ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- A COLLAR 〜色彩〜
- 日時: 2011/01/09 12:47
- 名前: クレア (ID: JfMxqtIK)
初めまして、クレアです。
未熟者なので、温かい目で見守っていただけるとうれしいです。
意味不明な小説になると思いますが、アドバイスや感想お願いします!!
プロローグ
——ねぇ、君の色は何色?
頭の中に響く声。
それは、とても不思議な感覚だった。
声の主がそこにいるわけでもない。
暗いくらい、闇の中。
声は、そうたずねてきた。
“何色なのか”と……
黒しかないこの空間に、ほかの色など存在するのだろうか?
不思議に思いながらも、その問いに答えた。
『わからない』と。
そう答えると、声はくすくすと笑った。
笑い声だけが、静かに、不気味に、暗闇の中に響き渡る。
——まだわからないんだ。でも、もうすぐわかる。君の“守るべき色”が
「色?」
聞き返すと、声は『そう、色』と、だけ答えた。
なぜだか急に不安になった。
わけのわからないことが、自分の身に起きそうな気がした。
そう感じた瞬間。
黒しかない暗闇の向こうで、何かがきらりと光った。
その光が、目に突き刺さるように飛び込んできた。
光の眩しさにびっくりして、目をぎゅうっとつぶった。
——目を開けてごらん
声に言われた通り目を開く。
ゆっくり、ゆっくり。
「……白?」
——それが君の“守るべき色”
「守るべき……」
——君の守る色は、ほかの色と混ざりやすい。だから、大事にしなくちゃいけない。他の色に染めてはいけない
「染めちゃいけない、色」
——そう。君がその色を守り抜くんだ
「どうやって?」
——簡単な話さ。戦えばいいんだ
「戦う……?」
——君の守る、色の力を借りてね。さぁ、白の色者よ。外界から、汝の守るべき色を守り抜くのだ
声は、もう聞こえてこなかった。
この場にあるのは、暗い空間に浮かぶ純白の白と、不気味なほどの静寂。
『君の色を、守り抜け』
- Re: A COLLAR 〜色彩〜 ( No.28 )
- 日時: 2010/10/24 19:52
- 名前: クレア (ID: AuasFZym)
★ユマ★>
ども^^
今、頑張ってるからもう少し待ってm(_ _)m
- Re: A COLLAR 〜色彩〜 ( No.29 )
- 日時: 2011/01/09 13:06
- 名前: クレア (ID: JfMxqtIK)
9話
『湖の中に?』
「っ……!」
目を開くと、天井のようなものが見えた。
だが、それはゆらゆらと揺らめいている。
ボーっとしている状態で、4・5分経った時に、
「目が覚めたのッ!?……よかった」
「君は……」
燎の目の前に、見覚えのある少年が1人いた。
その少年は、なぜか息を切らしていた。
「僕は、水上南戸。さっきは、ごめん……君まで巻き込んじゃって」
「さっき?……ああ、俺飛ばされたんだっけ」
「怪我はない?えっと……」
「俺は、東條燎。よろしくな」
笑顔で、南戸に言うと南戸も笑ってうなずいた。
自己紹介をし終わると、南戸は後ろを見た。
俺もそれにつられて、後ろを見る。
すると、向こうから2人歩いてきていた。
その1人に見覚えがあった。
「……雪菜?」
向こうも、こちらに気がついたのか、雪菜と思われる人物が大声を上げた。
「燎ー!!!!!」
相変わらずバカでかい声だ。
こちらに手を振っていたので、こちらも手を振り返す。
雪菜の隣に居る奴は、男っぽい感じがする。
よーく、見てみるとそいつは奇麗な整った顔立ちをしていた。
「どうしてここに居るんだ?雪菜」
雪菜にそう聞くと、得意げに俺に言ってきた。
「そうなんだよねぇ、朝起きたらここにいてさ」
「だから、起きた時いなかったのか」
「そうなの?」
「そうなんだよ」
キョトンとして俺にそういう雪菜が、なんだかうらやましく思えた。
「何で燎は、ここに居るの?」
雪菜は、不思議そうに聞いてきた。
「しらねーよ。さっき起きたらここに居たんだよ」
「そうなんだ。……別に何でもいいけどさ」
ちょっとした間が気になったが、あえて気にしないことにした。
てか、何でもいいけどって、さらっとひどいな……
そんなことを思っていると
「ここがどこかは分かっているのか?お前」
雪菜の隣で、静かにしていたやつが、俺に聞いてきた。
声が、男よりも少し高かった。
「宮郷だ」
「どうも……えっと、女?」
「……男に見えるのか?」
「ぱっと見……」
「そうか」
すましたやつだな。
「で、どうなんだ?」
「どうって……」
「わからないのか?……そうか」
「……悪かったな」
決めつけられたように、言われて少し腹が立った。
「ごめんね、東條君」
南戸が、申し訳なさそうに俺に言った。
南戸は、宮郷を見ると俺のことを説明した。
「僕たちはさっき、“K”と名乗るやつに襲われたんだ。その時に強い衝撃を受けちゃって、それでここがどこだか覚えてないんだと思う」
自信がなさそうに、南戸は言葉を紡いだ。
「お前は相変わらずだな、南戸。いい加減”色の力”を使ったらどうだ?そんなんじゃ、死ぬぞ」
「そう、だね……宮郷さんは、色者になりたいの?」
「くだらないことを聞くな。それが、私の役目だ」
宮郷は少しさみしそうな顔をした。
「てか、南戸。お前、こいつと知り合いなのか?」
宮郷を指さしながら言った。
俺のその行動に気分を悪くしたのか、宮郷は眉を寄せていた。
「うん。宮郷さんとは、同じ高校に通ってるんだ」
「へぇー……」
機嫌を悪くした宮郷が苛立たしげに南戸に聞いた。
「それより、ここはどこなんだ?」
「たぶん、湖の中だと思う……」
南戸のその言葉に、宮郷は怪訝そうな顔をした。
「僕たち、Kの攻撃で湖に落とされたから」
一同が黙る。
この状況が信じられないようだ。
無理もない。
湖の中に居るなんてな……
9話 END
- Re: A COLLAR 〜色彩〜 ( No.30 )
- 日時: 2011/01/09 13:08
- 名前: クレア (ID: JfMxqtIK)
10話
『予感』
「候補者、数名が湖の中に入ったようです」
「そうか、ご苦労」
厄介なことになった。
まさか、やつらが出てくるとは。
しかし、気になるな。
やつらの力。あれは、“色”の力ではない。
色と何か強大な力が、複合してできたモノのように感じる。
「10年前の繰り返しにならないようにしなくては……」
試験がうまくいくことを願うしかない。
「会長!大変です!」
「どうした?そんなに大声を出して」
「候補者2名が、やつらと接触しました……」
「なッ!?」
早すぎる。
まだ準備が……
色者が行方不明で、うまく事が進んでないのに。
「くそッ……」
いや、まだ“アイツ”がこちらに居る。
「動きますか?」
「……いや、まだいい。ここは、候補者に任せよう」
「しかし、それでは10年前の繰り返しでは……!」
「現段階では、まだその可能性は低い。こちらには“アイツ”がいる」
「——!」
そう、まだ大丈夫だ。
アイツが覚醒すればの話だが……
覚醒しなければ、やつらにつく前に始末しなければ。
「……蘭月」
10年前。
彼らは、ある実験をしていた。
その実験は、失敗に終わっただけではなく、自分たちを破滅へと追い詰めることになる。
その実験の実験体に、“K”と呼ばれた者がいた。
全ての始まりは、10年前。
全ての終わりは、もうじき訪れる。
10話 END
- Re: A COLLAR 〜色彩〜 ( No.31 )
- 日時: 2011/02/11 00:14
- 名前: クレア (ID: OmiQv8gT)
11話
『鈴木詩音』
「まったく……次から次へと」
少年の目の前には無色たちが立ちはだかっている。
それに少年は、めんどくさそうに溜息をついた。
「早く試験を終わらせてしまいたいんだがな……」
小さくつぶやくと、無色たちの群れに近づいていく。
近づいてきた少年に無色たちは、いっせいに飛びかかる。
飛びかかってきた無色たちに少年は臆することなく、鋭い瞳で睨む。
「……触るな」
短く少年の口から言葉が放たれた。
次の瞬間——
少年に飛びかかっていた無色たちが、弾かれた。
弾かれた無色たちは、強く地に叩きつけられた。
叩きつけられた、無色たちからは起き上がってくるような気配はない。
辺りに静寂が訪れる。
その静寂もつかの間。
ぱちぱちぱち……
乾いた音が辺りに響いた。
音のした方に目を向けると、そこには少女が一人立っていた。
少年は、警戒の目で少女を見る。
だが、少女は少年に柔らかい笑みを向けた。
「はじめまして」
「……鈴木詩音か」
「あ、知ってたの?」
少女、鈴木詩音は特に驚いた様子もなくそう言った。
「何の用だ」
「そんなに警戒しないでよ。……片桐君」
少年、片桐和弥は少女に対して、不愉快そうな顔をする。
「片桐君にちょっと、話があってきたの」
「お前と話すことなど、俺にはない」
「私はあるの。……貴方、彼らとは接触した?」
「……何のことだ」
和弥はさらに警戒を強める。
詩音はそんなことなどお構いなしに、言葉を紡ぐ。
「ふーん……貴方じゃないんだ」
「どういう意味だ?」
「何でもないよ。こっちの話だから……それより」
詩音は、顔に笑みを浮かべる。
そして、とても楽しそうな声色で和弥に言葉を投げかける。
「小瓶、もう取りに行った」
和弥は、その言葉に眉を寄せる。
それを見た詩音は、さらに楽しげに口元をゆがめる。
「これ、なぁんだ?」
「っ……!?」
詩音が手にしているモノは、候補者全員分の小瓶だった。
和弥は、詩音に対しての警戒を敵意に変える。
「これ、どーしよっかなぁ?」
「……小瓶をよこせ」
和弥は、声を低くして言う。
「あげてもいいけど、ただあげるんじゃつまんない」
詩音の出方を慎重に見る。
しばらくすると、詩音は悪戯を思いついた子供のように顔を輝かせた。
「こういうのはどう?……鬼ごっこ」
「……ふざけ」
詩音は、和弥の言葉を遮ってまた言葉を紡いだ。
「私が逃げるから、貴方は鬼。私を捕まえることができたら、小瓶をあげる」
声を弾ませて言う詩音。
その提案に和弥は、不満そうに顔をゆがめる。
「制限時間は、試験終了までね」
「……ルールは?」
「ルールは特になし。じゃないとつまらない」
「わかった。その話、のってやる」
和弥のその返答に、詩音は満足した顔で言った。
「それでは、スタート☆」
試験終了まで、57時間。
11話 END
- Re: A COLLAR 〜色彩〜 ( No.32 )
- 日時: 2011/01/14 20:41
- 名前: クレア (ID: o7Zmsdob)
12話
『詩音の世界』
ドォォォン……
森に、大音量で響く音。
その音は、森の中にある大きな湖の中から聞こえてくる。
湖の水面がわずかに揺れていた。
「くそっ……」
少年、片桐和弥は、つい先ほど出逢った少女、鈴木詩音を追っていた。
鬼ごっこと称された、殺し合いにも似たゲーム。
このゲームにルールはなく、鬼ごっことは名ばかりだ。
現に、片桐和弥は鈴木詩音の攻撃を浴びていた。
骨にひびが入るくらいの威力のモノを。
「あはは、大丈夫?片桐君」
詩音は、そんな和弥を“木”の上から見下ろしていた。
(この湖どうなってんだか……砂漠・森・岩場。ほんとに、湖か?)
和弥がそう思うのも、無理はないだろう。
湖の中は、ありえないモノが山ほどあったのだから。
今、和弥たちがいるのは、森と思われるところだ。
周りには、背の高い木々が青々と茂っていた。
その中で、和弥は詩音を追っていた。
和弥は、詩腰口角をあげると
「落ちろ……」
木の上の詩音に向かってそう言った。
その言葉は、森の中に静かに消える。
バキッ
どこかで木の枝が折れた。
その木の枝は、詩音が乗っている木の枝だった。
「っ……!?」
「俺の能力は、自然物にも使用可能だ。……ぬかったな」
詩音は、重力に従い地面に落ちていく。
数秒後に、どさっと鈍い音がした。
空中では、体制を整えられなかったのか、詩音は無様にも地面に叩きつけられた。
詩音は、指ひとつ動かすことなく、地面に転がったままだ。
「手間とらせやがって……」
和弥は、木から落ちて動かなくなった詩音のもとに向かう。
だが、そこで違和感を覚えた。
何かがさっきまでと違う。
「あー、びっくりした」
「……!」
和弥の背後から、聞こえるはずのない声が聞こえた。
静かに、背後を見ると、そこには詩音が平然とした顔で立っていた。
(はめられた……)
和弥は、苦虫でも噛み潰したような顔で詩音を見る。
「それね、私のダミー(偽物)」
詩音はそう得意げに言う。
「よく出来てるでしょ?」
和弥は、詩音と距離を取ろうと、後ろに後ずさった。
だが……——
「駄目だよ、片桐君」
また、背後から声がした。
後ろを見ると、詩音が立っていた。
和弥は、先ほど詩音がいた位置に目を向ける。
そこにも、詩音が立っていた。
「どうしたの?」
驚く和弥に、詩音は不敵な笑みを向けた。
「お前……」
「さて……問題です」
詩音は、さらに口角をあげながら言った。
「本当の私は、どれでしょうか?」
気付くと和弥は、詩音に囲まれていた。
どれも、同じ表情をしている。
くすくす……
くすくす…………
笑い声が、辺りに反響して、不気味な空間を作り上げる。
「今度は、間違い探しか……」
「本当に間違い探し?」
「どいうことだ」
「見ればわかるよ……」
そう言葉が放たれたと同時に、和弥に鋭い痛みが走った。
「ぐッ……!?」
痛みのしたところを見ると、何か鋭いモノで身を貫かれたいた。
それは、一方向だけではなく、さまざまな方向から貫かれている。
「これは……」
ズッ……
和弥を貫いている、鋭いモノが抜けたのと同時に和弥は地面に膝をついた。
「どうするのかな、片桐君は。……あれ?別の候補者が紛れ込んでる。……まぁ、いっか」
詩音は、木の上で様子を見ていた。
見ているといっても、実際の場所ではない。
彼女の持っている“鏡”で様子を見たいた。
くすりと笑うと、彼女は鏡の向こうの和弥に向かって言った。
『私の世界に、ようこそ……』
彼女は笑う。
顔を歪めて笑う。
彼女は声をあげて笑う。
その笑い声は、反響して不協和音を作り出す。
彼女のための、不協和音を……
12話 END
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