ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- GAME 命をかけた殺し合い
- 日時: 2011/01/05 19:55
- 名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)
初めまして、山下愁です。
ちなみに、初投稿です!
その1…荒らしはお断りします。
その2…中傷、パクリ、お断りします。
その3…お客様、大歓迎です。
上記を守って、楽しく読みましょう。
目次
登場人物紹介>>01
プロローグ>>02
第1話>>03
第2話>>04
以下、もう面倒なので止め!
- Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.4 )
- 日時: 2010/09/17 17:05
- 名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)
「……ん? 硬い…、ハッ!」
授業っ! と叫んで飛び起きた紅月は首を傾げた。
目の前は教室ではなく、どこかの街みたいだ。しかも、紅月が寝ていた所は道路のど真ん中。
高いビルが立ち並び、街路樹が所々に生えている。
しかし、人が誰もいない。こんな都会の街だったら、若者で溢れかえっているはずだ。
紅月は立ち上がり、歩き始める。行く先は決まってはいない。とりあえず、人を探す事を決意したようだ。確信はないけど。その時だ。
「二階堂、お前もいたのか!」
紅月の前に現れたのは、茶髪で銀フレームの眼鏡をした少年だった。
「木下?」
少年、木下竜輝は紅月の前に来ると、膝に手をつき、深呼吸をする。
紅月は竜輝の顔を覗き込み、笑って見せる。
「どうしたの? そんなに急いじゃってさぁ、なんかあった?」
「大アリだバカ! お前、学校に来るのが遅いんだよ」
「えっとぉ、そんなに声を荒げてどうしたの。起こってる?」
紅月は苦笑いしながら訊いた。
竜輝はずり落ちた眼鏡を上げて、紅月に背中を見せる。どうやら、ついてこいと言っているようだ。
とりあえず紅月は、竜輝の後について行く事にした。
****** ****** ****** ******
2人が辿り着いた所は、噴水がある広場だった。周りにはビルが立ち並び、高速道路までもある。
紅月は噴水の台に腰を下ろすと、竜輝に訊いた。
「何で誰もいないんだ? 俺らだけ?」
「いや違う。ここにいるのは望月中学の3年4組だけだ」
竜輝の口から発せられたのは『3年4組』—— つまり、自分のクラスだ。
紅月は辺りを見回す。しかし、紅月と竜輝以外は誰も見当たらなかった。
「嘘じゃないよな…」
「本当だ」
紅月はため息をついて、噴水の中に手を突っ込んだ。
水は透き通っていて、冷たくて、気持ち良かった。
「で、皆はどこにいるんだよ?」
「そのうち、誰かしら戻ってくるだろう」
竜輝は紅月の隣に腰を下ろし、目の前に映るディスプレイを見た。
紅月も同じようにディスプレイを見上げる。
画面に映っているのは、砂嵐しかなかったが。
「何が始まるんだか」
「それは僕も分からない。でも、確かなのは危険なお遊びって所か」
竜輝はディスプレイから目をそらさずに、棒読みで言った。
ふーん、と紅月はうなずいた時。
『やぁ、3年4組諸君』
突然、ディスプレイの砂嵐が止んで人が映った。頭から、映っている胸のあたりまで全てが真っ黒の人だった。声からして、男だろう。
その男は、いきなりこう言ったのだ。
『GAMEを、始めようではないか』
『最後の1人になるまで殺し合う、バトルロワイヤルを———!!!!』
———— 第2話
- Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.5 )
- 日時: 2010/09/18 15:35
- 名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)
バトルロワイヤル? 何それ、美味しいの?、と紅月は竜輝に訊いた。
その言葉を訊いて、竜輝は呆れて何も言ってくれなかった。
ディスプレイに映っている、男はそれだけ言うとプツッと放送が途切れ、また砂嵐が映る。
「何だったの、あれ」
「GAMEって言ってたな」
2人の視線が交る。
「いやいや、ないないない。それはないでしょ」
紅月は首を横に振り、大きな欠伸をした。
竜輝もそれにつられて、欠伸をする。
「何で戦わなきゃなんないの? 意味分からないんですけど」
紅月はけらけらと笑いながら言った時だった。
ドカッッ!!!!!
いきなり、噴水の台に矢が刺さる。
目の前には、弓矢を持った女の子がいた。
「えーと、委員長さん? そんな物騒な物を持って何をしてんの?」
「あぁ、学級委員長か」
委員長と呼ばれた女の子は、フフフと笑い始めた。そして、背中のホルダーから矢を取り出す。
目が完全にイっている。口からは変な笑い声が飛び出している。
「委員長さん、危ないからその弓矢から手を放そうぜって、おぉぉ?!!!」
紅月の目の前に矢が現れた。
それを紙一重でよけ、紅月は委員長に向かってどなる。
「何すんだよ! 殺す気か!」
「殺す、気? えぇ、そうよ。あなた達には死んでもらうわ!」
委員長はケタケタと笑いながら、矢を連発して撃ってきた。
紅月は竜輝の手を引き、広場から逃げ出す。こう見えて、紅月はクラスで1番足が速い。
「どうなってやがるんだ、このGAMEは!」
「ぼくが知る訳ないだろう!」
「てめぇ、クラス1の秀才だってこの前ほざいていたじゃねぇか!」
勉強できない紅月は、この前竜輝に自慢されたばかりである。
竜輝はフン、と鼻を鳴らす。
「だが、このGAMEは人を殺す事を目的としているようだな」
「ハッ、アテに何のかそのヤマは!」
紅月は目の前に出てきた、双剣を持ったクラスメイトに横蹴りを入れ、逃げる。
竜輝は手を引っ張られながらも、言葉を紡ぎ出した。
「それは分からない。だが、確信できるのは…クラスの連中がおかしくなった事だけだな」
紅月は竜輝の言葉を聞いて、舌打ちをした。そして、傍にあるビルの中に飛び込む。
暗くて中が見えないが、しばらくはここでやり過ごせそうだ。
竜輝は持っていたペンライトで、奥へ進む。それに紅月もついて行った。
中はそれなりに広く、10人ぐらいは寝れそうだ。簡易ベッドもちゃんとある。
「ふむ、中はしっかりしているようだな。ホテルか何かか?」
「知るかよバカ。秀才だろうが」
紅月は簡易ベッドの1つに腰を下ろす。相当疲れたらしい。
竜輝はペンライトの電源を切り、電気のスイッチを入れた。
小さな豆電球がついただけだった。
「とりあえず、仲間を探した方が良いな」
「お前の口からそんな言葉が発せられるとはね」
紅月は小さく笑った。その刹那、
「誰だ」
後ろから、冷たいものを押し当てられた。
紅月は咄嗟にその冷たいものをベッドに押しつけ、相手を蹴り上げる。
相手は蹴られた顎を押さえて、その場をのたうち回った。
「てめぇこそ、誰だ!」
「なっ、お前二階堂?!」
相手は驚いた様に紅月の名前を叫んだ。
紅月は首をかしげる。
すると、竜輝は相手の名前を言った。
「隆大、何をやっているんだ。二階堂は仲間だぞ」
「ハイ? 隆大って、まさか浅古隆大?!!」
隆大と呼ばれた相手は目から浮かび上がった涙をぬぐい、立ち上がる。
紅月は苦虫を噛み潰したような顔を作り、隆大から離れた。
「何もしねぇよ」
「うるせぇ、黙れ」
「ともかく、これで3人だ。もっと集めて無傷で帰ろう」
竜輝の言葉が、薄暗い部屋に響いて消えた。
***** ***** ***** *****
「ひとーつ、ふたーつ、みーっつ」
空に1番近い、高いビルの屋上。そこには、少年の姿があった。
紅月達と同年齢で、同じ背丈をした少年だった。
その少年は、空を見て数を数えていた。
「始まっちゃったか。まぁ、良いか」
少年は笑顔も何も浮かべずに、下を見下ろした。
下にいたのは、黒髪をした少年の姿。
「さぁ、楽しもうか。この狂ったパーティーを」
少年の手には、白煙が立つピストルが握られていた。
- Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.6 )
- 日時: 2010/09/19 16:07
- 名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)
浅古隆大と合流した紅月と竜輝は、まず仲間を探す事にした。
「誰を探せば良いんだ?」
紅月は竜輝に訊いた。
竜輝は、今考えているから待っていろと言う。
「でもよぉ、美咲は呼ぼうぜ。あ、あと如月も!」
「ハァ? 何でそいつなんか呼ばなきゃなんねぇんだよ。役に立たないぜ?」
隆大が紅月に反論した。
ハァ? と紅月は隆大に向かって言う。
「役に立たないのはお前なんじゃないのか? クラス1の不良とか言ってるけど、真っ先に殺されるタイプだぞお前」
「お前の様なバカが先に殺されるんだよ! このお人よしの単純バカ!」
「単純バカは余計だろうが!」
2人はバチバチと火花を散らせながら、喧嘩し合う。直後、取っ組み合いに発展した。
竜輝はため息をつき、2人を呼び掛けた。
「2人とも落ちつけ。今は殺し合いのGAMEの真っ最中だぞ。協力しないでどうする」
「「こいつとは仲良くしたくない」」
見事に息がぴったりな2人である。流石の竜輝でも、この光景を見て呆れていた。
紅月は隆大を睨みつけると、ベッドに横たわる。
隆大も同じように横たわった。ちなみに、紅月とはだいぶ離れている。
「とにかく、上原は見つけた方が良いな。何せあいつは、将来有望な看護師なんだから」
上原美咲とは、クラスの保健委員で将来は看護師になる事である。医療に関する知識なら、彼女の右に出る者はいない。
同時に、美咲には如月綾羽という美術部の友達がいる。彼女は絵がとても上手く、人に似させる事が出来るのだ。
紅月は美咲の方と友達なので、呼ぼうとしたのだが隆大は美咲が大嫌いなのである。
「浅古が嫌いなのは分かるよ? でも、仕方ないじゃん。あいつ、医療の知識だけは持ってるぜ?」
「だけだろ、だけ。他じゃ役に立たん」
「言ってろ。怪我したら治してもらえないようにしてやるから」
んだごら、やんのかごるぁ、と2人はまたメンチを切り合う。
竜輝はそんな2人にげんこつを叩きこむと、提案をした。
「とりあえず、その2人は探すとして。1番重要な奴は、星川だ」
竜輝はとあるクラスメイトの名前を言った。
そのとたん、紅月が反応する。
「星川って、翼か?!!」
「あぁ。あいつは、こういうGAMEが大好物の、一匹オオカミだからな」
竜輝はそういうと、2人に向かって言った。
「絶対見つけるぞ。何が何でも、このGAMEを生き残るんだ」
———— 第4話
- Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.7 )
- 日時: 2010/09/20 17:40
- 名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)
紅月に課せられた任務はただ1つ。
『星川翼を見つける事』
相手はこういう賭け事や、GAMEが好きな一匹狼である。もし、この変な賭けに真面目に参加していたら、殺されてしまう。
そこで、竜輝はもう1つ、紅月に告げた。
『自分の武器を探してこい』
つまり、何時いかなる時でも戦えるようにしておけという事だ。
紅月は、真面目に参加するつもりはなかった。むしろ、参加したくなかった。
ゲームは誰でも好きである。だが、こんな狂った殺人のゲーム何ぞ誰がやるか。少なくとも、グロテスクが大好きなSだけだ。
「ったくよぉ。翼ぁ、どこだぁ」
紅月は翼の名前を叫ぶ。出てこなかったが。
呼んでノコノコ出てくる奴は、多分いない——
「何?」
いた。
出てきたのは、金髪の少年。瞳は綺麗な翡翠色。
紅月はその少年を見て、パァッと顔を輝かせた。
「翼ぁ! お前、来てたのか。てっきり、不登校でいないのかと…」
「こんな楽しい事には参加しないと、まずいだろ?」
翼と呼ばれた金髪少年は、紅月に銃を突き付けた。小型のハンドガンである。
紅月は首を傾げ、笑った。
「あはは。それじゃぁ死んじゃうけど?」
「殺す気だから」
翼は、銃の引き金を引く。
弾丸は、紅月の頬をかすめて後ろのコンクリートの壁にぶち当たった。
背中に何か、冷たいものが這いあがる。
「なななな何するんだよ! 殺す気って、クラスメイトだろ?!!」
「だから何?」
翼は表情を変えずに、ただ一言冷徹に言い放った。
何って…、と紅月は返答に息詰まる。
「クラスメイトだから、何? 殺しちゃいけないの? ルールなんだし、楽しもうよ」
翼は紅月に狙いを定めて撃つ。
紅月は鮮やかな後方回転をして、よけた。
翼の舌打ちが聞こえたのと同時に、もう1発銃弾が紅月の頬をかすめた。
流石にこれはヤバイ。
紅月は今、武器も何も持っていない丸腰状態である。
「クソォ! どっかに武器はないのかよ?!!」
「大人しくくたばれ!」
紅月はビルの中に飛び込み、そのまま床をごろごろと転がった。
翼も紅月の後を追いかけるが、見失う。
チッと舌打ちをすると、ハンドガンを投げ捨てショットガンに持ち返る。
「出てこい」
(誰が出るか、バカ!)
紅月はレジカウンターの下でうずくまっていた。しかも、気配を消している。
こう見えて、紅月は影が極端に薄くなる時がある。だから、気付かれないようにするのは簡単だ。
しかし、相手は武器持ちでしかも銃。素手で戦える相手ではない。
(畜生、どうすれば……)
その時、紅月の手に何かが触れた。
紅月はそれを手繰り寄せ、目の前に持ってくる。
それは、細長くとてもとても長い——刀。
(こりゃ、太刀じゃないの。こんな物がどうして…)
まぁ、良い。これで、紅月も戦える。
紅月は、太刀を鞘から抜いて、翼の前に姿を現した。
「何だ、その刀は」
「反撃開始、と行きますか!」
———— 第5話
- Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.8 )
- 日時: 2010/09/20 17:42
- 名前: 鷹の目 (ID: U3CBWc3a)
こんにちはぁm(__)m
題名に「ゲーム」と書かれていたのでやってきたました♪
鷹の目と申します!!
一気読みしました。
設定が良いですね〜、“罪人を裁く為に行われるバトルロワイヤル”
響きが良いです!!
更新頑張ってください。