ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 亡国の姫君 =END WORLD=
- 日時: 2011/03/16 02:46
- 名前: ユフィ ◆xPNP670Gfo (ID: 9nPJoUDa)
おはこんばんちは☆
はじめましての人が多いと思いますが、彰緋です♪
小説はシリアスで2つということになりましたが、まぁ…無謀ですね。
今回は、私が書く小説で視点が全然違います。思いついたら即実行の私ですが、小説共々よろしくお願いします。
(題名がかぶりそうで怖い………)
アドバイスや、感想など書いていただければ光栄です。グダグダな小説ですが、マイペースで書いていきたいと思います。
でゎでゎゆっくりしていってね☆((殴
序章 >>1
人物紹介 >>2
世界観&用語説明 >>3
第一話 >>4 >>5
第二話 >>6 >>7
第三話 >>11
第四話 >>12 >>13
第五話 >>14
第六話 >>16
第七話 >>17
第八話 >>18 >>19
第九話 >>20
第十話 >>21
第十一話 >>26 >>27
第十二話 >>28
番外編part1 >>24
番外編part2 >>25
あとがき >>8
あとがき2 >>15
あとがき3 >>22
あとがき4 >>29
☆お知らせ☆ >>23
- Re: 亡国の姫君 =END WORLD= ( No.14 )
- 日時: 2011/03/02 20:23
- 名前: 彰緋 ◆xPNP670Gfo (ID: cPRWXRxr)
第五話 幸せのカタチ
声が枯れるまで泣いたセラは今までの事を全て彼らに話した。
頷きながら聞いてくれるレイラやラックス、ライには多少の不安は打ち解けた。しかし、ただ一人……アシルだけは無関係のようだった。
「それで、ここに来たの………」
ほぅと息をついたレイラはまだ震えているセラの手にそっと触れた。
「ここは、みんな優しい人よ。アシルもああだけど、いずれいつもの彼に戻るわ。だから、怖がらないで、ね?」
「そうだぞ?なんでも俺達に言っていいんだからな!」
レイラとラックスが笑顔で慰めてくれる。それだけで、また心が暖かくなった。
「それじゃ、次は俺逹の番だな。ほい、レイラから自己紹介。詳しくな」
ライがレイラの方向をむく。
「私はレイラ。いつもは街で働いてるんだけど、急な要請のときは警備隊として働いてるの。よろしくね」
「俺はラックス。まぁ、幹部の中では一番年上だな。気軽に接してくれて構わないぞ!よろしくな」
「俺は………ライ、だ。もう言ったけどwまっ、特に話すこともないしよろしく」
三人が順番に自己紹介を始める。アシルだけは先ほど、一人で出て行ってしまった。
何故、自分を嫌っているのかは分からない。でも、確かに敵国の王女と呑気に自己紹介などして戯れているのが気に入らないのかも知れない。
「さて、そろそろ晩飯の時間じゃね?もう腹減った〜…」
ラックスがとぼけた様子で口を開く。それは何日もまともなものを食べていなかったセラも正直、思っていたことだった。
「そうね………それじゃライ、手伝って」
「なんで俺!?ラックスがいるじゃん!」
「いいからとっとと来る!」
がっとライの首根っこを掴んだレイラは何を作るか考えた様子で、ライの不満は一言も耳に入らなかった。
* * *
夜--------久々にありつけた食べ物を綺麗に残さず食べたセラは早々にベッドに入った。そして、いつしか頭痛は消えていたのに初めて気づいた。
そのとき、部屋のドアが開いてレイラが入ってきた。手には暖かいミルクを持って。
「眠れないだろうと思ったんだけど……」
必要ないかな、と苦笑する彼女にそんなことない、と返したセラはミルクを手にとってため息をついた。
「一つ、聞きたかったことがあるの」
「なあに?」
セラは今まで疑問に思っていたこのを口にした。
「どうして、敵国の王女を受け入れてくれたの?このままいたら、皇帝に見つかってレイラも危ないでしょ?」
すると、レイラは一度目を見張って天井を仰いだ。
「それはね、あなたを見て分かったことがあったの。その瞬間、この娘は守ってあげなくちゃと思ってしまったの」
「分かったことって?」
「それは、ひ み つ♪」
はぐらかして教えてくれないレイラを一瞥してセラは布団に潜りこんだ。
「昔、母さまと妹で話したの」
声が震える。でも、何故か伝えたいと思う。この人には……
「幸せってどんなものなんだろうって。形なんかあるのかなって。あるとしたらどんな形なのかなって」
レイラは、ただ初めて会ったときのように頷いて聞いてくれている。
「そしたら、母さまが〈形なんて、なくていいの。強いて言うなら幸せは「光」なんだと思うわ〉って……その意味なんて全然分からなかったけど……今はっ…いま、は……」
次第に声が小さくなっていく。震えて上手くまとまらない言葉でもその気持ちはレイラにも届いた。
「………………分かる気がするの」
そうして、それっきり言葉を発するそとなく、規則正しい寝息がセラからこぼれた。
「光、か……そうだね」
そう密かに呟くとレイラは部屋を後にした。
- Re: 亡国の姫君 =END WORLD= ( No.15 )
- 日時: 2011/03/02 20:36
- 名前: 彰緋 ◆xPNP670Gfo (ID: cPRWXRxr)
〜あとがき、というか言い訳2〜
2てなんだ2って……
ともかく、参照が50を超していましたぁ!今までは土日に一気に更新っ!ってかんじだったのですがwww
さて、あばばさんという方からこのスレで初めてコメントをいただきました。いや〜ありがたい!なかなか、コメントが来なくて悩んでいた時にくれたコメントは非常に嬉しいものでしたね♪
さて。なんだかアシル君がとっても冷たい件と、なぜかあとがきのほうが書きたくなる件は………どうしましょうwww
まぁ、なんだかんだで皆大変ですね〜(←人事)
シリアス……なのかこれは……いいのか?これをシリアスといって……
いやいや!ここはシリアスということにしておきましょう!(笑)
今回はあとがきが長くなりすぎましたwサーセンww((おい
参照の数が増えたこと。コメントしてくださった方がいること。なんとも嬉しいことですね♪
これからもよろしくおねがいします♪♪
- Re: 亡国の姫君 =END WORLD= ( No.16 )
- 日時: 2011/03/05 09:11
- 名前: 彰緋 ◆xPNP670Gfo (ID: cPRWXRxr)
第六話 求めるもの
暗い。すべて闇に覆い尽くされて何も見えそうにない。
「寒い………」
その闇の中にいた少女……セラは無意識に両腕をさすった。
そこである疑問が浮かぶ。これは夢だ。それなのに、寒さを感じる。
おかしい、と思ったそのとき、前方に仄白い光が二つ漂う。
見覚えがある。いや、そんなものじゃない。知っている、何か。この光は……
「……セ……ラ……セラ!」
はっと瞼をあげると、そこにはレイラの姿があった。
「もう朝よ?大丈夫?」
「平気………」
未だに重い体をよいしょ、と起こして周りを見渡す。そうか、今は私エルフォード国にいるんだ。
その表情から何かを察したらしいレイラは苦笑し、顔を洗っておいでと一言いいおいて部屋を後にした。
顔を洗って、リビングのほうに行くともう三人は食事を始めていた。
「おはよう。よく眠れたか?」
にっと笑うラックスに一つ頷いて椅子に座ると、スープとリゾットが置かれた。
「ん?なんでセラだけ違うんだ?俺らはパンじゃん。これ作ったのアシルだろ?」
一つの疑問をライは口にする。レイラもラックスも気になった様子でアシルのほうを見る。
「まだ、完全に調子が戻っているわけではないのだろう?ならば、軽いもののほうが食べやすい。しかし、野菜もとらないといけない。故にリゾットに野菜を混ぜて……」
スラスラと自分の作った料理の説明をするアシルに、皆驚いて目を見張った。
あの無口なアシルが料理でここまで饒舌になれるとは。長年の付き合いでもあったラックスやレイラも気づかなかった。
「あ……ありがとう……ございます」
なんとか話を遮って、永遠に続きそうな解説を終わらせたセラはスプーンを手にとる。
「おいしい………」
今まで王宮の料理だったにも関わらずおいしいと感じてしまっている自分にも驚きながらも、密かに心を配ってくれているアシルにセラは思いを馳せた。相当嫌われていたものだと思っていたので少々……いや、かなり意外だった。
「セラ、あなた…確か久遠の宝を手に入れたくてここにきたのよね?」
「あ…………う、ん」
いきなり真剣な面持ちで話を切り出すレイラに、こくんと頷いたセラは何か焦燥感のようなものを感じた。
「あの、皇帝がなぜその久遠の宝を欲しがっているか、分かるか?」
「え………」
そういえば何故だろう。誰か大切な人でも失ったのだろうか。しかし、彼女の予想は大きく外れた。
「あの宝は死ぬる「物」…または「者」を生き返らせることができる。しかし、それだけじゃあない」
「……………」
ならば、何ができるのだろう。皇帝はそれ
を使って何を………
「あの宝はな、生きとし生けるもの全てを滅ぼすことも出来る」
「…………!?」
セラは絶句した。そんなこと、全く知らなかった。
繋がった。だから、母はあんなにも敵の手にこの宝を渡すまいとして、この宝の道順である秘宝を私に託したのか。
「だから、今俺たちはその宝を一刻も早く手に入れてしまわなければならない……この国を。世界を滅ぼされる前に」
そこでライは一つ息を吸ってセラのほうへ向きなおる。
「力を貸してほしい。お前も必要なんだろ?祖国のために」
セラは目を見開く。祖国のためにもなる……もう一度、幸せな王国を……
「分かった。この秘宝はどんなのだか詳しくは知らないけど、求めるものは一緒なんでしょ?」
凛とした声で約束したセラに、アシルを除くその場にいた幹部がよかった、といった程でひとつため息をついた。
- Re: 亡国の姫君 =END WORLD= ( No.17 )
- 日時: 2011/03/05 22:19
- 名前: 彰緋 ◆xPNP670Gfo (ID: cPRWXRxr)
第七話 血濡れた刃
ガヤガヤと賑わうこの街、エルフォード国の首都であるユリアルではいつもどおり商売人や、客でいっぱいだった。
その人混みの中を青年と少女が並んで歩いていた。
青年のほうは、茶色の鎧……といっても、とても簡素なものでほとんどまるごしといっていい。少女のほうは、ぶかぶかのフードをかぶっている。
「このまま歩くだけでいいの?何にもしてないじゃない。警備隊っていっても……ライ、聞いてる?」
「ああ。聞いてる。まぁ、いつもこんな感じだ」
少女………セラが疑問をとなえると、あっさりした様子で答えた青年………ライはスタスタと歩いて人混みの中へ入っていった。そう、ここは初めてライとセラが出会った場所だ。
さて。話は今日の朝までさかのぼる。
セラには何もすることがなかった。迂闊に外をうろうろしていればいとも簡単に捕らえられるし、かといって家でのんびりともしてられない。そこで……
「俺達についてこの国を散策するってのはどうだ?」
こう提案したのはライだった。レイラやアシルは反対したが、結局ライについて国を散策することになった。
もしかしたら、この国にあの久遠の宝があるかもしれない。それに、幹部であるライについていけば、ただの兄妹にしか見えないだろう。
………というわけで。
「はぁ……散策はしてるけど、何もないわよ?」
盛大にため息をついたセラは肩をおとす。かれこれ、何時間も歩いているので体力も気力も限界だ。
「少し休むか?」
「そうしてもらえると、助かる…」
ふぅともう一度ため息をついたセラは、ちょうど、丘の上にあるベンチに腰掛けた。
首にかけている薄緑の石が、太陽に照らされて鈍くきらめく。
この石を持つだけで、本当に宝のありかが分かるのだろうか。今まで、それらしい反応はしない。
刹那------
ぴくりと隣に座っていたライの肩が揺れる。視界の隅でそれを捉えたセラは首を傾げた。
「どうしたの?」
「そろそろ、仕事だ。いくぞ」
どういうことだろう。今までのことは仕事ではないのか、そう考えがよぎった瞬間、がっと手をつかまれて、全力疾走で丘を走りぬける。その先には-------
「ちょっと馬、借りるぜ!」
呑気に立っている馬にひらりと飛び乗ると、セラもつられて跨る。馬術は小さい頃にやっていたので苦ではない……が、
「ちょっと!どこ行くのよ!」
「だから、仕事っ!」
「意味分かんな……っ!」
ガクンと体がのけぞる。振り落とされまいと懸命に力を入れると、馬が急停止した。
「ここ…………」
周りは瓦礫ばかりで、とても先ほどのユリアルと同じ国とは思えない光景がそこにはあった。
瞬間、背後から殺気のようなものを感じたセラは振り返る。しかし、それより先にライが剣をぬいて、相手を一刀両断した。
血飛沫がまい、断末魔の絶叫が轟く。
「どういう、こと……?なんで……」
「これが仕事だ。ほら、よく見てみろ」
地べたに転がる亡骸をライは足で転がす。
すると、それは灰と化しサラサラと崩れさった。
「こいつは人間じゃない。化け物だ。警備隊なんて名前だけ。これが、俺達の仕事だ」
「?化け物なんて……」
「こいつは、皇帝の仕業だな。これは、化け物作って国を攻めおとすための実験…てかんじかな。いずれ、ロザリア国も滅ぼす気でいる」
「なんで、それがここに……」
「元々、それは薬だったんだ。こいつらは既に死んでる。それをこうして生きた屍にさせてほうっておきながら様子を見るっつーわけだけど……」
「だけど?」
ざっと説明していたライが言い淀む。やがて、のろのろと口を開いた。
「暴走すると、人間を殺すくらい凶器になる。だから、こうやって見張ってる」
所々意味が分からない所があるが、それはともかく。
今までそんなこと全く知らないでいた。皇帝がこんなものを作っていたとは。いずれ国を滅ぼす気でいることも、今まで知らなかった。
セラの表情に恐怖が宿る。こんなこと、人間がしていいことじゃない。
ライは深呼吸すると、もう一度馬に跨った。
「今日はとにかくかえるぞ」
そう言い置いて、セラを促したライの顔には険が宿してあった。
前に、皇帝のことを嫌いだと言っていたのを思い出したセラは、きっとこのような事とも関係があるのだろうと思った。
- Re: 亡国の姫君 =END WORLD= ( No.18 )
- 日時: 2011/03/05 23:59
- 名前: 彰緋 ◆xPNP670Gfo (ID: cPRWXRxr)
第八話 エルフォードの魔女
仄に輝くる二つの光。また、この夢だ。
始めに見てからもう何度目だろう……
セラは光へ手を伸ばす。しかし、決して触れることはできない。まるで炎のようだが熱くはない。むしろ、冷たい。
このまま朝を迎えるのだろうか。そう思っていたとき、いつもとは違う…何か不安感がよぎった。冷たい汗が背筋をつたい、ここは危険だと全身で警戒しているのを感じた。
そのとき---------
「……………」
背後にある老婆が立っていた。見覚えがある。そう……あの日に会った、宝を手に入れろと言った老婆。
何か小さな声でブツブツ呟いている。気味が悪くなったセラはその場から逃げようと、後ずさりする。すると、その老婆はある女性に姿を変えた---------
* * *
「…………という夢を見たの」
今朝見た夢を、幹部の三人に話すと明らかにラックスとレイラの表情が変わった。ライも眉間に皺をよせる。
「あぁ……えっと……それってなんか姿はお婆さんなのに、声が若かったりする?」
「はたまた、その女性になった姿の髪の色が銀色だったりとかは……」
「あぁ、そういえばそんな人だった」
ラックスとレイラの言うことが、見事に的中したので、セラは目をみはった。
対する三人は、顔をこわばらせている。アシルも、普段顔に出さないのに険しさが宿っている。
すると、ライが席を立って戸棚から古ぼけた一冊の本を取り出した。
「お前が言ってるの、もしかしてこんな人か?」
ページをめくっていくと、一つの絵がそこにはあった。銀色に輝く髪をなびかせ、天女の如くに美しい。手には杖を持っており、髪飾りをたくさんつけている。そう、この絵の人物こそ………
「この人っ!この人がでてきたの!」
夢に出てきた老婆の変化したあとの姿そのものだった。
そこで、ライがおもむろに口を開く。
「この人は、かつてエルフォード国に仕えていた、魔女だ。伝説として、な。ほら、ここに書いてあるだろ?」
指で示すとそこには、その魔女の伝説から容姿、全てが記されてあった。
「しかし、この伝説はもう、五百年も前の話だ。お前がこいつに会ったっつーのは……」
ありえない話だ。それに、あのときは意識も朦朧としていたし、幻覚だったのかもしれない。そう考えがよぎったが、実際に夢にも出てきた。一体どういうことだろう。
「まぁ、とりあえずこの件はおあずけ。そろそろ出ないと、まずいわよ?」
レイラが時計を指してライとラックスのほうを見る。
「うぉっ!やっばぁ……と、とにかく行くぞっ、ライ!」
「あ、あぁ。セラ、お前はあとでレイラと来い。レイラ、任せたぞ!」
駆けるようにして飛び出していった二人を見て、しばらく呆然としていたセラもクスクスとこらえられなくなったようにして笑った。
レイラはそれを見て頬を緩ませる。ここに来てから、この娘はずっと笑わなかった。少しは慣れてきたのだろうか。ともあれ、それはいいことではある。このまま気が楽になっていてくれればいいのだか。
「セラ、今日は私と行きましょう」
「う、うん」
こくりと頷いたセラはいそいそと自室に戻って行った。
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