称:月光の喪壊・狂気の月

必殺技
技名「封月輝光フウゲツキコウ
説明(隠れていた右目の紋章を開眼して力(光・影)を集める、それは鎌の力になる(鎌とは一心同体))

技名「月光叫界ゲッコウキョウカイ
説明(光の世界をひろげ人の感情を狂わすことができ、動きを封じることができる。ガード技にもなる。
第二形態の姿(詳しく)「右目を開眼すると光から闇のように変わり感情が見え操れる。だがそのため人を不幸にも幸にもできる(天使(光)と悪魔(影)のハーフ)
月の光を蓄え強くなれる。髪も輝く」
(キャラ提案者:椿薔薇様)

《吸血鬼(ドラキュラ)》
名前「レオニード」
性別「男性」
年齢「25(不老不死)」
武器「小剣(レイピア系)」
属性「闇」
容姿・性格「白い長髪と分かれて額の見える前髪、吸血鬼の為に赤い瞳をしている。性格は穏やかで冷静だが戦闘になると冷酷。」
服装「タキシードで体を覆える程の漆黒のマントを着ている。」

一人称:私
二人称:貴殿、貴方(偉い人に対して)
三人称:吸血鬼

必殺技
技名「イグザイルスピア」
説明「小剣の刃を闇の槍へと変えて床に突きさし、地面に闇の波動を相手に喰らわす。第二形態使用時は自らも波動を発する。」

第二形態「死霊と合体して周りに負の思想のオーラを纏う。漆黒のマントを広げると魔物の爪へと変化して相手を詰め、そしてみじん切りにする。」

(キャラ提案者:はせピン)


《冥界の零女》
名前「ヴィナス」
性別「女性」
年齢「20」
武器「鞭」
属性「無」
容姿・性格「身長百六十六センチ、体重四十九キロの女性。髪は黒髪のポニーテール。前髪は分けている。眼は紫と金のオッドアイで、若干吊り上っている。
性格はサディストで自己中心的。現実的で、怖いことを言う。利用できる物は利用する。自分が危ない時は仲間を盾にすることも。
体術はあまり得意でなく、正面からの攻撃くらいならかろうじて避けれる。
口調は男っぽい。」

服装「黒と赤のローブを纏って、中には白のセーターと、黒のショートパンツを着ている。ブーツは黒のブーツを履いている。」

必殺技
技名「流星(ナガレボシ)」
説明「流星のような速さで鞭を操り、敵を斬る。」

第二形態「鞭は蛇の様になり、何処までも伸びる。ヴィナスが使う魔術は冥界で使える“冥術”を使うようになる。」

(キャラ提案者:迷鎖様)

元・七魔将
《大地の忍び》
名前「タクト」
性別「男」
年齢「19歳」
武器「鋼線、鎖 約1キロ先までとどく(器用に使う」
属性「土」
容姿・性格「黒い髪、長くもないし、短くも無い。瞳の色は、銀色」
性格 自由気まま、出たり消えたり、マイペース
服装「赤いバンダナ、黒いズボン、白いTシャツ
手首に鋼線と鎖を固定するリストバンド」
一人称:俺
二人称:あんた
三人称:大地の忍び

必殺技「エナジープラス」
説明 「地に、鋼線と鎖を突き入れて地から、生命力をもらい、自分の力にする」
必殺技「END」
説明 「鎖と鋼線をネット状にして、相手に投げつける。かかった場合、相手の生命力、体力、精神力を奪い、自分の力にする。その後、鋼線の先を尖らせ、急所を突き刺す」
第二形態(ある魔物と合体して鎖を武器に変える事が出来る。)
(キャラ提案者:空豆様)

episode26「予言(プロフェス)」 ( No.28 )
日時: 2009/12/29 11:54
名前: はせピン (ID: kS1s3PtF)

「天命を変える……?どういう事……」

男性の言葉を聞いたファーナは目を点にしてそう呟いた。

「抗う事が出来ない運命の事を言う。この世界は機械人の発展によって滅亡へと進んでいる。」

男性は“天命”の意味を説明しながら今起きている事を話す。
椅子に座ると同時にカチッと音がし、モニターが現れる。
映し出されたのは廃墟の街……
その廃墟にはボロボロの服を着て項垂れてゆっくり歩いている人々がいた。

「機械人が作られたと同時に所々に人間達が死んでいる。だが、魂は死せず逆に死者として棲んでいる街を徘徊している。」
「………」
「丁度いい、君に素晴らしいショーをお見せしよう……」

男性は不気味に微笑んで片手の指を鳴らす。
同時にモニターが変わり、今度は武装した男性達が銃を構えている。
モニターは変わり、今度は両方が見えるように移り変わった。
そして、男性が指を鳴らした途端、武装した男性達が銃を撃ちだした。
項垂れている街の人々は撃たれ倒れて行く……
しかし、それを見て逃げ出そうとする者は一人もいない。
やがて、街の人々が全員倒れ、武装した男性達は霞の如く消え去った。

「ははは、塵と化した人間は消え去るのが天命だ。ましてこの世界にいる国の王は何を考えているか分からんがな……」

甲高く笑いながらファーナを見る。
しかし、ファーナは顔を逸らして目を瞑っていた。

「この世界の滅亡を阻止する為に我々は神になる。そしてこの世界の人々に予言(プロフェス)を与える。」
「予言(プロフェス)……?」

男性の出た“予言(プロフェス)”と言う言葉にファーナは首を傾げた。
男性はフッと笑う。

「我々は姿を露わにしない……神の様に人々に予言(プロフェス)を与え、滅亡を逸らす。つまり……」

男性は立ち上がってモニターの前に止まると振り返った。

「地上にいる機械人を抹殺!そして逆らう者には万死に値するのだ!!!」
「………!?」

男性の言葉を聞いてファーナは目を見開いた。
機械人の抹殺、それはミルドが人間を抹殺する事と同じ事だった。
しかし、今いる自分もそれに当てはまっていた。
自分も殺されると心に恐怖が芽生え、顔を真っ青にしていると男性が近づき頬に触れる。

「安心したまえ……半機械人やプロトタイプは我々がこの要塞に回収する。だから怯えなくてもいい。」

一瞬、冷酷だった男性の顔が穏やかになっていた。
しかし、ファーナの頬に触れていた手を離すと冷酷な顔へと戻る。

「リヴァル、早速孤島にある手配している魔導士に伝えろ。火山の火口を止める品を作れとな。」
「了解しました。」

リヴァルは頷くとその場を消え去った。
男性は一人の武装した兵士に顔を向ける。

「彼女を特別室に案内しろ、独房に閉じ込めるのはあまりにも可哀想だからな。」
「ははっ!」

武装兵士は敬礼をしてファーナに手枷を付けて連れて行った場所は貴族と同じ様な豪華な部屋だった。
中に入ると武装兵士はファーナの手枷を外して頭を下げた。

「ご無礼申し訳ありませんでした。」

そう言って部屋を出て行くとドアから鍵を掛けた音がした。
室内の方から鍵を掛ける事は出来ないようだった。
ファーナはベッドに寝っ転がると天井を見て……

「キースとミルドちゃん、大丈夫かな……」

涙目でそう呟いた。



一方、キースとミルドは独房に閉じ込められていた。
キースは閉じ込められる寸前に手錠を外してもらっていたがミルドは手錠を付けられたままだった。
キースは大人しく木のベッドの様な物に寝っ転がって天井を見ている。
ミルドは手錠が取れる様に一生懸命鉄格子に鉄の鎖の様な物を千切ろうとしていた。

「くっ、千切れない……!」

何度もやっているが間にある鉄の鎖は一つも傷を付いてなかった。
放れて自らの力を出そうとするが出ない。
どうやら、ミルドだけ手錠を外してもらえなかったのはミルドが持つ力を封印する為だろう。

「ふぅ、いい加減に止めておけ……」
「何でよ!お姉ちゃんがあの眼鏡女に何処かに連れて行かれったって言うのによく冷静にそんな事が言えるわね!!」

手錠を壊すのを止めないミルドに言うキース。
ミルドは怒鳴りながら一応の姉が心配しないキース叱咤していた。

「もし、この手錠がなかったら、力でこの檻なんて壊せるのに……うぅ〜!」

犬の様に唸り声を上げるミルドを見て呆れ気味に手を顔に添えるキース。
しばらくするとキースは立ち上がり、懐からナイフを取り出した。
ナイフを見たミルドは目を見開く。

「何でナイフなんか……?全部没収されたんじゃなかったの……?」
「両手を出せ。」

キースに言われて両手を前に出す。
手錠の間にある鎖をナイフで切り落とした。
同時に両手首に掛けてあった物が外れる。
切れる筈がない物を切れてミルドは目が点になった。

「お得意の力で鉄格子を頼むぞ、ファーナを助ける前に俺の武器を手に入れないとな……」
「あ、うん……」

ミルドは頷いて片手を前に出し、自らの力を発揮する。

「ファイアーボール!!」

魔法陣から発射した火の玉が鉄格子を壊す。

「行くぞ。」
「言わなくても分かってるわよ。」

二人はファーナを助けにそしてこの要塞の脱出をしようと行動し始めた。


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