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〜アビリティワールド 最終章〜更新再開♪
日時: 2010/05/27 20:47
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

〜第1章 逃亡の果て〜
>>1    『プロローグ』
>>2    『T,N』
>>6    『3度目の脱獄 VSトレバー』
>>10   『テロ集団 ‘ARISU’』
>>13   『新たなる脱獄者』
>>19   『ティム・シャロン』
>>22   『殺し屋‘十戒衆’』
>>24   『ペンタゴン攻撃』
>>29   『バーカス・ファイヤーサーカス団』
>>31   『新たな幕開け』
>>38   『能力者の親』
>>40   『運命の時』
>>43   『闇と光』
>>44   『本当の世界』
>>46   『ヒーローの終わり』

〜第2章 絶望の鎮魂歌〜
>>54   『みんなはどこへ・・・・』
>>61   『最後の歌姫』
>>63   『絶望の鎮魂歌』
>>65   『崩れゆく空 最終決戦へ』

〜最終章前編 人類の運命〜
>>73   『最終決戦その1 VSミラー・モンクトン』
>>74   『最終決戦その2 VSトレバー・ヴァレンティーン』
>>75   『最終決戦その3 トレバーの想い』
>>76   『最終決戦その4 VSギボン・ホプキンス』
>>79   『運命の再会 VS星風人』
>>80   『選ばれた七人のメンバー』
>>81   『空崩壊を止めろ!! VS谷瀬和馬』
>>82   『優太暴走』
>>85   『第2ラウンド』
>>86   『最後の最終決戦 VS谷瀬和馬&ラスト・アビリティ』

〜最終章後編 伝説の英雄たち〜
>>89    『5ヶ月後』

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Re: 〜アビリティワールド 最終章 人類の運命〜27話更新♪ ( No.85 )
日時: 2010/04/02 15:57
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

28話  『第2ラウンド』

ホワイトハウス

静まり返るホワイトハウス周辺。
優太と天地人は地面に座り込み、大きく深呼吸をした。
「終わった・・・」
「あぁ。これで、これで・・・・」
天地人はサングラスを取り、目から涙をこぼした。
優太も空を見上げて涙をこぼす。
空の崩壊はいつの間にか止まり、黒くなった部分は青色に戻り始めている。
「俺が中学の時から始まったこの戦い・・・。20数年の時を経て・・・やっと終わったんだ・・・」
優太は立ち上がると、気絶している七海の横に座った。
七海の表情はうっすらと笑っているように見える。
「七海、これで終わりだ。谷瀬和馬もノアも・・・」
優太はその時、あることを思い出した。
「天地人、アメリカ大統領は誰が今後なるんだ?」
「近いうちに世界全国で会議が開かれて、誰か決まるだろう。」
天地人は立ち上がると、優太と七海に近づく。
「優太、今まで色々すまなかった。最後に力を合わせて戦えたことを光栄に思うよ。」
「俺もだ。もうちょっと、違う出会い方だったらよかったのにな。」
2人が固い握手をすると、ホワイトハウスの門からトレバーの叫び声が聞こえた。

「おーい!!優太!!天地人!!」

トレバーの後ろにはSAT隊員とキラー・テートがいた。
「隊員たちは怪我している者の救助をしろ!!」
キラーは命令すると、トレバーと二人で優太たちに駆け寄る。
トレバーは優太の頭をポンポンと叩くと、笑顔で優太と天地人を見た。
「終わったのか。」
「あぁ。だが、死者が多すぎる・・・」
4人は辺りを見渡した。

テオボルト、クインシー、チャールズ、、バーカス、ジョン・・・

そして、ブラックバーン・・・・

優太は丸焦げとなったジョンの遺体を見つめる。
「先生・・・ありがとう・・・・」
優太はジョンの遺体にお辞儀をした。
「星風人はラットイスケイプに収監した。ギボン・ホプキンスも一応参考人として刑務所に送る。」
「そうか。トレバー、君は署長に復職するのか?」
天地人が聞くと、トレバーは頷く

「先輩!!」

天地人の後ろには、いつの間にか太陽人と天骸人と神谷屡婁がいた。
「お前ら、大丈夫だったか?」
「心配すんな。俺らは大丈夫だったよ。落下した能力者は全員見つかったし、神崎榛名も一命を取りとめた。」
太陽人の言葉に、優太は唖然とした。
「本当か?」
「あぁ。だけど、一応神崎は敵だったし、ラットイスケイプに収監される。」
優太は榛名が生きていることに安堵の息を漏らす。
「とりあえず、ここから安全な場所に避難しよう。」
キラーが全員に言ったその時だった。

『もう、すべてが終わったと思ったかい?』

ホワイトハウスの庭園に設置されているスピーカーから突如謎の放送が始まった。
優太たちはスピーカーの声に動きが止まる。
『まだ何も終わってないよ。世界に残った残り少ない能力者のみなさん♪』
男らしき声が、スピーカーを伝わりアメリカ全域に響き渡る。
「放送はどこからだ!?」
キラーがSAT隊員に聞く。
「近くの放送局です!!隊員たちを向かわせます!!」
SAT隊員たちは銃を構えてホワイトハウスを出ていった。
その時だった。

ズゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!

アメリカが大きく揺れ、アメリカ上空の空が再び崩壊を始めた。
「な!?」
全員はその光景に唖然とし、優太と天地人はスピーカーを睨みつけた。
『さあ。これからだよ、第2ラウンド始まりだ。』
その言葉を最後に、スピーカーの電源が切れる音が聞こえた。
「何者だ・・・・。」
トレバーは谷瀬和馬一派のメンバーを思い出す。

ミラーは死に、ギボンは植物状態。
星風人は現在ラットイスケイプに収監。同じく神崎榛名も。
谷瀬和馬は死んだ・・・残りは・・・

トレバーは口を開け残りのメンバーを思い出した。
「あいつだ・・・L・A・・・ラスト・アビリティ・・・。」
トレバーの言った名前に、天地人と優太も思い出した。
確か、ギボンが炎の壁を創って道を防いだ時、炎が自分の意思を持っていた。
L・Aの能力は物に意思を持たせること・・・。
「そんな奴、何もできないだろう?」
「さぁな。あいつはメンバーの中で一番分からない奴だった。とりあえず、何かする前に倒しに行くぞ。」
「行こう!!」
そして、優太たちはホワイトハウスから近くの放送局を目指した。

**********

ホワイトハウスの陰から、優太たちが走っていく姿が見えた。
「はぁはぁ・・・谷瀬和馬・・・このままで・・・終わると思うなよ・・・・」
大統領室で死んでいたはずのノアは自力で立ち上がると、黒い煙となって窓から外へ出る。
「コバルト中央放送局か・・・」
ノアはそう言うと、黒い煙のまま放送局へと飛んで行った。

**********

コバルト中央放送局

屋上には一機のヘリが止まっていた。
顔に包帯を巻いたラスト・アビリティ、通称‘L・A’はヘリに乗り込む。
「馬鹿な奴らだ・・・。爆弾でまとめてぶっ飛ばしてやる。」
L・Aはそうつぶやくと、ヘリを浮上させてアメリカの地を離れた。
飛び立ったその時だった。

「ぜぇぜぇ・・・」

ヘリの助手席に谷瀬和馬が現れた。
L・Aは和馬の姿を見るとフフッと笑う。
和馬の洋服はビショビショに濡れ、首には絞めつけられた跡が残っている。
「あと少しで死ぬとこだった・・・とりあえず、逃げるぞ・・・」
和馬は深呼吸をし、アメリカの街を見下ろす。
すると、放送局に向かっている優太達が見えた。
和馬は優太を見ると、舌打ちをする。
「次は必ず・・・殺してやる・・・神宮優太・・・」
2人を乗せたヘリは、そのまま優太たちを通り越した。

Re: 〜アビリティワールド 最終章 人類の運命〜28話更新♪ ( No.86 )
日時: 2010/04/02 16:42
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

29話『最後の最終決戦 VS谷瀬和馬&ラスト・アビリティ』

ホワイトハウス→コバルト中央放送局

SAT隊員たちを先頭に、優太たちは放送局へと急いでいた。
「優太!!空を見ろ!!」
キラーの言葉で全員が空を見上げる。
優太たちの真上を一機のヘリコプターが過ぎ去っていく。
「L・Aだ!!追うぞ!!」
「だけど、空飛べる能力者なんて今いない!!」
キラーが叫ぶと、屡婁がニヤリと笑った。
「天地人先輩!!」
屡婁の背中から羽が生え、爪が伸び、まるで天狗の様な姿となった。

「優太!!」

全員の目の前に風代郁が現れた。
「私に触れてれば一緒に大気となってヘリに近付けるよ!!」
優太と天地人は顔を合わせると頷いた。
「行くぞ!!これで終わらせるんだ!!」
天地人は屡婁にしがみつき、優太は郁の手を握った。
「頑張れよ!!」
全員が二人に声をかけた。
優太と天地人が行こうとした時、トレバーが2人を呼び止める。
「優太、天地人、生きて帰ってこいよ。」
2人はトレバーに笑顔で返すと、郁と屡婁とともに空へと上がった。
屡婁は羽をはばたかせ、郁は優太とともに風となってヘリの元へ向かう。
「ある程度近づいたら、お前と君はヘリから離れろ!!俺らで戦う!!」
天地人は郁と屡婁に言った。
2人は頷き、ヘリから2メートルまでの地点に近づく。
相手はまだ気づいてないらしい。
「優太!!両サイドから挟み撃ちだ!!」
二手に分かれ、優太と天地人はヘリの操縦席を覗きこんだ。
操縦席にはL・A、助手席には死んだはずの和馬がいた。
しかし、優太と天地人は和馬が生きていることに驚かない。
「なっ!!」
ヘリに乗っている2人は驚き、優太と天地人はその直後にヘリに飛びついた。
優太は和馬の腹を刃物と化した右手で刺す。
天地人はL・Aの首をつかみ力を込めた。
「あ・・が・・・・」
L・Aは天地人の能力で石化した。
「よし!!」
天地人は和馬を後ろから襲う。
「はなせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
和馬は天地人をヘリから突き落とす。
「天地人!!」
「大丈夫だ!!!」
天地人はヘリから姿を消し、空を舞う。
だが、屡婁と郁がすぐに天地人をキャッチした。
「ありがとう。」
「天地人先輩!!あれ!!」
屡婁がヘリの正面を指さす。
天地人が指さす方向を見ると、黒い煙が一本ヘリに突っ込んでくる。
その黒い煙の正体は死んだはずのノアだった。
「ノア!!」
ノアは天地人に笑顔を見せると、ヘリの方を向く。
「俺を誰だと思ってやがる・・・。」
ノアはそう言うと、和馬を睨みつけた。

「これで最後だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

ヘリ内にいた優太と和馬は突っ込んでくるノアに気付いた。
「ノ、ノア!?」
優太はノアの行動を見てすぐ様ヘリから飛び降りた。
和馬も飛び降りようとするが、足が動かない。
「な、なんで・・・あ!!!」
和馬が足を見ると、L・Aが和馬の両足をつかんだまま石化していた。
「くっ!!よ、よせ!!!」
和馬はノアに叫ぶが、ノアは聞こえていない。
そして、ノアが操縦席に突っ込んだ瞬間!!!


ボォォォォォォォン!!!!!!!!!!!!


ヘリが轟音をあげて爆発を起こした。
優太は郁にキャッチされ、どうにか難を逃れた。
空に止まっている優太と郁、天地人と屡婁は燃えて落下していくヘリを見ていた。
「ノア・・・・」
優太と天地人は声をそろえてつぶやいた。

**********

燃えながら落下していくヘリの中ではノアが和馬の首をつかんでいた。
石化していたL・Aは爆発と同時に粉々となっている。
和馬は必死にノアの手を離そうとするが、ノアの力はものすごいものだった。
「た、頼む・・・助けて・・・・」
「お前は首をつかんでいる時だけ能力を使えない。」
ノアはニヤリと笑うと、和馬の耳元で囁いた。
「お前は細胞一つ残さず消してやるよ・・・」
「や、やだ・・・死にたくない・・・・」
ヘリはコバルト中央放送局めがけて落下していく。
「あそこには爆薬があるんだろう?最後はお前自ら仕掛けた罠で死ぬんだな。」
「頼む・・・な、なんでも・・・・・言うこと聞く・・・から・・・・・」
和馬の手から段々と力が抜けていく。
ノアは最後に和馬にめがけて言葉を言い放った。

「地獄で、また会おうぜ。独裁者さんよ!!!」

ノアが和馬に言ったその時!!

ボォォォォォォォン!!!!!!!!!!!!!!!

ヘリはコバルト中央放送局に落下したと同時に、放送局に仕掛けられていた爆薬が作動。
放送局はけたたましい轟音とともに崩れ、ヘリや和馬、ノアは跡形もなく消え去った。

**********

優太と天地人、屡婁と郁はトレバー達と離れたところに着陸した。
4人は大きく深呼吸をすると、顔を合わせて笑った。
「これで、これで・・・・」
「あぁ。こんどこそ、これで終わりだ。」
天地人は空を見上げる。
空の崩壊はようやく止み、空は除々に元の姿へ戻っていた。
「俺らの勝ちだ。」
優太はガッツポーズをすると、その場にパタリと倒れた。
「優・・・太・・・・・」
天地人も力ついてその場に倒れる。
「先輩!?」
「優太!?」
2人は優太と天地人に駆け寄ると、すぐに足を止めた。
2人はいびきをかいて寝ていた・・・。
郁と屡婁は微笑むと、2人を抱えてトレバー達のもとへと向かったのだった。



__________

Re: 〜アビリティワールド 最終章 伝説の英雄たち〜 ( No.89 )
日時: 2010/04/04 11:05
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

30話  『5ヶ月後』

アメリカ ホワイトハウス

大統領室にいる天地人は鏡の前でスーツを着なおしていた。
「そろそろか・・・」
天地人がつぶやくと、太陽人が大統領室に入ってくる。
「天地人。もうすぐ記者会見だ。何も隠さず、すべてを言え。真実を伝えるんだ。」
「分かってるよ。」
天地人はニッコリと笑うと、記者会見が開かれる部屋に向かった。

記者会見が開かれる会議室に入った直後に、天地人はたくさんのフラッシュを浴びた。
記者の数は50人。
周りには警備員やキラーがいた。
天地人は前に立つと、まずは記者たちに頭を下げる。
「みなさん。こんにちわ。31代目アメリカ合衆国大統領の・・・ライリー・ロックウェル。天地人と呼んでください。」
天地人は笑顔で記者たちを見た。
「本来、私ともう一人隣にいるはずですが、もう一人はみなさんも知っての通り、彼は現在居場所が分かりません。」
天地人が言うと、一人の記者が手を上げる。
「神宮優太さんの居所はまだつかめてないのですか?」
「はい。彼は4ヶ月前に姿を消した。たぶん、もう戻ってこないだろう。」
天地人はそう言うと、記者に質問した。
「ほかに質問は?」
「はい。現在、ラットイスケイプで服役中の星風人の処刑日は?」
「今日の正午だ。」
天地人の言葉に記者たちは時計を見た。
今時刻は11時56分。
「では・・・・もう・・・・」
「彼は大統領を殺し、多くの罪を犯した。」
天地人は頭の中で星風人の顔を思い浮かべる。
「さらばだ。星風人。」
天地人は小さな声でつぶやくと、窓から外を見た。
空の崩壊が止んで、すでに空は元の姿に戻っている。
「ではみなさん。今はお互いを助けあおう。そして、暗黒歴は終わりだ。これからは・・西歴に戻す。」
天地人は最後にそれだけを言うとその場を後にした。

**********

ラットイスケイプ刑務所 処刑場

砂漠地帯の建てられたこの刑務所の隣に処刑場はあった。
星風人は手錠を足枷をつけられ、その場に膝をついて座りこむ。
「星風人。本名、ジャスティン・スターよ。最後の言い残すことはあるか?」
トレバーが星風人に聞くと、星風人は頭をあげて不気味に笑った。
「くたばれ、くそ共。」
「そうか。構えろ!!」
トレバーがそう言うと、星風人を囲むように看守たちが並び銃を構える。
「銃殺刑。少しの苦しみはあるが、すぐに死ねる。」
トレバーは後ろに下がると腕時計を見た。
時刻は正午になっていた。
「用意!!」

カチャ!!

看守10人が星風人に銃を向ける。
「・・・・・・」
星風人は無言で空を見上げた。そして、処刑が始まった。
「撃て!!!」

タッタッタッタッタッタッタ!!!!!!!

10人の看守が銃で星風人を一斉に射撃。
星風人の体をいくつもの銃弾が貫いた。
「やめろ!!」
トレバーの合図で銃声は止み、辺りは静かになる。

バタッ!!

星風人は手足を拘束されたままその場に倒れた。
トレバーは星風人に近づくと、顔を覗き込んだ。
星風人は目を開けたまま、笑顔でこの世を去っていた。
「・・・遺体は焼却しておけ。」
トレバーがそう言うと、看守が星風人の遺体を用意していた遺体袋に入れる。
そして、静かに遺体袋のチャックが閉められた。

************

静かに時は過ぎていく_______


そして、生き残った能力者は______


自分の人生にピリオドを打つため______


それぞれ歩み始めていた_______


Re: 〜アビリティワールド 最終章 伝説の英雄たち〜30話更新♪ ( No.91 )
日時: 2010/04/07 15:05
名前: 茄穏 (ID: 1JjPbNpp)

以外にまだ続いていますね。
30話目も期待しています。
そして、遊太さんここまでお疲れ様でした。

Re: 〜アビリティワールド お知らせ〜 ( No.92 )
日時: 2010/05/27 20:48
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

更新再開でーす!!
キャストは次回うp♪


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