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ポゴリツァ戦史
日時: 2010/03/20 17:18
名前: ポゴリツァ脱走兵 (ID: fjWEAApA)

どうも、ポゴリツァ脱走兵です。
前の作品、消されてしまったのかと思っていたら実はエラーで一時的に見えなくなっていただけのようです。
早やとちってすみません。
よろしければ『タホ戦争 ある兵士の記録』と並行して見てってやってください。

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Re: ポゴリツァ戦史 ( No.1 )
日時: 2010/03/20 00:17
名前: ポゴリツァ脱走兵# (ID: fjWEAApA)

イルツリップ暦2938年1月27日

民族対立・宗教対立そして資源の領有権争いに揺れるポゴリツァ共和国は、かつてから対立してきた隣国イヴィ=ザード共和国に奇襲攻撃を開始。
すぐに両国は全面戦争に突入。タホ戦争が始まった。

※イルツリップとは・・・本名トムンフク・イルツリップ。

プリ・ヌパーク教の教団創始者で、当時、呪術で疫病から人々を救ったとされる人物。
イルツリップ暦はイルツリップの生誕した年をイルツリップ暦0年としている。ポゴリツァではプリ・ヌパーク教を信仰する者が人口の約7割を数え、イルツリップ暦を採用している。

ポゴリツァ・・・イルピン大陸西部にある共和国。
面積31万4千平方キロメートル。
人口は3013万人(2937年統計)。
首都はハルバラ—。
タングァー海に面していて農業、漁業が盛ん。近年はツヴァイ油産業が急発達している。
ポル人74%、ザード人11%、混血9%、その他6%。多数派のポル人主導の政府が統治。
現大統領はアポレル・ヒッポー氏。
公用語はプグル語。
国教はツリ=ヌバーク教。
GDP 1兆7965億ピェル(2936年統計)。

イヴィ=ザード・・・イルピン大陸南西部にある共和国。
面積49万1千平方キロメートル。
人口6561万人(2935年統計)。
首都はオプネ=メギッサ。
主要な産業は農業。近年ツヴァイ油産業が発展している。
ザード人63%、混血15%、ポル人11%、ミン人6%、その他5%。
現大統領はスティ=ミヒル氏。
公用語はズーディ語。
人口の半数以上がザーダー教を信仰。
GDP 21兆7082億ジス。


Re: ポゴリツァ戦史 ( No.2 )
日時: 2010/03/20 01:04
名前: ポゴリツァ脱走兵# (ID: fjWEAApA)

2938年2月30日 ハルバラ— ポゴリツァ大統領官邸

ポゴリツァ大統領補佐官「今日までにウル=カレン、ジンヌム=タク以外の全てのタホステップ諸地域の制圧が終わった模様です。来月の半ばには残る両地域の制圧を完了し、この戦争は終結となる予定です。」

アポレル・ヒッポ—「よし。これでわが国も大国の仲間入りだ。後は後ろ盾のキルヒフ連邦が国際世論を静めてくれるさ。そうでなくとも世界国家共同体(国連の役割を果たす)はキルヒフの反対1票で何も動けなくなる。」

ポゴリツァの事実上の独裁者、アポレル・ヒッポ—は大統領執務室で静かに微笑んでいた。
もうすぐでイルピン大陸のほとんどのツヴァイ油の利権が自分のもとに転がり込んでくる。
そう思うと内心笑いが止まらなかった。
この独裁者には自分がイルピン大陸の盟主に、そしてポゴリツァを先進国とも肩を並べる大国にせんというかねてからの野望があった。
それが今、実現の1歩手前まで来ていたのだった。
ここで油断してはならんと部下に命令を下す。

ヒッポ—「ケチャマウリ本土防空軍司令に、今後のイヴィ=ザードへの空輸妨害の進行について話がある。後で呼んでおいてくれ。」

大統領補佐官「分かりました。失礼しました。」

部下が部屋から出て行く。
独裁者はやっと一息つき、これまでの道程を思い浮かべていた。

Re: ポゴリツァ戦史 ( No.3 )
日時: 2010/03/20 18:04
名前: ポゴリツァ脱走兵# (ID: fjWEAApA)

同日 ウル=カレン 南部イヴィ=ザード軍陣地

今ここにはイヴィ=ザード全土からかき集めてこられたばかりの徴集兵と前線から命からがら撤退してきた古参兵達がひしめきあっていた。
皆表情には不安や怒りが滲みでていた。
しかし、かなりの劣勢ではあったものの誰一人として勝利を諦めてはいないようだった。

イヴィ=ザードという国家そのものの危機。
生まれて始めて祖国の危機に直面し、自分が救世主になるのだと理想に燃えている若い兵士が大勢いた。

アージルもその若者のうちの1人だった。
発展教育機関(高校)を出てすぐにタホ戦争が始まり徴集され、これから始まるはずだったパン屋での就職は不意になってしまったがそのこと自体は後悔などしていなかった。

むしろこれからの戦闘で武功を立てて英雄になり、故郷を凱旋するのだと意気込んでいた。


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