ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 遺伝子コード000±0×0
- 日時: 2011/06/28 16:29
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: Wp/04zaT)
能力者系小説です、ハイ
やっぱり、飽きっぽい私にリメイクと言うものは合わなかったようで
決まった話に沿って更新すると、ガタが来て、読めたものではなくなるので、もう少し
考えてみました
一応注意事項として
荒らさない
荒らされている場合はコメントせず放置でお願いします
騎士の更新はもちろんします
能力者レベルゼロの更新はストップしてしまいましたけど
レベルゼロの設定もある引き継がせています
更新遅めです
用語解説
〆>>9§>>11
キャラクタープロフィール
〆>>13
プロローグ
〆>>1〆
Chapter Ⅰ アビリティ・キラー
〆>>5§>>12§>>14-21§>>26§>>30§>>36
Chapter Ⅱ 反逆者
- Re: 遺伝子コード000±0×0 ( No.10 )
- 日時: 2011/06/05 20:16
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: MlJjY9/z)
モノクロs
私としては『アンチアビリティ」と言うのを考えてます
さて、主人公の名前何にしよ((
冗談です、主人公行きつけの酒場のマスターの名前……
ホーニィにするかオージュにするか……それは非常に迷う
自分のコメント二つ連続出並ぶのが嫌なのは私だけか……?
- Re: 遺伝子コード000±0×0 ( No.11 )
- 日時: 2011/06/22 17:33
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: Wp/04zaT)
- 参照: 用語解説その2
〆魔力〆
その名の通り、間族が魔術を操る時に使う生命エネルギーの一種。
空気中の魔力は、魔力に免疫の薄い人間に蓄積し、人間にも溜まる。
溜まりきると、放出されなければ毒となり、その人間の体を痛みも、身体異常も起こさず侵食する。
最終的には透明化し、その場に衣服を残して消えると言う症状を発症する。
魔力の存在が知られていなかった時代、その症状は消失病『クリアシック』と呼ばれていた
〆レベル型能力〆
自らに蓄積された魔力を遺伝子コードを持つ能力者と同様に自らの肉体の内から外部へ放出する能力を得た人間を指す。
遺伝子の構造により、やはりその能力は変動し、双子でもなければ二人として同じ能力を持つ人間は居ない。
遺伝子コードを使う能力者とは違い、魔力と言う毒を吐き出すだけなので能力の発動と同時に体力を一緒に持っていかれることがなく、自分の魔力の上限を理解していない者も多い。
能力者のレベルは、Ⅰ〜Ⅴ。 ただ、確認されていないだけでレベルⅥ以上が居ないと決まっているわけでもなく、レベルの上限については学者達の間で議論が続いている。
- Re: 遺伝子コード000±0×0 ( No.12 )
- 日時: 2011/06/09 16:18
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xr1in99g)
「マスター、酒! おかわり」
黒髪の青年が、酒場の店主に叫ぶ。
もちろん、青年は未成年で、飲酒はこの国の法律で19以上でなければ駄目だと定められている。
だが、青年にそんなことは関係ない。
「いい加減にしとけよ、エルメス。 オマエさん、まだ未成年だろう? 脳みそ縮んでも知らんぞ」
「縮まねえよ、俺は物事を否定する能力者だからな。 酒は体にいいんだよ、俺が言うんだから絶対だ」
無茶苦茶な意見……いや、断言に店主は苦笑いを浮かべ、棚から適当にビンを数本取り出すと青年の前に並べた。
そして、
「どいつにする?」
「んじゃ、一番右と真ん中から左二つ目のビン。 アルコール度数は如何でも良い」
その言葉に、再び店主は苦笑いを浮かべると、一番右に並べた緑色のビンを手に取り、
「オイ、エルメス。 コイツは止めておけ、飲めたモンじゃねえぞ。 俺の記憶が正しければ、ジャックとか言う酒飲みしか飲めなかったほどだ。 悪いことは言わない、止めておけ」
店主はエルメスに忠告するが、エルメスはそんなことになど一切耳を貸さず、その酒をグイグイと飲み干した。
流石に、アルコールがきつかったのだろう。 青年はある程度飲むとむせ返り、口の中に残っていた酒を吐き出し、そのビンに巻かれたラベルに目をやった。
……道理で、きつい訳だ。 酒瓶のラベルに記されているアルコール度数は、なんと脅威の98%。 殆どアルコール……依存症の奴が飲むようなレベルだ。 最も、そんな酒は浅い人生経験の中で見たことも聞いたことも無い。
「マスター、これを飲んだジャックって奴、アル中か? 飲めたモンじゃねぇし、どっから仕入れたんだよ」
エルメスは顔をしかめ、恨めしそうにビンを見つめながら問う。
「ああ、コイツは俺の店のオリジナルだ。 そのジャックに頼まれて作ったんだが、アイツ……ここ数年の間に死んじまったらしくてな、俺としては——」
「おい、殺っちまえ!」
店主の言葉を遮るように、店内が騒がしくなる。
ま、元々そんな表向きの店じゃないし、柄の悪いのだってたくさん居る。 喧嘩なんか日常茶飯事。
そして喧嘩や揉め事を起こすのは決まってここへはじめて立ち寄った流れ者。
そして、その流れ者の処分は、
「オイ、気持ちよく酒飲んでる連中に迷惑だ。 黙るか帰るか……つーか、死ね。 人が気分よく酒飲んでるってのに」
俺がする。
両手を広げ、相手を挑発。
「おうおうおう、何だ餓鬼が! テメエ、死にてぇのか?」
大体、こういうところに流れてくる奴って、D能力者なんだよな。
D能力者は、遺伝子コードを持つ能力者のことだ。 基本的に、炎を吐く奴も居れば電撃を発する奴、思考を読む奴など人間の完成や身体機能の一部を極端に特化させたような奴が多い。
が、その能力の本質が全て同じでも、その表面に出てくる能力は決まって同じようなものだ。 大体、この手のD能力者は炎を吐くか、電撃を発するか、思考をかき乱すかの3択。
何で分かるのかって? そりゃ、攻撃的で、見てくれが良くて威嚇に使えるようなのがその程度だからだ。
他は地味だったり、その他の強い能力は、扱える奴は扱える奴で基本的に名を知っているような有名な奴ばかり。 地味であればこんな所でおおっぴらに使うようなこともしないだろう。
無名の、D能力者であれば、消去法でこの3択以外にまずありえない。
「俺に喧嘩を売るのか、大人気ない奴だな。 良いだろ、殺してみろよ。 俺を殺し損ねた時が、オマエの死ぬ時だ」
言葉と共に、エルメスは男に詰め寄る。
そして、1メートルまで間を詰め、両手を広げて立ち止まってみせる。
「ほう、殴れってか?」
一撃。
強烈な打撃が、エルメスの視界を揺らす。
だが、男が第二波を繰り出そうとした時だった。 『ボギンッ』と言う音と共に、男の腕が本体を離れ、床へと落ちる。
突然のことに、男は無くなった左手を凝視した。
そして、
「うァあぁぁアぁァ!」
痛みの余り悲鳴を上げるが、すぐに思考を切り替えエルメスへ電撃を——放つ! ……しかし、それも無駄に終わった。
エルメスはその電撃の中に左腕を差し出すと、その手のひらに吸い込まれるようにしてその電撃は消滅する!
それを見て、男はバケモノか何かを見るような目で、エルメスを見上げる。
「言ったよな、俺を殺し損ねた時がオマエの最後だって。 悪いが、俺は眠くて苛立ってるから、手加減は出来ないぞ……?」
男を蹴倒し、エルメスは楽しそうに言い放つ。 そして……
「ハハハ!」
男の顔面を容赦なく踏みつける!
何度も、何度も……躊躇することも無く……!
「良いな、自分が偉いと思い込んでる駄馬を踏みつけるのは……!」
何だか見たことの無くもない光景に、周囲は唖然として一言として言葉を漏らさず、その様子を見守る。
しばらく経つと、ようやくエルメスは男を踏みつけるのを止めた。
「あららー、顔面グチャグチャで踏み応え無くなっちゃったか」
踏むのを止めると、エルメスはその男の足を握り、カウンター横の巨大なゴミバケツへとその死体を放り込む。
そして懐を探ると……驚いた。 てっきり、小さな財布が出てくると思ったのに、出てきたのは100$札の束。 この世界の通過は、ドルに統一されている故に何処でも金の価値は同じだ。
それを手に、いつもの習慣のように、その上からその辺に転がっていた酒瓶を投げ込み、男の死体を隠すと、
「さあ諸君、五月蝿いのは消えた。 思う存分楽しむといい」
見つけた金を撒き散らし、
「マスター、釣りはいらねーわ」
その店を後にした。
- Re: 遺伝子コード000±0×0 ( No.13 )
- 日時: 2011/06/29 15:14
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: Wp/04zaT)
- 参照: キャラクター一覧 増える予定あり
エルメス・D・カーシュ
性別:♂
年齢:18
Dコード:000±0×0
能力:ゼロ族・否定【ディナイアル】
コードランク:Jクラス
効果:相手の能力を吸収する。
コードネーム:アンノウン
備考:国家の第一回能力適合試験で能力の適合に成功したD能力者。 ただ、その能力を示す遺伝子コードの値が000±0×0。 つまり、理論上何も使えない能力者という名だけの能力者だったため、政府に廃棄された。
5年前に終戦を迎えた『ウィズデム』によって壊滅した都市の唯一の生き残りにして、都市を壊滅させた殺戮者を根絶やしにした張本人。
リアス・アルファーロ
性別:♀
年齢:17
Dコード:006±6×6
能力:1260族・生贄【サクリファイス】
効果:常に何かが自分の盾となり犠牲となる。 常に能力は全開状態で、彼女自身もコントロールが出来ていない。
コードランク:SSクラス
コードネーム:セルフディフェンス
備考:無口で、人見知りが激しく何事においても「もう駄目だ」としか言わない性格。 彼女の性格は幼少期の『犠牲』の試験が関係しているらしい。
レックス・ビアス
性別:♂
年齢:18
Dコード:001±1÷1(÷2)
能力:1族・歯車交換【ギアチェンジ】
効果:自分の運動量に応じ、その時々の最大値を上昇させていく能力。 使えば使うほど、使用時間が延びれば伸びるほど、その上がり幅は上昇する。 使える能力はギアチェンジする後の限界突破【オーバードライブ】までに動いた運動量に応じ、上がり幅も変わる。
コードランク:Aクラス
コードネーム:インフィニティ
備考:素性不明
イリス・バベロ
性別:♀
年齢:18
Dコード:000±5×(12−4)÷100
能力:16族・斬首【ビカプテイト】
効果:彼女に斬れない物体は無い
コードランク:SSクラス
能力者レベル:Ⅴ
コードネーム:断罪者
備考:政府の公務員。 子供を使う実験に嫌悪感を覚えている。
政府の危険人物データの上位にその名が記される、危険人物。
- Re: 遺伝子コード000±0×0 ( No.14 )
- 日時: 2011/06/18 16:38
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: jrQJ0.d7)
「ンニャッハッハッハッハッハ! 気分いいぞ〜!」
酒場を後にしたエルメスは、いつもの様に夜の街を闊歩する。 基本的に、彼の主義『借りは作らない』によって、彼にツケの話を持ちかけてくる者は居ない。 が、彼がそこでマトモに金を支払うことも少ない。
理由は簡単。 ここ、『アンダー』では喧嘩が絶えない。
その中に割り込み、両者をボコボコにして沈静化することで、その店からの『感謝』を受け取っているのだ。
不意に、エルメスを小柄な男が呼び止め、
「おーい、エルメス! 喧嘩が始まったぞ!」
店の中へと招き入れる。
基本的に、エルメスはこの薄暗い町の頂点に位置する『帝王』であり、『ボス』でもある。 そして、その無知無謀さは他を圧倒するものだ。
「おいおい、ゲイブ。 こりゃ、喧嘩じゃねえだろ」
店に入ったエルメスは、呆れ半ばに自分の後頭部をボリボリと掻き、
「よー、リアス。 どうした、また厄介ごとか?」
ナイフを持った金髪スーツ姿の男に取り押さえられている人質状態の彼女に話しかける。 長い銀髪を地面に擦りかけながら、彼女は小さくため息をついた。
彼女は、リアス。 彼女もまた、この町に住む人間で、『非合法能力発現者』である。 つまり、政府公認ではなく裏で出回っている『ナノマシン』によって能力を発現させた裏の人間。
「うん。 私はもう駄目だ」
彼女死んだ魚のような紅の瞳で助けを求めるようにエルメスを注視し、弱音を吐くと、周囲は大笑いする。
何故って?
「おいおい、リアス。 そういうのは本当にもう駄目になってから言うもんだろ? ほら、そこの偉そうなスーツオヤジ、その女の子離せ。 嫌だったら、それで殺せ。そいつは誰にも殺せねえケド」
エルメスはナイフを指して言い放つ。
どうも、この男はこの町の奴じゃない。 第一、この町に金髪の奴はまず居ない。 髪の色は基本的に白か黒。 それか茶色。 そして、俺が知らないと言うことはよそ者だろう。
常人であればナイフの一突きで死ぬ。 もちろん、リアスはその一突きで死ぬ。
「そうか、私にこの娘を殺せと? 貴様は一体何がしたいというのだ?」
うーんとね、特に何も。 連続殺人犯が『殺すな』なんていえる義理もないし。
何より、能力使うのも面倒。 炊きつけて発動させないとこっちからは能力では何も出来ないし。
「傍観したいだけ。 ほら、さっさとバラせよ」
エルメスが更にナイフを握る力を強めさせる。
「ま、殺そうが殺すまいが……結局オマエはこの町からは出れねえよ。 なんたってここは俺の町だからな(町長ではないけど)、オマエがどこにいようと俺にその目撃情報は入るし、この町から出ようにも今は地面の底にしろ、ここは昔、城下町だった名残に城壁が周囲を守ってる。 よじ登ろうとすれば、エレキネットの餌食さ。 それに、地上へ通じるエレベーターに乗るのは勝手だが、地上に出て森からは近い。 オーガの餌食になるぞ。 それぐらい分かるだろう? 元政府のお偉いさん、仕事で失敗して落とされたんだろ? この掃き溜めみたいな町に……さ。 俺の記憶が正しければ……確かあんた、オーガ対策委員会の部長だろ?」
終にその男は切れた。
手に持ったナイフを、リアスの首筋へと突き立てる! だが、それは失敗に終わった。
偶然と言うべきか、はたまた奇跡というべきか。 周囲から見れば、不慮の事故。
偶然にも腐りかけていた店の天井の一部が落下し、奇跡的にナイフとリアスの喉の中間点でナイフの切っ先を受け止め、その後に連鎖して落ちてきた木片が、男の後頭部を強打し、男は意識を失った。
「ホレ見ろ、殺せないって言ったろ?」
エルメスが男の顔面を踏みつけるも、男は反応を返さない。 当たり前だ、気絶している。
「う〜ん……諸君、この男は好きにしたまえ」
エルメスが店出ると同時に、男も店から投げ出された。 あろうことか、身包みを剥がされ裸の状態で。
もちろんエルメスはそれを踏み越え、宿を探し始めた。
まっじいな、宿探さないと朝まで野宿か〜……。 まあ、何とかなるだろ。
「そういや……なんでオーガ対策の委員長がこの町に落とされたんだろ? “森”に異変でもあったのか……な……?」
エルメスはその場で酒に負け、眠り込んでしまった。