ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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 Lost. 【№11 up】 オリキャラ求む!!
日時: 2010/03/28 19:16
名前: 獅堂 暮破 (ID: QYDGIf3B)

どうも、獅堂 暮破という者です。

ちなみに初心者アーンド駄文作者という最悪状況の者でもある。
こんな暮破をどぞ、よろしく頼みます。

話の内容は簡単に言えば、
大変な事に巻き込まれてしまった少年の物語。
↑(簡単に言い過ぎ!!

んー……
内容はプロローグを見てください!!
(なら最初から書くな!!

て訳で、
 Lost 
  はじまります。

□ Lost □
№01 「契約」  >>01
№02 「久我」  >>02
№03 「証」   >>03
№04 「悪魔」  >>04
№05 「出会い」 >>05
№06 「天使」  >>12
№07 「カオス」 >>15
№08 「争い」  >>16
№09 「父親」  >>19
№10 「兄貴」  >>20
№11 「彪と親」 >>27

□お客様□
◇ 柊様 ◇ 羽鳥様 ◇ 迷鎖様 ◇ みちる君様 ◇
◇ 羽音様 ◇ クマ様 ◇ めだか様 ◇ 理郷様 ◇

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Re:  Lost.  ( No.1 )
日時: 2010/03/14 19:49
名前: 獅堂 暮破 (ID: lThj527p)

№01 「契約」

朝日が昇り、窓からは明るい光が射し込む。
季節は春。
桜の蕾も開き始め、日も高く昇るようになった。
「ん……。朝、か」
俺はカーテンの隙間から漏れた光で目を覚ました。
白い光が筋となり俺の顔を照らす。
「時間は……うっわ、最悪」
時計の針は午前五時を指していた。
普段より二時間も早く起きてしまった。
「二度寝も出来そうにないし。起きるか……」
俺は銀色の髪を手で梳きながら立ち上がった。
寝間着を脱ぎ捨て、ハンガーに掛けられた制服を着る。
そして寝室を後にし、一階へと下りていく。
普通ならここで母親や父親の声が聞こえるのだろうが、俺の耳にそれらしき音は入らない。
それもそうか。
両親は随分前にいなくなった。
いや。
消された、と言ったほうが正しいな。
俺は栄養剤を口に入れ、水を飲み込んだ。
最近朝食を取る気も失せて、こんな物ばかりを食している。
「じゃ、いってきます。お袋、親父」
俺は玄関に飾られた写真に向けてそう言い、家を出た。

時間はまだ五時半、これじゃあ学校も開いていない。
「どっかぶらついてくかな」
俺は学校へ向かう足を止め、逆の方向へ進んだ。
この先には海が良く見える公園がある。
昔、よく親子で来た思い出の場所とでも言うか。
波の音が耳に入る。
俺はブランコに腰掛けて目を閉じる。
耳に入るのは波の音と、自分の鼓動。
真っ暗な世界にそれだけがよく響いた。
「つまんねー」
ボソッと呟いたその声は波によって掻き消される。
ふと人の気配を感じ、俺は目を開いた。

「何がそんなにつまんねぇの?」

目の前でそう尋ねるのは同じ制服を着た男だった。
黄金色の髪が海の青と綺麗に重なる。
そして空と同じ色の瞳。
「お前、誰?」
俺は見た事もないソイツにそう訊いた。
「ん? 俺? 俺はちょっと訳ありの美青年、ってとこかな」
あ、なんかヤバそうな奴と口利いちまった。
青年はそんな俺の心とは裏腹ににこっと微笑む。
なんか、何言ってもきかなそうな奴。
そう思った俺は青年に問う。
「名前、何?」
そう訊くと彼は笑顔のまま答えた。

「久我 伊月(クガ イツキ)、君と同じ高校の二学年」

そう言った伊月の顔を俺はじっと見つめた。
よく見てみればこんな奴、いたかもしれない。
しかも同じ学年だ。
一度ぐらい会っていてもおかしくないか。
そんな事を悶々と考えていると後ろから肩に顔を乗せられた。
「名乗ったんだから、次は君の番でしょ?」
そう言われ、俺は「近いっ」と一喝してから答えた。

「日向 彪(ヒュウガ アヤ)、アンタと同じ二学年だ」

「女の子みたいな名前だね。彪ちゃん?」
あ、コイツ俺の地雷踏みやがった。
死刑、確定?
俺は地雷を踏んだ久我に投げ技を仕掛けた。
だが、奴に足を掛けられ一緒に地面へダイブ。
公園の一角に砂埃が充満した。
「てめっ、何しやがんだボケ!!」
俺は久我の顔に一発強烈な拳を打ち込んだ。
「いってー!! 彪こそ何すんだよ!!」
しかもいきなり呼び捨てとは良い度胸だ。
俺の事を呼び捨てする奴なんてそういないぞ。
「そろそろ、学校行く」
俺は地面に倒れている久我にそう一言残し、その場を去ろうとした。

「待てよ」

急に久我の真剣な声が耳に入った。
振り返ろうとした瞬間、腕を掴まれ引っ張られた。
「な、てめっ」
俺が再び拳を喰らわせようとすれば、久我は俺のその拳を易々と避けた。

「今の人生がつまんねぇなら、俺と契約しない?」

いきなり言われた意味不明な言葉。
俺は久我の真剣な瞳に完全に捕らえられていた。

Re:  Lost.  ( No.2 )
日時: 2010/03/14 22:46
名前: 獅堂 暮破 (ID: Bj.1bVbu)

№02 「久我」

「……は?」
最初に出た言葉はそれだった。
いやだって、いきなり契約だの言われて「はい、します」とか「いいえ、しません」とかそんな答え返せないだろう。
返せた奴を俺は尊敬するよ。
「契約って、何のだよ」
俺が問えば久我は少し悩むように顎に手を当てた。
「簡単に言えば、俺がこの世界で狩りを自由に出来るようにするための契約、かな?」
意味分かんねぇ。
いや、マジで。
ホント何コイツ、もしや電波か?
俺は目の前の久我を見つめながら、そんな失礼な事を考えていた。

「でも、簡単に言っちゃえば今の彪ちゃんの退屈でつまらない人生からは抜け出せるよ」

「!!」
その言葉に俺は思わず反応した。
それを見た奴は嬉しそうに笑っている。
いや、にやけている。
「何だか意味不明だけど、お前とその契約ってのをすりゃ、俺はこのつまらねぇ毎日から解放されんのか?」
久我はコクリと頷いた。
俺は唾を飲み込んだ。

つまらない毎日からの解放。
退屈からの救い。

それが今目の前にある、のかもしれない。
何もせずにこのまま、つまらない中にいるのは俺の主義じゃない。
かなり怪しい。
でも、
俺は……

「分かった。お前と契約、してやる」

久我は「よっしゃ」と拳をグッと握った。
そして久我が俺の肩に手をポンと置いた。
「ちょっとびっくりすると思うけど……」

「は?」
そう久我の顔を見上げようとした時には遅かった。
何かが唇に触れている。
まさか?
いやいやいや。
ここ、シリアス・ダークだし。
ありえねぇよな!?
でも、
これってあれだよな。

キス

男と?
俺が?
キス?

「っ」
次の瞬間痛みが身体を襲う。
しびれるような痛み。
足に力が入らなくなり俺の身体は支えを失う。
倒れそうになった身体を久我が支えた。
「おま、何……しやが、った」
眩暈に襲われ、視界が揺れる。
「ごめんねー、かなり驚いたよねー。でもこれが“契約”の第一歩なんだよ。“悪魔”である自分の血を相手の身体に侵入させるのが」

……悪魔?
ナニソレ、漫画かよ。
ありえねぇだろ。
この現代社会に? 科学の進んだこの世界に?

悪魔?

ヤベ。
なんかめっちゃくらくらしてきた。
「ちょ、彪ちゃん!? え、マジ!?」
久我が俺の名を呼ぶ。

すんません。
もう、なんかいろいろ無理みたいだ。
最後に見たのは焦る久我の顔。
そこで俺の意識は途絶えた。

Re:  Lost. (なんか危なくなってきた;; ( No.3 )
日時: 2010/03/15 17:48
名前: 獅堂 暮破 (ID: IurYi9vr)

№03 「証」

懐かしい夢をみていた気がする。
あれは俺がまだ十歳の頃。
お袋も親父も元気でそして俺もごく普通の小学生だった。
普通に手をつないで歩いたり、喧嘩をしたり。
本当に、
どこにでもいるような普通で、そして幸せな家族だった。
しかしそれも崩れ去る。

飛び散る真っ赤な血。
肉の裂ける嫌な音。
骨の砕ける音。
両親の叫び声。
そして俺を見つめる瞳。

「彪……お前、だけ……は」
親父がクローゼットの中の俺に優しい瞳を向ける。

「生き残れ……」

誰に、何のために二人が殺されたのか、
それは六年経った今でも解明されていない。
最初は俺も必死に手掛かりを探していたが、今はもうそんな事すらしなくなった。
ただ虚しくなるだけなら、何もしないほうがいい。
そう考えた結果だろうか。

「——や。彪ちゃん?」
名を呼ばれ俺は薄っすらと目を開く。
真っ白な天井、それに消毒薬の鼻を突くにおい。
ここは、学校の保健室か?
そう思っていると目の前にいきなり久我が現れた。
突然の出来事だったため俺は見事にベッドから落ちてしまった。
「うー……。んだよ、今日はマジで厄日かよ」

俺はこの時、あの久我との出来事もてっきり夢かと思っていた。
でも、目の前にいるのは久我本人。
夢じゃ、ないっぽいな。
……いっそ夢であってほしかった。
「彪ちゃん!? 大丈夫?」
久我が心配そうに手を差し伸べる。
俺は素直にその手に掴まって起き上がったが……。
あれ?
そう言えば、コイツ俺にキスしやがったよな?
あれ、夢じゃないんだよな?
「あのさ。さっきの、あれ。何だった訳?」
俺は奴から手を離し軽く不機嫌そうに問う。
「あーあれ? 説明したじゃん。あの時、俺は自分の唇を切って、血を彪ちゃんの身体に入れた。つまり契約をしたんだよ」
そう言えばそんな事言っていたかもしれない。
俺はまだ半ば警戒心を見せつつ彼を見つめた。
「……腕、見てごらん」
そう言われ俺は自分の左腕に目をやった。

「はぁ!?」

そこにあったのは黒い大きな模様。
蝶と黒い逆さの十字架が描かれていた。
しかも擦っても落ちない。
「んだよこれ!!」
俺が混乱して半分泣きそうになっていると久我は楽しそうに笑って答えた。

「契約の証、みたいな感じ。ほら、俺の右腕にも同じのあるでしょ?」

確かに奴の腕にも同じ模様があった。
刺青のようにも見えるが、それとは少し違う。
どちらかと言えば痣、の部類に入るか。
「詳しい事は後で話すよ。とりあえず、教室行かない? 今、五校時目だよ」
その言葉に俺は急いで靴を履き、保健室を飛び出した。

「ただでさえ俺は勉強ヤベーのにどうすんだよ!!」

これも何もかも、
久我 伊月、お前のせいだぞ!!


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