ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 人喰い物語
- 日時: 2010/06/12 22:02
- 名前: 花札 (ID: UTtYHGn5)
はじめまして。 初投稿でしかも投稿はちょっとおそいかもしれません。 しかも文章変かもしれません〔汗〕 それでもがんばらせていただきます!
- Re: 人喰い物語 ( No.40 )
- 日時: 2010/06/23 17:59
- 名前: 花札 (ID: 2rTFGput)
「・・・・・・い・・・・・・この・・・・・・・・
まだ・・・・・・・・・・なん・・・・で・・・・・
生きて・・・・・・・・・んだ?」
「『人喰・・い』・・・・・・・・・・生命・・・・
力は・・・・・・ある・・・・んだぜ?」
「・・・・・・も・・・・・・なぜ・・・・・・死なな・・・・・・・・・・・い?」
「も・・・・・・う全身・・・・・・・逝っ・・てんじゃない・・・・・・のか?」
「な・・・・・・ぜだ・・・・・・・・ばけも・・・
の・・・・・・・・・」
兵士達の声に全部雑音がかっている。
うるさいなぁ。
少しは黙れよ。
「・・・・・・つ!・・・・・・いつに・・・・・・
死・・・・・・・だ!」
「ひいい・・・・・・・・!・・・・・ば・・・・・
ばけ・・・・・・・・も・・・・・・・・!」
なに?
あたしが死なないのがそんなに可笑しい?
滑稽かい?
哀れかい?
不気味かい?
黙れよ。
「ひゃああああ・・・あああああ・・・あ」
兵士は死なないシンデレラに恐怖を抱き始めた。
「い・・・・いやだ・・・・・・・・・・た・・・・ない・・・・・・・う・・・・・・見たくない!」
泣き始めるものまで出てきてしまった。
「・・・・・・・ころ・・・・・・・・せ・・・・・
殺せ・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
「いま・・・・ぐ!」
「早く・・・・・・やれ・・!」
シンデレラの今の姿は血みどろで誰もが死んだと思うような有様だった。
体は血に染まり。
目は虚ろ。
腕や足は変な方向に向いていた。
指はねじれていた。
斬り傷、擦り傷、痣は大量。
撃たれた痕も数知れず。
でも生きていた。
虫の息で。
シンデレラの今にも閉じてしまいそうな暗い視界は兵士の一人が鋭い鋭利なナイフを持ってこちらに来る光景を映した。
・・・・・さすがにあれに刺さったらもう駄目かも。
「殺せ!・・・・・・せ!・・・・・こ・・・せ!」
兵士達の声がする。
兵士達は『人喰い』といっても少女の姿をしたシンデレラの今の有様を見てもう耐え切れなくなっていた。
あれだけ銃で撃たれたのだからすぐに死ぬと思っていたのだ。
『人喰い』でもこんな状態になったら誰でも死ぬだろう。
でもシンデレラはまだこの世に存在していた。
「・・・・・・せ!・・・・・・殺せ!!」
兵士達の大きな声とは裏腹にナイフを持った兵士は震えていた。
もうこんなボロボロで放っておけばすぐ死ぬやつをなぜ殺さないといけない。かわいい人間の少女の姿をしているんだぞ・・・・・・・・・。
そう思っていた。
そして兵士はナイフを大きく振りかぶった。
・・・・・・・・・ああ
・・・・・・・・・お別れだ
肉に突き刺さった鈍い音がした。
その兵士は体重をかけてシンデレラの身体を突き刺した。
地面まで突き刺さったのではないかというくらい強くさした。
兵士は涙を零した。
「・・・・・・・・・・・・すまない」
それが兵士の最後の言葉だった。
シンデレラは最後の力で自分の身体に多いかさぶった
兵士の涙を流した顔を両手でやさしく挟んだ。
そして天使のような美しい笑顔で言った。
「バイバーイ・・・・・・人間。」
グシャ!
潰れた兵士の頭から飛び散った血は
ルゥナの血と似ていた気がした。
『人喰い』抹殺命令から一年。
『人喰い』百七十五人抹殺完了。
『人喰い』全滅。
これにて『人喰い』抹殺命令は終了とする。
- Re: 人喰い物語 ( No.41 )
- 日時: 2010/06/23 18:01
- 名前: 花札 (ID: 2rTFGput)
次でラストです!
なるべく早めに更新します!
- Re: 人喰い物語 ( No.42 )
- 日時: 2010/06/23 21:52
- 名前: イースタートーのベア〜 (ID: 8pX7/Rdk)
あの兵士は、ルゥナだったのか?!
マジですか!!!∑(゜Д゜)
次でラストですカー・・・・・なんか寂しいですねぇ〜
次も更新するんですか?するのでしたら絶対見ます!!!
- Re: 人喰い物語 ( No.43 )
- 日時: 2010/06/24 16:46
- 名前: 花札 (ID: JqqvDiEc)
ベアさんへ
あの兵士はルゥナではないです(汗)
私的にはルゥナの血を思い出したということです!
・・・・文章わかりにくくてごめんなさい。
読んでくれてありがとうございます♪
- Re: 人喰い物語 ( No.44 )
- 日時: 2010/06/24 17:55
- 名前: 花札 (ID: JqqvDiEc)
第九話 人喰いは人喰いとして生きた
死後の世界って想像したことある?
あたしはナイフに刺さった瞬間に・・・・・・・・・
なんて言ったらいいのかなあ・・・。
命を支える糸みたいなのが切れた感じがしたんだよ。
その後にきたのがとんでもない脱力感。
そしてあたしの視界が暗転して
「世界」が閉じた。
でもあたし怖くなかったよ。
死ぬのはずっと怖いって思ってたけどそうでもなかったよ。
だって
みんなのところにいけるから・・・・・・・・。
シンデレラは死んだ。
復讐の場所で復讐者の兵士達に殺された。
そして今は真っ白の空間にいた。
まさに死後の世界だった。
「世界」とは違う世界。
名も無き「世界」と同じ名も無き世界。
でも全然違う世界だった。
現実味のない方向もない時間もない何も無い真っ白な世界。
シンデレラはそこにいた。
ただ立っていた。
髪は短いままだが髪の汚れや服の汚れも体の傷も消えていた。
雪を連想させる曇り一つ無い真っ白な髪。
豪華な純白のワンピース。
瞳は冬の澄んだ空のように深い青色。
宝石のような輝きを持つガラスの靴。
いっそう美しくきらめいて見えた。
シンデレラは見つめていた。
目の前にはシンデレラの愛する少年がいたからだ。
「ルゥナ」
「おかえり、シンデレラ」
「会いたかったよ」
「ずっと待ってたよ」
シンデレラは顔をゆがめて大粒の涙を零した。
「ルゥナ、会いたかったよ。あたしずっと寂しかったよ。つらかったよ。怖かったよ。みんなに会いたかったよ。ルゥナに会いたかったよ。ルゥナが恋しかったよ・・・・・・・・・・。」
シンデレラはルゥナに抱きついた。
ルゥナはシンデレラをやさしく抱きしめた。
「俺はずっと待ってたぞ。お前に会いたかった。」
ルゥナは今にも泣きそうだった。
「うううううう・・・・・・・ううううう・・!・・
・・・・・・!・・・・・・・・・」
シンデレラは泣いた。
ひたすら泣いた。
会いたくて。
会えなくて。
やっと会えた。
「うううっ・・・・・・ひっく・・・・・・・・・・
う・・・・・・・うううう・・・・・・!」
真っ白な空間で二人はやっと出会った。
ルゥナの死を目の前で見て、ただ憎悪だけをもって復讐に向かっていったシンデレラと
シンデレラを一人ぼっちにしてしまい、ずっとシンデレラを待っていたルゥナは
やっと出会った。
「・・・・俺、お前には生きていてもらいたかった・
・・・・・・・・・・んだ。」
「ううう・・・・・みんながいない「世界」なんて嫌だもん!・・・・・だって・・・・ルゥナに会いたかったんだもん!!」
シンデレラは涙を零しながら言った。
「あたしはルゥナが大好き」
ルゥナはほんの少し顔を赤らめたがシンデレラの澄んだ青い瞳を血のように赤い瞳で見つめた。
「俺の・・・・・・・・死の間際言った言葉わかるか
?」
「・・・・聞き取れなかったよう!」
シンデレラは顔を真っ赤にして言った。
「・・・・俺はお前のことが大好きだった・・・・・
・・・・・・・否!お前のことが大好きだ!」
シンデレラはポカンとした表情を見せたがすぐに無邪気な笑顔で笑った。
「大好き!ルゥナ!」
心が憎悪に埋め尽くされた少女は笑うことができなかった。
心を閉ざして憎しみと恨みと悪意をもち
復讐のためだけに生きていた。
『人喰い』少女は仲間と愛する少年に会いたかった。
『人喰い』少女は何よりも愛する少年に会いたかった
。
やっと会えたよ。
そして二人はその空間から消えた。
死というものは考える心も自分の存在すら消える。
だからこの二人が会えたことは
名も無き世界のせめてもの贈り物だったのだろう。
あれから「世界」はさらなる発展を遂げ、平和という二文字がとてつもなく似合う「世界」となった。
しかし世界中心都市アストニアの武力は格段に減った。
理由はわからない。
ただ『人喰い』抹殺命令が終了した直後に兵士の半数が兵士という役職をやめてしまった。
それでも「世界」はもう争いもなく平和だった。
『人喰い』と言う存在は遥か未来まで語り継がれることになった。
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