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シニガミデイズ
日時: 2012/01/09 12:34
名前: テテロ (ID: bQbYMR0G)
参照: http://ameblo.jp/crack000/

——死神の大鎌は殺すための道具であり、決して誰かを守る者ではない。






初めまして、テテロです。
初めて作品を書くので至らないことが多くありますが生温かい目で見てください。
感想やアドバイスなど書いてくれたらうれしいです。
誤字脱字、疑問なども言ってください。






主な登場人物

ヤナギ Yanagi…………死神

悠 Yu…………人間

笹凪 Sasanagi…………魔女

シュウ Shu…………人間

アルマ Aruma…………猫



*お客様*
雨子様 K−10様

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Re: シニガミデイズ ( No.19 )
日時: 2012/02/04 17:09
名前: テテロ (ID: bQbYMR0G)

隣に、今まで何もなかった隣に人がいた。
さっきまで遠くにいた、和服の男性。
そして、その手には刀が握られていた。

——この刀、さっきはどこにもなかったはず。……腰のあたりの違和感はこれのことなのかも。

男性はその刀で襲いかかってくる人たちを次々に切り倒していく。
悠の出番など一つもないくらいに。
その出番のなくなって暇な時間を使って少し考えていた。

——この毒が塗られてある小刀もこの人の物だとして、ステルス機能がついているのはなんで?

男性の周りにには血が広がっていたが、転がっている男たちあ致命傷にはなっていない。
気絶しているだけだ。
血が流れることくらい予想していただろうが、リーゼントはガクガクと膝を震わせている。

——ステルス機能は死神の武器についてる特殊な機能で、その技術はどこにも公開されてないはず。……少しアレンジしてあるし、自分で開発したのかな。

ということは。
危険人物なのかもしれない。
あの魔女との関係がなくても、関わるべきではない。

そのとき。
耳を割るような悲鳴が響いた。
考え事にひたっていた悠は現実にもどされる。

目に見えたのは、あたり一面の血と、和服の男性。
その男性と対峙している、集団の一人であろう、ナイフを持った一人の男。
ナイフの切っ先にあるのは一人の女性。
人質として捕まえられたのだろう。

避難しきれなかった人か、隠れていたのが見つかったのかは分からない。
でも、このわけの分からない争いに関係ないのは分かっていた。

「…ぁ……あ……?…なにしてんの……?」

悠の頭には、あの時の悲劇が繰り返される。
自分も関係ない人の一人だったのに。
降りかかることは全て不幸で。
抵抗なんて、武器を持った人に敵う分けない。
結局は相手が笑うだけのつまらない被害者。

あの女性はこの争いには関係なくて。
自分じゃなにもできないから。
助かることを祈ることしかできなくて。

昔の自分と重ねるには十分だった。

「……ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

別に自分から見てもあの女性は関係ないけど。
自分を助けてくれたあの死神みたいに、私だって助けてもいいじゃないか。

「ふざけるなよ!関係ない人まきこんでんじゃねえええ!!」

なにか視界がぶれて、離れていた距離が一瞬でつまった。
人を殺したときの感覚が一気に戻った気がして、殺すことに迷いはなかった。
首から噴出した大量の血が悠にかかった。
その光景をみせないように悠の手が女性の目を隠す。
瞬間移動。
その言葉がぴったり当てはまるように、女性を遠くに逃がして、自分はもとの場所にもどる。

首無しの死体は倒れていて、誰も動いておらず、時が止まったようだった。
口をあけて固まっている人たちはきっともう襲ってくることはないだろう。
だが、悠の頭は不機嫌で、ここにいるやつら全員殺しても隠滅したら罪に問われないんじゃね?とか平気に思っていた。
だから相手に襲い掛かろうとしていた悠を、和服の男性が止めていなかったら、きっとこの大通りは血で染まって辺りは死体で埋め尽くされていただろう。

「放せ」
「おまえ落ち着けよ。大丈夫、俺がなんとかするから」

子ども慣れしてるような感じで、悠をなだめる。
笑って言うから、もうなんでもしたらとかどうでもよくなって、力をぬいた。

「おー、おまえら聞こえるか?これ以上続けるんだったら容赦しねえ。全員ぶっ殺すぞ。でもしないんだったら倒れているやつら連れてさっさとどっか行け」

たぶん殺すことはしないだろう。
倒れているやつらは全員気絶しているだけだから、後のやつらも殺さない。
だが、目の前に倒れている死体を見ると、そんなことを思えない。
殺される。
誰もがそう思った。

五分もしないうちに全員去っていった。
血で染まった大通りに目もくれず悠と男性はその場を去った。

Re: シニガミデイズ ( No.20 )
日時: 2012/02/04 18:00
名前: テテロ (ID: bQbYMR0G)


「あのさ、こんくらいの子知らね?」

和服の男性は迷子の子を探しているらしい。
和服の男性が手をつかって身長を言っている。
前に会った魔女と同じくらいだった。

「もしかしてその子、紫の服着てる?」
「おお。あ、もしかして会ったのか?どこ行ったかわかるか?」
「私と別れた後は向こうのほうに行ってた」
「サンキュ。その方向だとあそこだな」
「……あのさ」

悠たちがいるのは屋根の上。
大通りから出たのはいいが、とても騒ぎになっていて、人の前にでられない状況だった。
屋根の上なら無難だろうと、悠はさっきの瞬間移動で男性を連れて上ってきたのだ。

「私のこと知ってるんだよね?」
「そりゃあな。あいつも知ってるぜ」
「そして、私のこと見張ってたりしてたよね」
「…………」
「いや、見張ってたって言うより、私を見にきたとか」
「あー……。うん、正解だな。なんでわかったんだ?」
「別にー?あなた強いからあそこらへんの職についてるのかな、とか。そして上の命令とかで私を見に来たのかなって。今考えたんだよ」
「へー、じゃあ……」
「ちょっとかまかけしちゃった★」
「…………」

あとであいつに怒られる、と頭を抑える男性。
悠はしてやったり、みたいな顔になってふと気づく。
そういえば、自分も誰かを探していたような……?

「あのさ、黒服着た、全身真っ黒な男見なかった?」
「見た見た。たしかな、あっちに行ってたかな」
「ありがとー」
「いえいえー」

話を終えた二人は立ち上がり、背を向ける。
そして屋根の上を、男性は跳びながら、悠は能力を使いながら探している人の元へ。











そのころヤナギは仕事を終え、悠を探していた。
探している途中、なにやら軽い争いがあったことを耳にしたので心配していた。
死体がでたと聞いたからなおさら。

だが血で染まった大通りをみたら、そんな心配はなくなった。
死体が回収されている途中だったのだが、その死体は首から上がなくなっていた。
軽い争いで死体がでて、その中で首無し死体?

悠が明らかに巻き込まれたと確信した。
しかも人殺しという方向で。
きっと悠もしたくてしたのではないと思う。
女性が人質として取られていたという話を聞いたからだ。
だが、そちらは心配ではない。

人を殺す前、悠が何を思って殺したのかが心配なのだ。

あのことを思い出したくないと悠は思っているはずだ。
あのことを話にだすと、いつも俯いて口をかむ悠。
それは思い出す範囲がそれだけで済む範囲だからだ。
その奥深く。
自分で無意識に押さえつけている記憶の核。
あそこを瞬間的に思い出したら。

「……」

たぶん、それを思い出したからあれが起きたのだ。
助けたいという思いが殺人として表に出る。
それ以外に方法がないと言い切って。

と、ヤナギの驚いたように大きく開く。
いつのまにか辺りには誰もいなくなっていて。
目の前にいるのは、見知った顔。
魔女、笹凪。

「久しぶりだのう、死神よ」

その少女は見た目十歳くらいの女の子。
瞳は緑と黄色のオッドアイ、紫色の和服を装着している。
そして、足元には一匹の黒い猫。
たしか、アルマと言ったか。

「あの少女に会ったぞ」

ヤナギの眉がピクッと動く。

「なにか元気な子じゃのう。前に我に会ったことを忘れているようじゃがな」
「そのころのお嬢様と姿かたちが変わっているからではないでしょうか」
「それもそうじゃの」
「……何しにきた」
「見に来たのじゃよ、あの子をな。……最後まで守ってやれよ」
「ああ」

そのまま魔女はどこかに消えた。
瞬きしている間に。

ヤナギはふぅ、とため息をつく。

「やはり、早くこの国からでないとな」

Re: シニガミデイズ ( No.21 )
日時: 2012/02/08 22:59
名前: テテロ (ID: bQbYMR0G)


「おー、ヤナギ!」

悠は黒の服で纏まった男性を見つけて跳びつく。
長い道のりだったなぁ…と独りで鑑賞に浸る。

「勝手にうろつくな」
「ヤナギがどっかに行ったんじゃん」
「あ……?」
「嘘だよー。仕事は?」
「終わった」
「もう?」
「終わった」
「早いね。ココ広いからいっぱいいたんじゃないの?」
「終わった」
「早いねぇ」

悠は今日何があったのか、誰に会ったのか一言も言わない。
先ほどあった事件もだ。
気にしているからなのか、どうでもいいのか。
そう聞かれると、間違いなく気にしているから、と答えるだろう。

このままだと死ぬまでなにも言いそうにない。
何かあった、程度で言えばすぐにかわされる。
なので垂直に聞くことにした。

「魔女にあっただろ」
「……魔女?どしたの急に」
「紫の和服着た子だな」
「……」
「そしてあの殺人もお前だな」
「……そだよ」

だからなに、とでも言うみたいにそっぽをむく。
聞かれて欲しくない内容だと言われてるようなものだが、それでもズカズカ入り込む。

「なにかなかったか」
「なにもなかったよ」
「思い出したんだろ」
「ちょっとだけね」
「お前がやってることはいい事じゃないぞ」
「方法がなかったんだよ」
「本当に……」
「るせぇな、だまってよ!」

ヤナギの首に小刀が突きつけられていた。

もちろん悠がしているのだ。
下を向いて、どんな顔をしているか分からない。
でも怒っているのは分かる。
そして悲しんでいることも。

「……もし私がしたことが間違ってるとして、だから何なのかな。悪いって目を見ていえるの?間違ったことをしているのはヤナギも同じじゃん。そして私の場合はあの人たちのせいにできる。こんなのにしたあいつらが悪いんだって言えるの!」

「……本当にそう思ってるなら、頭を冷やせ」

悠を攻めるわけでもなく、でも冷たい言葉は悠の心に突き刺さる。
ヤナギは軽く悠の頭を叩いて、歩き出す。
いつのまにか下げられていた小刀は、するりと手から落ち、道に転がる。

ヤナギが見えなくなっても、まだその方向を見つめる。
独りになってしまった。
いや、もとから独りだったのではないか?と思う。
ヤナギはおいていったんじゃない。
独りである悠を独りにしただけ。

にぎやかな町並みは、黒く啜れていく。
目に映るのは、あの時と同じ風景。
悠はその場に座り込んで耳をふさぎ、目を閉じた。









「よぉ、笹凪」
「よぉ、ではないぞ、シュウ」
「勝手にいなくなるなよ」
「…………」
「すまん。俺が悪かったから無言で睨まないでくれ」
「お嬢様、こんなやつはほっといて先に帰ったほうがよろしかったのでは?」
「アルマ、すまぬ。我は今お前の言うとおりにすればよかったと後悔している」

笹凪たちがいるのは国の外。
城壁を少し離れた展望台だ。

シュウと呼ばれた和服の男性は懐から林檎飴をだす。
真っ赤な、真っ赤な林檎飴。
笹凪の大好物だ。

「これあげるから許せ」
「む…!……まあ、よかろう。それじゃ、はよ戻るとしようか」

すると、笹凪の足元から魔方陣が広がる。
シュウとアルマが入るところまで広がり、そのまま三人がいなくなる。
笹凪が目的地の空間を感じ取り、そこに繋げたのだ。

三人がでたのは丈夫に造られた建物の前だった。
ここは世界粛清機関。
警察みたいなもので、犯罪などを取り締まり、平和に繋げることを主にしている。
時々独裁的にやることもあるが、人々のいうことを聞いてくれるのでそこそこ人気のある職業であったりする。

その建物に入り、奥へ進んでいく。
大きな部屋に出たとき、そこには豪華な円の形をした机が置いてあり、十一人の人が座っていた。
あと一つあいている席は笹凪のだろうか。

「おそいぞ」
「すまぬの。少し用事があると言ったはずだがな」

年季のある声を軽くあしらう笹凪。
笹凪が座った席の後ろにシュウが立つ。

「これで全員集まったな」

男の人が辺りを見回す。
全員で十二人。

「これより、世界粛清機関中枢部の会議を始める」
「まずはじめに遅れてきた三番目に話を聞こうか」
「わざとじゃない言うとろうが……。そうだな、まず

あの不老不死の銀髪少女のこれからの行方を話し合わぬか」

Re: シニガミデイズ ( No.22 )
日時: 2012/02/16 22:45
名前: K-10 ◆f62.Id/eYg (ID: r6yRxP5o)

久々にやってきましたw
悠には過去に何かあった感じがありますね〜
そういう登場人物って不思議と惹きつけられる感じがあって
いいですね!

Re: シニガミデイズ ( No.23 )
日時: 2012/02/19 15:52
名前: テテロ (ID: bQbYMR0G)

K−10s≫
ですよねー。
そんで、そういうのをこそこそって
伏線はれるとうれしいのですが、
残念ながら私にそういう才能ないから
悲しいですよねー。


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