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片雲の黒装束と赤い羽根
日時: 2011/01/14 17:19
名前: 真瑠 (ID: VJgd52Wn)

 

         これは、


片雲=ちぎれ雲  | ちぎれ雲のようにゆったりと旅をする
黒装束       | 黒装束と
赤い羽根      | 黒い羽帽子についた赤い羽根

     
     を身にまとった青年の話。


*キャラクター*

◆フェーヴル・ロイト
          ・・・黒装束の旅人。
             ある『力』を持っている。

◆メア
          ・・・フェーヴル捜索隊の権力者の一人。
             ある目的から、ロイトを追っている。

◆グラウス
          ・・・フェーヴル捜索隊の権力者の一人。
             主に情報収集を得意とする。
         

その他キャラクター随時更新予定**



まだ科学が発展しきっていない、西洋の街並みが舞台です。
私の日々の体験から感じたことを、『黒装束の旅人』を通じて皆様にお届けできたら、と思います。

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Re: 片雲の黒装束と赤い羽根 ( No.1 )
日時: 2010/11/08 13:52
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: cVA1W6Ik)

はじめまして!!
Aerithっていいます。
題に惹かれてやってきました、がんばってください!!

Re: 片雲の黒装束と赤い羽根 ( No.2 )
日時: 2010/11/08 18:20
名前: 真瑠 (ID: HmBv7EUE)

Aerith さん、コメありがとうございます!
実は題名考えるのに結構時間かけたので・・・(汗
だからすごく嬉しいですw
更新頑張ります!

Re: 片雲の黒装束と赤い羽根 ( No.3 )
日時: 2010/11/08 19:06
名前: 真瑠 (ID: HmBv7EUE)

第一話 麗しの令嬢  Ⅰ



「お嬢様!」

質素だが、それなりにシンプルな服を着た品の良い青年は、そう叫んだ。

「あら・・・何か不満でもあるのかしら?」

それに答えたのは、女性。
真っ赤なドレスに銀の髪飾り、という、お嬢様風情である。
「・・・お嬢様・・・お願いします、もうあのように人をからかうのは止めてください」
「からかってなんかいないわ。本当の事を言っただけよ?『不細工ね』って」
そう言ってから、女は甲高く笑った。

「どうして不細工なんて存在するのかしら?あんな小汚くて、何もできない人間が!見てるだけで嫌よ!!・・・・それに比べて、ほら・・・私はこんなに綺麗。馬鹿にする権利くらい、あって当然よ!」

「レイラ!!」
彼女の言葉を全否定するかのような青年の口調に、レイラ嬢は怒りの表情を浮かべた。
「・・・私に指図しないで。召使候補なんて、腐る程いるのよ?」
「・・・・ッ」
青年はぐっと黙った。いつのまにか握られた拳は、震えていた。










『おい!ちょっと待て、そこの黒服!!!』


急に怒号が響き渡った。
何事かと、人々は声のした方へ瞬発的に振り返った。

どうやら、街の警備員が怪しい者を見つけたらしい。
「見るからに怪しそうな奴・・・!許可証を見せてみろ!」
「ちょ・・・人を見た目で判断しないで下さいよ・・・」
問い詰められているのは、全身黒装束の人間だった。
大体10代後半、といったところだろうか。
それにしても、目立つ色が、深く被った黒い羽帽子についている一枚の『赤い』羽根以外にない、というところは、確かに違和感がある。

「許可証はあります・・・・ほら、ね?」
青年は懐から無造作に許可証を警備員に見せた。
「うーん・・・旅人、ねぇ・・・」
腰を屈めて、じっくりと証を読みながら、それでもまだ納得のいかない表情の警備員。
そんな彼の内側の胸ポケットに、黒装束の青年は目を止めた。
名刺と、もう一つ、色あせた写真が丁寧に折りたたまれている。
「その写真・・・ご家族の方ですか?」
すると、警備員の表情が一変した。
「!!・・・何勝手に・・・!!!」
「すみません・・・あなたが屈んだ拍子に、ちょっと気になって・・・」
そして静かに、重く続けた。

「背景は・・・戦争前ですね。」

「・・・・」


「ああそうさ・・・・。みんな死んだよ。あのくだらない戦争でな!!」

周りで会話を聞いていた野次馬も、急にバツが悪いような顔をし、静かに去っていく者もいた。
だが、その人々は歩みを止めることになる。
青年の一言によって。


「そうですか・・・・本当に、何故戦争なんて馬鹿げたことをするんでしょうかね・・・。軍事費なんてものがあるなら、貧しい人を救うことなんて、もっと簡単な事なのに・・・どうして人は、人を傷つけずには生きられないんでしょうね・・・・。」


人々のざわつきは、一瞬で消えた。
青年の言った事は、当たり前の事だった。
けれど、言われてみなければはっきりとは気付けなかった、真実だった。

「・・・・なぁんて、今さら言っても遅いですけど・・・」
そう言って、黒服の青年は悲しそうに笑った。
「・・・なぁ・・・お前の名前・・・。つづりが分かりにくいんだ。覚えてやるから、言ってくれないか?」
人々と同じように少しの感動を覚えた警備員は、静かに聞いた。
黒装束の憂いの笑みは、ほんの少しだけ、笑顔になった。

「僕の名前は、ロイト。・・・フェーヴル・ロイトです」

Re: 片雲の黒装束と赤い羽根 ( No.4 )
日時: 2010/11/08 19:14
名前: 星都 ◆U9Gr/x.8rg (ID: PWqPGq9p)
参照: http://神のみぞ知るセカイ……。最高ですww

初めまして、同じシリアスで小説を書いている星都と言います。

題名に惹かれて読みました。
すっごく上手ですね。勉強になります!!

続き頑張ってください^^

Re: 片雲の黒装束と赤い羽根 ( No.5 )
日時: 2010/11/08 20:03
名前: 真瑠 (ID: HmBv7EUE)

星都さんも題名・・・!感動です(泣
自分のセンスなんとか大丈夫なようですね・・・

ついさっき星都さんの小説見てきましたが
絶対星都さんの方が上手いです!こちらが勉強になりましたw
更新頑張ります★


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