ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 狂 華 酔 月
- 日時: 2010/10/17 09:45
- 名前: 狂音 (ID: L11BZFL.)
はじめまして
シリアス・ダークでの初の投稿となります
注意点がありますので…
1.荒らしはお控え下さい
2.中傷はおやめ下さい
3.作者の私が嫌いな方はお下がり下さい
4.更新が遅くても許してください
以上で参りたいと思いますので…
どうぞお願いいたします…
- Re: 狂 華 酔 月 ( No.18 )
- 日時: 2010/11/15 19:31
- 名前: 狂音 (ID: L11BZFL.)
第五の迷い人 若き殺人鬼
一応、遊覧丁にも幼稚園はある。しかし、かなり入園してくる幼児が少ない。何故ならば……
「夜蜂君……」
とある教室、年長組の教室だ。その中で一人の先生が血まみれになり、一人の園児にむかい、苦しそうに手を伸ばしていた
「なんですかぁ?……」
そして、一人の園児が返事をする。どうやら教室には二人いるようだ
「夜蜂、早くとどめさしちゃいなよ」
夜蜂と呼ばれた子供は手にしていたナイフを先生の頭に突き刺した
「ぐっ…あああああああぁぁぁぁぁああああ!」
「さようなら、先生」
冷酷非情な表情で先生の最期を見届ける少年
そして、業務用のテーブルに乗り、その二人の姿を楽しそうに笑顔で観ている少年。この二人は若干3歳にして初めてチームを組み、人を殺し、5歳にして有名殺人鬼となった二人である
「次はお前が殺せよ……」
「りょ〜かいっ☆ 楽しみだねぇ」
この二人の正式な名は……ない。コードネーム”夜蜂”(ヨバチ)と世蝶”(ヨチョウ)。世間にはチーム”悪虫”(アクチュウ)と知られている。このチームの特に長けている所。勿論、殺しの腕も最高クラスだが……世間で知られている情報の少なさ。トップクラスのマフィアの情報役を使ってでも得られる情報はわずかとなる。それほどまでに秘密保護に長けているのだ
「夜蜂ぃ、次の園児っていつ頃来るかなぁ? 殺せる子がいなくてつまんないや」
そして、5歳とは思えないほどの言葉使い。二人とも、自分を殺人鬼として育て上げた”師匠”と呼ぶべき存在に厳しく教わったのだ
「次は…幼児が3人、教務員が1人だ」
「相変わらず少ないね」
この遊覧丁には子供の数が極わずかだ。その原因は二つある。一つ目はやはりここ遊覧丁は『危険』だからだ。数多くの狂った者や殺し屋などが住んでいる。ここに子供を連れてくるのはほとんどが非情な親かまったくこの世のことを知らない者しかこない。そして二つ目はこの二人の少年達が片っ端から殺害していくからだ。ここが危険になったばかりの時は子供は少なくとも700人はいただろう。しかし、今は50人いあるかいないかくらいの少人数。わずか数年にして激減したのだ
「最近はここに来る人が少ないねぇ……なんでだろぉ?」
「知るわけがない」
この二人は原因が自分たちにもあるということを知らない。だから殺し続ける。まぁ……原因が自分たちだと知っても殺しはやめないだろう。
「ふふっ……楽しいよねぇ」
「あ?」
「こうさ、人が殺される寸前の顔! まるで宝物を壊されたかのような顔で見てくるの! すっごく見てて面白いよね!」
「……悪趣味な奴」
「むぅ……それなら夜蜂だってそうじゃ〜ん! 人を刺した時の感触が好きとか、悪趣味だよ」
「お前は撃った時……だろ」
「えへへっ」
「悪趣味の数はお前のほうが多いだろうが」
「あっ…! そこつかれると痛いなぁ〜」
「ウザい……」
「ひど〜ぉっ!」
この話は他の者から見たらとても異様な会話と言えるだろう。しかし、この二人には当たり前。逆にしないほうがおかしいと思っているほどだった
「じゃあ、暇だから……」
「街で殺しと……」
「「行きますかぁ!」」
この夜、再び3人の幼児が殺された
三日月の堕ちる時間帯のことだった…
- Re: 狂 華 酔 月 ( No.19 )
- 日時: 2010/11/18 20:03
- 名前: 狂音 (ID: L11BZFL.)
第六の迷い人 俳優の裏事情
「お疲れ様でした〜」
「いやぁ。よかったよ! さすが、有名俳優だ!」
とある某テレビ局で、お世辞を酌み交わす大人たち。その中心で赤い顔をして、照れている男が一人。
「有難う御座います。その。俺をここまで有名になったのはマネージャーさん達のおかげですよ。僕は全然です」
「いやいや、君が頑張ってくれるからだよ」
虫唾が走るほどなやり取り。これが大人の世界。子供達にとってはなんとも胡散臭い会話だろう。無論、大人たちもそう思ってはいるがそんな会話を無理してでもしなければいけない。
まだ本人のことまったく言ってないけどじかんがないのでここまでです!
- Re: 狂 華 酔 月 ( No.20 )
- 日時: 2010/11/19 16:40
- 名前: 狂音 (ID: L11BZFL.)
注:前回と繋げてお読み下さい
そんな、上辺だけの付き合いに呆れたある一人の男。それがこの話の中心となり、若き人気俳優の『東城 真也(トウジョウ シンヤ)だ。
彼は18の時から俳優を務めている。デビュー当時はまったくもって人気は皆無と言えるほどだった。しかし、今回、彼はハリウッド入りを果たすほどに人気が急上昇したのだった。その理由は、とある映画の主人公を任された時だった。依頼をしてきたのは毎回、くだらなくつまらない映画を作る会社。真也は特に断る理由もなかったし、なにより仕事がなかった。もう、仕事ならなんでもいいや。と思っていた彼は……
「分かりました」
と、威勢のいい返事を返した
そして、その後。彼の映画は大ヒットをしたのだった。何故ヒットしたのか? その理由は銃弾の使い方が丁寧かつ、豪快な非常に素晴らしい腕。
「お前は俺に殺されたいのだろう?」
という台詞が妙に威圧感があり、格好いいと評判になったこと。他に多数の理由があり、『超人気話題作』とまで言われるほどだった。彼は何故そういう台詞や銃の扱いが上手いのか? それは本当に現実で人を殺しているからだった。彼は普段は銃ではなく『毒』で人を殺しているが、自分が『毒』を仕込んだことに気付く者達も居た為、しかたなく銃を使用する。そんなことをやっていた為に、扱いを上手くなってしまったのだ。
「とにかく真也君。君にはもっと有名になってもらいたいからね。努力したまえ」
立派な顎鬚を生やし、漫画のような葉巻を吸っている男が言った。
「分かりました。皆さんの期待にこたえられるように頑張ります」
微笑しながら言う。
—くだらない。こんな世界にいて何の得になるのだか……
そう思いつつも、笑顔を浮かべている
「ははははっ! 中々に育てがいいようだな。親御さんの顔を見てみたい」
「親なんていませんよ」
「それはまたどうして? 病気にでもかかったのか?」
—自分で殺しました。
「いや、交通事故で」
—自分でわざと車で轢きました。
「そうかそうか。さぞ悲しいだろうな」
「ええ」
—嬉しいですが……
血に染められし俳優の残酷な内情
『中身、綺麗なずとも
外見、は偽りの輝きを放つ』
- Re: 狂 華 酔 月 ( No.21 )
- 日時: 2010/11/21 14:20
- 名前: 狂音 (ID: L11BZFL.)
第一ノ罪 夜を統べる女王と王子
あるディスコにて。一人の女性と二人の男性が踊っている人々を見ていた
「くだらないわよね。こんな踊り。何処が楽しいのか分からないわ」
踊りを見ていた一人の女性が冷たく言う
「酷ぇ物言いだな」
そして、その女性の後ろの席に腰掛けていた男性が女性の言い方に苦笑した
「今はそこは関係ないでしょ。今日ここに来たのはこの男を殺すために来たんだから」
そして、ポケットからある一枚の写真を取り出す
「勿論よ、そうじゃなきゃこんな所来ないわ」
頬杖をつき、ため息を吐く
この三人。寿柚璃、基内諒、大初望はそんな会話をしながらその写真の人物を思しき者を目で辿っている
「それにしても、だらしのない男ね。さっきから女をナンパし続けてるじゃない」
「いや。それがさアイツ上手いんだよね。アイツがナンパしてるの全部殺し屋なんだよ」
「それで……完全に自分に惚れた女を何処かに連れ出して、殺すってことか?」
「ああ、結構被害者は多いみたい」
「はっ、雑魚としか言い様がないわ。男もあんな人間に惚れた女もね」
「確かに」
「おい、そろそろ出て行くぞ」
「じゃあ、今日は久しぶりに望と一緒の仕事なんだから……」
「「暴れるぞ……」」
- Re: 狂 華 酔 月 ( No.22 )
- 日時: 2010/11/22 18:53
- 名前: 狂音 (ID: L11BZFL.)
遊覧丁の港、船が波の力により揺れている。
風当たりが強く、髪の毛が乱れるので柚璃は愚痴をこぼした
「風が強いわ。面倒臭い」
「風が強いくらいで面倒臭いって。そんなんじゃ仕事できないよ」
「分かってるわ」
前髪を押さえながら歩いていく
——今日は二人だけで行ってもらいたいわ……
そんなことを思いながらもドンドンと歩いていく。
そして三人はある一隻の船に入り込んだ。そして船の内部へ。中は薄暗く、自分の手がやっと見えるくらいだった
「暗いなぁ、こりゃ」
「当たり前でしょ。もう夜なんだから」
ギシギシと歩くたびに床が軋む
「つか、そうとうふるい船だな。ギシギシギシギシうるせぇ」
「あなたのほうが五月蝿いわ」
「んだとっ!」
「しっ! 二人とも静かにして。標的は目の前。見つかったらほぼ任務失敗になるよ」
「見つかったら力尽くで殺るわ」
なんとも柚璃らしい言葉を吐き、再び三人は標的のいる方向へ眼を向けた
『なぁ、あるんだろ? 銃』
『だっ、騙したのねっ!』
『騙した? 人聞きの悪いこと言うなよ。俺はただついてこないか? って聞いただけだぜ?』
『くっ………』
標的と女性の声が船内中に聞こえる
「なにこのベタなドマラみたいなの」
「気持ち悪いわ」
「早く終わらせるか」
夜は負け犬の遠吠えで開始した。
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