ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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とある愛情と記憶を忘却したぼく。
日時: 2012/02/19 14:24
名前: イカ飯 ◆woH8nI2Q5A (ID: SyX71hU.)

————————あの日。ぼくは愛と記憶を失った。





こんにちは、またはこんばんは、またはおh(以下略。
駄作者ことイカ飯です、多分一年くらい温めていたアイデアを小説化しました。
この小説のテーマは『愛』です。まあ、形は数え切れないくらいあると思います。
それを主題に今回は書いていきます。ジャンルは『人間ドラマ』どうぞ宜しく。


※注意:結構グロテスクな表現も入る可能性があります。
微妙にドロドロな感じもあるかも知れません。気分を悪くした場合はは戻るをクリックして下さい。
荒らしは厳禁、軽くスルーです。駄文を読んだら嘔吐をする危険性もありますのでご了承ください。


—目次—
プロローグ
#>>1

第一章『愛というものを探求するぼく。』
#>>2#>>5#>>9#>>10#>>11#>>12#>>15#>>20#>>21#>>22#>>25#>>27#


おまけ 
『イメージ曲』#>>19#
『プロフ』#川崎真人>>26#


—お客様—
Xatkas ああs Makiahuts 風猫(元:風s 夢姫s





さあ駄文の世界へご案内しましょう。

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Re: とある愛情と記憶を忘却したぼく。 ( No.15 )
日時: 2012/01/09 23:25
名前: イカ飯 ◆woH8nI2Q5A (ID: SyX71hU.)


「うぉおい……、お前何したのか知ってんのか?」
「……わかりません、私が何をしたんですか?」

案の定大当たりを引いたみたいだ、あの子らしき透き通った声が聞こえる。
そして同時に不良達の低くてドスの利いた声も聞こえてきた。
もう捕まったのか、どうすればいいんだ。多分不良達に挑んだところで袋叩き戦法で滅多打ちにされるのは目に見えている。
ぼくは今一度周りと自分の手元の状況を確認する。

周りは本当に道が細くて声はここでだと響くが案外外には届かず、届いたとしても活気のある商店街ではそんなちっぽけな声もかき消されてしまう。
つまり、ここは誰かがこの路地裏に入らない限りはこの状況は外に伝わらないしここから一か八かの博打打として大声で助けを求める事もできない。
この状況を伝える手立てがあるとすればぼくが携帯電話などを使って警察に通報するぐらいだ。
ときにここは凄く狭い路地裏だ、ぼくがあの子の手をサッと引いて疾風の如く逃げるなんて事も無茶に等しい。
ここで選ぶべき手立ては警察に通報するという事だ。しかし今はあの子が尋問をねちねちとされているのでまだ手は出ないだろう。
それはそうと、ぼくが所持していたのは自宅の鍵、携帯電話、マイバッグ、財布——、そのぐらいしかなかった。
やはり使えるものなど無い。

ぼくは状況を確認して今とるべき行動を見極めて選択した。
ここは携帯を使って警察に通報しようと。
早速ぼくが携帯を制服のポケットから取り出した、そしてボタンに手を掛けた。




——どうした、ぼく。早く電話をかけるんだ、どうしたんだ、ぼく。
その時ぼくは手元に意識を向けた。携帯は全く壊れていない。
別に電源が切れたわけでもない、というより携帯に問題などなかった。

ぼくの指が震えていた、カタカタと尋常じゃないほどに。
そして気がつくと足まで震えている。ぼくの心の中も不安要素が埋め尽くした。
何で。何でだよ、あんな不良なんて警察に掛かればすぐに捕まるだろ?
電話を掛ければ終わることなんだろ?なのに何で動かないんだよ!


この時、ぼくはこの事実を否定し続けたが実は知っていた。
知りたくも無いのに知っていたのだ。
当然ぼくだって否定して必死に偽った、だけど偽りきれない。



恐怖という感情は。

ぼくはただ怯えているだけなのだ、不良グループを目の前にしてぼくは怯えているだけなのだ。
自分でも情けないと思う。それでも怖いのは否定する事ができない。この気持ちは。
ああ……。ああぁぁぁあああ!!動けよ、ぼくの指ぃいいい!!
心の奥底で叫んだ、ぼくが必死に指を動かそうとしたその時。


「——あっ!まずい」

ぼくは手を滑らしてしまった、そして携帯は地面へ急降下する。
ぼくが気がついたときには遅かった。
ガタン、と地面に携帯が打ち付けられる、その時不良達の騒がしい尋問がピタリと止まった。


「おい、今のは何の音だ」
「リーダー、向こうです」

と、多ぼくの方向を指差したのを隠れて確認した。

「うぉい!あそこに何かないか確認して来い!」
「へい!」

と、幹部の指示で下っ端の不良が一人こちらへ向かってくる。
しくじった、そこでぼくは数秒という時間を最大限に利用し打開策を必死に考えた。
どうすればいい。逃げればいいのか?そして助けを求めるのか。
……駄目だ。そうしたら幹部は警戒を強めて尋問なんか直ぐにやめて、制裁と偽って暴力の拳を下すだろう。


ぼくには愛なんてものは知らない、愛なんて聞いたことしかない、愛なんてぼくの中には存在しない。
だけど。だけど、これでぼくが見て見ぬふりをしたら。完璧に悪ではないか。
これは偽善の皮を被った悪ではないか。ぼくはあくまで常識に囚われて生きている。

それは現にぼく自身生きている意味が感じられないからだ。
ぼくは愛という大切な人間性、人間としての大事な要素を失った。
誰かを守りたい、誰かのために尽くしたい、誰かと一緒にいたい。
ぼくの中にそういう思いは存在しなかった。つまり人生の目的が全く無いのである。
だが、それでも常識に囚われていれば普通の人でいたい、サラリーマンに将来なりたいなどと、平凡な仮の目的を作る事が出来て、ある程度自分を偽る事ができる。
そう思ったから、ぼくは常識に囚われながら生きる事にしたんだ。人間らしく存在するために。

だけどどうだ。ここで常識をぶち破ってしまえば、ぼくに生きる目的などもなくなる。
悪になってしまえば常識に囚われる事なんて一生できない。
さすがのぼくも人道を踏み外すなんてことは嫌なのだ。

それに加えて、もう一つ。ぼくが初めてあの子に会ったとき、あの子に何かを感じた。
何を感じたかはわからない。だから、そのわからなかった何かを見つけるために。

だから。だから、ぼくは決意する。
常識という今の道しるべを見失わないように、人間らしくいるために。
あの子に感じた何かというものを見つけるためにも。

——あの子を助ける、と。





「誰かいるのかあ?ぐべらっ!」

ぼくは下っ端が曲がってきたところで、渾身の右ストレートを入れた。
下っ端は壁に打ち付けられ簡単に意識を失った。
ぼくは下っ端の屍(単に気絶しただけだが)を越えて不良達の前に立ち塞がる。
その時あの子は目をぱちくり開けて、ぼくをずっと見ていた。


「あなたは……、購買のときの……。何でここに……!?」
「……」

ぼくは敢えて言葉を返さなかった。

「おいおいぃ、お前何のようだぁ?殺されに来たのかぁ、あん?」
「別に。何でもないさ、ただぼくは通りがかった偽善者だ。——だからぼくはその子をお前等から助けるために来た」


ぼくは堂々と宣戦布告をした。

Re: とある愛情と記憶を忘却したぼく。 ( No.16 )
日時: 2012/01/12 21:54
名前: イカ飯 ◆woH8nI2Q5A (ID: SyX71hU.)
参照: まだ、本題じゃないよ〜〜。


「……調子に乗ってんじゃねえぞぉぉぉおおお、てめえぇぇええ!!お前等ぁあ、やれえええ!」

しかし、どうしたものだろうか。ぼくは特別喧嘩が強いわけでもないし超能力だって持ち合わせていない。
なのに、不良達を蹴散らしてあの子を助け出す事が果たしてできるのだろうか。
——いや、今更迷ってなんていられないんだ。やるべき事は確定しているのだから。

まず、相手の不良が三人まとめてぼくに鉄パイプを構えて突進してきた。
三人が一斉に向かってくるという事もあり、路地裏なんて狭いところでは避ける事はまず凡人には不可能である。
だが、そんな必要はなかった。ぼくは一歩踏み込んで一人の不良の顔面にアッパーカットを入れて無理矢理道をこじ開ける。
そしてぼくはそのまま不良の巣の中へ、身を投げ出そうとする。——しかし、残り二人の不良が後ろから鉄パイプで後頭部を殴打した。
その衝撃は頭の中に響き渡る、思った以上の強い攻撃だったのでぼくの動きは思わず静止してしまった。
さらに、その隙を他の不良達が見逃すわけもなく躊躇なく鳩尾へ拳が飛んでくる。
そして、諸に飛んで来た拳をぼくは喰らってしまい宙に体が舞う。

その無様なぼくの様子を見た不良達は、嘲笑って軽く罵った。

「うぉいおいおい!これで終わりかよ、喧嘩売るってことは相当自信があるんだろぅなあ?」

ぼくは言葉を返そうとしたが鳩尾に拳を喰らって、息が出来ない状態だった。
だから言葉など返せるはずもない。意識を保つので精一杯である。
そんな辛い状況に陥っているぼくに、情けすらかけず不良達は倒れているぼくを踏んだり蹴ったり踏んだり蹴ったり。
もうリンチされていた、袋叩きになっていた、不良達のサンドバッグになっていた。
今のぼくは悲惨だった、だからあれだけの台詞を吐いた事に後悔している。
ああ、馬鹿みたいだ。こんなの第二次世界大戦に一人で突っ込んでいくのと同じくらい無謀だ、勝つ事なんてできない。
それに、ここでぼくが倒されてしまえばあの子はどうなる。
こんな不良に何かされてしまうだろう、何かというのは具体的な推測は立てられないが暴力だってありえる。



そんな理不尽が許されるのか、大勢の不良が女の子をリンチっていうのは許されるのか。
——いけないだろ、いけないだろ!常識に反してるだろ、外れてるだろ、逸脱してるだろ!!
偽善を気取っているぼくがそれを許してはいけないだろ!!!

「……あぁあああああ!!」
「な、何だコイツ……」

ぼくは不良達の足をなぎ払った、そして立ち上がる。不良達はぼくの起こした行動に動揺を見せているようにも見える。
ああ、吹っ切れた。何故勝とうと思っていたんだか。


——勝たなくたっていいんだ。あの子を助けられればそれで。


ぼくはゆっくりと言葉を紡ぎだす。

「おい、お前等。その子に何か因縁があるなら、ぼくを殴れ。殴りたいだけ殴ればいい、ただし今後一切その子に手を出すな」
「はあぁ?何言ってんだ、お前。この女助けてヒーロー気取りか?綺麗事ほざいてんじゃ——」
「綺麗事で何が悪い!?言ってみろよ、言ってみろよ!!綺麗事を受け入れなきゃ正義なんて気取れないんだよ!綺麗事を否定してたら、人間なんて変われやしないんだよ!!」

ぼくは幹部の言葉を遮って言葉を放った。

そうさ、常識って言うのは綺麗事だ。正しい事ばかりいいことばかり並べて。
だけど、正しい事を受け入れないで。良い事受け入れないで。
善人になんかなれるわけないだろ。

だからこそ、綺麗事を否定してたら本物の正義になんかなれないんだ。絶対に。


「……粋がってんじゃねえええええええ!!言われなくても気の済むままに殴ってやるぜええええ!!」

幹部が拳をぶっ飛ばしてきた、全速力だ。ぼくは覚悟を決めた。

その時。幹部の拳は何かに弾かれた、ぼくも驚愕する。
そこに現れた救世主は木刀を持った金髪の仮面女であった。




Re: とある愛情と記憶を忘却したぼく。 ( No.17 )
日時: 2012/01/11 18:09
名前: 風猫(元:風  ◆Z1iQc90X/A (ID: SqbaeWwr)

初めましてイカ飯様。同じくシリダクで書いてます風猫です。
いやぁ、まだ途中までですがキャラが夫々濃くて面白いですね♪
不良だからって不真面目とは限らない、は審理だと思います!
逆もまた然り!
しかし、主人公は、記憶と同時に愛情とか性欲という感情も失ってしまったみたいですな。
何だか、憐れとしか言い様が無い(涙
大好きです^^
是からも頑張って下さい! 必ず追い付くので!

Re: とある愛情と記憶を忘却したぼく。 ( No.18 )
日時: 2012/01/11 22:50
名前: イカ飯 ◆woH8nI2Q5A (ID: SyX71hU.)

風猫s>

はじめまして、イカ飯というものです。実は今、ドラクエでいうスーパーハイテンション状態です。
あなたのようなカキコでも名の知れた作者様にコメントを頂けるなんてもう夢のような事ですからね。
多分次元が違うと思われますww
キャラクターの会話などはいつも以上に力を入れてますからね。
若干パロディ的なものが確認されるのはアレですがw
主人公は一番思い入れがありますね、実際原案の時には記憶喪失でもなんでもなかったですよ主人公w

とにかく今はハイテンションな状態でコメントをもらえること自体僕からすれば珍しいので光栄ですっ!
近日暇を見つけて風猫sの小説を覗かせていただきますねw
とにかく応援宜しくお願いします!

Re: とある愛情と記憶を忘却したぼく。 イメージ曲公開。 ( No.19 )
日時: 2012/01/15 21:42
名前: イカ飯 ◆woH8nI2Q5A (ID: SyX71hU.)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=fNXbrq5dgNo&feature=related

こんにちは。駄作者ことイカ飯です。今回はこの小説のイメージ曲を公開させていただきます。
僕がイメージ曲として選んだ神曲はこちらです。


【君の為にこの世界を変えてしまおう その涙が悲しいものじゃなくなるように】/GUMI


です。……んっ、ああ。ボカロですが何か?……僕みたいな駄作者がボカロ曲を選んですいませんね!(お気になさらず。

と、この曲を選ばせていただいた理由はですね。この曲の題名にも使われているこの『君の為にこの世界を変えてしまおう その涙が悲しいものじゃなくなるように』という歌詞にときめきました。
この歌詞ならばこの小説の登場人物にとって愛という物がどれだけの存在か感じ取ってもらえると確信を持ったからですね。
そしてもう一つ、この歌詞は少し主人公こと川崎君を物語っている部分がありましてね。
その部分はある意味僕的にはネタバレになる恐れがあるので教えられないのですがw


まあ、とにかくいい曲です!もうぼくの小説が駄文だったとしてもこの曲は聞いて欲しいぐらいです!
ということで、この曲とこの小説を宜しくお願いします!!


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