ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- GAME 命をかけた殺し合い
- 日時: 2011/01/05 19:55
- 名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)
初めまして、山下愁です。
ちなみに、初投稿です!
その1…荒らしはお断りします。
その2…中傷、パクリ、お断りします。
その3…お客様、大歓迎です。
上記を守って、楽しく読みましょう。
目次
登場人物紹介>>01
プロローグ>>02
第1話>>03
第2話>>04
以下、もう面倒なので止め!
- Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.9 )
- 日時: 2010/09/20 18:33
- 名前: 蒼ノ沙希 (ID: oVVCFUDs)
- 参照: http://fblg.jp/sakura331/
こんにちは、蒼ノ沙希と申します。
参照のブログ小説にコメントしてくれて、ありがとうございました。
ちょくちょく遊びに来る時もありますのでよろしくどうぞ。
とは言っても、山下愁さんとは違う掲示板で会っていますけれども。(苦笑w)
- Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.10 )
- 日時: 2010/09/21 14:44
- 名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)
鷹の目さん
感想、ありがとうございます! とても嬉しいです!
設定にはかなり時間をかけて考えました。
これからも、頑張ります!
蒼ノ沙希さん
どうもです、ブログの小説はかなり楽しませてもらいました。
とは言っても、違う方の掲示板で会いますね…ハイ。
これからも、よろしくお願いします!
- Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.11 )
- 日時: 2010/09/23 09:07
- 名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)
「反撃開始、と行きますか!」
紅月は太刀を構えて、言った。
翼は舌打ちをすると、銃口を紅月に向ける。そして、引き金を引いた。
紅月の手が反射で動き、銃弾を弾き返す。
「チッ……」
「甘ぁい!」
紅月は太刀を振りおろす。
しかし、その攻撃は翼の銃身によって受け止められてしまった。
(良く考えてみれば、この太刀…軽い?)
「何をボサッとしてる!」
「どわ?!」
紅月の頬を、銃弾がかすめた。後ろの壁に穴を開ける。
翼がもう1丁のピストルを取り出して撃ったのだ。
チッと舌打ちをした紅月は、太刀を鞘に収めてビルを飛びだした。翼も後を追う。
「待て! 逃げるな!」
翼は銃を乱射するが、紅月には当たらない。
「逃げているんじゃないさ」
紅月は静かに言った。
そう、これは竜輝からの受け売り、作戦なのだ。
「外に出れば、フリーダムッ! 空も木々達も使いたい放題!」
紅月は太刀を抜くと、地面を蹴った。
普通は、地面を蹴っただけじゃ大した距離は飛ばない。
しかし、今の紅月は3mぐらい高々と飛んでいる。
下で見ていた翼は、目を丸くして驚いていた。
銀色をした刃が、翼を見下ろしている。それを操る、紅色の少年も見えた。
淡々とした言葉が聞こえてきた。
「紅乱月(クレナイランゲツ)」
刹那———— 赤い閃光が辺りを乱れ舞った。
壁は一瞬にしてボロボロになり、地面のタイルはひび割れて、木々達は跡形もなく消し飛んだ。
翼には一撃も喰らってない。あの赤い乱舞の中で傷一つつかずに生き残っていたのだ。
紅月は地面に着地して、翼に手を差し伸べた。
「クラスメイトなんだしさ、仲良くしようぜ? そりゃぁ、お前は人嫌いかもしれないさ。
でも、皆でこのGAMEを生き残れば、ここから出る事も可能なんだしさ」
な? と紅月は柔らかな笑顔を浮かべる。
翼は紅月の顔を見て、手を握った。
「てめーにだけなら、俺らの事を話せる」
「何だよ、それ」
翼の言葉に、紅月は首を傾げた。
「俺らが、この狂った殺人ゲームに立たされている理由だよ」
———— 第6話
- Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.12 )
- 日時: 2010/09/26 16:49
- 名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)
この殺人ゲームの用途は、罪人を裁く為に行われるバトルロワイヤルだ。つまり、罪を犯した者だけが参加するゲームである。
罪人は、最後の1人になるまで戦い続け、最後の1人が覇者と呼ばれて、島から出られる。
その際、神様が何でも願いを叶えてくれるというのだ。それは『何でもあり』なので、本当に何でもありなのである。
例えば、死んだ罪人の中に仲間がいたとする。そいつを生き返らせろという無茶な願いでも、叶えてくれるのだ。
「……で、俺らは罪人って訳なのか?」
「あぁ、そういう事になるな」
翼は静かにうなずいた。
紅月の瞳が細められる。まさか、自分達が罪人側に立たされているなんて思っていなかったからだ。
「話を続けるぞ」
翼は話を続ける。
自分達3年4組のGAME参加理由は、クラスを減らす為。簡単に言うと、自分達の存在自体が罪である。
紅月達望月中学校は、3年生除く学年が全3クラスある。しかし、3年生だけ4組があるのだ。
これなら良いと思うだろう。だが、校長がそれを良しとしなかった。
「3年4組を消そう」
校長の勝手な行動により、この身勝手なGAMEが始まったのだ。
「嘘だろ? じゃぁ、校長のせいじゃんか」
「……」
「黙ってないで翼! 考えてないで俺の質問に答えてお願い!」
紅月は翼をがくがくと揺らす。
翼はすぐに覚醒し、紅月の瞳を見た。
「だから俺は、この身勝手なGAMEを終わらせる為に1人で行動してるんだ。その方が、情を移さなくて済む」
翼はそう言って、紅月に背を向けた。
紅月は、翼の腕をつかみグイッと引っ張った。
「なっ……」
「そんな事、言うなって。な? 俺ら、同じクラスの仲間なんだからさ。頼ってもOKだから」
紅月はにっこりとした笑顔で言った。
翼の端麗な顔が、ゆがめられる。そして、言葉を吐きだした。
「そんな仲良しごっこに付き合っている程、俺は暇じゃない」
翼は紅月の手を振り払い、スタスタと歩く。
紅月はため息をつき、翼を太刀で殴った。鞘入りで。
「いってーな! なにすっ……」
「ハイハイ、行こう行こう」
紅月は翼の腕を掴んで、さっさと歩きだした。
———— 第7話
- Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.13 )
- 日時: 2010/10/01 14:00
- 名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)
「翼を連れてきた」
「こっちも、如月と上原を連れてきた」
竜輝は後ろで話し続けている女子2人に、視線を投げる。
紅月は、翼をがっちりと捕まえていた。逃げない為に。
翼はチッと舌打ちをして、紅月の腕を振り払う。
「何で俺なんかが、必要なんだよ。訳分からねぇ」
「そんな事を言うなよ、翼。皆でこのGAMEから逃げようぜ?」
紅月が説得するように、翼に向かって言う。
しかし、翼は紅月を睨みつけてどなる。
「そんな甘い考えが、この殺し合いに通用するか! 大体、お前はムカつくんだよ! そのお人よしな所がな!」
翼の言葉は、紅月の胸をえぐるように突き刺さる。
流石に言い過ぎた、と思った翼はまた舌打ちをして、部屋の奥へ入って行った。
竜輝は紅月と翼を交互に見て、ため息をつく。
「紅月、気にするな……」
竜輝は優しく紅月に声をかけるが、紅月はまるで時が止まったように佇んでいた。
そんな紅月を見て、隆大は紅月に向かってヤジを飛ばす。
「ほっとけよ、そんな奴。星川は、良く言った方だと思うぜ」
「浅古君、それはいくら何でも言い過ぎじゃぁ…」
反論をしようとした上原美咲は、紅月によって制される。
瞳に光がない。まるで、今にも死にそうな——。
紅月は、大太刀を背負い、外へ通じるドアに手をかけた。
「どこへ行く気だよ、紅月」
「他に、無事な奴を探してくる」
紅月は、皆に向かって笑いかけると、外へ出て行った。
美咲は紅月を追いかけようとしたが、如月綾羽に止められる。
行くな、と彼女は言っているようだ。
「どうして、どうしてぇ?!」
美咲は、綾羽に向かって叫んだ。
すると、綾羽の代わりに、奥から出てきた翼が答えた。
「そうしないと、GAMEに参加しないだろう。あのお人よしじゃぁよ」
皆の視線が、翼に向けられる。
隆大が、翼の胸倉をつかんで睨んだが、竜輝に殴られて止める。
「どういう意味だ、星川」
竜輝は翼に訊いた。
翼は、仕方がないなというような表情を作り、話し始めた。
「あいつは、人が死ぬのが怖いんだ」
***** ***** ***** *****
怖いだけ。
それは、人が死ぬのが、怖いだけ。
でも、人は死ぬ。
ただそれだけの事。
病気で、事故で、殺されて。
眠って、飛んで、殴られて。
ただ、それだけの事なのに。
怖いなんて。
「どうかしてるのかな…」
紅月は、変わりもしない蒼空を見上げてつぶやいた。
彼の足もとには、ビル街が広がっている。つまり、今紅月は、どこかのビルの屋上にいる。
「あー、もー。俺らしくないよ、本当」
紅月は、自分の髪の毛をぐしゃぐしゃと掻きまわす。
自分らしくない。だったら、
自分らしさって、何だよ。
「自分らしいって何だよ。自分って何だよ。このお人よしがいけないのかよ」
———— あなたは、あなたらしく生きなさい。
突然、頭に女性の声が浮かんだ。
紅月は頭を押さえて、うずくまる。
「自分らしく生きるって、何だよ…!! 母さん…!」
その時だ。
ぎぃぃ……。
屋上のドアが開き、誰かが入ってくる。
背が高く、手には薙刀を持っていた。
「木村…?」
「ゴメン、二階堂」
木村と呼ばれた背の高い少年は、紅月の許までフラフラと歩み寄ると、倒れた。
「?!! 木村! どうした!」
「頼む、俺の為に————
死んでくれ」
紅月の脇腹には、薙刀の刃が刺さっていた。
——— 第8話