ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- リディラテは微かに笑う 参照300!!
- 日時: 2011/02/13 12:55
- 名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)
- 参照: 感動エンドを目指して。
オリキャラ募集は終了いたしました。
【Aerith様】>>10【レイチェル・リーバルトン】 【ヴィオラ様】>>24【ヤマ・ジュヴァイアル】
【繭様】>>36【シオン・レイフィーノ】
—————————————————————————
#>>0001 Prologue
#>>0002 登場人物
#>>0051 用語集
#>>0070 フロンティアメンバー説明
—————————————本編—————————————
番外編 - Last War -
Point I [>>59] Point II [>>61] Point III [>>62] Point IV [>>65]
第一章 『悪魔とダレンと女と武器と』
[>>4][>>5][>>8][>>11][>>18]
第二章 『人里離れた獣の里』
[>>19][>>20][>>21][>>23][>>28]
第三章 『人は獣を呼び、獣は闇を呼ぶ』
[>>32][>>34][>>38][>>40][>>45][>>47][>>50]
第四章 『狂い始める歯車のワルツ』
[>>55][>>57][>>66]
第五章 『フロンティア、本格始動』
[>>69][>>73][>>74][>>77][>>78]
第六章 『フロンティアとエージェント』
[>>80][>>81][>>84][>>87][>>91]
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- Re: リディラテは微かに笑う。 ( No.19 )
- 日時: 2011/01/26 22:25
- 名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)
- 参照: あの女、登場。
第二章 「人里離れた獣の里」
「入るぞ。」
クロカゲは静かにそう言うと純白の家のドアを開ける。
中は見た目とは離れ、綺麗という言葉で片付けるレベルでは無かった。
「あれ、誰 あ、クロカゲじゃん。」
「お前の記憶回路はいつもぶっ飛んでんな。」
「そうでもないよ、ただ私がおかしいだけ。」
目の前で優雅にも紅茶を嗜んでいた女がローンプラシックなのかは俺に分からない。
しかし、何か分からないオーラが身に染みる。
頬のキズが特徴的で、なおかつ茶髪でワンレングスの女は異様と感じられる。
そして奥に見える男でも普通に扱え無さそうなライフルが何度も目に入る。
「んで、その子誰。」
「旅人らしいけど、珍しい銃を持ってんだよ。」
さりげなくクロカゲは俺が持つ銃の事を口に出す。
確かに形色は珍しい物だが、逆に言えばただそれだけだ。
「…ふうん、まあ私ライフルとナイフにしか興味無いし。」
女はそう、銃に対しての興味はゼロという事を誇張し言葉を発する。
そしてローンプラシックの本質を俺は知る事になる。
「狼狩りに連れてってやらないか、こいつを。」
クロカゲはそう言うと俺を女の前に出し、紹介を行う。
女は内心こんな奴連れて行ったらすぐ死んじまう、と思っているだろうと俺は予想してみる。
「う、ううん…死んでも保障は取らないけど、さ。」
クロカゲの言葉を否定するかの様に手を前に出しながら女はそう言う。
「こいつは“死なない” だから連れて行ってやってくれ。」
クロカゲの“死なない”という言葉が妙に引っかかった。
俺は不死身でも無いし、不死鳥でもない、極々普通の人間だ。
普通の人間が“死なない”となると一体それはどういう領域に達しているかが俺は否めない。
「あ、私の名前はミシェル・S・ラーネグス ローンプラシックやってる、いよろしく。」
女、もといミシェルはそう言うと右手をサッと差し出してくる。
俺はそれを気持ちよく受け取り、左手でグッと握る。
その握手と共に俺は狼が居る山、クルーシ山にへと向かった。
そして再び虚空に浮き上がるのは獣の影だった。
- Re: リディラテは微かに笑う。 ( No.20 )
- 日時: 2011/01/27 17:43
- 名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)
- 参照: 本領発揮
俺は今クルーシ山という所に向かっている。
クルーシ山へ行くには車で約15分と充分近い。
だがその距離が俺にとって恐怖を引き立たせるスパイスと変わる。
そして周りに見えるのは殺風景な景色のみで、特に変わった所は見当たらない。
徐々に不穏な空気が周りを包み心なしか鳥肌が立つ。
「ううむ…」
大した言葉も出ず今の状況に思わず唸り声が出る。
むしろ自分が不甲斐無いと感じ、前向きに考えようとしても思考が言う事を聞かない。
「初めてだから緊張するって奴?」
俺が乗っている車を運転している目の前の女、ミシェルは嘲りの意を込めて言葉を発してくる。
「……どうでもいい、だろ。」
図星、でも無いが口が詰まる。
薄汚れた窓から見える景色は何とも言えない。
「はあ……」
今日何回目のため息だろうか、と俺は思いカウントを始めるがすぐに中止する。
中止と同時に大きな山が視線に入って来た、まさかあれがクルーシ山なのか。
いかにも禍々しいオーラを放つその“山”は何処かしら悪魔を連想させる。
『The devil lurks town』
脳内に一つの単語が蘇った。
ビクン、と背中が痙攣の様な症状を起こす。
恐怖、恐怖が脳もとい体全てを支配している。
変な感覚が全身を駆け巡り、挙句の果てにめまい、嚥下困難の様な症状が襲う。
目の前は歪み、キキーッと車が止まる音だけが耳に入った。
悪魔という言葉で片付けられる感覚では無かった。
目の前の彼女、ミシェルも段々と掠れて行き、果てには。
目の前が漆黒に染まった。
- Re: リディラテは微かに笑う。 ( No.21 )
- 日時: 2011/01/27 18:02
- 名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)
- 参照: ダレン、大丈夫か。
目が覚めてみれば、目の前は沢山の木々で一杯だった。
地面は薄黒い茶色で、空気は湿っている。
「大丈夫かい? あ、此処クルーシ山な。」
まず視線に入ったのはライフルに弾を込めているミシェルの姿だった。
木々の中俺は少し起きた事を思い出してみる。
まずクロカゲの武器屋からミシェルの家に行き、クルーシ山へ向かった。
そして頭痛、嚥下困難が起こり俺は目の前が真っ暗になった…と。
ゴチャゴチャのタンスの様に脳内の記憶は整理されてないまま、目を覚めた事になったのだろう。
「あ、ああ…大丈夫、だ。」
返答をしようとした瞬間、激しい頭痛が俺を襲う。
突然の出来事に目が眩み、感覚麻痺が体に生じる。
だが、たったそれだけの事だった。
刹那、頭痛は何処へ飛んだのか、暖風が体に纏った。
癒しという言葉が相応しいだろう、体の異変はあっという間に取り除かれる。
何が起きた、と周りを見てみると、近くには一人の女性が立っていた。
ただでさえ禍々しい雰囲気を纏うこの山で、人間が住んでいるのか、と思考は新たな疑問を沢山生む。
「……けがしてたから、治したよ。」
何のブレも無い澄んだ声が、俺に向けて聞こえてくる。
「…見たところライカンじゃないな、あんた誰?」
ミシェルはその声の主に対して眉を顰めながら問う。
「レイチェル・リーバルトン、ただそれだけ。」
- Re: リディラテは微かに笑う。 ( No.22 )
- 日時: 2011/01/27 18:26
- 名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)
- 参照: ダレン、大丈夫か。
無難なオリキャラの登場方法
- Re: リディラテは微かに笑う。 ( No.23 )
- 日時: 2011/01/27 21:42
- 名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)
- 参照: ライカンうわあああああああああああああああ
冷たい風は禍々しいオーラと共に俺の頬を強く打つ。
山、というのに小鳥はおろか目立つ動植物はまったく無い。
むしろ山ではなく、木々が集中している場所に相応しかった。
「…レイチェル、ね。」
俺は自分の傷を癒した張本人の名を呟く。
特に意味があるわけでもなく、感謝の意を込めているわけでもない。
木々がざわわ、と揺れる。
「ふう…」
ミシェルは大きく疲れを吐き出すかの様にため息をした。
そして視線はレイチェルにへと移る。
状況のせいでスポットライトの当たらない俺はとりあえず逃げる準備だけはする事にした。
「なんですか?」
レイチェルがミシェルの視線を気にするかの様に問う。
ミシェルは案外怯まずに、返答を脳内で考えているのだろうか。
不穏な空気が一面に漂う。
「…何ですか、って言われてもねえ 不思議な人って思っただけよ。」
ミシェルの一言はとても重く感じる。
嫉妬では無く、敵対心でも無い、言葉に出来ない何かを纏った発言だ。
そして虚空に見えた影は鮮血を求め目を光らせた。
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